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第七章:聖者と怨霊のささやかな交流
しおりを挟む三人はアクロバティックサラサラ(アクサラ)の
運営するクリニックへ行き、そこで彼女から今回の目的である物資を受け取っていた。
アクサラは三ヶ月分の薬の入った処方箋を
まとめて小包に入れて手渡す
「はい、これが受肉維持のための錠剤。
1日2錠、朝起きたら貞子に飲ませてね。
……因みに薬代は結構よ」
健一が驚いて「えっ、でも、こんなに貴重そうなものを……」と財布に手をかけようとすると、アクサラは銀髪をかき上げ、眼鏡の奥で知的に微笑んだ。
「いいのよ。これはあたしにとっても『治験』みたいなもの。怨霊が人間に受肉して、その後どう変化していくのか……その貴重なデータを提供してもらっていると思えば、こんな薬代なんて安いものだわ。だから少年、あんまり気に病まないでくれ。」
健一は「……ありがとうございます! アクサラさんは、本当にかっこよくて優しいお医者さんですね」と、濁りのないくしゃっとした笑顔を見せた。その輝きに、アクサラは一瞬だけ目を細め、胸の奥がわずかに疼くのを感じた。(……なるほど。貞子や姦姦蛇螺が狂うわけね、この無自覚な光は)
#### 2. 花子さんの贖罪とトリートメント
続いて花子さんが、高級感のある華やかなパッケージのボトルを健一に手渡した。
「こっちは、貞子が霊界にいた頃に愛用していたトリートメントよ。あの子、髪の毛だけは昔から執着がすごかったから。……これも、私からのプレゼント。お金はいらないわ」
花子さんの声は、どこか少しだけ沈んでいた。彼女はあの日、DVDの世界で健一が弄ばれていた時、すぐに助けに入らずにモニター越しに見ていたことを、今も深く悔いているのだ。
「ごめんなさいね、健一くん。……あの時、私がすぐに駆けつけていれば、あんな……あんなひどい目に遭わずに済んだのに。執行部の責任者として、本当に申し訳ないと思ってるわ…。」
深々と頭を下げた花子さんに対し、健一は困ったように眉を下げて、首を横に振った。
「いいんですよ、花子さん。あの時は、僕も……その、ちょっと特殊な状況(泥酔と勘違い)でしたし。それに、あのことがあったから、今の貞子さんと一緒にいられるんですから。感謝してるくらいです!」
その言葉に、花子さんは顔を上げ、地雷系メイクの瞳を潤ませた。
「……健一くん、あなたは本当に……『終わってる』なんて言われてるけど、誰よりも聖(ひじり)みたいな人ね。」
健一
「ガーン、、俺は『終わってる』んですか(絶句)。」
ショックを受ける健一を見て花子とアクサラは
思わず吹き出す
花子
「そりゃ、、あんな性癖をもろにモニター越しに見せられちゃね(笑)」
アクサラ
「気にするな少年、癖なんて誰しも歪んでる
……『ヌポヌポして気持ちいいね、おねぇさん♡』って言ってくれ(ボソッ)」
健一
「やめろー顔から火が出るくらい恥ずかしい!!」
~霊界からの帰り道~
物資を抱え、現世への出口へと向かう健一。
背後では、アクサラと花子さんがその小さな背中を見送っている。
アクサラは白衣のポケットにぽ片手を入れてポツリと呟く
「……あんな子、現世にもう絶滅したと思ってたわよ。」
花子さんがそんな彼女の目も見ずに答える
「ええ。だからこそ、守らなきゃいけないのよね。私たちの世界が壊さないようにね。」
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