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幼き日の姉弟
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「パルテ!パルテはおるか?」
エクスは激昂しながら城の中を探した…
「どうした…私はここだが…」
「おいっ…!!」
パルテが姿を見せた次の瞬間…エクスはパルテの胸ぐらを掴んだ…
「そなたの未来眼の結果とは違ったぞ。何故、ジュエラの王女達がソーディアに…」
パルテはエクスの手を払いのけ、セクシーにはだけた服を直しながら彼女に言い放った。
「フン!!そなた…真っ直ぐ国王の元に向かったのか?」
「いや、途中でソーディア王子と戦闘に…」
「バカ者!未来はちょっとした事で変わっていく…時系列に影響を与えないようにするのは常識ではないか!」
「何だと…」
「まあまあ…お二方…如何でしょう…ここは私が用意させて頂いた秘密兵器を出そうと思うのですが…
ただ召喚にはお二人が持っておられる強大な魔法力が必要なのです…ご協力頂けますでしょうか?」
「あ、ああ…分かった分かった…」
イミテの言葉に落ちつきを取り戻し、二人は頷いた…
「じゃあ…行ってくるよ…」
「気をつけてね…ダーリン…!!」
ティナにソーディア王の側に付いていて貰うと…ナギさんと僕はムラサメを探して森の奥へと歩みを進めた…
あれ以来…ナギさんはずっと俯いている…
仕方ない…
いくら姉と言えど彼の悩みを全て受け止める事なんて…
「あっ…ナギさん…あれ…!!」
森の奥深くでやっと見つけた彼は両手に刀を持ち、一の太刀で太い幹の木を切り裂いて二の太刀で枝を落とす訓練をしていた…
「ムラサメ…」
「…何しに来たんや?まさか兄ちゃんが姉ちゃんと一緒になってソーディアを守ってくれるんか…?
そんならええわ…
兄ちゃんは父ちゃんの折り紙付きやしな…」
「そんな事しないさ…」
「なんやて…?」
「この様子じゃソーディアはもうすぐ陥落する…そんな弱々しい王子と優しいだけの王女しかいないこの国はな…そうなったらこの国はジュエラの支配下にしてお前達は家来となるだろうな…まあ、悪く思うなよ…」
「貴様ぁ…人間のくせに言わせておけば…」
優也とムラサメは対峙する…しかし、何故か
ナギはそれを止めようとはせず俯いて黙っていた。
「はあっ!!」
優也はヴァルプルギスモードになった…
そのタキシード姿と紅い瞳にムラサメとナギは驚いた…
優也は自分の周りにバリヤーを張った…そしてムラサメに攻撃魔法を放った…
ムラサメは優也の攻撃魔法を刀でいなして斬りかかる…しかしバリヤーに阻まれてその刃が通る事は無かった…
「マズい!!この前と一緒や…ここからジリジリと…」
優也は自分の背後で俯いているナギに背中越しに伝えた…
「ナギ…!!」
「はっ…はい!!」
「このままだとムラサメはオレにやられるのを待つのみだ…
お前はそれでもいいのか…?
思い出すんだ…!
幼い日にムラサメと過ごした日を…!!」
その言葉にナギは草原をムラサメと二人で駆けていた幼い頃を思い出した。
「あははは…ねーちゃーん!!
ちょっとまってーな!!…あっ!!」
転んだムラサメをナギは優しく抱き起こす…
「うふふ…ムラサメ…けがはなかった?」
「あいたた…ちょっとヒザをすりむいたわ!!」
「しょーがないわね…ほら!!」
ナギはムラサメをおぶって夕焼けの中を王宮に向かって帰っていく…
「おねーちゃんがずっとムラサメをまもってあげるからね…」
足元から長く伸びる影にナギは誓った…
「リーファ!!」
ナギは消耗し、膝をついたムラサメを庇うように優也に対峙した…
そしてバリヤーに対して周りの木々の葉を魔法で全て刃と変えた…
葉の刃は優也のバリヤーに楔のように打ち込まれた…
「ムラサメ…今よ!!」
「姉ちゃん!!……うぉぉぉぉぉ!!」
一の太刀の一振りが真空波となり、バリヤーへと刺さったナギの刃の楔を更に打ち込んだ…
優也のバリヤーは崩れ去り…二の太刀の真空波が優也を狙う…
「うっ…ク、クロノ…」
優也は時間を止めてなんとか刃をかわした…
一気に魔法力を消費した優也は元の姿に戻り、地面に膝をついた…
「くっ!!」
「やったで!!そら、もう一発やで!!」
「やめて…ムラサメ…
優也さんは全部…全部分かって…あなたを…
うううう…」
ナギはそう言って泣き出してしまった…
「姉ちゃん…」
ナギは優也の言葉が全部偽りだとムラサメに明かした…
「なんや…そしたら兄ちゃんはワイと姉ちゃんが協力してソーディアを守るように…」
「はぁ…はぁ…僕は国王様に少しずつでもご恩返ししないと…でも、最終的にこの国を守っていくのは君達…姉弟だからね…
国王様もきっと君達が手を取り合って国を守って行くのを望んでおられるはずだよ…」
「おっ!!なんや兄ちゃん…さっきは姉ちゃんの事、呼び捨てにして、えらいワイルドになったと思ったけどやっぱり優しい男やな…ワッハッハッハッ!」
「私もビックリしました…あんな男っぽい優也さん初めて…私の事をお前って…嬉しかった…まだドキドキしてます…」
「いや、その…あれは…そういうつもりじゃなくて…」
「ワハハハハ…兄ちゃんと姉ちゃんはホンマにお似合いやで…ワハハハハ…」
真っ赤になる二人を見て高らかに笑うムラサメ…
いつかのマサムネの言葉がムラサメの胸に蘇る…
…ムラサメよ…
人間はワシらより弱いと思うか…⁉︎
…父ちゃん…父ちゃんの言ってた事の意味がちょっとだけ分かってきたわ…
いつかワイも父ちゃんやあの兄ちゃんのように…
森の中から空を見上げたムラサメの顔は穏やかに晴れ渡っていた…
エクスは激昂しながら城の中を探した…
「どうした…私はここだが…」
「おいっ…!!」
パルテが姿を見せた次の瞬間…エクスはパルテの胸ぐらを掴んだ…
「そなたの未来眼の結果とは違ったぞ。何故、ジュエラの王女達がソーディアに…」
パルテはエクスの手を払いのけ、セクシーにはだけた服を直しながら彼女に言い放った。
「フン!!そなた…真っ直ぐ国王の元に向かったのか?」
「いや、途中でソーディア王子と戦闘に…」
「バカ者!未来はちょっとした事で変わっていく…時系列に影響を与えないようにするのは常識ではないか!」
「何だと…」
「まあまあ…お二方…如何でしょう…ここは私が用意させて頂いた秘密兵器を出そうと思うのですが…
ただ召喚にはお二人が持っておられる強大な魔法力が必要なのです…ご協力頂けますでしょうか?」
「あ、ああ…分かった分かった…」
イミテの言葉に落ちつきを取り戻し、二人は頷いた…
「じゃあ…行ってくるよ…」
「気をつけてね…ダーリン…!!」
ティナにソーディア王の側に付いていて貰うと…ナギさんと僕はムラサメを探して森の奥へと歩みを進めた…
あれ以来…ナギさんはずっと俯いている…
仕方ない…
いくら姉と言えど彼の悩みを全て受け止める事なんて…
「あっ…ナギさん…あれ…!!」
森の奥深くでやっと見つけた彼は両手に刀を持ち、一の太刀で太い幹の木を切り裂いて二の太刀で枝を落とす訓練をしていた…
「ムラサメ…」
「…何しに来たんや?まさか兄ちゃんが姉ちゃんと一緒になってソーディアを守ってくれるんか…?
そんならええわ…
兄ちゃんは父ちゃんの折り紙付きやしな…」
「そんな事しないさ…」
「なんやて…?」
「この様子じゃソーディアはもうすぐ陥落する…そんな弱々しい王子と優しいだけの王女しかいないこの国はな…そうなったらこの国はジュエラの支配下にしてお前達は家来となるだろうな…まあ、悪く思うなよ…」
「貴様ぁ…人間のくせに言わせておけば…」
優也とムラサメは対峙する…しかし、何故か
ナギはそれを止めようとはせず俯いて黙っていた。
「はあっ!!」
優也はヴァルプルギスモードになった…
そのタキシード姿と紅い瞳にムラサメとナギは驚いた…
優也は自分の周りにバリヤーを張った…そしてムラサメに攻撃魔法を放った…
ムラサメは優也の攻撃魔法を刀でいなして斬りかかる…しかしバリヤーに阻まれてその刃が通る事は無かった…
「マズい!!この前と一緒や…ここからジリジリと…」
優也は自分の背後で俯いているナギに背中越しに伝えた…
「ナギ…!!」
「はっ…はい!!」
「このままだとムラサメはオレにやられるのを待つのみだ…
お前はそれでもいいのか…?
思い出すんだ…!
幼い日にムラサメと過ごした日を…!!」
その言葉にナギは草原をムラサメと二人で駆けていた幼い頃を思い出した。
「あははは…ねーちゃーん!!
ちょっとまってーな!!…あっ!!」
転んだムラサメをナギは優しく抱き起こす…
「うふふ…ムラサメ…けがはなかった?」
「あいたた…ちょっとヒザをすりむいたわ!!」
「しょーがないわね…ほら!!」
ナギはムラサメをおぶって夕焼けの中を王宮に向かって帰っていく…
「おねーちゃんがずっとムラサメをまもってあげるからね…」
足元から長く伸びる影にナギは誓った…
「リーファ!!」
ナギは消耗し、膝をついたムラサメを庇うように優也に対峙した…
そしてバリヤーに対して周りの木々の葉を魔法で全て刃と変えた…
葉の刃は優也のバリヤーに楔のように打ち込まれた…
「ムラサメ…今よ!!」
「姉ちゃん!!……うぉぉぉぉぉ!!」
一の太刀の一振りが真空波となり、バリヤーへと刺さったナギの刃の楔を更に打ち込んだ…
優也のバリヤーは崩れ去り…二の太刀の真空波が優也を狙う…
「うっ…ク、クロノ…」
優也は時間を止めてなんとか刃をかわした…
一気に魔法力を消費した優也は元の姿に戻り、地面に膝をついた…
「くっ!!」
「やったで!!そら、もう一発やで!!」
「やめて…ムラサメ…
優也さんは全部…全部分かって…あなたを…
うううう…」
ナギはそう言って泣き出してしまった…
「姉ちゃん…」
ナギは優也の言葉が全部偽りだとムラサメに明かした…
「なんや…そしたら兄ちゃんはワイと姉ちゃんが協力してソーディアを守るように…」
「はぁ…はぁ…僕は国王様に少しずつでもご恩返ししないと…でも、最終的にこの国を守っていくのは君達…姉弟だからね…
国王様もきっと君達が手を取り合って国を守って行くのを望んでおられるはずだよ…」
「おっ!!なんや兄ちゃん…さっきは姉ちゃんの事、呼び捨てにして、えらいワイルドになったと思ったけどやっぱり優しい男やな…ワッハッハッハッ!」
「私もビックリしました…あんな男っぽい優也さん初めて…私の事をお前って…嬉しかった…まだドキドキしてます…」
「いや、その…あれは…そういうつもりじゃなくて…」
「ワハハハハ…兄ちゃんと姉ちゃんはホンマにお似合いやで…ワハハハハ…」
真っ赤になる二人を見て高らかに笑うムラサメ…
いつかのマサムネの言葉がムラサメの胸に蘇る…
…ムラサメよ…
人間はワシらより弱いと思うか…⁉︎
…父ちゃん…父ちゃんの言ってた事の意味がちょっとだけ分かってきたわ…
いつかワイも父ちゃんやあの兄ちゃんのように…
森の中から空を見上げたムラサメの顔は穏やかに晴れ渡っていた…
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