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悲しい音色
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結真はベンチに腰掛けて、優花の話を最後まで聞いてから静かに口を開いた。
「…らしくないね。それって結局、先送りなんじゃないかな?
あんたの口からハッキリと言ったほうがいいんじゃない? 誤魔化すことはあたしは賛成出来ないね。」
「あんたやったらそう言うと思ったわ。
ウチかてこんなんしたないわ!
そやけどな、
何回言うても聞いてもらえへんよってに
仕方ないんや!」
そう言うと優花は公園から走り去ってしまった。
結真には行き先は分かっていた。
正月とはいえ、数組のバンドがスタジオを使っている。公園で練習しているバンドマンが数人いた。
「ふう…」
結真がどうしたらいいか、ベンチでしばらく考えていると、ふと隣のベンチに視線を移した。
自分より年上の女性がギターを弾いている。
ポニーテールを緑のリボンで結んで…どこか悲しい目をしたその女性のギターを聴いて、結衣はふとその音色が気になった。
『悲しい音だな‥』
その時、ギターの女性は何かに気付いたように…近くで同じようにギターを弾いている女の子に話しかける。
「ねぇ…チューニングした?」
「あ、チューナー忘れてしまって…誰かに借りようかな…でも、私…初めて間もないんであまり詳しくないんです。」
「ちょっといいかな…⁉︎」
女性は自分のスマホを操作してプーというデジタル音を聞いた。
そして女の子のギターを受け取って三弦を合わせる。あとはそれに合わせて音階を調節する。
あっという間にチューニングが終了した。
「はい。」
「あ、ありがとうございます。」
「いいギターなんだから毎日チューニングしないとね。」
一部始終を横で聴いていた結真は目を細めて呟く…
「絶対音感…」
優花は翔の部屋の前に来ていた。
意を決してインターホンのボタンを押す。
「はーい。どなたですか?」
結衣は台所で後片付けをしてくれている。
僕がドアを開けると優花さんが立っていた。
僕はニコッと笑って、「あっ優花さん、あけまして…」そう言いかけた直後、優花さんは玄関に膝をついて、
「お願いや、翔ちゃん。なんも言わんとウチと結婚してくれへんか?」
「…らしくないね。それって結局、先送りなんじゃないかな?
あんたの口からハッキリと言ったほうがいいんじゃない? 誤魔化すことはあたしは賛成出来ないね。」
「あんたやったらそう言うと思ったわ。
ウチかてこんなんしたないわ!
そやけどな、
何回言うても聞いてもらえへんよってに
仕方ないんや!」
そう言うと優花は公園から走り去ってしまった。
結真には行き先は分かっていた。
正月とはいえ、数組のバンドがスタジオを使っている。公園で練習しているバンドマンが数人いた。
「ふう…」
結真がどうしたらいいか、ベンチでしばらく考えていると、ふと隣のベンチに視線を移した。
自分より年上の女性がギターを弾いている。
ポニーテールを緑のリボンで結んで…どこか悲しい目をしたその女性のギターを聴いて、結衣はふとその音色が気になった。
『悲しい音だな‥』
その時、ギターの女性は何かに気付いたように…近くで同じようにギターを弾いている女の子に話しかける。
「ねぇ…チューニングした?」
「あ、チューナー忘れてしまって…誰かに借りようかな…でも、私…初めて間もないんであまり詳しくないんです。」
「ちょっといいかな…⁉︎」
女性は自分のスマホを操作してプーというデジタル音を聞いた。
そして女の子のギターを受け取って三弦を合わせる。あとはそれに合わせて音階を調節する。
あっという間にチューニングが終了した。
「はい。」
「あ、ありがとうございます。」
「いいギターなんだから毎日チューニングしないとね。」
一部始終を横で聴いていた結真は目を細めて呟く…
「絶対音感…」
優花は翔の部屋の前に来ていた。
意を決してインターホンのボタンを押す。
「はーい。どなたですか?」
結衣は台所で後片付けをしてくれている。
僕がドアを開けると優花さんが立っていた。
僕はニコッと笑って、「あっ優花さん、あけまして…」そう言いかけた直後、優花さんは玄関に膝をついて、
「お願いや、翔ちゃん。なんも言わんとウチと結婚してくれへんか?」
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