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The killer of paranoid Ⅷ
第十六話
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呪術捜査官達は二条城の門を破壊する事を念頭に動いていたが、突如一部の結界が解除され、扉が開かれる。扉の前には何も無かったが、誘っている事は明白。京都の陰陽庁の状況を巨大なスクリーンで眺めている朝倉羽津流がその情報を耳にした際躊躇せず現場へ突入の指示を下した。東京とは相変わらず音信不通。星蘭に任せるしかない。京都の状況も全くもって芳しくない。一部京都の式神が大量に消滅した地域も確認出来たがその他の地域では変わらず式神が浮遊している。観光客や地元の人々にも影響を及ぼし、交通にも規制がかかり、電車も止めていて、全国規模で調整を余儀なくされ物流と経済も停滞している。呪術捜査官を始め、紅葉、早苗、古谷、天音達に期待がかかり、まずは数名の呪術捜査官が内部へと突入。すると、地面に魔法陣が浮かび上がりその者達がどこかへ消えてしまった。全員臆するが、白虎が説明する。
「ケッ・・・大妖が良く使う固有の結界って訳じゃねえ。強さを識別してこの“二条城のどこか”へ飛ばされる仕組みが施されてら」
「相手を向こうが自由に選べるって訳ね」
「やる事は一緒だ。確保出来次第応援に向かって物量で押すぞ」
全員が覚悟し、二条城の内部へ入る。飛ばされた先は白虎の言う通り二条城の中には違いない。紅葉が辿り着いたのは、二の丸御殿。そこで一人の女性が目に入る。紅葉は以前にも覚えがある相手であっただけに少し驚く。細身でパンクな恰好の肌の白い女性。以前京子を浚った女性に違いない。半殺しの目に合った女性でもあり因縁の相手とも言える。
「久しぶりだねェお嬢ちゃん。あんたなら楽に殺れそうだったし・・・・・・あの時の続きが出来ないのは心残りだったからねぇ」
「こっちこそ臨む所よ。あの時とは違うって所見せてあげる。いけるわね白虎」
「誰に物を言ってる。秒であの女転がして次へ行くぞ」
「しろとら・・・・・・白虎?冗談も大概にしな。あんたみたいな半人前が使役出来るもんじゃない。ハッタリが通じると思ってるのかい?」
女が、黒い羽蟲を周囲に大量に出現させる。本来蟲を殺した呪から派生する物が呪力溢れる力を得たのか初手から全力で来ている。
「言わせとけ。どうせ次の瞬間には終わる」
次いで早苗が本丸御殿にて青葉直彦を確認した。
「脱獄囚青葉直彦、殺人容疑にて再び貴方を逮捕します」
「ふむ。一見、聡明な少女かと思えば思考停止したお馬鹿の類ですねえ。貴方に何の権限が?そもそも何の容疑で?この日本に呪術捜査官等存在はしないし、表舞台にはありません。無い物をあるかのような傲慢な台詞」
不愉快極まり無い、と青葉は疑似神を召喚する。
「そうですね、確かに表舞台には存在しません。ですがこの国では遥か昔から貴方の様な存在を増やさぬ様に、秘密裏に事件を処理するのが習わし。それがこの国の現実です」
「それを受け入れろと?」
「それが嫌なら大人しく普通に暮らすべきかと」
「君は知らないだろうが、国際社会では呪術師は決して珍しくはない。米国には何件もの呪術屋が幅を利かせているし、電話一本で商売として成立している。本来この国もそうあるべきとは思わないかな」
「そのお陰で面倒事が少ない国になっているのなら私は歓迎です」
「まぁ、君を殺した後で私が世界を大きく変えれば良いだけの事」
「朱雀、いくわよ」
「世界遺産の手前この場所で全力も出し難い。厄介なものだな」
最後に、清流園にて呪術捜査官が明野を目視で確認した。大勢で囲んで銃を突きつける。
「脱獄囚、明野鞍馬だな!!お前を再び逮捕する!!逃げられると思うな!!」
「逃げやしねえよ。さぁこうなりゃヤケだ!!」
(適当にこなして死んだふり、または手を上げて白旗を振る。それが俺の中の今のベスト。旦那にゃ悪いが俺は秒で降参する)
明野の心を読んだ天音が笑いを堪える。
明野達が居る向こう側で雷光と火柱が発生し、二条城にて3者3様の戦いの火蓋がきられた。
「ケッ・・・大妖が良く使う固有の結界って訳じゃねえ。強さを識別してこの“二条城のどこか”へ飛ばされる仕組みが施されてら」
「相手を向こうが自由に選べるって訳ね」
「やる事は一緒だ。確保出来次第応援に向かって物量で押すぞ」
全員が覚悟し、二条城の内部へ入る。飛ばされた先は白虎の言う通り二条城の中には違いない。紅葉が辿り着いたのは、二の丸御殿。そこで一人の女性が目に入る。紅葉は以前にも覚えがある相手であっただけに少し驚く。細身でパンクな恰好の肌の白い女性。以前京子を浚った女性に違いない。半殺しの目に合った女性でもあり因縁の相手とも言える。
「久しぶりだねェお嬢ちゃん。あんたなら楽に殺れそうだったし・・・・・・あの時の続きが出来ないのは心残りだったからねぇ」
「こっちこそ臨む所よ。あの時とは違うって所見せてあげる。いけるわね白虎」
「誰に物を言ってる。秒であの女転がして次へ行くぞ」
「しろとら・・・・・・白虎?冗談も大概にしな。あんたみたいな半人前が使役出来るもんじゃない。ハッタリが通じると思ってるのかい?」
女が、黒い羽蟲を周囲に大量に出現させる。本来蟲を殺した呪から派生する物が呪力溢れる力を得たのか初手から全力で来ている。
「言わせとけ。どうせ次の瞬間には終わる」
次いで早苗が本丸御殿にて青葉直彦を確認した。
「脱獄囚青葉直彦、殺人容疑にて再び貴方を逮捕します」
「ふむ。一見、聡明な少女かと思えば思考停止したお馬鹿の類ですねえ。貴方に何の権限が?そもそも何の容疑で?この日本に呪術捜査官等存在はしないし、表舞台にはありません。無い物をあるかのような傲慢な台詞」
不愉快極まり無い、と青葉は疑似神を召喚する。
「そうですね、確かに表舞台には存在しません。ですがこの国では遥か昔から貴方の様な存在を増やさぬ様に、秘密裏に事件を処理するのが習わし。それがこの国の現実です」
「それを受け入れろと?」
「それが嫌なら大人しく普通に暮らすべきかと」
「君は知らないだろうが、国際社会では呪術師は決して珍しくはない。米国には何件もの呪術屋が幅を利かせているし、電話一本で商売として成立している。本来この国もそうあるべきとは思わないかな」
「そのお陰で面倒事が少ない国になっているのなら私は歓迎です」
「まぁ、君を殺した後で私が世界を大きく変えれば良いだけの事」
「朱雀、いくわよ」
「世界遺産の手前この場所で全力も出し難い。厄介なものだな」
最後に、清流園にて呪術捜査官が明野を目視で確認した。大勢で囲んで銃を突きつける。
「脱獄囚、明野鞍馬だな!!お前を再び逮捕する!!逃げられると思うな!!」
「逃げやしねえよ。さぁこうなりゃヤケだ!!」
(適当にこなして死んだふり、または手を上げて白旗を振る。それが俺の中の今のベスト。旦那にゃ悪いが俺は秒で降参する)
明野の心を読んだ天音が笑いを堪える。
明野達が居る向こう側で雷光と火柱が発生し、二条城にて3者3様の戦いの火蓋がきられた。
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