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ウェディングイベント
しおりを挟む「向こうの部屋の露天風呂に結真が入ってんねん。湯船に二人は狭いよってにウチはこっちに入らしてもらいますわ。翔ちゃん、背中流してくれへん?」
「だ、ダメですよ。ちょっと外に出てきますね。」
「あっ!どこ行くんや?ウチを一人にするつもりか?」
ロビーに結衣と一緒に飛び出した僕は旅館の方に呼び止められた。
「今日はお越し頂きありがとうございます。
私は、こちらの女将をやらせて頂いております。
神先生には昔からお世話になっております。
明日のウエディングイベントの方、よろしくお願い致します。」
女将…神先生…
なるほど…
きっと神先生というのは千花さんのことのようだ。
そして女将さんは日本舞踊のお弟子さんということか。
ただウエディングイベントというのがよく分からない。僕はこのイベントについて女将に伺った。
これから結婚式を挙げる予定のカップルを招いて、モデルさんに擬似結婚式を挙げてもらうイベントらしい。
このイベントのモデルを僕らにやって欲しいということだった。
そうか…お手伝いと言うのはこういうことだったのか…
えっ!ということは僕が新郎役?新婦役は…
横で結衣が満面の笑みを浮かべる。
「ああ、翔くんと嘘でも結婚式を挙げられるなんて…」
結衣の瞳のキラキラ感が半端ない。
ただ、この話を結真と優花さんにしなかった場合…
「なんだよ、あたしとは結婚式できないってか?」
「翔ちゃん、ウチと結ばれるんは嫌なんか?」
恐ろしすぎて考えるのをやめた僕は結衣に
「とりあえずみんなで相談しないとね…」
「あーあ。」結衣の瞳のキラキラが消えた…
部屋に戻った僕はみんなにウエディングイベントのことを話した…
「えっ、結婚式…」結真は照れて真っ赤になった。
「お母はん、ニクい演出を…ウチに奈良で結婚式を挙げて夫婦になって帰ってこいっていうことやな!よっしゃ、ウチがこの話を受けるで!」
結衣は二人の秘密だったのに…とちょっと元気が無い。……みんな大体予想通りの反応だな。
誰が言い出したのかまたまたジャンケンで決めようとなってしまった。
「私、負けないよ。」
「ジャンケンなら任せてくれよ。」
「ウチの全てをこのジャンケンにかけるで。」
この件《くだり》、さっきも聞いたような…
「さーいしょはグー。ジャンケーン…」
「ちょっとちょっと、待ってください。」
「翔ちゃん、なんで止めるんや。あっ!ウチと結婚式したいんか?指名やな。」
「そうじゃなくて、モデルさんって男女一人ずつと決まってるんですかね?まだ何も詳しく聞いてないのに、僕達で勝手に決めても…」
「あんたの言う通りだね。ここは聞いてみようよ。」
女将さんを探して、僕達はイベントについてちゃんと説明を受けることにした。
明日の朝から旅館の裏手の神社で和装の結婚式、洋館の庭でガーデンウエディング、そして、洋館の中で披露宴のケーキカットをやるらしい。
モデルさんはいつもは男女一人ずつでやるらしいが、新婦役はシチュエーションによって変わっても良いということである。
つまり、和装、ガーデン、披露宴と新婦三人が一つずつやれば僕達全員がお手伝いできるということだった。
結衣も結真も優花さんも全員花嫁衣装が着れるとこれには喜んだ。
お風呂好きの結衣と優花さんは明日のウエディングの話題で盛り上がったまま、大浴場へ一緒に入って行った。
僕が部屋でタウンマップを開いて観光情報を見ていると部屋のチャイムの音が鳴った。
ドアを開けると結真が立っていた。
「なあ、ちょっと外に出ないか?」
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