手紙〜裏切った男と浮気を目撃した女が夫婦に戻るまで〜

jun

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久しぶりの団欒

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目が覚めると、シモンとロビンがラグを敷いた所で遊んでいたのが目に入った。

「シモン…ロビン…」と呼ぶと、シモンが振り返り、「シャル、起きたの」とロビンを抱っこして側に来た。

「よく眠っていたよ。可愛い寝言も言っていたよ、“シモンは私のものよ”って怒鳴っていたよ、寝ながら。」とシモンが笑っていた。

片手でロビンを抱き、もう片方で私を起こすとグラスに水を注いで渡してくれた。

その水を飲むと、シモンがグラスを受け取ると、ロビンを私に渡した。

「マ、マ」と手を伸ばすロビンを抱きしめると口をチュッチュッし出した。

「あらロビン、お腹空いたの?」

一旦ロビンをシモンに渡すと、ワンピースのボタンを外し、授乳用の下着から胸を出し、ロビンを渡してもらおうとシモンに手を出すと、ロビンをこっちに渡すが、シモンはこちらを見ないようにしている。

「シモン?」
どうしたのかとじっと見ていると、耳が真っ赤になっているのが見えた。

「シモン、恥ずかしいの?何回も見た事あるでしょ?」
と言うと、

「何回も見てるけど、久しぶりだから…見ちゃいけないかと思って・・・」
モゴモゴと話すシモンに吹き出した。

「もう、シモンこっち見てよ、私まで恥ずかしくなるでしょ!
なんで旦那におっぱい見られて照れなきゃいけないのよ!スケベ!」

「だってしょうがないよ、ずっとシャルに触りたかったんだから。
今見たら、ロビンとおっぱいの取り合いになる。」

「プッ、何それ。」と笑った。
私が笑うからロビンは飲みづらそうだけど、吸い付いて離れないから、そのまま笑い続けていると、シモンも笑い出した。

ロビンがお腹いっぱいになったから、キャシーを呼んでロビンを一旦連れて行ってもらった。

二人きりになると急に恥ずかしくなってきた。

俯いてモジモジしていると、シモンがベッドに腰掛けてきた。

「シャル…抱きしめても良い?」

私の顔を覗き込み、そう言うから頷いた。

そっと抱きしめるシモンに私もシモンの背中に手を回す。

「シャル…嫌じゃない?気持ち悪くならない?」と私の肩に額を付けて小声で聞いてくるシモンに、

「大丈夫、嫌じゃないし、気持ち悪くもならないよ。
やっぱりシモンが好き。
愛してるから離婚はしない。
シモンの側にいないと、また変な人にシモンが狙われちゃう。
ちゃんとシモンの側にいて私がシモンを守るんだもの。」

「ほんとに?離婚はしない?ずっと一緒にいてくれる?」と涙声で聞くシモンに、

「うん、ずっと一緒にいるよ。離れてって言っても離れないんだから。」

「約束だよ、絶対離れないって約束して。俺も絶対シャルから離れないから。
次は…俺も一緒に里帰りする…もうシャルがいないのは嫌だ…」と言うとシモンは声を殺して泣き出した。

ロビンを産んだ時も泣いていたけど、こんな風に泣くシモンは初めてだ。

「私もこんな事、二度と嫌。シモンは誰にも渡さない。」

「俺もシャルを誰にも渡さない…死ぬまで一緒だ…」

シモンは顔を上げると、私の頬を撫でた後、

「キス…しても良い?」聞いてきたけど、頷く前にキスされた。

その後は何度もキスしては二人で泣いて、またキスしては泣いてを繰り返し、気付けば二人でベッドで寝ていた。

次に目が覚めた時はすっかり外は真っ暗で、二人バタバタして、お互いの身支度をチェックした後、部屋を出た。
手を繋いでお義父様とお義母様の所へ行くと、私達の姿を見たお義母様が泣き出してしまった。

「良かった・・本当に良かった・・二人が別れてしまうと思って・・・辛くて悲しかったの・・・またそんな姿が見れるなんて・・・」

私達はお義母様の側に行き、心配かけた事を謝った。

お義母様の涙が止まって、やっと笑顔が見れたので、お義父様があれからの事を話してくれた。

先ず使用人男女全員の持ち物を検査、部屋も捜索したが、それらしい物はなかった。
挙動のおかしい使用人もいなかったが、“惚れ薬”や“両思いになるお守り”や“モテモテになるネックレス”とかを売ってる出店は見た事がある使用人は多数いた事。

特に女性使用人は殆どが知っていたが、買った事がある人はいなかった事。

まあ買った事があってもこの状況で正直に言う人間はいないだろうという結論になった事。

これからは“烏”、“隼”が動く事。

入手経路を特定し、商品を押収しなければならないので、陛下に報告しなければならない事。

シモンは王宮研究所で検査をする事。

匂いを嗅いだお義父様も念の為検査してもらうことになった事。

この件は事件として扱われる事などを説明された。

まさか陛下に報告するほどの事になるとは思っていなかったが、こんな物が悪用されたら大変な事になるから仕方ないのだろうが、シモンとリリアの事を他人に話さなければいけない事が嫌で嫌で堪らない。

「シャル、どうした?顔色が悪いよ?」
黙ってしまった私を心配するシモンに、

「仕方ないけど、他の人にシモンとリリアの事を話さなきゃならない事が嫌だなって思っただけ…。
シモンが浮気した事を報告するのがすっごく嫌だと思っただけ…。
ものすごーーく嫌なだけ。」

「ごめん、ごめんね、シャル…でも何か食べないとダメだよ、ロビンに栄養取られちゃってるんだから。」とシモンがさっきお乳をあげた事を言い出した。

「そんなに取られてないもの…出が悪いから…。」

「少しでも食べよう、俺も食べるから。
二人ともガリガリになっちゃって、ロビンの方がプクプクしてるよ。」

確かにロビンの方がプクプクしていて可愛い。

ロビンのためにたくさん食べてお乳をあげなきゃと思い直し、

「そうだね、ロビンのご飯をたくさん製造しないといけないから食べようかな。」

「プッ、製造って…。」とシモンが笑うから、

「だってそうでしょ?私の身体の何処かで作り出してるんだもの。
辛い物を食べるとお乳が辛くなるから食べちゃいけないのよ!」
と自慢げに言うと、

「シャルは辛い物より甘い物が好きだから丁度いいね。」とまた笑う。

そんな私達をお義父様とお義母様、ハリスや他の使用人達が、こっそり泣いていた事には気付かなかった。

お父様とお兄様の存在をすっかり忘れていたが、とっくに帰ったと言われ、シモンにまた笑われた。

そして、今夜はロビンのベビーベッドをシモンの部屋に運び入れ、久しぶりに親子三人で眠ることにした。
私とシモンは同じベッドで抱き合って眠った。

夜中にロビンが起きる事もなく、私もシモンも久しぶりに熟睡する事が出来た。

やっぱり隣りにシモンがいると安心出来て、幸せを感じた。

あんなに大騒ぎしたのに現金なものだと思うが、私はシモンを守る使命があるのだから良いのよ!と勝手に決意表明をした後、ストンと落ちるように眠った後、シモンがクスクス笑っていたような気がした。




















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