39 / 84
甘酸っぱい思い出と隠してた真実
11
しおりを挟む
「お、おじゃまします…」
家の灯りを付け、どこか緊張しい俺を裕翔は優しい声と共に居間へと招いてくれた。
裕翔の部屋は、ちょっと広めの1K。
俺の部屋と同じぐらいの広さか…
それにしても部屋は、裕翔の性格が表されているかのように、きっちりと整理整頓されていて清潔感が漂っている。
親友で大好きなヤツの家に初めて来られた俺は、嬉しさのあまり部屋全体を物珍しそうに眺めてしまっていた。
「へぇ…裕翔、部屋綺麗だな」
「僕、ごちゃごちゃしてるのあまり好きじゃないんだ…出来れば綺麗にしておきたくてね?」
居間には、二人がけのソファーと裕翔がいつも寝ているであろうシングルベッド…
そしてご飯を食べたり勉強をするためのテーブルも置かれている。
ベッドかぁ…
柔らかいのかな、硬いのかな…?
俺は徐に僕が寝ているベッドに腰をかけ、柔らかさを確認していた。
いや、それだけじゃない…
この部屋全てが裕翔の匂いで包まれていて…
俺の身も心も裕翔で包まれているような感じがして…
その全てが凝縮されているこのベッドに、俺は触れたいと感じてしまったから…
そんな俺の思いとは裏腹に裕翔が言葉を紡いできたんだ。
「ねぇ、大和?」
「んっ?なんだ?」
「僕ね、家に帰ってきたら一番にやる事があって…その、お風呂に入ってきていいかな?」
裕翔は外から帰ってきたら、すぐにお風呂へ入ると決めているらしい。
清潔感のある裕翔らしい行動だなと、俺は改めて感じたんだ。
「ああ、わかったよ、でも具合悪くなったらすぐ呼べよ?」
「うん、ありがとう!あ、冷蔵庫にジュース入ってるから好きなの飲んでね?」
裕翔はそう言い残して浴室へと向かっていき、俺は一人ベットの上で裕翔の戻りを待つことにしたんだ。
裕翔のベット…ふかふかだな…
…ん…これって…
俺の目に止まったのは、裕翔が寝る時に使っていたタオルケットだ。
俺は本能的にタオルケットを手に取り、ギュッと抱きしめてしまっていた。
ああ、裕翔の温もりと香りがする…
愛してやまない裕翔が詰まってるんだ…
俺…本当はお前のこと、こうしてやりたいのにさ…?
いつか裕翔を俺のものにしたいと思う気持ちが、どんどん強くなっていくのは自分でもよく分かる…
好きだ…本当にお前の事が大好きだ…
そして、俺は裕翔がΩだと言うことを知っている。
なら、俺も一つ試して見たいことがあるんだ…
俺のことを好きでいてくれるなら…
少しずつでも好きだという感情が芽生えてきてくれているのであれば、裕翔は俺の匂いを求めてくれるはず…
そう、Ωの習性…巣作りだ。
Ωの習性として、好きな人やαの匂いに敏感で、匂いの付いた衣服や人形なんかを自分の身に集めては、包まってしまうらしい。
なら、このタオルケットに俺の匂いを染み込ませておいたら、裕翔は何らかの反応を示してくれるのだろうか…何も変わりが無ければ、まだ振り向いてはくれていないということだ…
弱虫な俺は、色んな手を使いながらもら裕翔の気持ちをしっかりと確かめたかったんだ。
好きって言えばいいじゃんか…
Ωとかじゃなくて…αとかでもなく…
お前が好きだって言えればいいのに…
嘘をついてる俺たちには難しいんだよ…
俺は裕翔のタオルケットを強く抱き締め、どこかもどかしい気持ちを抱きながらベッドへと寝転び、俺の匂いを付けるだけで終わろうと思っていたのに…
裕翔の温かい匂いと心地の良い温もりに包まれてしまった俺は、そのまま眠気に誘われ…いつの間にか眠りについてしまったんだ。
家の灯りを付け、どこか緊張しい俺を裕翔は優しい声と共に居間へと招いてくれた。
裕翔の部屋は、ちょっと広めの1K。
俺の部屋と同じぐらいの広さか…
それにしても部屋は、裕翔の性格が表されているかのように、きっちりと整理整頓されていて清潔感が漂っている。
親友で大好きなヤツの家に初めて来られた俺は、嬉しさのあまり部屋全体を物珍しそうに眺めてしまっていた。
「へぇ…裕翔、部屋綺麗だな」
「僕、ごちゃごちゃしてるのあまり好きじゃないんだ…出来れば綺麗にしておきたくてね?」
居間には、二人がけのソファーと裕翔がいつも寝ているであろうシングルベッド…
そしてご飯を食べたり勉強をするためのテーブルも置かれている。
ベッドかぁ…
柔らかいのかな、硬いのかな…?
俺は徐に僕が寝ているベッドに腰をかけ、柔らかさを確認していた。
いや、それだけじゃない…
この部屋全てが裕翔の匂いで包まれていて…
俺の身も心も裕翔で包まれているような感じがして…
その全てが凝縮されているこのベッドに、俺は触れたいと感じてしまったから…
そんな俺の思いとは裏腹に裕翔が言葉を紡いできたんだ。
「ねぇ、大和?」
「んっ?なんだ?」
「僕ね、家に帰ってきたら一番にやる事があって…その、お風呂に入ってきていいかな?」
裕翔は外から帰ってきたら、すぐにお風呂へ入ると決めているらしい。
清潔感のある裕翔らしい行動だなと、俺は改めて感じたんだ。
「ああ、わかったよ、でも具合悪くなったらすぐ呼べよ?」
「うん、ありがとう!あ、冷蔵庫にジュース入ってるから好きなの飲んでね?」
裕翔はそう言い残して浴室へと向かっていき、俺は一人ベットの上で裕翔の戻りを待つことにしたんだ。
裕翔のベット…ふかふかだな…
…ん…これって…
俺の目に止まったのは、裕翔が寝る時に使っていたタオルケットだ。
俺は本能的にタオルケットを手に取り、ギュッと抱きしめてしまっていた。
ああ、裕翔の温もりと香りがする…
愛してやまない裕翔が詰まってるんだ…
俺…本当はお前のこと、こうしてやりたいのにさ…?
いつか裕翔を俺のものにしたいと思う気持ちが、どんどん強くなっていくのは自分でもよく分かる…
好きだ…本当にお前の事が大好きだ…
そして、俺は裕翔がΩだと言うことを知っている。
なら、俺も一つ試して見たいことがあるんだ…
俺のことを好きでいてくれるなら…
少しずつでも好きだという感情が芽生えてきてくれているのであれば、裕翔は俺の匂いを求めてくれるはず…
そう、Ωの習性…巣作りだ。
Ωの習性として、好きな人やαの匂いに敏感で、匂いの付いた衣服や人形なんかを自分の身に集めては、包まってしまうらしい。
なら、このタオルケットに俺の匂いを染み込ませておいたら、裕翔は何らかの反応を示してくれるのだろうか…何も変わりが無ければ、まだ振り向いてはくれていないということだ…
弱虫な俺は、色んな手を使いながらもら裕翔の気持ちをしっかりと確かめたかったんだ。
好きって言えばいいじゃんか…
Ωとかじゃなくて…αとかでもなく…
お前が好きだって言えればいいのに…
嘘をついてる俺たちには難しいんだよ…
俺は裕翔のタオルケットを強く抱き締め、どこかもどかしい気持ちを抱きながらベッドへと寝転び、俺の匂いを付けるだけで終わろうと思っていたのに…
裕翔の温かい匂いと心地の良い温もりに包まれてしまった俺は、そのまま眠気に誘われ…いつの間にか眠りについてしまったんだ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
38
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる