運命の女神は円環を断ち切る 〜死に戻り令嬢は恋も命も諦めない!〜

貴様二太郎

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 0.そして運命は廻り始める

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 痛い。熱い。寒い。

「サートゥル、ヌス……」

 刺されたお腹からどんどん血が抜けていって、立ち上がるどころか、もう指を動かすことも出来なくなってきていた。
 残った力を振り絞って顔を上げれば、暗く陰る視界には返り血を浴びて微笑む恋人――サートゥルヌス・エトルリア――がいた。そして彼の隣には、勝ち誇ったように嗤う第四王女――アブンダンティア様――がべったりとくっついていた。

「な、んで……」

 なぜ? どうして? どうしてあなたが、私を殺すの?
 信じられなかった。今朝だって、二人で笑いながら結婚式の話をしていたのに。

「トゥルス……」

 なぜ? どうして? どうしてあなたの隣に、アブンダンティア様がいるの?
 信じられなかった。警戒心が強くて人見知りのあなたが、私以外の人間にそんな距離を許していることが。

「じゃあね、ヒドインちゃん。サートゥルヌスはあたしがもらっといてあげるから、安心して消えちゃって」

 アブンダンティア様の意味の分からない言葉を最後に、私の意識は暗い穴の底へと吸い込まれていった。
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