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プロローグ
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聞いてくれとは言わないさ。でも、共感を得られたら嬉しい。
テレビや小説、漫画なんかで“こんな現実なんかうんざりだ”とか“平凡な毎日をただ送りたいだけなんだ”とか“普通で生きていけることが何より幸せだ”なんて言うセリフをしばしば目にしたり耳にしたりすることがあるけれど、俺はその悩みが羨ましい。
現実はテレビや小説などの物語と違って、ほとんどの人が平凡な人生であり、普通であり、不変的で退屈なものだから。
毎日が非日常だったら……。
まあ、非日常と言っても色々あるけれど、生物的なよくある話を例に代表例を挙げれば、世界は妖怪や怪物などの魑魅魍魎が大暴れし、グリフォンやケンタウロスなどの幻獣種や、果ては天使や悪魔といった、現実世界ではまずお目にかかれないような悪鬼羅刹が跳梁跋扈していたり、現在の人間世界のルールからでは到底想像もつかないようなものに変わってしまっているかもしれない。いま目で見ている光景とは全く違う風景の世界になっているのかもしれない。いや、そもそも人は滅んでいるかも……。
なんて何の根拠もなくダラダラと思う。もちろん、本当に平凡を望む人たちだって世界中には存在するのだろうけれど、それだって日本人から見れば大衆というよりはマイノリティだろう。だからこそ、大衆は非日常を求めて娯楽を嗜むのだと俺は思う。
ゲームやアニメ、小説などの想像力や童心を駆り立てられるものはもちろん、テーマパークやショッピングなど、日常とは違う、普段とはどこか違う空気、何かを楽しめる現実逃避まがいな娯楽施設もそうだ。何度も何度も例を挙げて話をするなんて、なんの生産性も意味もないことだけれど、言いたいのだから聞いてほしい。
毎日ヘトヘトになるまで働いている人がいたとする。この人が生まれてから死ぬまで一生働き続けるかといえば、それは無理な話だろう。気分転換の旅行やストレス発散の趣味を持ったりするのは当たり前。現実から目を背ける時間こそが、ある意味でその人にとっては小さな非日常といえるのではないか。子供時代の学業や大人になってからの仕事の間に存在するのが一般的な非日常なのではないかと考えられなくもない。だから、人の人生というのは6割が日常で4割が非日常なんじゃないかなあなんて思う。もちろん、それは育った家庭環境や個人の性格にもよって割合は変わってくると思うが、何にせよ、人生が非日常の連続で、平凡な日常を求める人間なんていうのはなかなかどうして、人生において早々に出会うことはないだろう。
これは別に皮肉とか捻くれとか、中二病とか関係ない。俺はそういうことを考えてしまう。つらつらと不毛にもそんな日常と非日常について考えて想像して妄想して膨らませてしまうのだ。“こんな非日常”なんて言うからにはそれ以前に日常があったのだろうとは思うけど、やはり憧れるじゃないか。
俺は前述の通り、皆と同じように、思春期の男なら誰もが一度は考えたことがある悩み、他聞に漏れないような、そんな世間一般の皆様と同じ、非日常、非現実に憧れている。まあ、俺の日常も6割は学業、残りの4割……、いや、俺の場合は6:4ではないかもしれない。7:3……あるいはそれ以上か……。
それほどに俺は俺の人生を、日常を退屈に感じてしまっている。何も事件が起こらないことは良いことだと、平和なことは良いことだと言うけれど、俺はたまには事件とか奇妙な体験とか、いつもとは違う非日常の出来事を味わいたい年頃なのだ。授業中にいきなり悪い奴が現れて、学校がパニックの中、俺だけが冷静で、その悪者を倒す妄想をよくするような、高校二年生にもなって中二病真っ盛りな男なのだ。みんなだって、電車の車窓を眺めると、忍者がすごいスピードで屋根の上を駆け抜ける妄想、一度はしたことあるだろう?
こんなしょうもないことをブーブー言いながらも、俺は今も非現実を夢見ている。だから毎日妄想にふけっている。どこか異国の少年が夢見たスペクタクルな冒険世界や幻想的なワンダーランドで巻き起こる冒険譚を夢みた少女のように。それが、俺の現実と幻実の境界線をあやふやにさせつつあるなんて夢にも思わずに――。
なんてね……。
――以上、格好つけたモノローグ終了。
テレビや小説、漫画なんかで“こんな現実なんかうんざりだ”とか“平凡な毎日をただ送りたいだけなんだ”とか“普通で生きていけることが何より幸せだ”なんて言うセリフをしばしば目にしたり耳にしたりすることがあるけれど、俺はその悩みが羨ましい。
現実はテレビや小説などの物語と違って、ほとんどの人が平凡な人生であり、普通であり、不変的で退屈なものだから。
毎日が非日常だったら……。
まあ、非日常と言っても色々あるけれど、生物的なよくある話を例に代表例を挙げれば、世界は妖怪や怪物などの魑魅魍魎が大暴れし、グリフォンやケンタウロスなどの幻獣種や、果ては天使や悪魔といった、現実世界ではまずお目にかかれないような悪鬼羅刹が跳梁跋扈していたり、現在の人間世界のルールからでは到底想像もつかないようなものに変わってしまっているかもしれない。いま目で見ている光景とは全く違う風景の世界になっているのかもしれない。いや、そもそも人は滅んでいるかも……。
なんて何の根拠もなくダラダラと思う。もちろん、本当に平凡を望む人たちだって世界中には存在するのだろうけれど、それだって日本人から見れば大衆というよりはマイノリティだろう。だからこそ、大衆は非日常を求めて娯楽を嗜むのだと俺は思う。
ゲームやアニメ、小説などの想像力や童心を駆り立てられるものはもちろん、テーマパークやショッピングなど、日常とは違う、普段とはどこか違う空気、何かを楽しめる現実逃避まがいな娯楽施設もそうだ。何度も何度も例を挙げて話をするなんて、なんの生産性も意味もないことだけれど、言いたいのだから聞いてほしい。
毎日ヘトヘトになるまで働いている人がいたとする。この人が生まれてから死ぬまで一生働き続けるかといえば、それは無理な話だろう。気分転換の旅行やストレス発散の趣味を持ったりするのは当たり前。現実から目を背ける時間こそが、ある意味でその人にとっては小さな非日常といえるのではないか。子供時代の学業や大人になってからの仕事の間に存在するのが一般的な非日常なのではないかと考えられなくもない。だから、人の人生というのは6割が日常で4割が非日常なんじゃないかなあなんて思う。もちろん、それは育った家庭環境や個人の性格にもよって割合は変わってくると思うが、何にせよ、人生が非日常の連続で、平凡な日常を求める人間なんていうのはなかなかどうして、人生において早々に出会うことはないだろう。
これは別に皮肉とか捻くれとか、中二病とか関係ない。俺はそういうことを考えてしまう。つらつらと不毛にもそんな日常と非日常について考えて想像して妄想して膨らませてしまうのだ。“こんな非日常”なんて言うからにはそれ以前に日常があったのだろうとは思うけど、やはり憧れるじゃないか。
俺は前述の通り、皆と同じように、思春期の男なら誰もが一度は考えたことがある悩み、他聞に漏れないような、そんな世間一般の皆様と同じ、非日常、非現実に憧れている。まあ、俺の日常も6割は学業、残りの4割……、いや、俺の場合は6:4ではないかもしれない。7:3……あるいはそれ以上か……。
それほどに俺は俺の人生を、日常を退屈に感じてしまっている。何も事件が起こらないことは良いことだと、平和なことは良いことだと言うけれど、俺はたまには事件とか奇妙な体験とか、いつもとは違う非日常の出来事を味わいたい年頃なのだ。授業中にいきなり悪い奴が現れて、学校がパニックの中、俺だけが冷静で、その悪者を倒す妄想をよくするような、高校二年生にもなって中二病真っ盛りな男なのだ。みんなだって、電車の車窓を眺めると、忍者がすごいスピードで屋根の上を駆け抜ける妄想、一度はしたことあるだろう?
こんなしょうもないことをブーブー言いながらも、俺は今も非現実を夢見ている。だから毎日妄想にふけっている。どこか異国の少年が夢見たスペクタクルな冒険世界や幻想的なワンダーランドで巻き起こる冒険譚を夢みた少女のように。それが、俺の現実と幻実の境界線をあやふやにさせつつあるなんて夢にも思わずに――。
なんてね……。
――以上、格好つけたモノローグ終了。
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