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The killer of paranoid Ⅱ
第六話
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『Voo Doo Child』の看板がある建物の中では陰陽庁京都支部の面々が皆難しい顔をして椅子に腰かけている。大勢座るので、ソファーで足りず椅子を何個か用意した。早苗、和香、春坂、その他支部のベテラン勢と京子が画面に映し出された京都で起きそうな妖気の強い場所が予測で映し出されており、その中の赤い点のマークを見つめている。夏に起きたあの一件から数ヵ月が経過し、ようやく夏の怪談も終わって世間も落ち着きを取り戻しつつあった10月初旬、生き霊での事件が少しずつ増加している事に陰陽庁は危機感を覚えていた。すでに本部にも連絡を取り合い連携の強化を図っている所だが今回不可解な事件が2件起こった為、情報の整理を行う為に集まった。
「それで、件の仮面の男と遭遇したのはここですか」
京子が尋ねると、早苗が答えた。
「この人物と相対したのは?竜也君でしたっけ」
「えーっと、はい、僕です。急に現れて手品をしたかと思えば体がゴムみたいな物にぐるぐる巻きにされて。恭太が斬ってくれましたけど、僕らの様な術に近いのか、すぐに消えてしまいました」
ちら、と相棒に目を配ると仕方ないなと交代した。失態なのであんまり話をしたくないのは恭太も同じだった。
「その隙に、仮面の奴が妖怪を手の平サイズに封じ込んでどっか行きました」
次に春坂が手を挙げ
「僕が遭遇したのは変なハロウィンのコスプレした女の子だったよ。ランタンと鎌持って箒で空飛んでるんだもんなぁ。口を開けてポカンとしちゃったよ」
その間に妖怪を先に攻撃され、キューブ状に封印して持ち去られた。映像を映し出すと、シルクハットとタキシードを被った謎の仮面男が妖怪を退治しようとしている隊員に接近、止めを指す前に動きを封じられ杖を用いて一人で妖怪と渡り合って消耗させた後、妖怪を謎のキューブ状に変化させて持ち去った。この前の少女は自身で手に持つハンマーで妖怪を消滅していたが、彼等は一体何者なのか今の所調査段階である。幸い少女の方は身元が判明し、尾行をさせて貰っている。妖怪を発見し、いざ討伐を行う前に乗り込んで来て妖怪を単独で撃退。彼女の行動もこのタキシード仮面と同様であり何か繋がっている可能性もある。
「妖怪を集めて何がしたいんでしょう?」
「今の所、邪魔してきた事以外に問題はない・・・か?」
「それをどこかで解放していたら大問題でしょ」
和香が呆れて突っ込む。
「早苗さん、牧田さんからは何か報告ありますか?」
「ストーカーみたいで心苦しいと言ってますけど」
「申し訳ないですけど引き続きお願いします」
「今の所目だった動きはないですが、良く一人でぶつぶつと見えない何かに話しかけてるみたいで様子がおかしいのは間違いないと」
「我々にも見えない“何か”ですか・・・」
京子は心辺りがあるように周囲に目を泳がせ、何か吐き出したい気持ちを押さえてぐっと止まり、溜め息を吐いたのだった。
「それで、件の仮面の男と遭遇したのはここですか」
京子が尋ねると、早苗が答えた。
「この人物と相対したのは?竜也君でしたっけ」
「えーっと、はい、僕です。急に現れて手品をしたかと思えば体がゴムみたいな物にぐるぐる巻きにされて。恭太が斬ってくれましたけど、僕らの様な術に近いのか、すぐに消えてしまいました」
ちら、と相棒に目を配ると仕方ないなと交代した。失態なのであんまり話をしたくないのは恭太も同じだった。
「その隙に、仮面の奴が妖怪を手の平サイズに封じ込んでどっか行きました」
次に春坂が手を挙げ
「僕が遭遇したのは変なハロウィンのコスプレした女の子だったよ。ランタンと鎌持って箒で空飛んでるんだもんなぁ。口を開けてポカンとしちゃったよ」
その間に妖怪を先に攻撃され、キューブ状に封印して持ち去られた。映像を映し出すと、シルクハットとタキシードを被った謎の仮面男が妖怪を退治しようとしている隊員に接近、止めを指す前に動きを封じられ杖を用いて一人で妖怪と渡り合って消耗させた後、妖怪を謎のキューブ状に変化させて持ち去った。この前の少女は自身で手に持つハンマーで妖怪を消滅していたが、彼等は一体何者なのか今の所調査段階である。幸い少女の方は身元が判明し、尾行をさせて貰っている。妖怪を発見し、いざ討伐を行う前に乗り込んで来て妖怪を単独で撃退。彼女の行動もこのタキシード仮面と同様であり何か繋がっている可能性もある。
「妖怪を集めて何がしたいんでしょう?」
「今の所、邪魔してきた事以外に問題はない・・・か?」
「それをどこかで解放していたら大問題でしょ」
和香が呆れて突っ込む。
「早苗さん、牧田さんからは何か報告ありますか?」
「ストーカーみたいで心苦しいと言ってますけど」
「申し訳ないですけど引き続きお願いします」
「今の所目だった動きはないですが、良く一人でぶつぶつと見えない何かに話しかけてるみたいで様子がおかしいのは間違いないと」
「我々にも見えない“何か”ですか・・・」
京子は心辺りがあるように周囲に目を泳がせ、何か吐き出したい気持ちを押さえてぐっと止まり、溜め息を吐いたのだった。
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