生き残りBAD END

とぅるすけ

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第6章 頂点に立つ

パンツ

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 その日、瑛太はいつも通り、楓彩と一緒に朝日の下へ挨拶をしに、代表室へ向かった。

「失礼します」

 瑛太はしっかりノックしてからドアを開けて、代表室に入る。

「おう! 来たか…」

 朝日は表情明るく、瑛太と楓彩の顔を見る。

「どうしたんですか?」

 楓彩は不思議そうに訊ねる。

「んー鬼月ちゃんと真希菜は出ていてくれ…瑛太だけに話がある」

「そ、そうですか…では…」

「? 失礼します」

 楓彩と真希菜は不思議そうな顔をしてから代表室から出ていく。
 そして、両肘を机につき、顎を支えている朝日と瑛太は向かい合い、変な静寂が訪れる。

「だ、代表?」

「まぁ、かけたまえ…」

「はい」

 瑛太は緊張感をもって指示されたソファに座る。

「唐突で申し訳ないが、神ヶ丘…」

「はい…」

 2人は朝日のデスクを挟んで妙な空気の下、息を飲んだ。

「パンツを見たことはあるか?」

「は?」

「女の子のパンツを見たことはあるか?」

 朝日のまじで唐突な発言に、言葉を失う瑛太。

「す、すいませんそれはどういう…」

「どうしてもパンツを見たい人がいるんだよぉ…」

 朝日は机に伏せて嘆く。瑛太を置き去りにするにも程があるだろう。
 
「この前、街中ですれ違ったあの綺麗な女の子…この狭い島の中だ! 絶対にあえる!」

「ははは…代表? その…何故それを俺に?」

「力を貸してほしい! 君もパンツを見たくはないかね!?」

────何言ってんだこいつ…

「忘れはしない…あの茶髪を首元で二つに結んで…キリッとした目元…低身長の微乳…まじタイプ!!」

「あれ? 真希菜さんは?」

「え? うん愛してるよ?」

「じゃ、じゃあ…」

「やだなぁーパンツを見るくらい許されるだろ? これは男の性《さが》だよ!!」

 「そうですか…」



 その後、瑛太は朝日に連れられるままに、G,S,A本部にいるショウに調査依頼をしに向かった。

「あのー? いいんですか?」

「大丈夫! 大丈夫! さぁ! 見つけるぞぉ!!」

 心配そうに呆れている瑛太を他所に朝日はどんどんショウの工房へ向けて進んでいく。

 と、その時

「っ!!」

 朝日は雷に打たれたように急に立ち止まる。

「ど、どうしたんですか?」

「か、彼女だ!」

 朝日は目の前から歩いてくる女性を一点に見つめ、顔を赤く染める。

「ん? 瑛太君? それと…」

「あっ、こんにちは帝さん…」

「凍海です!!!!」

 瑛太がビックリするほどの声で自己紹介する朝日。
 珍しく緊張しているのだろう。

「そ、そう…オレはみ、帝 臨です…」

「臨“たん”ですね!!」

「「たん……?」」

 臨と瑛太は若干引く。
 恐らく、朝日自身も気づかないうちに興奮しているのだろう。

「その、ぱ! ぱ!」

「ま、まさか!」

 瑛太は悪寒を感じて、朝日の口を塞ぐ。

「───んぐ!!」

「? どうしたの?」

 臨は小首を傾げて、瑛太を不思議そうに見る。

「いえ! なんでもありません!」

「そう…じゃあオレ行くね?」

 臨はそのまま、朝日の「パンツ見せてください!!」という勇気の言葉を聞く前に去っていった。

「何するんだよ! 神ヶ丘!」

「いやいや! 自制してください!」

「む…考えてみればそうだな…。さてと! 臨たんのパンツ! みるぞ!!」

 切り替えが早いのはいい事だが、この際、悪いことのように思える。
 なぜ、そこまで臨のパンツに執着するのだろうか…仕事サボってまで。

「凡人のパンツは“見飽きた”!!」

 だそうだ…。
 この発言に、瑛太は

「はぁ…」

 もう、ため息しか出てこなかった。

「……(まぁ、パンツかぁ…俺も見飽きた…かな…?)」

 瑛太も、意識はしないが、花麗、楓彩の無防備な姿は見飽きるほど見ている。
 
「さぁ、作戦会議だ!!」

 

