奥さまは魔王女

奏 隼人

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未来眼

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彼女は…愛ちゃんは祈祷の儀をそつなく終えた後、
僕とティナの元へと歩み寄ってきた…

「優也くん…この間はどうも…こちらが奥様のプラティナ王女ね。」

彼女は全てを知っているようである。

「だから…こないだはまたねと言ったんだね。

今日…出会うの知ってたから…」

「あら…違うわよ…

私、貴方が結婚する相手もここで今日、会う事もずっと前に分かっていたの。

そう…もうあなたと私が高校生の時にね。」

「え…⁉︎」

「私の家、神社だったでしょ。家業を継ぐために人間界で一定期間、修業で未来眼を磨いていたの。」

「未来眼?」

「そう…自分や全ての未来を見通せる力…だから貴方の未来と私の未来はここでしか交わらないことはもう分かっていたの…」

「そうか…だから…」



「ちょ、ちょっと待って下さい…」

僕と愛ちゃんの話を黙って聞いていたティナが我慢出来なくなって思わず口を挟んだ…

「あの…愛さん…?」

「こちらの世界ではアイと呼んで頂いて結構ですよ…私もティナさんとお呼びした方がいいのかしら…」


愛ちゃんはプラティナの愛称まで知っている…どうやら全てを知っているのは本当のようだ…


「ダーリ…優也さんはその…ハ、ハグしないと寂しい病という病気にかかっているんです。だからちょっと王宮に連れて帰りますね…

今日は本当にありがとうございました。ミス、リル、行きますよ…」


そう言ってティナは指を鳴らして僕達を王宮の中に瞬間移動した…


その場に残されたアイはクスッと笑って微笑んだ…

そして他の参列者に挨拶をして従者と一緒に帰って行った。




「ダーリン…」

しかめっ面で僕を睨むティナ…


「綺麗な人…しかも『元カノ』…!!

やっぱり居たんじゃない!!

オマケに沢山話しちゃって…」


「ま、待ってよ…そりゃあ昔の同級生だし、懐かしい話位するよ…」

「でも…お付き合いしてたんでしょう…?

…その…キ、キスとかは?」


「な、ないよ…ないない…」


僕はティナをギュッと抱きしめて

「高校生の時なんて恋に憧れるものさ…大人になって、この人とずっと人生を歩んで行きたい…そう思う人と結婚する。それがティナ…君だよ。僕には君しかいないよ。」

「…本当に⁉︎」

「勿論だよ…ティナ…

何故、僕が大切な君に嘘をつかなくちゃならないんだい…?」


ティナは満面の笑みを浮かべた。

「キャー!ダーリン!そうよね。これは神様がお互いの愛の深さを再確認させるために二人に課した試練だわ!でも私達は負けない!ね、ダーリン!」そう言ってティナも僕をギュッと抱きしめた…

その時、ティナのスカートを引っ張る小さな手が…

「ママー!おなかすいたよー!」「ペコペコだよー!」ミスとリルが僕達を見つめていた…

「そ、そうね…すぐにお昼にしましょうね!」ティナは慌ててダイニングフロアへと向かって行った…



でも…ティナ…

僕がハグしないと寂しい病って…一体…?
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