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陰陽庁怪異対策課京都支部
序章
しおりを挟む京都にある交差点を一人の少女が歩く。年は若くまだ子供と言っても差し支えはない。耳まで下ろした栗毛の髪、凛とした顔立ちの少女は目の前で転ぶ幼い子供を見た。すぐに駆け寄って、泣き始める幼児の前に膝を曲げる。
「大丈夫?・・・・・・じゃないね」
少女がポケットからハンカチを取りだし、少年の怪我をした膝に当てた。母親がすみません、と駆け寄る。わんわんと泣く幼児に、困った顔をして少女は伝えた。
「今から、お呪い(まじない)唱えてあげる。痛みも引くよ」
人の言葉、人の思いは現実に作用する。
悲しい時に応援歌を聞いて癒された事はあるだろうか。自分に厳しく制約を課す事で、普段よりも実力を発揮して何かを成し遂げた事はないだろうか。人の言葉や思いの強さは無限の可能性を秘めている。
「痛いの痛いの飛んでいけ!!」
ーーー何せ、あれだけ泣いていた子供が
たったこれだけですぐに笑顔になるのだから。
これは“思い”の物語
陰陽庁京都支部局長 朝倉京子(あさくらみやこ)と
彼女に集う仲間達の物語。
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