 その後、朝日はG,S,A本部周辺の喫茶店に瑛太と一緒に入る。

「まぁ、定番は風を送ってスカートをめくるのだが…!」

 先程、臨はジーパンだった。

「くっ!!」

「あのー…もうそろそろ、仕事に戻りませんか?」

「よし! 瑛太! 臨たんと格闘してこい!」

「人の話聞いてるんですか!? それと! 嫌ですよ! なんでですか!」

「いやー…汗かけば臨たん、お風呂に入るかなぁって…」

「まさか」

「その隙にパンツを見ちゃおう! って思ったんだけど…」

 朝日は本気だ…。

「はぁ…(俺も仕事に戻りたいしなぁ…そうだ!)」

 瑛太は一つ提案をだす。

「鬼月さんのパンツはどうですか? (何言ってんのぉ!! 俺!! 最低かよ!!)」

「鬼月ちゃん? うん、昨日はニャンコの柄だったね…今日はたしか、水色のしま模様だった気がするな…」

「え…」

「お? 驚いてるね? 大体の女の子のパンツは見たことあるよ? ……けど! あの臨たんのパンツだけは何とかして見たいんだ!!」

 本当に下らなくていらない情熱。だが、瑛太も男だ。朝日の気持ちも分からなくもない。

「分かりましたよ…少しだけ協力します…」




 その頃、ショウの工房では、剣得とショウがいつも通り話していた。
 いつもなら下らない話をするのだが、最近は真面目な話しかしないようだ。

「それで? 凍海 朝日について…何かわかった? 剣得?」

「いや? そんなに疑わなくても…朝日と俺は長い仲だ…なんでも知ってる…」

「そう…私はあいつのこと知らない…」

「……」

 ショウはどうしても朝日を疑うようだ。ショウの予想は大体…否、全て当たるわけだが、剣得は信じたくないのかもしれない。
 朝日は剣得の中では一番信頼出来る親友に値する人物だ。

「(何かの間違えであってくれよ?)」

「まぁ、あいつが女たらしのド変態ってことだけは知ってるよ」

「それは俺も知ってる」


  

 その、ド変態こと、朝日だが、何とかして瑛太と臨を運動させ、臨を風呂に誘い込むことに成功した。
 そして、衣服入れの中を除くわけだが、

「あれ? パンツがない…」

「ですね…」

 この際、瑛太も変態に加えると、変態二人は臨とまだ温かい衣服を漁っている光景はとても心苦しい。

「───っ!! 代表! 出てきますよ!」

 流石に、臨の裸体を見る度胸はない変態二人はさっさと女湯の暖簾を潜って出ていき、女湯の入口からの死角になるように隠れる。
 程なくして、白の制服に、ジーパン姿の臨が出てくる。

「んーージーパンは動きにくいなぁ…スカート履くか…」

 その、臨の独り言を聞いた変態二人は

「「チャンス!!」」

 その後、変態二人は臨の後を人目を気にせずに尾行した。

 そして、その時は来た。

 臨が階段を登っている時、抱えていた資料の一枚が落ちてしまい、それを拾うため、前かがみになった瞬間。

「「(キタキタキタキタ!!!!)」」

 二人は階段の下で、姿勢をどんどん低くしていく。

「ん?」

 さすがに、熱い視線に気が付いた臨と、変態二人の目が合う。

「「あっ」」

────刹那

 瑛太と、朝日が気がつくと、仰向けになっていた。
 そこに、頭上の方から臨の顔が除いてくる。

「あんた達? 何してたの? 今日はなんか妙な視線を感じると思ってたけど? オレをずっと尾行してたりした?」

「「いやぁ? …そうです…すみません」」

 一度は言い逃れを考えるが、臨の眼圧に打ち明けてしまった。

「はぁ…まさか…オレのパンツでも見たいと思ってたの?」

「「はい…」」

 臨は「はぁ…」と呆れたため息を吐くと、

「オレのパンツは死んでも見せないよ?」

 と、二人を小馬鹿にする笑顔を浮かべて去っていこうとした時、

「───きゃあっ!!」

 臨はよそ見して歩いていたからか、濡れている床を踏んで転んでしまった。

「大丈夫ですか!? 帝さ──」

「臨たん!? ───」

 臨は二人にお尻を向けて転んでいた。
 
「いたた…はっ!」

「「ノ……ノーパン……」」

────刹那

 変態二人の意識は途絶えた。

 瑛太が目覚ますと、臨の姿は消え、額に「パンツは死んでも見せないよ、変態さん」と言った紙が貼られていた。

「……まじかよ」

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