82 / 92
ネクストステージ
しおりを挟む
カオリがキスクラで堂々と胸を張っているのを見てマイはギュッと拳を握りしめた…
「さあ…行きます!」
マイはリンクの中央で集中する…
マイがゾーン状態だと思っていたのはリカやミヤのそれとは全く本質が違っていた…
彼女は元来感情の起伏が緩やかで例えば必要だと思う練習や勉強なら何十回、何百回繰り返えそうと苦に思わなかった。
其処に在るもの、起こる事象に対して全てを受け入れて真正面から向き合う彼女…
皮肉にもいつもフラットな状態を保っている故に極限状態に追い込んでスイッチが入るミヤや自分の精神の奥底へダイブしてスイッチを入れるリカのようなゾーン状態にはなれなかった…
しかしだからと言って彼女の集中力はゾーン状態を以ってしても勝るとも劣らないものであった…
基本に忠実な美しいトリプルアクセルを見せると自身の演技テーマ「人魚姫」に相応しいスプラッシュを感じさせるような滑りを見せてくれた…
カオリもマイのキスクラでの笑顔を見て決意を新たにした…
「マイマイ…次はきっとウチとアンタで表彰台ワンツーやで。絶対に負けへんしな…!」
ミキはリンク側の通路で…シズカが用意してくれたヨガマットの上で呼吸を整えていた…
そして昨夜のシズカの言葉をもう一度思い出していた…
「ミキちゃん…短時間で修得するのはとても難しいと思う…でもあなたには培ってきた地盤があるわ。あなたも絶対にリカのように自分のスイッチを入れる事が出来るわ…」
「スイッチ…でもどうやって…」
「あなたは本当に素晴らしい人だわ…攻撃的な性格の面と人を思い遣れる面を併せ持っている…
ミドリはきっと貴女こそキャプテンに相応しいと思っているわ…
でも負担軽減の為にもう一人の資格者…ノブくんにわざわざ女子部も纏めて欲しいと全てを任せていると私は思うの…」
「どういう事ですか?」
「あなたは自分の演技の事、コーチの事、サポーターの事、果てはヴェガの選手の後輩にまで考えが及んでいるわ…」
「シズカさん…スケートは決して一人で出来る競技では無いんです!色々な人の支えがあって…そりゃあ…リンクの上では一人きりですけど…」
「それよ!」
シズカの目を輝かせながらの返事にミキは一瞬たじろいだ…
「それ?」
「あなたがリンクの上で一人で闘う時までそんな余計な重荷を背負うことはない…
もっと自分の思うままに…ワガママに…情熱を燃やすのよ…!!
何もかも余計な物を貴女のスケートを愛している情熱の炎で燃やし尽くすの…!!」
「リンクの上では一人…情熱の炎…燃やし尽くす…」
「そう…全てを燃やして灰の中にあるスイッチを押して貴女は階段を上がるの…」
「…私を待っている…ネクストステージへ…」
ミキはリンクへ続く扉に手をかけた…
「絶対に上ってみせるわ…階段を…」
「さあ…行きます!」
マイはリンクの中央で集中する…
マイがゾーン状態だと思っていたのはリカやミヤのそれとは全く本質が違っていた…
彼女は元来感情の起伏が緩やかで例えば必要だと思う練習や勉強なら何十回、何百回繰り返えそうと苦に思わなかった。
其処に在るもの、起こる事象に対して全てを受け入れて真正面から向き合う彼女…
皮肉にもいつもフラットな状態を保っている故に極限状態に追い込んでスイッチが入るミヤや自分の精神の奥底へダイブしてスイッチを入れるリカのようなゾーン状態にはなれなかった…
しかしだからと言って彼女の集中力はゾーン状態を以ってしても勝るとも劣らないものであった…
基本に忠実な美しいトリプルアクセルを見せると自身の演技テーマ「人魚姫」に相応しいスプラッシュを感じさせるような滑りを見せてくれた…
カオリもマイのキスクラでの笑顔を見て決意を新たにした…
「マイマイ…次はきっとウチとアンタで表彰台ワンツーやで。絶対に負けへんしな…!」
ミキはリンク側の通路で…シズカが用意してくれたヨガマットの上で呼吸を整えていた…
そして昨夜のシズカの言葉をもう一度思い出していた…
「ミキちゃん…短時間で修得するのはとても難しいと思う…でもあなたには培ってきた地盤があるわ。あなたも絶対にリカのように自分のスイッチを入れる事が出来るわ…」
「スイッチ…でもどうやって…」
「あなたは本当に素晴らしい人だわ…攻撃的な性格の面と人を思い遣れる面を併せ持っている…
ミドリはきっと貴女こそキャプテンに相応しいと思っているわ…
でも負担軽減の為にもう一人の資格者…ノブくんにわざわざ女子部も纏めて欲しいと全てを任せていると私は思うの…」
「どういう事ですか?」
「あなたは自分の演技の事、コーチの事、サポーターの事、果てはヴェガの選手の後輩にまで考えが及んでいるわ…」
「シズカさん…スケートは決して一人で出来る競技では無いんです!色々な人の支えがあって…そりゃあ…リンクの上では一人きりですけど…」
「それよ!」
シズカの目を輝かせながらの返事にミキは一瞬たじろいだ…
「それ?」
「あなたがリンクの上で一人で闘う時までそんな余計な重荷を背負うことはない…
もっと自分の思うままに…ワガママに…情熱を燃やすのよ…!!
何もかも余計な物を貴女のスケートを愛している情熱の炎で燃やし尽くすの…!!」
「リンクの上では一人…情熱の炎…燃やし尽くす…」
「そう…全てを燃やして灰の中にあるスイッチを押して貴女は階段を上がるの…」
「…私を待っている…ネクストステージへ…」
ミキはリンクへ続く扉に手をかけた…
「絶対に上ってみせるわ…階段を…」
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる