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「――というわけで、この小切手にサインをしてくれれば、君の国の借金はチャラだ」
リズナ臨時政府・執務室。
隣国のレオナルド殿下が、優雅に指で弾いた一枚の紙切れ。
それは、我が国の国家予算の3倍に相当する金額が記載された、魔法銀行の小切手でした。
目の玉が飛び出るような巨額です。
後ろに控えていたセオドアでさえ、眼鏡の位置を直すほどの一品。
「どうだい、リズナ嬢? 僕との結婚契約書(婚姻届)にサインするだけで、君は明日から『借金取りに追われる元悪役令嬢』から、『大国の王太子妃』にクラスチェンジできる。君の大好きな『効率的解決』だろう?」
レオナルド殿下は、勝ち誇った笑みを浮かべていました。
確かに、合理的です。
この小切手があれば、私は今の激務から解放され、悠々自適なセレブ生活を送ることができます。
国も救われ、私も幸せ。Win-Winの関係……に見えます。
「……ふむ」
私は電卓を叩く手を止め、小切手を手に取りました。
紙質の良さ、インクの匂い。本物です。
「お待ちください、レオナルド殿下!」
叫んだのは、部屋の隅でモップがけをしていたギルバートでした。
彼はモップを放り出し、私の前に立ち塞がりました。
「そ、そんな金に目がくらんじゃダメだ! これは罠だ! いや、魂の売買だ!」
「うるさいな、掃除夫くん」
レオナルド殿下が冷ややかに見下ろしました。
「君には関係ない話だ。それとも何か? 君にこれ以上の金額が出せるのかい? 今の君の時給は、確か……パンの耳3枚分だったかな?」
「ぐぬっ……!」
「愛だの情熱だの、安っぽい言葉はいらない。ビジネスの話をしよう。君はこの提示額に対し、対抗できる『資産』を何も持っていない。なら、大人しく退場したまえ」
正論です。
資本主義社会において、資本なき者は発言権を持ちません。
ギルバートは唇を噛み締め、拳を震わせました。
悔しさが滲み出ています。
しかし、彼は退場しませんでした。
その代わり、彼は懐からクシャクシャになった一枚の紙を取り出しました。
「……金はない。資産もない。だが、俺には『これ』がある!」
彼がテーブルに叩きつけたのは、以前私が彼に書かせた『労働契約書(奴隷契約書)』でした。
「これは……?」
「俺の人生だ!」
ギルバートは叫びました。
「レオナルド! お前は『金』を出した。だが、それは使い切れば終わりの有限な資産だ! だが俺は、この契約書を通して、俺の『未来』と『可能性』のすべてをリズナに捧げている!」
「はぁ? 何の意味が……」
「意味はある! 俺はこれから成長する! 今は無能かもしれないが、1年後、10年後には、お前の国をも凌ぐ利益を生み出す男になる! リズナはそれを知っているからこそ、俺を雇ったんだ!」
ギルバートは私に向き直り、熱っぽい瞳で訴えかけました。
「リズナ! 選んでくれ! 『今の安定』か、『未来の可能性』か! 目先の小切手で満足して終わるのか、それとも俺という『未公開株』を育て上げて、世界一の利益(リターン)を手にするか!」
「……」
執務室に沈黙が降りました。
セオドアが興味深そうに眉を上げています。
レオナルド殿下は「プッ」と吹き出しました。
「あははは! 傑作だ! 自分を『未公開株』だと? ただの『紙くず』かもしれないのに?」
「紙くずにはさせない! 俺がさせるものか!」
ギルバートの瞳には、揺るぎない決意の炎が宿っていました。
かつての、誰かに守られて生きていた王子の目ではありません。
自分の足で立ち、自分の言葉で価値を証明しようとする、一人の男の目です。
私は小切手と、泥だらけの契約書を見比べました。
そして、ゆっくりと口を開きました。
「……レオナルド殿下」
「なんだい? サインペンならここにあるよ」
「この小切手、魅力的です。額面通りの価値があるでしょう」
私は小切手を指先で弾きました。
「ですが……『天井』が見えています」
「え?」
「この金額は固定です。これ以上増えません。私は強欲なのです。固定された利益では満足できません」
私は小切手をテーブルに置き、ギルバートの契約書を手に取りました。
「対して、こちらの物件(ギルバート)。……リスクは極大です。暴落の危険性もあります。しかし」
私はギルバートを見つめ、ニヤリと笑いました。
「彼が言う通り、化ければ『青天井』です。私の計算では、彼を徹底的に扱き使えば、この小切手の100倍の価値を生む可能性があります。経営者として、どちらに投資すべきかは明白です」
「な……っ!?」
レオナルド殿下の顔が引きつりました。
「正気か!? 不確実な未来に賭けるというのか!?」
「ええ。それが『投資』というものですから」
私は契約書をギルバートに突き返しました。
「ギルバート。貴方のプレゼン、採用します」
「リ、リズナ……!」
「ただし!」
私は釘を刺しました。
「貴方が『紙くず』になった瞬間、私は即座に損切り(処分)します。死ぬ気で働きなさい。私の期待値(ハードル)は、エベレストより高いですよ?」
「……望むところだ! 必ず超えてみせる!」
ギルバートは破顔し、契約書を抱きしめました。
レオナルド殿下は、しばらく呆然としていましたが、やがてフンと鼻を鳴らしました。
「……負けたよ。狂ってるね、君たちは」
「最高の褒め言葉です」
「いいだろう。今回は手を引く。だが覚えておきたまえ。その男が少しでも君を泣かせたら、今度こそ僕が国ごと買い取るからね」
レオナルド殿下は、小切手を回収すると、風のように去っていきました。
またしても嵐が過ぎ去った執務室。
残されたのは、私と、ニヤニヤするセオドアと、そして感極まって泣いているギルバートでした。
「うぐっ……うぅぅ……! リズナぁぁ……!」
「泣かないでください。床が濡れます」
「ありがとう……! 俺を選んでくれて……!」
「勘違いしないでください。最も利益率が高い選択をしただけです」
私はハンカチを投げ渡しました。
ギルバートはそれをキャッチし、顔を拭いました。
そして、真っ赤な目で私を見つめ、居住まいを正しました。
「リズナ。改めて、申し込ませてくれ」
「何をです?」
「婚約だ」
彼は私の前に片膝をつきました。
手には指輪も花束もありません。あるのはモップだけです。
「一度目の婚約は、親が決めたものだった。俺はそれを自分勝手に破棄した。……だが、今度は違う」
彼は私の手を取り、甲に唇を寄せようとして……寸前で止めました。
手が泥だらけだったことに気づいたようです。
彼は苦笑して、手を放しました。
「俺自身の意志で、君を選ぶ。俺の生涯のパートナーは、リズナ・フォン・アークライト、君しかいない」
「……」
「今はまだ、君の部下だが……いつか必ず、君の隣にふさわしい男になってみせる。だから……俺と、二度目の婚約をしてくれないか?」
執務室の窓から、夕日が差し込んでいました。
逆光の中の彼は、ボロボロの作業着姿でしたが、私が今まで見たどの王子様よりも、輝いて見えました。
私は溜息をつき、眼鏡を外しました。
「……契約期間は?」
「一生だ」
「違約金は?」
「俺の命すべてだ」
「……条件は悪くありませんね」
私は右手を差し出しました。
「いいでしょう。契約成立です。……ただし、覚悟しておきなさい。私の婚約者になるということは、この国の借金返済義務の『連帯保証人』になるということですよ?」
「ははっ! 望むところだ!」
ギルバートは私の手を取り、今度こそ力強く握りしめました。
泥の感触が伝わってきましたが、不快ではありませんでした。
こうして、私たちは「二度目の婚約」を結びました。
ロマンチックなキスも、誓いの言葉もありません。
あったのは、膨大な借金と、果てしない労働の約束だけ。
それでも、私の胸の計算機は、これ以上ない『黒字(幸福)』を弾き出していました。
「さあ、感動の時間は終わりよ。仕事に戻りなさい、婚約者(パートナー)」
「御意! マイ・ハニー……じゃなくて、マイ・CEO!」
「その呼び方、減給対象です」
私たちは笑い合いました。
机の上には、山積みの書類。窓の外には、復興を待つ王都。
私たちの戦いは、まだ始まったばかりです。
……そして数年後。
この二人がどのようにして国を立て直し、伝説の『悪妻(名君)』として歴史に名を刻むことになるのか。
それはまた、別のお話――。
リズナ臨時政府・執務室。
隣国のレオナルド殿下が、優雅に指で弾いた一枚の紙切れ。
それは、我が国の国家予算の3倍に相当する金額が記載された、魔法銀行の小切手でした。
目の玉が飛び出るような巨額です。
後ろに控えていたセオドアでさえ、眼鏡の位置を直すほどの一品。
「どうだい、リズナ嬢? 僕との結婚契約書(婚姻届)にサインするだけで、君は明日から『借金取りに追われる元悪役令嬢』から、『大国の王太子妃』にクラスチェンジできる。君の大好きな『効率的解決』だろう?」
レオナルド殿下は、勝ち誇った笑みを浮かべていました。
確かに、合理的です。
この小切手があれば、私は今の激務から解放され、悠々自適なセレブ生活を送ることができます。
国も救われ、私も幸せ。Win-Winの関係……に見えます。
「……ふむ」
私は電卓を叩く手を止め、小切手を手に取りました。
紙質の良さ、インクの匂い。本物です。
「お待ちください、レオナルド殿下!」
叫んだのは、部屋の隅でモップがけをしていたギルバートでした。
彼はモップを放り出し、私の前に立ち塞がりました。
「そ、そんな金に目がくらんじゃダメだ! これは罠だ! いや、魂の売買だ!」
「うるさいな、掃除夫くん」
レオナルド殿下が冷ややかに見下ろしました。
「君には関係ない話だ。それとも何か? 君にこれ以上の金額が出せるのかい? 今の君の時給は、確か……パンの耳3枚分だったかな?」
「ぐぬっ……!」
「愛だの情熱だの、安っぽい言葉はいらない。ビジネスの話をしよう。君はこの提示額に対し、対抗できる『資産』を何も持っていない。なら、大人しく退場したまえ」
正論です。
資本主義社会において、資本なき者は発言権を持ちません。
ギルバートは唇を噛み締め、拳を震わせました。
悔しさが滲み出ています。
しかし、彼は退場しませんでした。
その代わり、彼は懐からクシャクシャになった一枚の紙を取り出しました。
「……金はない。資産もない。だが、俺には『これ』がある!」
彼がテーブルに叩きつけたのは、以前私が彼に書かせた『労働契約書(奴隷契約書)』でした。
「これは……?」
「俺の人生だ!」
ギルバートは叫びました。
「レオナルド! お前は『金』を出した。だが、それは使い切れば終わりの有限な資産だ! だが俺は、この契約書を通して、俺の『未来』と『可能性』のすべてをリズナに捧げている!」
「はぁ? 何の意味が……」
「意味はある! 俺はこれから成長する! 今は無能かもしれないが、1年後、10年後には、お前の国をも凌ぐ利益を生み出す男になる! リズナはそれを知っているからこそ、俺を雇ったんだ!」
ギルバートは私に向き直り、熱っぽい瞳で訴えかけました。
「リズナ! 選んでくれ! 『今の安定』か、『未来の可能性』か! 目先の小切手で満足して終わるのか、それとも俺という『未公開株』を育て上げて、世界一の利益(リターン)を手にするか!」
「……」
執務室に沈黙が降りました。
セオドアが興味深そうに眉を上げています。
レオナルド殿下は「プッ」と吹き出しました。
「あははは! 傑作だ! 自分を『未公開株』だと? ただの『紙くず』かもしれないのに?」
「紙くずにはさせない! 俺がさせるものか!」
ギルバートの瞳には、揺るぎない決意の炎が宿っていました。
かつての、誰かに守られて生きていた王子の目ではありません。
自分の足で立ち、自分の言葉で価値を証明しようとする、一人の男の目です。
私は小切手と、泥だらけの契約書を見比べました。
そして、ゆっくりと口を開きました。
「……レオナルド殿下」
「なんだい? サインペンならここにあるよ」
「この小切手、魅力的です。額面通りの価値があるでしょう」
私は小切手を指先で弾きました。
「ですが……『天井』が見えています」
「え?」
「この金額は固定です。これ以上増えません。私は強欲なのです。固定された利益では満足できません」
私は小切手をテーブルに置き、ギルバートの契約書を手に取りました。
「対して、こちらの物件(ギルバート)。……リスクは極大です。暴落の危険性もあります。しかし」
私はギルバートを見つめ、ニヤリと笑いました。
「彼が言う通り、化ければ『青天井』です。私の計算では、彼を徹底的に扱き使えば、この小切手の100倍の価値を生む可能性があります。経営者として、どちらに投資すべきかは明白です」
「な……っ!?」
レオナルド殿下の顔が引きつりました。
「正気か!? 不確実な未来に賭けるというのか!?」
「ええ。それが『投資』というものですから」
私は契約書をギルバートに突き返しました。
「ギルバート。貴方のプレゼン、採用します」
「リ、リズナ……!」
「ただし!」
私は釘を刺しました。
「貴方が『紙くず』になった瞬間、私は即座に損切り(処分)します。死ぬ気で働きなさい。私の期待値(ハードル)は、エベレストより高いですよ?」
「……望むところだ! 必ず超えてみせる!」
ギルバートは破顔し、契約書を抱きしめました。
レオナルド殿下は、しばらく呆然としていましたが、やがてフンと鼻を鳴らしました。
「……負けたよ。狂ってるね、君たちは」
「最高の褒め言葉です」
「いいだろう。今回は手を引く。だが覚えておきたまえ。その男が少しでも君を泣かせたら、今度こそ僕が国ごと買い取るからね」
レオナルド殿下は、小切手を回収すると、風のように去っていきました。
またしても嵐が過ぎ去った執務室。
残されたのは、私と、ニヤニヤするセオドアと、そして感極まって泣いているギルバートでした。
「うぐっ……うぅぅ……! リズナぁぁ……!」
「泣かないでください。床が濡れます」
「ありがとう……! 俺を選んでくれて……!」
「勘違いしないでください。最も利益率が高い選択をしただけです」
私はハンカチを投げ渡しました。
ギルバートはそれをキャッチし、顔を拭いました。
そして、真っ赤な目で私を見つめ、居住まいを正しました。
「リズナ。改めて、申し込ませてくれ」
「何をです?」
「婚約だ」
彼は私の前に片膝をつきました。
手には指輪も花束もありません。あるのはモップだけです。
「一度目の婚約は、親が決めたものだった。俺はそれを自分勝手に破棄した。……だが、今度は違う」
彼は私の手を取り、甲に唇を寄せようとして……寸前で止めました。
手が泥だらけだったことに気づいたようです。
彼は苦笑して、手を放しました。
「俺自身の意志で、君を選ぶ。俺の生涯のパートナーは、リズナ・フォン・アークライト、君しかいない」
「……」
「今はまだ、君の部下だが……いつか必ず、君の隣にふさわしい男になってみせる。だから……俺と、二度目の婚約をしてくれないか?」
執務室の窓から、夕日が差し込んでいました。
逆光の中の彼は、ボロボロの作業着姿でしたが、私が今まで見たどの王子様よりも、輝いて見えました。
私は溜息をつき、眼鏡を外しました。
「……契約期間は?」
「一生だ」
「違約金は?」
「俺の命すべてだ」
「……条件は悪くありませんね」
私は右手を差し出しました。
「いいでしょう。契約成立です。……ただし、覚悟しておきなさい。私の婚約者になるということは、この国の借金返済義務の『連帯保証人』になるということですよ?」
「ははっ! 望むところだ!」
ギルバートは私の手を取り、今度こそ力強く握りしめました。
泥の感触が伝わってきましたが、不快ではありませんでした。
こうして、私たちは「二度目の婚約」を結びました。
ロマンチックなキスも、誓いの言葉もありません。
あったのは、膨大な借金と、果てしない労働の約束だけ。
それでも、私の胸の計算機は、これ以上ない『黒字(幸福)』を弾き出していました。
「さあ、感動の時間は終わりよ。仕事に戻りなさい、婚約者(パートナー)」
「御意! マイ・ハニー……じゃなくて、マイ・CEO!」
「その呼び方、減給対象です」
私たちは笑い合いました。
机の上には、山積みの書類。窓の外には、復興を待つ王都。
私たちの戦いは、まだ始まったばかりです。
……そして数年後。
この二人がどのようにして国を立て直し、伝説の『悪妻(名君)』として歴史に名を刻むことになるのか。
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