【完結】悪役令嬢だったみたいなので婚約から回避してみた

22時完結

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アレクサンダーはクラヴィスの言葉を遮るように続けた。

「君の名誉がどれほどの価値を持つかは、ここにいる全員が判断するだろう。しかし、君がロゼリア家に対して行った行為は正当化できない。」

そう言いながら、彼はクラヴィスの背後で暗躍していた取引の証拠を、堂々と披露した。それは複数の高官や学園関係者との密約を示す文書や、噂の拡散を指示した記録だった。

会場の貴族たちの間にざわめきが広がる。これらの証拠は、クラヴィスの立場を完全に覆すには十分なものだった。

「君が広めた中傷や偽りは、我が王国の調和を乱す行為だ。それを見過ごすわけにはいかない。」

アレクサンダーの声は冷徹で、会場にいる誰もが彼の王太子としての威厳に圧倒されていた。





その時、会場の隅にいたナタリアが、静かに前に出た。彼女の顔には恐れの色はなく、むしろ毅然とした態度がそこにあった。

「私からもお話ししたいことがあります。」

会場の視線が一斉にナタリアに注がれる。

「クラヴィス様、あなたが私の家を脅し、自分の欲望を正当化しようとしたことを、私は忘れません。」

ナタリアの声は静かでありながら、会場全体に響き渡る力強さを持っていた。

「しかし、私はあなたの思惑通りにはなりません。私の家も、私の人生も、私自身が守ります。」

その言葉に、多くの貴族令嬢たちが驚きと共感の表情を浮かべた。ナタリアの気高さと勇気は、彼女を単なる美しい令嬢以上の存在として際立たせていた。





追い詰められたクラヴィスは、もはや言い逃れできないと悟り、逆上するように声を荒げた。

「それでも私はこの王国の秩序を守るために動いていたのだ! 誰もが私のやり方を理解しているはずだ!」

しかし、その言葉に同調する者はいなかった。アレクサンダーは冷静な口調で告げる。

「君のやり方は秩序ではなく混乱を生むものだ。この場をもって、君には相応の罰を受けてもらう。」

彼の宣言に、会場の衛兵たちが進み出てクラヴィスを拘束した。クラヴィスは抵抗しようとしたが、彼の背後に味方する者は誰もいなかった。

「ナタリアを傷つけた報いを受けるがいい。」




クラヴィスが連れ去られた後、会場は再び静寂に包まれた。アレクサンダーはゆっくりとナタリアに歩み寄り、その手をそっと取った。

「これで終わったわけではない。君を守るため、私はどんな困難も乗り越えるつもりだ。」

ナタリアは彼の手を握り返し、微笑んだ。

「私も、もう逃げたりしません。あなたと共に未来を切り開きます。」

その瞬間、二人の間に新たな絆が芽生えたことを、誰もが感じ取った。
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