sweet sweet pain〜幸せになるためのstory〜

奏 隼人

文字の大きさ
116 / 134

不思議な感情

しおりを挟む
休日…久しぶりに結衣と鴨川デートをしている。

夕陽がさざ波に反射した眩しさに目を細めた。

「翔くーん!!」

結衣が飲み物を買って戻ってきた。

僕はお店であったことを結衣に話す。

「じゃあその二人は結婚して頑張ろうと思ってくれたんだ!翔くんが背中を押してあげたんだね。
あーん。やっぱり優しいなぁ。大好き!」

そう言って結衣は腕に抱きついている。

「あ、そうそう。はい、これお姉ちゃんから!!」
そう言って結衣はチケットを僕に二枚手渡した。

「余ったから誰かに一枚あげてって。私の分は貰ったよ。」次の月曜日の夕方、steedのライブがある。毎回ライブをするたびにお客さんは結構多くなってきていた。定休日だし、トモヤでも誘おうかな?






夜の営業時間と後片付けが終わって僕は帰宅しようと着替えて厨房の親父さんと客席にいた雪さんに「お疲れ様でした。」と声をかけた。

外に出たところで

「ちょっと待って。翔くん…」と雪さんが僕を呼び止めた…

「は、はい…」

雪さんは少し緊張した感じで「あ、あのね。翔くん、次の月曜日は何か予定がある?」

その日がsteedのライブの日だと思い出した僕は「あっ、ちょっと行くところが…どうかしたんですか?」

雪さんは少しガッカリした様子で

「あっ、それなら仕方ないね。実は父さんがたまには翔と一緒に遊びに行ったらって…父さんが言ったんだからね!!」 


親父さん、そんなに強く推したのか…?あっ!!


僕はライブのチケットが二枚あることに気づいて
「雪さん、これ…一緒に行きませんか?」
と差し出した。

雪さんは少し考えて…
「翔くんと一緒なら行こうかな?」と言ってくれた。

「知り合いが出るんです。」

「この間お店に来てくれた子ね。楽しそうにギターを弾く…私、羨ましかった。でも最近ちょっと楽しいことがあって。もう一度聴いてみたいな。あの子のギター。」

「結真のギター、聴かれた事あるんですか?」

「前に父さんの知り合いの人の会社のイベントの給仕を手伝いに行ったのよ。その時に一度ね。」

そうか!それで僕は雪さんを見かけた事があったのか。

「ライブ配信したのがネットにアップしてあります。よければまた聴いてみて下さい。」

「分かったわ。じゃあ楽しみにしてるわね。」




雪は自分の気持ちに少し驚いていた。以前なら他の人のギターなんて聞きに行く気になんてならなかった。

でも…本当に翔となら、聴いてみようかな?と思った自分がそこにあった。


彼女自身に不思議な感情が確かに生まれていることを実感した瞬間であった。





その頃…関西国際空港には…自分のオフィスで結真のライブ配信を何度も見ていた女性の姿があった。

黒服の二人の男と一緒にゲートに到着した。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

妖精王の住処

穴澤空
キャラ文芸
 一人暮らしの会社員葉月弥生は、庭付きの賃貸アパートに住んでいる。そこでガーデニングをするのが、彼女の楽しみだった。  ある日通販で購入したバラの苗に、手のひらサイズの妖精の王が昼寝をしているまま届いてしまう。その妖精王は目を覚ますと「妖精王オベロンの後継である、妖精王オールベロン」と名乗った。彼は弥生の作る庭とご飯を気に入り、弥生と生活を共にすると決めてしまう。そこから、二人の生活が始まり――。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

あやかしたちのとまりぎの日常

彩世幻夜
キャラ文芸
吉祥寺は井の頭公園界隈の一画で、ひっそりと営業するダイニング・バー【ペルシュ】に訪れるお客の大半はひとではないもの、いわゆるあやかしたち。 勿論店の店主や店員もまた人ではない。 そんな店でバイトをするとある専門学校生とあやかしたちが織りなす〝日常(?)〟物語

烏の王と宵の花嫁

水川サキ
キャラ文芸
吸血鬼の末裔として生まれた華族の娘、月夜は家族から虐げられ孤独に生きていた。 唯一の慰めは、年に一度届く〈からす〉からの手紙。 その送り主は太陽の化身と称される上級華族、縁樹だった。 ある日、姉の縁談相手を誤って傷つけた月夜は、父に遊郭へ売られそうになり屋敷を脱出するが、陽の下で倒れてしまう。 死を覚悟した瞬間〈からす〉の正体である縁樹が現れ、互いの思惑から契約結婚を結ぶことになる。 ※初出2024年7月

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

【完結】これはきっと運命の赤い糸

夏目若葉
恋愛
大手商社㈱オッティモで受付の仕事をしている浅木美桜(あさぎ みお)。 医師の三雲や、経産省のエリート官僚である仁科から付き合ってもいないのに何故かプロポーズを受け、引いてしまう。 自社の創立30周年記念パーティーで、同じビルの大企業・㈱志田ケミカルプロダクツの青砥桔平(あおと きっぺい)と出会う。 一目惚れに近い形で、自然と互いに惹かれ合うふたりだったが、川井という探偵から「あの男は辞めておけ」と忠告が入る。 桔平は志田ケミカルの会長の孫で、御曹司だった。 志田ケミカルの会社の内情を調べていた川井から、青砥家のお家事情を聞いてしまう。 会長の娘婿である桔平の父・一馬は、地盤固めのために銀行頭取の娘との見合い話を桔平に勧めているらしいと聞いて、美桜はショックを受ける。 その上、自分の母が青砥家と因縁があると知り…… ━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆ 大手商社・㈱オッティモの受付で働く 浅木 美桜(あさぎ みお) 24歳    × 大手化粧品メーカー・㈱志田ケミカルプロダクツの若き常務 青砥 桔平(あおと きっぺい) 30歳    × オフィスビル内を探っている探偵 川井 智親(かわい ともちか) 32歳

記憶なし、魔力ゼロのおっさんファンタジー

コーヒー微糖派
ファンタジー
 勇者と魔王の戦いの舞台となっていた、"ルクガイア王国"  その戦いは多くの犠牲を払った激戦の末に勇者達、人類の勝利となった。  そんなところに現れた一人の中年男性。  記憶もなく、魔力もゼロ。  自分の名前も分からないおっさんとその仲間たちが織り成すファンタジー……っぽい物語。  記憶喪失だが、腕っぷしだけは強い中年主人公。同じく魔力ゼロとなってしまった元魔法使い。時々訪れる恋模様。やたらと癖の強い盗賊団を始めとする人々と紡がれる絆。  その先に待っているのは"失われた過去"か、"新たなる未来"か。 ◆◆◆  元々は私が昔に自作ゲームのシナリオとして考えていたものを文章に起こしたものです。  小説完全初心者ですが、よろしくお願いします。 ※なお、この物語に出てくる格闘用語についてはあくまでフィクションです。 表紙画像は草食動物様に作成していただきました。この場を借りて感謝いたします。

処理中です...