3 / 3
3.家族に
しおりを挟む
道は相変わらずの暑さだ。
俺はあまりの暑さに、近くにあった書店に寄って休むことにした。
中はクーラーが効いており、とても快適だった。
ふと、俺の目に留まった物があった。
『恋する洗濯機』
それは最近大ヒットしている漫画だった。
俺の頭の中に記憶が甦る。
あの頃、俺はろくに貯金もしていなかった。
そんな中、俺の娘である珠里は三歳の誕生日を迎えた。
珠里はおもちゃのお人形セットを欲しがった。俺はどうしても珠里にそれを買ってあげたかった。
だが、それはおもちゃにしては高い値段だった。
俺は仕事もせずにダラダラと日々を過ごしていたし、妻の沢子が必死に稼いでくれた金は生活費をなんとかもたせるので余りなど無かった。
俺はそれが理由で、珠里に可哀想な思いをさせたくなかった。
今思えばその時に働き始めれば良かったのだ。
だが、愚かな俺は侵入が楽そうな家を探しだし、盗みを働くことを考えた。
実際に侵入して、そこで住人と鉢合わせになった。
俺はその男に返り討ちにされ、倒れた。
しかし、その後彼は俺に隙を見せた。俺は怒りに身を任せて彼を殺そうと考えた。
だが、そこで警察のサイレンが聞こえ、我に返った。
本当にあの時、俺の過ちを止めて下さった神様には感謝している。あそこで一歩を踏み出してしまえば、俺は今ここにいないだろう。
俺はすぐにそこから逃げ出し、家へ帰ると沢子は「どうしたの、その怪我!?」と血相を変えて聞いてきた。
酔っ払いと喧嘩した、と俺は嘘をついた。
結局、家族に不安をかけただけで、何も得られたものはなかった。
俺が「ごめん、お誕生日プレゼントは買えなかったんだ。また、今度お金が入ったら、買ってあげるから」と必死の弁解をしたことに、珠里は悲しみの顔を浮かべた。
俺の胸は締め付けられ、その気持ちの矛先は理不尽にも、俺が入った家の男に向けられた。
彼が黙って金を渡してくれていたら、と。
そんな痛い目を見ても俺は仕事をしなかった。どうすれば仕事ができるのか、恥ずかしながらその時の俺にはわからなかったのだ。
ある日、俺が公園をぶらぶらと歩いていると、見覚えのある顔が向こうから歩いてきた。
それはあの家の主人だった。
彼は横を歩く女性と話をしていた。俺には直感で、その女性が彼の大事な人だとわかった。
男はこちらに気付かなかったので、すれ違いざまに、俺はわざと男の肩にぶつかった。
咄嗟に謝ってくる彼に、俺は溜まっていた怒りを押さえられなくなった。何かが頭の奥でプツッと切れる音がした。
「この前はよくも騒いでくれたな」
俺はそう言って、護身用に持ち歩いていたナイフを取り出した。
最初、彼を切りつけようと思っていた。だが、そこで横にいた女性と目が合った。
俺の中にあった気持ちは更なる悪魔へと変わった。
この男から、隣にいる女性を奪い取ってやろう。この俺が娘の笑顔を奪われたように。そう考えたのだ。
俺が女性に向けて、勢いよくナイフを振り下ろしたとき、彼は迷いもなくナイフの先へと飛び出した。
俺の手に握られていたナイフは、彼の肩に深く刺さっていた。
頭の中が真っ白になった。
何でそんなことができるのだ。何故そこまで……自らを犠牲にしてまで人を守ることができるのだ。
俺は動転し、動きを止めた。
彼の真剣なまなざしが俺の目を貫いた。心臓を握りつぶされたような気分になった。
すかさず腹に蹴りが飛んできた。
俺は彼の蹴りをまっすぐに受けて、後ろにあった池へと落ちた。
近くで女性の悲鳴が上がった。
辺りがザワザワとしてきて、警察が来たのもわかった。
だが、池に浮いた俺の体には力が入らなかった。
俺の目には未だに彼のまなざしが刺さっていた。
俺は何てバカだったのだろう。
あの池から俺が引き上げられた時、俺の顔を滴る水滴が池の水だけではなかった。そのことを知る者は俺以外にいないだろう。
その事件でようやく、俺は心から反省した。
しばらくして彼の体調が回復してきたところで、心の底からの謝罪をしに行った。
俺は残りの前歯が全部折られるぐらいの覚悟で、彼の元へ行った。
だが、彼は静かに「これからはこんなことをせず、人を大切にするように」と言った。加えて彼は「自分のことも大切にしてください」と言った。
俺は涙が止まらなかった。顔をぐしゃぐしゃにして彼に感謝を言った。もう過ちは繰り返さない。そう誓った。
沢子と珠里にも頭を下げて謝った。
俺はこれから人生やり直す。今までごめん。二人の為に生きてきたつもりだったけど、ただ甘えているだけだった。本当に申し訳ない。
そう泣きながら言った。
沢子は、「待っているから、しっかり償って。そして、また新しく生活を始めましょう」と言ってくれた。彼女の声は震えっぱなしで、後半には嗚咽も混ざっていたために聞き取りずらかったが、一言も漏らさずに聞き取った。
俺は本当に良い家族に恵まれていたことを実感した。
それから、刑務所での生活が頭の中を流れていった。
家族の元へ帰ることができたあの感動を思い出した。学校に通うようになった珠里と少しやつれた沢子が温かく迎えてくれた時の幸福を思い出した。
今では俺もちゃんと仕事を見つけ、真面目にやっている。おかげで以前よりは生活にも余裕が生まれた。
ちゃんと珠里に誕生日プレゼントも贈ることができるようになった。
しばらくして、やっと意識が手元の本に戻ってきた。
『恋する洗濯機』
それは、俺の人生を救ってくれた彼、坂口天馬《さかぐち てんま》の作品だった。
そういえば、と彼の家に盗みに入った時の彼の言動を思い出した。
彼は俺と揉み合っている中で、必死に洗濯機を守ろうとしていたのだ。
洗濯機を守ろうとする彼を見たとき、俺はきちがいだと思っていた。
彼が俺のことを許してくれた時でさえも、あの時の洗濯機に対する言動だけは不思議に感じていた。
だが、今なら何となく分かる気がする。
『扇風機になる』という、信じられない状況(未だに夢なのではないかと疑っている)に陥ったからこそ、何だか分かる気がするのだ。
もしかして、彼も似たような状況にあったのではないか、と。
元々、彼は自分のことを犠牲にしてまで、大切なものを守ることのできる人間だったのだ。
俺にはそれがわからず、彼がナイフを恐れずに隣の女性を守ったことに心底驚かされた。
考えてみれば、俺はあれだけたくさんの人に救われて、今の生活をさせてもらえている。それなのにこの前、ただイライラしていただけで、相手が知らない子どもだからと、冷たく当たってしまったのだ。
何も変われていなかったのではないか。
俺は結局、あの少女にまで助けてもらう事になった。
魔法使いだというあの少女のおかげで、俺は優しさに気が付くことができたのではないだろうか。
どれだけ助けてもらわないと、生きていけない人間なのだろう。
自分のことが恥ずかしくなった。
だが、ずっと恥ずかしがっていてもしょうがない。
気付けたのだからそれを大事に守っていこう。俺はそう考えた。
俺は『恋する洗濯機』を手にするとレジへと向かった。
書店を出ると、再び体は熱気に包まれた。
もう一度、書店に戻ろうかという考えが脳裏をよぎったが、俺は歩みを進めた。
俺には帰らなくてはいけない家があるのだ。
近くの家から扇風機の音がして、俺は耳を澄ます。
お爺さんと夫婦の記憶がみるみるうちに、濃く現れた。
「あれは、きっと夢じゃないんだな……」
そうつぶやくと、また前を向いて足を動かす。
焼き付けるような陽差しの中、俺は歩き続ける。
家で待つ最愛の妻、そして今はその笑顔を見せてくれるようになった、愛しい我が娘が待つ家へと。
俺はあまりの暑さに、近くにあった書店に寄って休むことにした。
中はクーラーが効いており、とても快適だった。
ふと、俺の目に留まった物があった。
『恋する洗濯機』
それは最近大ヒットしている漫画だった。
俺の頭の中に記憶が甦る。
あの頃、俺はろくに貯金もしていなかった。
そんな中、俺の娘である珠里は三歳の誕生日を迎えた。
珠里はおもちゃのお人形セットを欲しがった。俺はどうしても珠里にそれを買ってあげたかった。
だが、それはおもちゃにしては高い値段だった。
俺は仕事もせずにダラダラと日々を過ごしていたし、妻の沢子が必死に稼いでくれた金は生活費をなんとかもたせるので余りなど無かった。
俺はそれが理由で、珠里に可哀想な思いをさせたくなかった。
今思えばその時に働き始めれば良かったのだ。
だが、愚かな俺は侵入が楽そうな家を探しだし、盗みを働くことを考えた。
実際に侵入して、そこで住人と鉢合わせになった。
俺はその男に返り討ちにされ、倒れた。
しかし、その後彼は俺に隙を見せた。俺は怒りに身を任せて彼を殺そうと考えた。
だが、そこで警察のサイレンが聞こえ、我に返った。
本当にあの時、俺の過ちを止めて下さった神様には感謝している。あそこで一歩を踏み出してしまえば、俺は今ここにいないだろう。
俺はすぐにそこから逃げ出し、家へ帰ると沢子は「どうしたの、その怪我!?」と血相を変えて聞いてきた。
酔っ払いと喧嘩した、と俺は嘘をついた。
結局、家族に不安をかけただけで、何も得られたものはなかった。
俺が「ごめん、お誕生日プレゼントは買えなかったんだ。また、今度お金が入ったら、買ってあげるから」と必死の弁解をしたことに、珠里は悲しみの顔を浮かべた。
俺の胸は締め付けられ、その気持ちの矛先は理不尽にも、俺が入った家の男に向けられた。
彼が黙って金を渡してくれていたら、と。
そんな痛い目を見ても俺は仕事をしなかった。どうすれば仕事ができるのか、恥ずかしながらその時の俺にはわからなかったのだ。
ある日、俺が公園をぶらぶらと歩いていると、見覚えのある顔が向こうから歩いてきた。
それはあの家の主人だった。
彼は横を歩く女性と話をしていた。俺には直感で、その女性が彼の大事な人だとわかった。
男はこちらに気付かなかったので、すれ違いざまに、俺はわざと男の肩にぶつかった。
咄嗟に謝ってくる彼に、俺は溜まっていた怒りを押さえられなくなった。何かが頭の奥でプツッと切れる音がした。
「この前はよくも騒いでくれたな」
俺はそう言って、護身用に持ち歩いていたナイフを取り出した。
最初、彼を切りつけようと思っていた。だが、そこで横にいた女性と目が合った。
俺の中にあった気持ちは更なる悪魔へと変わった。
この男から、隣にいる女性を奪い取ってやろう。この俺が娘の笑顔を奪われたように。そう考えたのだ。
俺が女性に向けて、勢いよくナイフを振り下ろしたとき、彼は迷いもなくナイフの先へと飛び出した。
俺の手に握られていたナイフは、彼の肩に深く刺さっていた。
頭の中が真っ白になった。
何でそんなことができるのだ。何故そこまで……自らを犠牲にしてまで人を守ることができるのだ。
俺は動転し、動きを止めた。
彼の真剣なまなざしが俺の目を貫いた。心臓を握りつぶされたような気分になった。
すかさず腹に蹴りが飛んできた。
俺は彼の蹴りをまっすぐに受けて、後ろにあった池へと落ちた。
近くで女性の悲鳴が上がった。
辺りがザワザワとしてきて、警察が来たのもわかった。
だが、池に浮いた俺の体には力が入らなかった。
俺の目には未だに彼のまなざしが刺さっていた。
俺は何てバカだったのだろう。
あの池から俺が引き上げられた時、俺の顔を滴る水滴が池の水だけではなかった。そのことを知る者は俺以外にいないだろう。
その事件でようやく、俺は心から反省した。
しばらくして彼の体調が回復してきたところで、心の底からの謝罪をしに行った。
俺は残りの前歯が全部折られるぐらいの覚悟で、彼の元へ行った。
だが、彼は静かに「これからはこんなことをせず、人を大切にするように」と言った。加えて彼は「自分のことも大切にしてください」と言った。
俺は涙が止まらなかった。顔をぐしゃぐしゃにして彼に感謝を言った。もう過ちは繰り返さない。そう誓った。
沢子と珠里にも頭を下げて謝った。
俺はこれから人生やり直す。今までごめん。二人の為に生きてきたつもりだったけど、ただ甘えているだけだった。本当に申し訳ない。
そう泣きながら言った。
沢子は、「待っているから、しっかり償って。そして、また新しく生活を始めましょう」と言ってくれた。彼女の声は震えっぱなしで、後半には嗚咽も混ざっていたために聞き取りずらかったが、一言も漏らさずに聞き取った。
俺は本当に良い家族に恵まれていたことを実感した。
それから、刑務所での生活が頭の中を流れていった。
家族の元へ帰ることができたあの感動を思い出した。学校に通うようになった珠里と少しやつれた沢子が温かく迎えてくれた時の幸福を思い出した。
今では俺もちゃんと仕事を見つけ、真面目にやっている。おかげで以前よりは生活にも余裕が生まれた。
ちゃんと珠里に誕生日プレゼントも贈ることができるようになった。
しばらくして、やっと意識が手元の本に戻ってきた。
『恋する洗濯機』
それは、俺の人生を救ってくれた彼、坂口天馬《さかぐち てんま》の作品だった。
そういえば、と彼の家に盗みに入った時の彼の言動を思い出した。
彼は俺と揉み合っている中で、必死に洗濯機を守ろうとしていたのだ。
洗濯機を守ろうとする彼を見たとき、俺はきちがいだと思っていた。
彼が俺のことを許してくれた時でさえも、あの時の洗濯機に対する言動だけは不思議に感じていた。
だが、今なら何となく分かる気がする。
『扇風機になる』という、信じられない状況(未だに夢なのではないかと疑っている)に陥ったからこそ、何だか分かる気がするのだ。
もしかして、彼も似たような状況にあったのではないか、と。
元々、彼は自分のことを犠牲にしてまで、大切なものを守ることのできる人間だったのだ。
俺にはそれがわからず、彼がナイフを恐れずに隣の女性を守ったことに心底驚かされた。
考えてみれば、俺はあれだけたくさんの人に救われて、今の生活をさせてもらえている。それなのにこの前、ただイライラしていただけで、相手が知らない子どもだからと、冷たく当たってしまったのだ。
何も変われていなかったのではないか。
俺は結局、あの少女にまで助けてもらう事になった。
魔法使いだというあの少女のおかげで、俺は優しさに気が付くことができたのではないだろうか。
どれだけ助けてもらわないと、生きていけない人間なのだろう。
自分のことが恥ずかしくなった。
だが、ずっと恥ずかしがっていてもしょうがない。
気付けたのだからそれを大事に守っていこう。俺はそう考えた。
俺は『恋する洗濯機』を手にするとレジへと向かった。
書店を出ると、再び体は熱気に包まれた。
もう一度、書店に戻ろうかという考えが脳裏をよぎったが、俺は歩みを進めた。
俺には帰らなくてはいけない家があるのだ。
近くの家から扇風機の音がして、俺は耳を澄ます。
お爺さんと夫婦の記憶がみるみるうちに、濃く現れた。
「あれは、きっと夢じゃないんだな……」
そうつぶやくと、また前を向いて足を動かす。
焼き付けるような陽差しの中、俺は歩き続ける。
家で待つ最愛の妻、そして今はその笑顔を見せてくれるようになった、愛しい我が娘が待つ家へと。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑 ネトロア
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
- - - - - - - - - - - - -
ただいま後日談の加筆を計画中です。
2025/06/22
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる