7 / 105
深い愛情
しおりを挟む「はい…!!あなた…お弁当ですよ。」
「あ、ありがとう…ティナ!!」
ティナというのは彼女のニックネームだ。
小さい頃からずっと周りの人達からそう呼ばれていたらしい。
「うーん!!昨日の夕飯はカレーだったから今日はカレーうどんにしてみましょうか…?
まだお給料日まで少しありますから節約しないとですね…
じゃあ…今日もお仕事頑張ってくださいね!!」
「うん…じゃあ…行ってくるよ…」
もう僕の生活は彼女抜きでは成り立たなくなっていた…
そんなある日のこと…
「ティナ…お願いがあるんだけど…」
「はい…?なんでしょうか?」
「僕の両親に会って貰えないかな?」
突然、ティナの表情が曇る…
「わ、私が優也さんのご両親に…?お会いして…何か失礼なことにならないでしょうか?」
「ははは…大丈夫だよ。実はね、もう随分前からお付き合いしている女性がいるなら家に連れて来なさいって言われてて…
ティナを紹介したら親も安心すると思うんだ…どうかな?」
「でも…こんな素性の分からない女とお付き合いを許して貰えるでしょうか?」
「まあ…言えない事は隠すしかないけど…
でもね、ティナ…君がどんな女性か、どんな人かは一緒に生活して君の素晴らしさを一番分かっているのは僕だよ。
だから誰に反対されようが僕は…その…き、君と結婚したいって…思ってるんだよ…」
「まあ…優也さん…」
「ま、まだお金もそんなにないけどね…マンション買っちゃったしね…しばらくは節約生活だね…」
「分かりました!!私、ご両親にご挨拶させて頂きます。私も優也さんとずっと一緒にいたいから…」
「ティナ…ありがとう!親父もお袋も喜ぶよ…」
そして次の休日…ティナを連れて実家へ帰ることになった…
「こんにちは…初めまして…プラティナと申します…優也さんとお付き合いさせて頂いております。
本当はもう少し早くにご挨拶にお伺いさせて貰わなければいけなかったのですが、忙しさにかまけてしまって…何卒ご容赦ください。」
親父とお袋はティナの容姿端麗さと上品で流暢な言葉遣いに驚いてしまった…
「あ…あの…ご丁寧にどうも…こちらこそ…うちの息子がお世話になっております。」
お袋は親父の腕をチョンチョン突いて何かを言わせようとしているようだった…
「プラティナさん…その…息子とは…結婚を前提として…ということですね。」
僕達は顔を見合わせて「え、ええ…まだ結婚資金が…でも、ゆくゆくは二人ともそのつもりです。」
「ご家族はなんて仰ってるんですか?」
「家族は…その…い、いないんです…」
ティナの言葉に親父とお袋は仰天して「そ、そうなんですか…知らない事とはいえ、とんだ失礼を…おい!優也!そうならそうと…」
「ご、ごめんごめん。そんな事、すぐに聞くなんて思わなくて…」
お袋は親父に小さな巾着袋を手渡した…そして…
「優也…これを…」
親父がその巾着袋をまた僕に手渡した…
その袋を開けて中を覗き込んでみるとそこに入っていたのは通帳と印鑑だった…
「親父…これ…」
「いいから持っていけ!!
プラティナさんと幸せになるんだぞ!!」
僕の目には涙が溢れる…
ティナも大きな瞳から大粒の涙が溢れ出る。
優也の両親の深い愛情と故郷の両親のことを思い出してプラティナは涙が止まらなかった…
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
異世界転生したおっさんが普通に生きる
カジキカジキ
ファンタジー
第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位
応援頂きありがとうございました!
異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界
主人公のゴウは異世界転生した元冒険者
引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。
知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
いいえ、望んでいません
わらびもち
恋愛
「お前を愛することはない!」
結婚初日、お決まりの台詞を吐かれ、別邸へと押し込まれた新妻ジュリエッタ。
だが彼女はそんな扱いに傷つくこともない。
なぜなら彼女は―――
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる