sweet sweet pain〜幸せになるためのstory〜

奏 隼人

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東京

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僕がコンクールに出て調理をした日の午後…評価員達はコンクールのグランプリの選考をしていた。

評価員達は「私はシェ・ケイゾウの調理師が良いと思います。何と言っても、二つ星ですからね。誰もが認めるレストランからの推薦ですから。」

「ホテル・ハギワラの調理師もなかなかですよ。」と色々な意見を口々に話している。

「委員長のご意見はいかがでしょうか?」

長門氏は堂々とした口調で話す…

「私は『洋食のミヤサキ』の調理師のポークソテー が素晴らしいと思いました…」

「ミヤサキ…?はて…私は存じ上げませんな。」

「ポークソテー よりもトリュフを使ったあのソースの方が…」






数日後、お店に一通の手紙が届いた。

僕の〝ポークソテー リンゴソース添え〟は審査員特別賞を受賞した。

親父さんと雪さんはすごく喜んでくれた。

「何か褒美を出さないとな。翔、欲しいものは無いかい?」

僕はしばらく考えて…そして…

「親父さんにお願いが一つあるんです…」





それからしばらくして、一人の男性がお店を訪れた。見覚えのある人物だった。彼は親父さんと奥の部屋に入って行った。

「お久しぶりです。親父さん。」

「ああ、ぼちぼち来る頃だとは思ってたよ。」

「流石は親父さんですね。じゃあ、大体は私の用は分かって頂いてますね。」

「ああ。長門、翔をお前に預けてみないかって言うんだろ。」

「その通りです。私は…現在いま、親父さんが若い子を育てている事自体に驚きました。

彼は東京の店で色々な技術を学んだら、きっと一流の調理師になれます。親父さんに調理のイロハを学んだ私が言うんですから間違いない。

彼のあのポークソテーを食べた時、彼から親父さんと同じものを感じました。すごく大事に育てておられるのがよく分かります。

私はグランプリに推しましたが、やはり有名レストランからの推薦の調理師が…悔しいです。宮田君に是非、一流の経験を積ませてあげたいです。」

親父さんは一つ大きな息を吐く。

「しかしな長門、これはアイツの決断だ。
俺がとやかく言う筋合いもない。俺から一度アイツに話してみるよ。すまねぇな、アイツのために。俺からも礼を言うよ。」

「どうかよろしくお願いします。ご連絡お待ちしております。」そう言って長門氏は名刺を置いてお店を後にした。



その日の営業時間が終わり…お客さんが店を後にすると、何時にもなく神妙な面持ちをした親父さんは僕に

「翔、ちょっといいか?話があるんだ。」
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