190 / 246
The killer of paranoid Ⅶ
第七話
しおりを挟む
いつまでも夏樹の家に居候するのも悪いと感じている為、霞は生みの母親との生活に向けて話をしていた。大学に行く予定は無いので卒業したら働きに出ようかと思っているが、まだ何がしたいのか具体的な事は決めていない。1月に妹の和子から携帯に頻繁に連絡が来ていて、家の家事が溜まっていく一方だと嘆きの文章が度々送られて来ている。霞はそれにどう返事をすればいいか暫く考えていたが、私物も一応部屋にまだ残しているものがあるので、一度それを取りに戻ろうと様子を見に行く事にした。
(久しぶりな感じ・・・そんなに時間は経ってないのに)
一応、インターホンを押して声を掛ける。
「様子を見にちょっと帰ってきたんだけど」
「お姉ちゃああああああああああああああああああああああん!!」
妹が秒で出てきた。
「待ってたよ!!会いたかったよ!!」
「・・・何があったの?」
歓迎ムードに嫌な予感しかしない。
「見れば分かるよ」
そう言われて、玄関に入るとまず異臭に気が付く。ゴミ、ゴミ、衣類、ゴミ、衣類。床に散乱してちょっとした汚部屋状態。キッチンを見れば洗ってない皿が溜まっており、面倒臭くなったのか夜はコンビニ弁当になったのはいいがゴミが増えても捨てずに袋へ直行させ、そのまま放置の連鎖が伺えた。トイレと風呂も洗ってないのか排水溝からの異臭が凄まじい。髪の毛が詰まって水が流れ難くなっている。
「和子、あんた今まで何やってたの」
「何から手を付ければいいか分からなくて」
「ゴミくらい出せるでしょ」
「出したけど、近所の人に怒られちゃって・・・」
「燃える日と燃えない日間違えたのね?」
「両方一緒に出したら怒られた感じ」
「・・・・・・」
「分かった、一からレクチャーするから、全部覚えるのよ」
「・・・戻って来てくれないの?」
和子が少し寂しい表情を見せる。
「それはない。母さんが望んでこうなったんだし」
戻る理由もない。関係が壊れたのは必然だった。夏樹の一件があってもなくても時間の経過と共にいずれは同じ運命になっていた。
「とりあえず、ゴミ袋の詰め直し私やるから、和子は洗濯物纏めてて。洗濯機の使い方、干し方、アイロンの掛け方、分からなかったら聞いて」
「ありがとうお姉ちゃん!!」
リビングの清掃、ゴミ出し、風呂掃除、洗濯、家事を妹と一日掛けてやり切った。母が帰って来る頃には、夕飯も作っていて待っていると、涙ながらに感謝と謝罪を受ける事になった。母にもまた一緒に暮らせないかと尋ねられたが、それは難しいと霞は答えた。すでに生みの親との話も進んでいるし、今までの事を無かった事には出来ない。ただ、妹の家事の手伝いに月2回程来て欲しいと依頼された。おこづかいも5000円くれるらしい。受けない理由がない。
関係が壊れてしまって、何もかもなくなってしまうのかと思っていたが、母に限れば以前よりも良くなった様な、霞はそんな気がしていた。
夏樹の家に戻ると、霞は流石にくたくたになってベッドに転がっていた。天井を仰いでいると、ぷかぷかと妙な物体が浮かんでいるのが見える。天使の羽が生えたピンクのゾウみたいな物体が空に浮かんでいる。謎の物体と目と目が合って、重い体を霞は起こした。
「・・・バク?だっけ。何してるの?」
「お久しぶりっす。夏樹さんはまだ帰ってないっすか」
「多分、今日はバイトに行ってると思うけど」
「ちょっと身内の不幸が発覚しまして」
凹んでるっすと、バクは霞にそう告げた。
(久しぶりな感じ・・・そんなに時間は経ってないのに)
一応、インターホンを押して声を掛ける。
「様子を見にちょっと帰ってきたんだけど」
「お姉ちゃああああああああああああああああああああああん!!」
妹が秒で出てきた。
「待ってたよ!!会いたかったよ!!」
「・・・何があったの?」
歓迎ムードに嫌な予感しかしない。
「見れば分かるよ」
そう言われて、玄関に入るとまず異臭に気が付く。ゴミ、ゴミ、衣類、ゴミ、衣類。床に散乱してちょっとした汚部屋状態。キッチンを見れば洗ってない皿が溜まっており、面倒臭くなったのか夜はコンビニ弁当になったのはいいがゴミが増えても捨てずに袋へ直行させ、そのまま放置の連鎖が伺えた。トイレと風呂も洗ってないのか排水溝からの異臭が凄まじい。髪の毛が詰まって水が流れ難くなっている。
「和子、あんた今まで何やってたの」
「何から手を付ければいいか分からなくて」
「ゴミくらい出せるでしょ」
「出したけど、近所の人に怒られちゃって・・・」
「燃える日と燃えない日間違えたのね?」
「両方一緒に出したら怒られた感じ」
「・・・・・・」
「分かった、一からレクチャーするから、全部覚えるのよ」
「・・・戻って来てくれないの?」
和子が少し寂しい表情を見せる。
「それはない。母さんが望んでこうなったんだし」
戻る理由もない。関係が壊れたのは必然だった。夏樹の一件があってもなくても時間の経過と共にいずれは同じ運命になっていた。
「とりあえず、ゴミ袋の詰め直し私やるから、和子は洗濯物纏めてて。洗濯機の使い方、干し方、アイロンの掛け方、分からなかったら聞いて」
「ありがとうお姉ちゃん!!」
リビングの清掃、ゴミ出し、風呂掃除、洗濯、家事を妹と一日掛けてやり切った。母が帰って来る頃には、夕飯も作っていて待っていると、涙ながらに感謝と謝罪を受ける事になった。母にもまた一緒に暮らせないかと尋ねられたが、それは難しいと霞は答えた。すでに生みの親との話も進んでいるし、今までの事を無かった事には出来ない。ただ、妹の家事の手伝いに月2回程来て欲しいと依頼された。おこづかいも5000円くれるらしい。受けない理由がない。
関係が壊れてしまって、何もかもなくなってしまうのかと思っていたが、母に限れば以前よりも良くなった様な、霞はそんな気がしていた。
夏樹の家に戻ると、霞は流石にくたくたになってベッドに転がっていた。天井を仰いでいると、ぷかぷかと妙な物体が浮かんでいるのが見える。天使の羽が生えたピンクのゾウみたいな物体が空に浮かんでいる。謎の物体と目と目が合って、重い体を霞は起こした。
「・・・バク?だっけ。何してるの?」
「お久しぶりっす。夏樹さんはまだ帰ってないっすか」
「多分、今日はバイトに行ってると思うけど」
「ちょっと身内の不幸が発覚しまして」
凹んでるっすと、バクは霞にそう告げた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
72
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる