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魔女…街に降臨
しおりを挟む優也のマンションの部屋から外へ出たジーナとジーニャはエレベーターに乗って一階へ向かう…
「きゃっ⁉︎ 何か動きだしたわ…」
「ウチも最初…驚いたんやけど、遅い瞬間移動みたいなもんや。すぐ地上に着くからな…」
エレベーターのドアが開いて管理人さんとバッタリ出会う二人…
「あっ!!ジーナちゃん…と?お友達?」
「こんにちは!!管理人さん…ウチの姉ちゃんですねん!!」
「あら…お姉様だったの!!初めまして!!このマンションの管理を任されているものです!!
それと優也さんとティナちゃんとは親子のようなもんよ…よろしくね…」
「まあ!!優也様のお母様のような方…初めましてジーニャと申します。本日はお日柄も良くて…」
「姉ちゃん…お見合いやないんやから…
ウチら行かなアカン所があるんやで!!」
「そ、そうなんです!!ウフフ…今後ともよろしくお願いします。では…ご機嫌よう」
「上品なお姉さんね…じゃあ、またね!!ジーナちゃん。ティナちゃん達にもよろしくね!!」
「はーい!!あっ!!管理人さん…その…コスプレってどこに売ってるか知ってはりますか?」
「コスプレ…?あまり詳しくないんだけど、若い子達が使う言葉ね!あっ!確か…ドント・キーテにあったような…」
「ドント・キーテ?それはどこにあるのですか?」
「街の方よ…あの交差点を右に…」
その頃…得意先へ新年のご挨拶周りをしていた優也は偶然にもドント・キーテの前を歩いていた。
「ふう…そろそろ何処かでお昼ご飯にしようかな…?うん?」
よく見るとドント・キーテに人だかりが出来ている…
「何か安売りをしているのかな?」
一瞬、気にはするが通り過ぎようとする優也…
「良いじゃん…ちょっと位さあ~」
「だから言うてるやん!ウチには殿様がおるからお前らと遊ばへんって…しつこいなあ…」
「えーっと…」
聞き慣れたその声に優也の頭は現実逃避をしようとした…ブルブル…いかんいかん!
よく見ると若い男の子二人と揉めているのはやっぱりジーナ…
横には…ジ、ジーニャさんまで!!
「ちょ、ちょっと…ジーナ!何やってんの!」
「と、殿!…ほら、見てみい!ウチの殿が迎えに来て…」
「ど、どーもすみませんでした!さあ!二人共…行くよ…!」
僕は二人の手を取り、その場から急いで立ち去った…
残された人々は一瞬の出来事に呆気に取られた…
商店街の中を二人を連れて歩く優也…姉妹のその装いにすれ違った人達は次々と振り返る…
優也に見つかった二人は顔を見合わせて少しシュンと落ち込む様子を見せたが…
「あっ!殿!アレは何?」
ジーナはタピオカミルクティーの看板を指差した…
優也は溜息を一つ吐いて、ジーナの物怖じしない態度に笑った。
「流行りの飲み物だよ…飲んでみるかい?」
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