青空ベンチ ~万年ベンチのサッカー少年が本気で努力した結果こうなりました~

aozora

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小学生編

9話 謎が解けた日

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夜ベッドに入ったがなかなか眠れなかった
村上コーチとダイスケが言ってくれた事は凄く嬉しかった
でもやっぱり思い出すと凄く苦しかった
水でも飲もうかな?
僕はリビングに行った

電気が着いていてテレビの音が聞こえる
父さんかな?
ドアを少し開けて覗いてみた
サッカーを見てる様だ
良く見るとYouTubeの練習動画みたいだ

「もっとここを意識するのか。この道具が必要だな。明日買ってくるか。」

ブツブツ言いながらノートにメモしている

「クソッ。バカにしやがって。空、絶対父さんが上手くしてやるからな。絶対試合で活躍出来る様にしてやるからな。クソッ。」

震えた声で言ってるのが聞こえた
僕は部屋に戻りそのまま寝た


朝起きると父さんはもう仕事に行っていた
YouTubeを確認するとサッカーの練習動画のチャンネルがいっぱい登録してあってほとんど視聴済みになっていた
母さんに夜の事を話すと

「実は昨日村上コーチから電話があって父さん会いに行ってたのよ。」

電話で昨日の出来事を全て話した上で会って話がしたいと言ってきたそうだ

僕が凄く良い動きをしていた事

4年生を呼んでまでベンチに下げた意味が分からない事

みんなに全然負けてないという事

佐々木コーチはコーチとしても人としても間違っている事

そして

僕の為にチームを変えるという選択肢も有るという事だった

僕は混乱した
父さんも村上コーチも僕の事をそんなに考えてくれてたなんて知らなかった
母さんかびっしり書いてあるノートを7冊出してきた

「父さんみんなが寝た後に動画を見ながらサッカーの勉強してるの。
『明日はこの練習をしよう。あれを使って練習しよう。』ってね。」

「『空は試合の経験もほとんど無いのにこんなに上手くなれるなんて天才かも知れない。試合の経験をすればプロになれると思う。空は俺の夢なんだ。』っていつも嬉しそうに言ってるのよ。」

「それに朝早くに会社に行ってるでしょ?空と練習する為に社長さんにお願いして17時に帰る為に2時間早く会社に言ってるの。」

「父さんは『サッカー好きの社長で助かったよ。』って笑ってたけどね。」

そー言えば前はいつも一緒に朝ごはん食べてたけど今は起きるといつもいない
てっきり父さんはカイに期待してるんだと思っていた
こんなに動画を見るのに何日掛かったんだろ?
いや何ヵ月?
もしかしたら何年?
思わず涙が溢れて僕は号泣した
嬉しかったのか期待に応えられてない事が申し訳なかったのか分からなかったが僕は大きな声で泣いた

サッカー経験者じゃないのに色々な練習方法を知っている

謎が解けた日だった
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