転生

シナモン

文字の大きさ
上 下
7 / 9

しおりを挟む
いつも冴えないわたし
今度生まれ変わったら
お姫様みたいになりたい!
って
そんなこと考えていたら
ある日
何処かの怪しい国から
ミサイルが飛んできた

ドッカーン─ピカッ

目覚めた私が
いたのは、
───あれれっ?
これってもしかしたら──

そう、彼氏の書いた
物語の中だった

彼は自分をカッコいい騎士様に見立て
とある国の姫と恋をする
──という物語を書いていた

私はというと
その恋の邪魔をする
性格の悪~い悪役令嬢みたいな存在だ


そして、騎士様が
わたしに向かって言う台詞は


「もう2度と僕の目の前に現れるな!」

何でそんなこと言うの?
って、何で私がお姫様じゃないのよ!

「もう2度と僕の前に現れるなよ!」

はぁっー?
なに言ってるの?
自分がわたしをモデルに書いてるくせに!


「もう2度と僕の目の前に現れるな!」

あー!分かった!
そうか
お姫様ってあのオンナがモデルなんだ
やっぱりあのオンナのことが気になるんだ


それで自分の書く物語で
その恋を成就させる気なのね

「もう2度と僕の目の前に現れるな!」


うるさい、うるさい!
もう黙ってて!
それって絶対浮気ですから!


「もう2度と僕の目の前に現れるな!」


あ~ん、もう
こんな転生もう嫌だちゅーの!!
しおりを挟む

処理中です...