秘密の異世界交流

霧ちゃん→霧聖羅

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宅地造成

★建築プラン

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 私がリリンに宅地として用意して貰ったのは、2つ目の港町のバレストラから近い砂浜が見下ろせる丘。
丘と言っても、造成した土地から3歩も歩けばもう砂地という立地で、砂地と草地の境目と言った方が良いのかもしれない。
ご近所が出来たとしても、海までの視界が塞がれる事のない場所を探して貰ったから、景観が悪くなる事は無いらしい。

「次は、建物建てないとねー♪」
「うむ。大工組合だったかね?」
「そうそう。私のは後にして、アルの方を先に建てちゃおう。」

 彼女はそう言うと、私の腕を取る。

「君の方は?」
「あっちに人が増えるのは、未だ先かなと思うから後回し!」

 彼女の言葉に「成程」と頷きながら、彼女に腕を引かれるままに最寄りの町へと大工組合を探しに向かった。元々、彼女が望むのなら、私に否やは無いのだ。





 大工組合で、私とリリンは額を突き合わせて悩んでいた。

「良いお値段するねぇー……。」
「うむ。」

 造成した土地に建築物を建てるのにあたって、決まった形状の建物の種類が屋根の形が、三角屋根・丸屋根・リリン曰く豆腐型の3種類。(豆腐と言うのはなんだろう?)
更に素材の種類が木造・丸太・レンガ・石壁・大理石の5種類。
そこに、庭付き・庭なしの選択肢がある上に、1階建~3階建てまでを選ばなければならないらしい。
しかもそれは外から見えるだけのもので、中に設置する施設まで決めなくてはいけないのだ。
中々悩ましい。
最初は服を置く場所と、私にだけその服を着て見せて貰える場所だけあれば良いと思っていたのだが、『複合生産施設』と言うのを設置すると、どの生産スキルを使うのもその部屋で行えるらしい。
イコール、リリンと過ごせる時間が増えるのだ。
コレは欲しい。
絶対に欲しい。

「アルの予算って、いくら?」
「39万程あるが……。」

 リリンはその返事を聞くと、難しい顔をして唸り声を上げる。

「この家で、アルは何をしたい?」
「リリンの着せ替え。」
「お店は?」

 私の発言は華麗にスルーされた。
なんだろう、ちょっと寂しい。
ツッコミの一つでも入れてくれると思ったのに。

「興味は無い。」
「知り合い以外は立ち入り禁止で、のんびり過ごす用?」
「うむ。」

 それこそ、リリン以外が来なくても良い方向だ。
……と言うのは流石に黙っておく。コレを言って突っ込まれると少し凹みそうだ。

「欲しい施設は?」
「複合生産施設。」
「にょ?」
「おかしいかね?」

 意外そうな声を上げて、リストから視線を外した彼女に首を傾げると、一拍置いてから納得した表情になった。

「一緒の部屋で生産したいのね。」
「うむ。」
「それだと、機材はまた別口で設置しないとか……。」
「難しいかね?」
「予算オーバー臭い。」
「なんと……。」

 手持ちが足りないのなら仕方がないと肩を落とすと、彼女が思いがけない事を言いだす。

「んー……。生産施設の分、私が出すよ。」
「無理する必要はないのではないかね?」
「ううん。複合生産施設は、私も欲しいと思ったんだけど……。逆に、アルのところで導入してくれてソレを使わせて貰えるんだったらウチの方はその分施設の自由が利くから助かるんだよね。」
「ふむ。では、それで。」
「じゃあ、豆腐型・大理石製の庭付き3階建てが良いと思います!」

 彼女の選択したのが、比較的アイテム収納数の大目な建築プランである事を確認してから、その建築費用を確認し、私は思わず黙り込んだ。
125万G。
私の予算を大きく上回る価格だ。
リリンに目を向けると、彼女はにっこりと笑いながら代替案を口にする。

「大理石じゃなく、木造にするのも悪くないかも。木造なら三角屋根がいいなぁ……。」

 なにやら、彼女なりのこだわりがあるらしい。
ちなみに木造場合は、金額は大きく下がって85万Gとなる。

「木造で。」
「了解。じゃ、お金渡すね。」

 私は彼女から足りない分を受け取ると、早速家の建造を依頼した。
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