フィギュアな彼女

奏 隼人

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リカのために

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「こんな時に何かしら…とりあえず行かないと…ミヤ、カオリとマイをお願いね…」

「はい…」

ヴェガの三人もダイスケ達を気の毒そうに見ていた…

しかし自分達のメンタルも整えないと…彼女達も葛藤の渦の中に身を置いていた…  



そして取り分け…この状況を一番呪っていたのはダイスケだった…


「くそっ!大事なリカがこんなピンチの時に僕は何も出来ないのか…

せめて装飾品のスパンコールの代わりになるものがこの会場内にあれば…」



目を閉じるダイスケ…いつものリンクのスタジアムが頭に蘇る…

そこには笑顔で宙を舞うリカやミヤ…カオリ…マイの姿が瞼の裏に映し出された。

懸命に手を振って選手達を応援する観客…キラキラと輝く光と歓声に包まれたその応援が彼女達を更に高みへと押し上げる…



ダイスケは目を開いた…


「そうか!この手があった…しかしもう時間が…!!」

僕はシズカさんに向かって…

「シズカさん…リカの衣装のスパンコールは何枚程縫い付けてあったんですか?」

「え、ええっと…150枚位かしら…でも…それがどうしたの…⁉︎」


次にダイスケはアルタイルとヴェガのエリジブルの方を向いて叫んだ…



「リカ…ミキ…それにミヤさん…カオリさんにマイさん…お願いがあります!」




彼女達はダイスケのいきなりの申し出に面喰らった…


「お、お願い…?何かしら…?」

マイは不思議そうな顔をした…




「ちょっと待っててくださいね…すぐに戻りますから…」

ダイスケはすぐ近くの部屋の大会事務局と書かれた部屋に入って行き、彼は確かにすぐに戻ってきた…

手にはコピー用紙の束を持って…


「皆さん…この紙に一人あたり三十枚程、サインしてください!お願いします!」




ダイスケの提案に更に面喰らうコーチと選手達…



ミキは怒りの形相で「アンタ!こんな時に何ふざけてるのよ!いい加減にしなさいよ…!」


いつもならミキには反発するカオリさんまで…
「そうやで!兄ちゃん!なんぼ何でもそんな冗談は悪趣味やわ…」



更にはノブも僕に駆け寄ってきて「い、いくらダイちゃんでもヒドイよ…みんなどうしようか真剣に考えているのに…」




「ノブ…僕は真剣さ…皆さん!僕にちょっとしたアイデアがあります!皆さんのお力を出来るだけで結構です!お貸しください!」






僕はみんなを集めて閃いたアイデアを説明した…







「…なるほど…そういう事だったのね…分かったわ…」

「兄ちゃん…アンタ凄いな!ウチ、アンタを見直したわ…早速協力させてもらうわ!」


リカは他の四人に向かって「すみません!私の為に…よろしくお願いします!」


「僕は応援に来た部員を集めて協力してもらうよう説明してくるよ…」


「すまない!ノブ…頼むよ…」



走って部屋を出て行くノブと入れ違いに悲壮感漂う表情でジュンコーチが部屋に入って来た…


そしてミドリコーチとシズカさんに駆け寄り深々と頭を下げた…




「すみません…衣装が紛失した件は我々ヴェガスクールの責任でした…本当に申し訳ございません!」



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