82 / 246
The killer of paranoid I
第三話
しおりを挟む
店仕舞いを始め、母がレジの売り上げを確認し夏樹が各部屋の片付けと掃除を行っていると突然の電話が鳴り響いた。母が予約の連絡だと思って出るとすっとんきょうな声を上げた。
「夏樹がそこに居るかって?何バカな事いってんの。今日は学校から直でこっち手伝いに来てるわよ。アンタ自分の娘間違える程脳ミソ筋肉になった訳?プロテイン減らしなさいよ高いんだから!!」
ガチャと電話を切ると夏樹も気になり声を掛けた。
「誰から?」
「お父さんよ。アンタがさっき変な男と腕を組んで街を歩いてたって言うのよ。しかも恋人みたく腕組んで」
「何それ、怖っ」
「まぁ、この世に3人くらいは似た人が居るっていうし。見間違いならありえない話でもないけどねぇ」
「あたしとソックリってんならさぞかし小生意気な顔してんじゃない?」
自分で言うかねこの子はと母が呆れる。
「それがね、面白いんだけど男性には淑女みたいにおしとやかで、大和撫子みたいで吃驚したんだって」
その時点であたしじゃねーわと夏樹は突っ込んだ。翌日の昼食時にクラスメイトにその話をすると思わぬ所で話が広がった。机を挟んで向かいに座り弁当や購買のパンを食べる。夏樹は購買で買った焼きそばパンを食べながら昨日の話を聞かせた。
「なんか逆に見てみたいかも」
「そうそう夏樹さんの大和撫子バージョン。ちょっと見てみたい。来年の文化祭のネタに良いかもね」
「何それ、絶対やらないからね」
「でも知らない所で似たような自分が存在してるなんてオカルトっぽいね」
「あー何か聞いたことある。それって確か」
“ドッペルゲンガーみたいな“
クラスメイトの放った言葉に夏樹はすかさず携帯で検索した。幻覚の類の他にオカルトや事象があるが特徴として自分とウリ二つである事と自分の日常に干渉してくる事そして出会うと死が訪れる死の象徴である事が書かれている。
「少なくてもウリ二つじゃないし、オカルトは関係ないね」
残念でしたと伝えてコーヒーを飲み干した。母の経営する音楽スタジオが週二回。父の手伝いが月に二回手伝っている。高校に入ってからはバイト代も出るようになって有り難みも増した。夏樹も胴着に着替えて道場で生徒に手取り教える。技術は染み付いたが体力作りから本腰入れたプロでもない為、持久力に欠ける。それでも元々の素質か運動神経は人並み外れていた。護衛の型の練習が一段落し一汗かいて全員道場で腰を下ろして休んでいると父が変な声を出して声を上げる。
「いや、だから夏樹はこっちに居るつってんだろ?騒音聞きすぎて鼓膜破れてんじゃねえのか。おーい夏樹ちょっと代わってくれ。お母さんからだ」
電話を受けとると話し掛ける前にタオルで汗をふいて、スポーツドリンクを飲み干した。
「何か用?」
「夏樹、あんたやっぱりそっちに居るわよね?」
「当たり前でしょ。カレンダーにも書いてるし」
「アンタが、こっちに来たのよ。最初は夏樹がスケジュール間違えたのかと思ったんだけどね。受け答えが可笑しくて絶対夏樹じゃないと思って確認しようと思ったらもう何処にも居ないの。お父さんが言ってた夏樹のソックリさん思い出しちゃってゾッとしたわ」
「ーーーーー冗談でしょ?」
「それがね、確かにお父さんの言う通り淑女に育った夏樹って感じだったわ。妹に欲しいくらいよ」
要らん事は考えないで欲しいという祈りと、自分の偽物が存在する事に夏樹は不気味さを感じた。
「夏樹がそこに居るかって?何バカな事いってんの。今日は学校から直でこっち手伝いに来てるわよ。アンタ自分の娘間違える程脳ミソ筋肉になった訳?プロテイン減らしなさいよ高いんだから!!」
ガチャと電話を切ると夏樹も気になり声を掛けた。
「誰から?」
「お父さんよ。アンタがさっき変な男と腕を組んで街を歩いてたって言うのよ。しかも恋人みたく腕組んで」
「何それ、怖っ」
「まぁ、この世に3人くらいは似た人が居るっていうし。見間違いならありえない話でもないけどねぇ」
「あたしとソックリってんならさぞかし小生意気な顔してんじゃない?」
自分で言うかねこの子はと母が呆れる。
「それがね、面白いんだけど男性には淑女みたいにおしとやかで、大和撫子みたいで吃驚したんだって」
その時点であたしじゃねーわと夏樹は突っ込んだ。翌日の昼食時にクラスメイトにその話をすると思わぬ所で話が広がった。机を挟んで向かいに座り弁当や購買のパンを食べる。夏樹は購買で買った焼きそばパンを食べながら昨日の話を聞かせた。
「なんか逆に見てみたいかも」
「そうそう夏樹さんの大和撫子バージョン。ちょっと見てみたい。来年の文化祭のネタに良いかもね」
「何それ、絶対やらないからね」
「でも知らない所で似たような自分が存在してるなんてオカルトっぽいね」
「あー何か聞いたことある。それって確か」
“ドッペルゲンガーみたいな“
クラスメイトの放った言葉に夏樹はすかさず携帯で検索した。幻覚の類の他にオカルトや事象があるが特徴として自分とウリ二つである事と自分の日常に干渉してくる事そして出会うと死が訪れる死の象徴である事が書かれている。
「少なくてもウリ二つじゃないし、オカルトは関係ないね」
残念でしたと伝えてコーヒーを飲み干した。母の経営する音楽スタジオが週二回。父の手伝いが月に二回手伝っている。高校に入ってからはバイト代も出るようになって有り難みも増した。夏樹も胴着に着替えて道場で生徒に手取り教える。技術は染み付いたが体力作りから本腰入れたプロでもない為、持久力に欠ける。それでも元々の素質か運動神経は人並み外れていた。護衛の型の練習が一段落し一汗かいて全員道場で腰を下ろして休んでいると父が変な声を出して声を上げる。
「いや、だから夏樹はこっちに居るつってんだろ?騒音聞きすぎて鼓膜破れてんじゃねえのか。おーい夏樹ちょっと代わってくれ。お母さんからだ」
電話を受けとると話し掛ける前にタオルで汗をふいて、スポーツドリンクを飲み干した。
「何か用?」
「夏樹、あんたやっぱりそっちに居るわよね?」
「当たり前でしょ。カレンダーにも書いてるし」
「アンタが、こっちに来たのよ。最初は夏樹がスケジュール間違えたのかと思ったんだけどね。受け答えが可笑しくて絶対夏樹じゃないと思って確認しようと思ったらもう何処にも居ないの。お父さんが言ってた夏樹のソックリさん思い出しちゃってゾッとしたわ」
「ーーーーー冗談でしょ?」
「それがね、確かにお父さんの言う通り淑女に育った夏樹って感じだったわ。妹に欲しいくらいよ」
要らん事は考えないで欲しいという祈りと、自分の偽物が存在する事に夏樹は不気味さを感じた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
72
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる