【完結】浮気した婚約者と妹に婚約破棄されたけど、なぜか冷血宰相が求婚してきました

22時完結

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エリシアがアルバートとの対話を終えて数日が経った。

冷え込む朝の光が窓辺から差し込み、エリシアは穏やかな気持ちで目を覚ました。試練の中でもレオナルドの支えがあり、彼女の心は以前よりも強くなっているのを感じていた。しかし、嵐の前の静けさのような感覚が、彼女の胸の奥底に微かに残っていた。

そんな中、王宮からの正式な招待状が届けられる。王太子であるレオナルドが公の場でエリシアを正式な伴侶として紹介する場を設けるというのだ。王宮の舞踏会、それはただの社交の場ではなく、貴族社会における立場を確定させる重要な儀式だった。エリシアはその意味を十分に理解していたが、同時にこれが新たな波乱を呼ぶことも予感していた。

「王宮での舞踏会……」

エリシアはレオナルドの隣で招待状を見つめながら呟いた。

「君を正式に私の婚約者として紹介する場になる。これを機に、誰も君を軽んじることはできなくなる」

レオナルドの言葉には揺るぎない決意が込められていた。その瞳に映る自分の姿に、エリシアは安心しながらも、一抹の不安を拭い去ることができなかった。

「私がこの場に立つことで、また過去の影が色濃くなってしまうのでは……?」

「君が過去に縛られる必要はない。私が全ての誹謗を払い、君を守る」

レオナルドは彼女の手を取り、静かに囁いた。その言葉に、エリシアの迷いは少しずつ薄れていった。



舞踏会当日、王宮の大広間は華やかに彩られていた。豪奢なシャンデリアが煌めき、貴族たちが華やかな衣装に身を包み談笑している。その中央に、レオナルドとエリシアが立つ。

エリシアは、淡い金色の刺繍が施された深紅のドレスを纏い、そっとレオナルドの腕を取った。その姿は、多くの貴族たちの視線を集めた。彼女の過去を知る者、彼女を蔑んできた者たちが、驚きと戸惑いの表情を浮かべる中、レオナルドは毅然とした態度で口を開く。

「紹介しよう。私の最愛の婚約者、エリシア・ローズウッドだ」

その瞬間、場内は静寂に包まれた。誰もがこの宣言が持つ意味を理解していた。エリシアは怯まず、まっすぐに前を向く。彼女はもう、かつての弱い自分ではない。

しかし、その空気を破るように、アルバートが前へと進み出る。

「エリシア……いや、レオナルド殿下。この場で私に一言、発言を許していただけませんか?」

彼の瞳には、かつての軽薄さとは異なる真剣さが宿っていた。

「君は彼女を手放した。それが全てだ」

レオナルドの言葉には冷たい決意が滲んでいた。

「確かに、私は過ちを犯した。しかし、私はまだ彼女に伝えられていないことがある」

エリシアは深く息を吸い、落ち着いた声で答えた。

「アルバート、あなたが何を言おうと、私はもう過去には戻らないわ」

「それでも……」

彼が何かを言いかけたその瞬間、レオナルドがエリシアの手を引き、そっと囁く。

「もう、過去に惑わされる必要はない。君の未来は、私と共にあるのだから」

エリシアは微笑み、しっかりと彼の手を握り返した。その瞬間、レオナルドは彼女の額に優しく口づけ、会場の空気が変わる。

誰もがその光景を目にし、二人の関係が揺るぎないものであることを理解した。そして、それはエリシア自身が自らの意志で選び取った未来だった。

彼女の心にもう迷いはない。どんな試練が訪れようとも、彼女はレオナルドと共に歩むのだ。

舞踏会の音楽が再び流れ出し、二人はゆっくりとダンスを始める。その瞬間、エリシアは確信した。

これは、新たな未来への第一歩なのだと——。

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