奥さまは魔王女

奏 隼人

文字の大きさ
19 / 105

博愛

しおりを挟む

「ティナ…しかしな、ちょっと困った事があるんじゃ。
ワシも…もういい歳じゃ。このまま国王の職を務め続けることは出来ない…

かといって人間の婿殿に押し付ける訳にはいかん…

ワシとシルヴァは婿殿の人となりを理解出来たが、国民は人間が自分達の上に立つという事が気に喰わない者も居る筈じゃ…

ミスとリルが大きくなってこの国を任せるまでにはちと時間がな…」



「分かりました!お父様…では、私が王女としてこの国を治めます!」



「し、しかしのう…ジュエラ王国も、他の二国も普通は王は男性が…」

「いいじゃありませんか?あなた…」

「シルヴァ…」


「私達の娘、ティナならやってくれますよ…あんなに素敵な旦那様を見つけてきたんですもの…視界の狭かった私達よりもずっと素晴らしい事をこの国にもたらせてくれる筈です…」


「そうなの…お父様…私、いつか人間界と私達、魔界が仲良く出来るようにしたい…

私、考えたわ…何故人間界と魔界が仲良く出来なかったのかを…お互いに知ってもらう努力をしてないからよ…

人間は魔法使いを恐れて魔女狩りなどを繰り返してきた…私達はそれを恨みに思って人間を下等動物だと思って来た…これじゃ仲良く出来る筈ないわ…

私のダーリン…優也さん達、人間は魔法使いより非力で魔法を使えない…でも一つだけ私達より素晴らしいものを持っている…」

「ほう…それは…一体何じゃ?」

「人の気持ちを理解して寄り添う…博愛の精神です。この何百年の間に人間はお父様やお母様が言われる野蛮で自分勝手な種族からお互いの事を思い遣る事の出来る素晴らしい種族に進化してます…

優也さんの周りにはそんな優しさで溢れた人ばかりで私が人間界でお世話になった方は私を大切にしてくださる方しかおられませんでしたよ…

彼が優しくて素晴らしい心を持っているのも納得がいく筈です。」

「なるほどのう…」

「私、人間の素晴らしい旦那様がいることを国民に伝えます…そして私が幸せな事を見てもらう事で人間と私達が共存していけると証明していくつもりです…旦那様にも協力して貰いますわ…」

「勿論だよ…ティナ…僕はこの世界の事は何も理解《わか》らないけど、君が困った時には二人で力を合わせて乗り越えて行こう…」

「ティナ…お前は立派になったのう…婿殿…本当にありがとう!!感謝しておるぞ!!

あいわかった!!それでは国王はティナ…大臣はラリー!お前に任せる…」

「ええっ!!兄上…」

「お前もいい歳だが…ティナと婿殿…これからのジュエラ王国が繁栄するように後見役として導いてやってくれ…」

「兄上…兄上とシルヴァさんはこれからどうするのですか?」

「そんな事は決まっているではないか…ティナは婿殿の所に嫁いだとはいえ、国王の仕事にミスとリルを連れて王宮に来るだろう…ワシとシルヴァはミスちゃんとリルくんのお世話をするのじゃよ…ははは…のう、シルヴァよ!」

「ええ、これから毎日が楽しくなりそうだわ!」


こうして僕の奥様は魔界の国の王…魔王女となった…

また素敵な家族が増えて僕は本当に嬉しかったが、魔界と繋がりが出来た事でとんでもないドタバタ劇に巻き込まれていく事をこの時の僕はまだ知らなかった…
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります> 政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・? ※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

異世界転生したおっさんが普通に生きる

カジキカジキ
ファンタジー
 第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位 応援頂きありがとうございました!  異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界  主人公のゴウは異世界転生した元冒険者  引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。  知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

いいえ、望んでいません

わらびもち
恋愛
「お前を愛することはない!」 結婚初日、お決まりの台詞を吐かれ、別邸へと押し込まれた新妻ジュリエッタ。 だが彼女はそんな扱いに傷つくこともない。 なぜなら彼女は―――

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

処理中です...