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「待て! まだ話は終わっていないと言っているだろう!」
しつこい。実にしつこいです。
王城の正面玄関ホール。
巨大な吹き抜けと、国宝級のタペストリーが飾られたこの場所に、ギルバート殿下の絶叫が反響しました。
私は馬車乗り場へ向かう足を止め、ゆっくりと振り返ります。
夜会から帰ろうとする他の貴族たちが、何事かと足を止め、遠巻きにこちらを伺っていました。野次馬の視線が集まります。
殿下は肩で息をしながら、私の前に立ちはだかりました。その瞳は潤み、悲劇のヒーローを気取っています。
「リズナ……貴様、本当にこれで終わりでいいと思っているのか?」
「法的には終わりました。あとは事務的な入金確認を残すのみです」
「心の話をしているんだ!」
殿下は胸をドンと叩きました。
「3年だぞ? 3年もの間、我々は婚約者として過ごしてきた。共に茶を飲み、共に舞踏会で踊り、国の未来を語り合った……あの時間は、貴様にとって何の意味もなかったというのか!」
周囲の令嬢たちが「まぁ……」とハンカチを目に当てます。
殿下の熱っぽい語り口は、確かに情緒的で、見る者の心を揺さぶる演出力があります。舞台俳優なら一流になれたかもしれません。
しかし、残念ながら私の心は揺れません。揺れるのは計算機の数値だけです。
「意味ならありましたよ」
「そうだろう! やはり貴様にも、私への愛が……」
「『忍耐力の向上』と『無駄な時間の可視化』という、得難い経験データが得られました。今後の人生におけるリスク回避に大いに役立ちます」
私が無表情で答えると、期待に輝きかけた殿下の顔が凍りつきました。
遠巻きに見ていた貴族の中から、ブフッという吹き出す音が聞こえます。
「き、貴様……どこまで可愛げのない……!」
「事実を申し上げたまでです。殿下が語る『国の未来』とは、具体的施策のない夢物語ばかりでしたし、『共に飲んだ茶』は私が手配した最高級茶葉を、殿下が砂糖の入れすぎで台無しにするのを眺める苦行でした」
「くっ……!」
「それに、あの時間は無駄ではありませんでしたが、今のこの時間は完全な無駄です。私の馬車待機料金が発生しています」
私は腕時計をトントンと指差しました。
すると、殿下の背後からミア様が飛び出してきました。
「ひどいですリズナ様! お金、お金って……そんなにお金が大事なんですか!?」
ミア様は涙を溜めた瞳で、私を睨みつけます。
「愛はお金じゃ買えないんです! どんなに宝石を積んでも、人の心は動かせません! 愛の重さは、金貨の袋なんかよりずっとずっと重いんですから!」
おお、これまた教科書通りの清貧(せいひん)ヒロイン発言。
周囲からは「その通りだわ」「愛こそすべてよ」といった賛同の空気が流れます。
この場の空気は完全に『冷酷な悪役令嬢 vs 純真な愛の二人』という構図になっていました。
私は小さく息を吐き、セオドアに手を伸ばしました。
「セオドア」
「はい、お嬢様」
阿吽の呼吸で、セオドアが懐から革袋を取り出し、私の掌に乗せました。
ズシリ、とした重量感。
中には予備の軍資金として持ち歩いている、金貨50枚が入っています。
「ミア様。貴女は『愛は金貨より重い』と仰いましたね?」
「は、はい! 当然です!」
「では、検証してみましょう」
私は右手に金貨の袋を持ち、左手を空中に差し出しました。
「私の右手には、物理的な質量を持つ金貨の袋があります。重さは約1キログラム。純金製ゆえに比重も大きく、確かな存在感があります」
「……?」
「対して、左手には貴女の言う『愛』を乗せてみました。……おや? 何も感じませんね。質量ゼロ。空気抵抗のみ。物理法則に従うならば、圧倒的にこちらの金貨の方が『重い』のですが?」
「そ、そういう屁理屈を言ってるんじゃありません!」
「屁理屈ではありません。物理学です」
私は淡々と続けました。
「貴女の言う愛の重さとやらが、精神的な比喩であることは理解しています。ですが、その『愛』で何ができますか? 空腹の子供にパンを与えられますか? 寒さに震える老人に毛布を買えますか? 崩れた城壁を修復できますか?」
「そ、それは……気持ちがあれば、なんとかなります!」
「なりません」
私は一刀両断しました。
「精神論で腹は膨れません。資材は調達できません。貴女が『愛』を叫んでいる間に、私はこの金貨で小麦を買い付け、職人を雇い、確実に問題を解決します。どちらが『重い』=『価値がある』かは明白でしょう」
シーン……。
玄関ホールが静まり返りました。
あまりに即物的すぎる私の主張。しかし、誰一人として論破できません。なぜなら、ここにいる貴族たちは皆、領地経営において『金こそが力』であることを骨身に染みて知っているからです。
「っ……! で、でも! 愛がなければ幸せになれません!」
「それも間違いですね」
私は金貨の袋をチャリ、と鳴らしました。
「この金貨があれば、私は最高級のベッドで眠り、一流のシェフが作った料理を食べ、好きな本に囲まれて暮らせます。さらに、嫌いな人間(あなたたち)と顔を合わせずに済むという精神的平穏も買えます。これは客観的に見て『幸せ』な状態です」
「ううう……っ!」
「逆に問いますが、愛だけで飢えや寒さを凌ぎ、借金取りに追われる生活は『幸せ』ですか? 貴女のその綺麗なドレス、誰のお金で買ったものかご存じないわけではないでしょう?」
ミア様の顔が真っ赤になりました。
彼女のドレスは、実家の男爵家が借金をして仕立てたものだという噂です。
殿下が助け舟を出そうと口を開きますが、私はそれを手で制しました。
「殿下。貴方の選んだ『愛』は、実に軽く、そして脆(もろ)いものです。維持費ばかりかかって利益を生まない、不良債権のようなもの。……どうぞ、大事になさってください。私というスポンサーがいなくなった後で、その価値が暴落しないことを祈っております」
言い切った瞬間、私は金貨の袋を懐にしまいました。
それはまるで、彼らとの会話を打ち切る合図のようでした。
「行くわよ、セオドア」
「御意」
私はドレスの裾を翻し、正面玄関の扉へ向かいます。
衛兵が慌てて扉を開け放ちました。
夜風が吹き込み、私の頬を撫でます。
「あ……あいつ……!」
背後で殿下がわなわなと震えている気配がします。
しかし、もう追いかけては来ませんでした。
言葉の暴力――いえ、『正論の暴力』で殴られすぎて、立ち上がる気力を失ったのでしょう。
それに、周囲の貴族たちの反応も変わっていました。
「……あのアークライト嬢、只者ではないな」
「殿下が言い負かされるのも無理はない」
「というか、あの請求書の内容、気になるな……」
「愛より金か。清々しいほどに商売人だ」
クスクスという失笑は、もはや殿下とミア様に向けられたものでした。
私は馬車に乗り込み、ふぅ、と息を吐きます。
「お見事でした、お嬢様」
向かいの席に座ったセオドアが、楽しそうに拍手をしてきました。
「『愛は質量ゼロ』……あのような暴論、初めて聞きましたよ」
「事実でしょう? 測定できないものは管理できない。管理できないものは信用できない。私の信条よ」
「左様でございますね。しかし、殿下も哀れな方です。最後の最後に、ご自身の『愛』の価値を、金貨50枚以下だと突きつけられたのですから」
「50枚? 買い被りすぎよ」
私は窓の外、遠ざかる王城を冷ややかに見つめました。
「あの二人の『愛』の価値なんて、精々が銅貨3枚……いいえ、石ころ一つ分くらいの価値しかないわ。すぐにメッキが剥がれて、共倒れするのが目に見えている」
「手厳しいですね」
「現実的な予測よ。……さあ、急ぎましょう。国境を越える前に、やることが山積みよ」
「承知いたしました。御者、出せ!」
セオドアの合図で、馬車が動き出します。
車輪の音が、石畳を軽快に叩きました。
こうして私は、18年間過ごした王都を後にしました。
涙? ありません。
未練? 皆無です。
あるのは、「これでやっと、自分の好きなようにお金が使える!」という、底なしの野望と解放感だけでした。
……ですが、私は一つだけ計算違いをしていました。
私が去った後の王城で、私の予想を遥かに超えるスピードで『リズナ・ロス』が発生し、殿下たちが地獄を見ることになるということを。
そして、その地獄からのSOSが、私の隠居先まで追いかけてくるということを。
荷造りは30分で完了しましたが、過去のしがらみはそう簡単に断ち切れないようです。
しつこい。実にしつこいです。
王城の正面玄関ホール。
巨大な吹き抜けと、国宝級のタペストリーが飾られたこの場所に、ギルバート殿下の絶叫が反響しました。
私は馬車乗り場へ向かう足を止め、ゆっくりと振り返ります。
夜会から帰ろうとする他の貴族たちが、何事かと足を止め、遠巻きにこちらを伺っていました。野次馬の視線が集まります。
殿下は肩で息をしながら、私の前に立ちはだかりました。その瞳は潤み、悲劇のヒーローを気取っています。
「リズナ……貴様、本当にこれで終わりでいいと思っているのか?」
「法的には終わりました。あとは事務的な入金確認を残すのみです」
「心の話をしているんだ!」
殿下は胸をドンと叩きました。
「3年だぞ? 3年もの間、我々は婚約者として過ごしてきた。共に茶を飲み、共に舞踏会で踊り、国の未来を語り合った……あの時間は、貴様にとって何の意味もなかったというのか!」
周囲の令嬢たちが「まぁ……」とハンカチを目に当てます。
殿下の熱っぽい語り口は、確かに情緒的で、見る者の心を揺さぶる演出力があります。舞台俳優なら一流になれたかもしれません。
しかし、残念ながら私の心は揺れません。揺れるのは計算機の数値だけです。
「意味ならありましたよ」
「そうだろう! やはり貴様にも、私への愛が……」
「『忍耐力の向上』と『無駄な時間の可視化』という、得難い経験データが得られました。今後の人生におけるリスク回避に大いに役立ちます」
私が無表情で答えると、期待に輝きかけた殿下の顔が凍りつきました。
遠巻きに見ていた貴族の中から、ブフッという吹き出す音が聞こえます。
「き、貴様……どこまで可愛げのない……!」
「事実を申し上げたまでです。殿下が語る『国の未来』とは、具体的施策のない夢物語ばかりでしたし、『共に飲んだ茶』は私が手配した最高級茶葉を、殿下が砂糖の入れすぎで台無しにするのを眺める苦行でした」
「くっ……!」
「それに、あの時間は無駄ではありませんでしたが、今のこの時間は完全な無駄です。私の馬車待機料金が発生しています」
私は腕時計をトントンと指差しました。
すると、殿下の背後からミア様が飛び出してきました。
「ひどいですリズナ様! お金、お金って……そんなにお金が大事なんですか!?」
ミア様は涙を溜めた瞳で、私を睨みつけます。
「愛はお金じゃ買えないんです! どんなに宝石を積んでも、人の心は動かせません! 愛の重さは、金貨の袋なんかよりずっとずっと重いんですから!」
おお、これまた教科書通りの清貧(せいひん)ヒロイン発言。
周囲からは「その通りだわ」「愛こそすべてよ」といった賛同の空気が流れます。
この場の空気は完全に『冷酷な悪役令嬢 vs 純真な愛の二人』という構図になっていました。
私は小さく息を吐き、セオドアに手を伸ばしました。
「セオドア」
「はい、お嬢様」
阿吽の呼吸で、セオドアが懐から革袋を取り出し、私の掌に乗せました。
ズシリ、とした重量感。
中には予備の軍資金として持ち歩いている、金貨50枚が入っています。
「ミア様。貴女は『愛は金貨より重い』と仰いましたね?」
「は、はい! 当然です!」
「では、検証してみましょう」
私は右手に金貨の袋を持ち、左手を空中に差し出しました。
「私の右手には、物理的な質量を持つ金貨の袋があります。重さは約1キログラム。純金製ゆえに比重も大きく、確かな存在感があります」
「……?」
「対して、左手には貴女の言う『愛』を乗せてみました。……おや? 何も感じませんね。質量ゼロ。空気抵抗のみ。物理法則に従うならば、圧倒的にこちらの金貨の方が『重い』のですが?」
「そ、そういう屁理屈を言ってるんじゃありません!」
「屁理屈ではありません。物理学です」
私は淡々と続けました。
「貴女の言う愛の重さとやらが、精神的な比喩であることは理解しています。ですが、その『愛』で何ができますか? 空腹の子供にパンを与えられますか? 寒さに震える老人に毛布を買えますか? 崩れた城壁を修復できますか?」
「そ、それは……気持ちがあれば、なんとかなります!」
「なりません」
私は一刀両断しました。
「精神論で腹は膨れません。資材は調達できません。貴女が『愛』を叫んでいる間に、私はこの金貨で小麦を買い付け、職人を雇い、確実に問題を解決します。どちらが『重い』=『価値がある』かは明白でしょう」
シーン……。
玄関ホールが静まり返りました。
あまりに即物的すぎる私の主張。しかし、誰一人として論破できません。なぜなら、ここにいる貴族たちは皆、領地経営において『金こそが力』であることを骨身に染みて知っているからです。
「っ……! で、でも! 愛がなければ幸せになれません!」
「それも間違いですね」
私は金貨の袋をチャリ、と鳴らしました。
「この金貨があれば、私は最高級のベッドで眠り、一流のシェフが作った料理を食べ、好きな本に囲まれて暮らせます。さらに、嫌いな人間(あなたたち)と顔を合わせずに済むという精神的平穏も買えます。これは客観的に見て『幸せ』な状態です」
「ううう……っ!」
「逆に問いますが、愛だけで飢えや寒さを凌ぎ、借金取りに追われる生活は『幸せ』ですか? 貴女のその綺麗なドレス、誰のお金で買ったものかご存じないわけではないでしょう?」
ミア様の顔が真っ赤になりました。
彼女のドレスは、実家の男爵家が借金をして仕立てたものだという噂です。
殿下が助け舟を出そうと口を開きますが、私はそれを手で制しました。
「殿下。貴方の選んだ『愛』は、実に軽く、そして脆(もろ)いものです。維持費ばかりかかって利益を生まない、不良債権のようなもの。……どうぞ、大事になさってください。私というスポンサーがいなくなった後で、その価値が暴落しないことを祈っております」
言い切った瞬間、私は金貨の袋を懐にしまいました。
それはまるで、彼らとの会話を打ち切る合図のようでした。
「行くわよ、セオドア」
「御意」
私はドレスの裾を翻し、正面玄関の扉へ向かいます。
衛兵が慌てて扉を開け放ちました。
夜風が吹き込み、私の頬を撫でます。
「あ……あいつ……!」
背後で殿下がわなわなと震えている気配がします。
しかし、もう追いかけては来ませんでした。
言葉の暴力――いえ、『正論の暴力』で殴られすぎて、立ち上がる気力を失ったのでしょう。
それに、周囲の貴族たちの反応も変わっていました。
「……あのアークライト嬢、只者ではないな」
「殿下が言い負かされるのも無理はない」
「というか、あの請求書の内容、気になるな……」
「愛より金か。清々しいほどに商売人だ」
クスクスという失笑は、もはや殿下とミア様に向けられたものでした。
私は馬車に乗り込み、ふぅ、と息を吐きます。
「お見事でした、お嬢様」
向かいの席に座ったセオドアが、楽しそうに拍手をしてきました。
「『愛は質量ゼロ』……あのような暴論、初めて聞きましたよ」
「事実でしょう? 測定できないものは管理できない。管理できないものは信用できない。私の信条よ」
「左様でございますね。しかし、殿下も哀れな方です。最後の最後に、ご自身の『愛』の価値を、金貨50枚以下だと突きつけられたのですから」
「50枚? 買い被りすぎよ」
私は窓の外、遠ざかる王城を冷ややかに見つめました。
「あの二人の『愛』の価値なんて、精々が銅貨3枚……いいえ、石ころ一つ分くらいの価値しかないわ。すぐにメッキが剥がれて、共倒れするのが目に見えている」
「手厳しいですね」
「現実的な予測よ。……さあ、急ぎましょう。国境を越える前に、やることが山積みよ」
「承知いたしました。御者、出せ!」
セオドアの合図で、馬車が動き出します。
車輪の音が、石畳を軽快に叩きました。
こうして私は、18年間過ごした王都を後にしました。
涙? ありません。
未練? 皆無です。
あるのは、「これでやっと、自分の好きなようにお金が使える!」という、底なしの野望と解放感だけでした。
……ですが、私は一つだけ計算違いをしていました。
私が去った後の王城で、私の予想を遥かに超えるスピードで『リズナ・ロス』が発生し、殿下たちが地獄を見ることになるということを。
そして、その地獄からのSOSが、私の隠居先まで追いかけてくるということを。
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