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4.絶望
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この病院に来るのも何度目なのか。
もう覚えていない。
だけど明日の検査を終えれば、しばらくの間は検査結果待ちという扱いで、食事制限も無しになるようだ。しかも明日の検査は食事制限が無いから、久々にお腹いっぱい食べられ・・・と言いたいけど、そこまでがっつくつもりはない。すっかり胃が小さくなってしまったよ。
それでも人並み以上は食べるけど、食事制限が無いというのはなんと素晴らしいことなのか。一部の食材は駄目だとか、薬を飲む都合で飲み物が制限されたりはするけど、それでも今までのアレやらコレやらに比べたら遥かにマシだ。
時刻は昼過ぎ。しかも病院がある場所は市内中心部。店ならいくらでもある。オマケに今日は1人で病院に来たから、口うるさい・・・失礼、食事に関してアレコレ言ってくるオカンもいない。何でも食える。
・・・まあ結局のところ、地元ローカルチェーン店の鍋焼きうどんにしたが。やっぱり食べ慣れたものが一番しっくりくる。そういえば地元に帰ってきてから、この手の地元の店にはほとんど行ってないなぁ。
私の地元は県庁所在地のある都市ではあるが、日本全国の主要都市と比較したらド田舎に分類されるそうだ。実際、否定できない。新幹線は通ってないし、全国ではあって当たり前とされるサイゼリヤも無いしで。
松屋やセブンイレブンが県に出店する前には、県外から来た人から外国と揶揄された事もある。こんなものすら無いなんて日本じゃない、逆に何があるの?って。今ではすっかりあちこちがセブンまみれになってるけど・・・。
のんびりと昼を過ごして、のんびり買い物する。
そしてのんびりと家に帰って、のんびり過ごす。
そんな、平日の昼間。暇だ。
本来だったら、普通の社会人であれば。こんな時間からゴロゴロするなんて許されない。だけど私はのんびりダラダラしている。
少し前までは、仕事から逃げ出したいと思っていたのに。いざクビになって、何日も暇になると、やっぱり働きたくなる。というより今のうちに次の就職先を探さないと生活費が・・・だけど今の私って、治療がどれだけ掛かるか分からないからなぁ。費用にしても、日数にしても。
もしこれで、仮に面接に行ったとして。今は通院中ですが、場合によっては長期入院する可能性があります、しかも手術になった場合はアレとコレとソレが制限されて・・・うん、こんなの雇ってもらえるわけが無い。
まともに働けない人間を普通に雇ってくれるほど、世の中は甘くない。病気を言い訳にするなと言われるのがオチ。だって私は、それでクビになったのだから。治療費が掛かる?その手の保険に入ってなかった私が悪い。
あとは失業保険があるけど、これは求職中じゃないと貰えないという決まりがある。病気の通院・入院期間中は求職中――仕事さえ見つかればいつでも働ける、という状態ではないから、失業保険を貰う資格は無いそうだ。
・・・あれ?もしかして私って詰んでる?やっぱり早いうちに死んだ方がいい?いやでも癌を完治できるかもしれないという話もあるから、もう少しだけ様子を見る。どのみち明日も検査だし、検査後には家族を交えての医者の説明があるから、その時に詳しい話をして、今後の予定を――。
言ってる意味が分からない。
私も、母も。首を傾げる。
検査を終えて、医者からの説明が始まった。初めて会う人だ。肩書を見る限りでは、手術専門の外科の先生のようだ。
手術方法はいくつかあって、って待ってください。最初に説明してくれた先生は、もしかしたら手術はしなくて済むかも、って言ってましたよ?隣で聞いてた母も、最近ではそういう治療もあるのか、って感心して・・・。
この状態では、手術しかない?最初からそういう手筈になっている?今までの検査は、どうやって手術をするか、どうやって切除すれば効率がいいか、手術の際にトラブルになる点は無いか、を調べていただけ?
いや待ってください、話が違います。薬が効くかどうかって話では・・・は?薬は薬でも、抗癌剤の話?どの抗癌剤を使うかを選別するため?どのみち手術はするけど、少しでも癌を小さくするために抗癌剤を使って、ってだから待ってください。最初に言っていた、手術しない、って話は・・・。
意味が分からん。
何を、へらへら笑ってやがる。先生も、後ろに突っ立っているナースも。アンタ達にとっては笑い話かもしれないけど、こっちにとっては未来が変わってくる話なんだよ。手術するかしないかで、今後できる仕事が大きく変わってくる。だからもう少し真面目に話を聞いてくれよ。
何がおかしい。何が変なんだよ。
少なくとも。私と母は、手術しなくても済む、って話を聞いた。確実じゃないとは聞いているけど、だけど、最初から手術前提って・・・もういいです。素人の私には理解不能です。勝手にやってろ。勝手にしやがれ。
――結論から言えば。
最初に説明をしてくれた先生の、説明が足りなかった。
実際、手術無しで癌に効くとされる薬はある。だけどその適応率は、100人につき1人か2人。1%か2%。そんな説明はしてなかったはずだけど、大病院のスタッフ数名と、私と母2人だけの言い分では、私達が勝手に勘違いした、という話で落ち着いてしまった。言いくるめられてしまった。
母は納得していた。母は元々、そうなるだろうと覚悟していたようだ。長年医療職をやっている人間だけに、私のような患者とも多く接してきた人だ。病院側の対応も、よくあることだと言って、納得していた。
だけど私は納得できない。未だに怒りが収まらない。
手術担当の先生からすれば。この患者、もしかして1%か2%の確率に賭けてんの?今なら手術すれば100%治るのに、コイツは何を言ってんの?と思ったから、思わず笑いが込み上げたのだろうけど。
私からすれば。たとえ1%だろうと、僅かばかりの望みに賭けて、何が悪い?手術すれば100%治る?そりゃあ当然だろう。癌の組織ごと、肉体のあらゆるところをまとめて切除するのだから。
だけど、そうなったらどうなる?元通りの生活になるの?ならないよね?だって私も、元々は手術は確定で、日常生活に大きく支障が出る、元々できたことも多くができなくなる、と言われていたから。
だけど、そうならないという話を聞いて、希望を抱いていたところに。やっぱり無し、と言われるのは・・・上げて落とすのは、酷いよ。
1%の薬が効くかどうかが分かるのに、まだ時間がかかる。
手術を受けるのはそこからでも遅くは無い。そう言って、その場はお流れになった。病院を出た時にはちょうど昼過ぎだったから、買い物ついでに母と外食することに。店は私が選んでもいいよね?
地元では、それなりの規模のショッピングモール。その中にあるレストラン街の、とある店。今日はパスタが食べたい気分なんだ。
すみません、絶望の大盛りをお願いします。・・・いや、実際にそういう商品名なんだよ。正式名称は絶望スパゲッティ。ペペロンチーノにイワシのソテーを和えたもの。青魚特有の魚臭さがイケる人にはオススメする。いや、実際に私はこれが好きなんだが、青魚が苦手な母は顔を背けてやがる。
別に深い意味は無い。今日はこれが食べたかっただけだ。オカンも知ってると思うけど、私パスタが好きなんで。もし最後の晩餐を選べと言われたらボンゴレビアンコがイイなぁ。個人的な主観になるけど、イタ飯屋やパスタ専門店はボンゴレビアンコの良しあしで店全体の良しあしが決まる気がする。
・・・別に、落ち込んでは無いよ?
元々そういう手筈だっただろ?地元に帰ったら即入院の即手術、って。それがちょっと延期になった、ってだけ。元々薬が効くかどうか確実じゃなかったし、冷静に考えればそんな美味い話なんて無いからね。
とりあえず、今は痛み止めの薬さえもらえたら十分だよ。今日はガッツリ食べちゃったけど、これからは食生活にも気を付けるし、運動・・・は無理だな。やっぱり体が痛いから、そこまで動けそうもない。
だからもう少しだけ、のんびりするよ。今さらジタバタしたって癌が無くなるわけでもないから。本格的に治療が始まるまでは、家でゴロゴロして、なるべく体に負担はかけないように・・・だからオカン、心配しないでよ。
――元より、私は。そうする予定だったからね。
誰にも言うつもりはない。
私が本当は、何を考えて、何を企んでいるか、だなんて。
今回のことは、準備期間ができた、とでも捉えることにする。もしくは色んなことをする猶予ができた、とでも言うべきか?
・・・やっぱり。死ぬしかない。
手術は嫌だ。あんな病院で手術を受けるのだけは嫌だ。病院からすれば、大勢いる患者の1人でしかないのかもしれないけど。私の現状をへらへら笑っていた医者に、この身を委ねるのは嫌だ。切り刻まれるのは嫌だ。
それだったら、自分でこの身を切り刻んだ方がマシ。いっそのこと病院の入り口で切腹して・・・いや、無理だな。あの病院って警備員が常駐しているから、そんな怪しいことをしたらすぐに止められてしまう。
となると――は、はは。やっぱり、この手の考えしか思いつかない。もう何もかもがどうでもいい。未来のことなんて考えたくもない。
・・・猶予はまだある。さて、どうしようかな?
もう覚えていない。
だけど明日の検査を終えれば、しばらくの間は検査結果待ちという扱いで、食事制限も無しになるようだ。しかも明日の検査は食事制限が無いから、久々にお腹いっぱい食べられ・・・と言いたいけど、そこまでがっつくつもりはない。すっかり胃が小さくなってしまったよ。
それでも人並み以上は食べるけど、食事制限が無いというのはなんと素晴らしいことなのか。一部の食材は駄目だとか、薬を飲む都合で飲み物が制限されたりはするけど、それでも今までのアレやらコレやらに比べたら遥かにマシだ。
時刻は昼過ぎ。しかも病院がある場所は市内中心部。店ならいくらでもある。オマケに今日は1人で病院に来たから、口うるさい・・・失礼、食事に関してアレコレ言ってくるオカンもいない。何でも食える。
・・・まあ結局のところ、地元ローカルチェーン店の鍋焼きうどんにしたが。やっぱり食べ慣れたものが一番しっくりくる。そういえば地元に帰ってきてから、この手の地元の店にはほとんど行ってないなぁ。
私の地元は県庁所在地のある都市ではあるが、日本全国の主要都市と比較したらド田舎に分類されるそうだ。実際、否定できない。新幹線は通ってないし、全国ではあって当たり前とされるサイゼリヤも無いしで。
松屋やセブンイレブンが県に出店する前には、県外から来た人から外国と揶揄された事もある。こんなものすら無いなんて日本じゃない、逆に何があるの?って。今ではすっかりあちこちがセブンまみれになってるけど・・・。
のんびりと昼を過ごして、のんびり買い物する。
そしてのんびりと家に帰って、のんびり過ごす。
そんな、平日の昼間。暇だ。
本来だったら、普通の社会人であれば。こんな時間からゴロゴロするなんて許されない。だけど私はのんびりダラダラしている。
少し前までは、仕事から逃げ出したいと思っていたのに。いざクビになって、何日も暇になると、やっぱり働きたくなる。というより今のうちに次の就職先を探さないと生活費が・・・だけど今の私って、治療がどれだけ掛かるか分からないからなぁ。費用にしても、日数にしても。
もしこれで、仮に面接に行ったとして。今は通院中ですが、場合によっては長期入院する可能性があります、しかも手術になった場合はアレとコレとソレが制限されて・・・うん、こんなの雇ってもらえるわけが無い。
まともに働けない人間を普通に雇ってくれるほど、世の中は甘くない。病気を言い訳にするなと言われるのがオチ。だって私は、それでクビになったのだから。治療費が掛かる?その手の保険に入ってなかった私が悪い。
あとは失業保険があるけど、これは求職中じゃないと貰えないという決まりがある。病気の通院・入院期間中は求職中――仕事さえ見つかればいつでも働ける、という状態ではないから、失業保険を貰う資格は無いそうだ。
・・・あれ?もしかして私って詰んでる?やっぱり早いうちに死んだ方がいい?いやでも癌を完治できるかもしれないという話もあるから、もう少しだけ様子を見る。どのみち明日も検査だし、検査後には家族を交えての医者の説明があるから、その時に詳しい話をして、今後の予定を――。
言ってる意味が分からない。
私も、母も。首を傾げる。
検査を終えて、医者からの説明が始まった。初めて会う人だ。肩書を見る限りでは、手術専門の外科の先生のようだ。
手術方法はいくつかあって、って待ってください。最初に説明してくれた先生は、もしかしたら手術はしなくて済むかも、って言ってましたよ?隣で聞いてた母も、最近ではそういう治療もあるのか、って感心して・・・。
この状態では、手術しかない?最初からそういう手筈になっている?今までの検査は、どうやって手術をするか、どうやって切除すれば効率がいいか、手術の際にトラブルになる点は無いか、を調べていただけ?
いや待ってください、話が違います。薬が効くかどうかって話では・・・は?薬は薬でも、抗癌剤の話?どの抗癌剤を使うかを選別するため?どのみち手術はするけど、少しでも癌を小さくするために抗癌剤を使って、ってだから待ってください。最初に言っていた、手術しない、って話は・・・。
意味が分からん。
何を、へらへら笑ってやがる。先生も、後ろに突っ立っているナースも。アンタ達にとっては笑い話かもしれないけど、こっちにとっては未来が変わってくる話なんだよ。手術するかしないかで、今後できる仕事が大きく変わってくる。だからもう少し真面目に話を聞いてくれよ。
何がおかしい。何が変なんだよ。
少なくとも。私と母は、手術しなくても済む、って話を聞いた。確実じゃないとは聞いているけど、だけど、最初から手術前提って・・・もういいです。素人の私には理解不能です。勝手にやってろ。勝手にしやがれ。
――結論から言えば。
最初に説明をしてくれた先生の、説明が足りなかった。
実際、手術無しで癌に効くとされる薬はある。だけどその適応率は、100人につき1人か2人。1%か2%。そんな説明はしてなかったはずだけど、大病院のスタッフ数名と、私と母2人だけの言い分では、私達が勝手に勘違いした、という話で落ち着いてしまった。言いくるめられてしまった。
母は納得していた。母は元々、そうなるだろうと覚悟していたようだ。長年医療職をやっている人間だけに、私のような患者とも多く接してきた人だ。病院側の対応も、よくあることだと言って、納得していた。
だけど私は納得できない。未だに怒りが収まらない。
手術担当の先生からすれば。この患者、もしかして1%か2%の確率に賭けてんの?今なら手術すれば100%治るのに、コイツは何を言ってんの?と思ったから、思わず笑いが込み上げたのだろうけど。
私からすれば。たとえ1%だろうと、僅かばかりの望みに賭けて、何が悪い?手術すれば100%治る?そりゃあ当然だろう。癌の組織ごと、肉体のあらゆるところをまとめて切除するのだから。
だけど、そうなったらどうなる?元通りの生活になるの?ならないよね?だって私も、元々は手術は確定で、日常生活に大きく支障が出る、元々できたことも多くができなくなる、と言われていたから。
だけど、そうならないという話を聞いて、希望を抱いていたところに。やっぱり無し、と言われるのは・・・上げて落とすのは、酷いよ。
1%の薬が効くかどうかが分かるのに、まだ時間がかかる。
手術を受けるのはそこからでも遅くは無い。そう言って、その場はお流れになった。病院を出た時にはちょうど昼過ぎだったから、買い物ついでに母と外食することに。店は私が選んでもいいよね?
地元では、それなりの規模のショッピングモール。その中にあるレストラン街の、とある店。今日はパスタが食べたい気分なんだ。
すみません、絶望の大盛りをお願いします。・・・いや、実際にそういう商品名なんだよ。正式名称は絶望スパゲッティ。ペペロンチーノにイワシのソテーを和えたもの。青魚特有の魚臭さがイケる人にはオススメする。いや、実際に私はこれが好きなんだが、青魚が苦手な母は顔を背けてやがる。
別に深い意味は無い。今日はこれが食べたかっただけだ。オカンも知ってると思うけど、私パスタが好きなんで。もし最後の晩餐を選べと言われたらボンゴレビアンコがイイなぁ。個人的な主観になるけど、イタ飯屋やパスタ専門店はボンゴレビアンコの良しあしで店全体の良しあしが決まる気がする。
・・・別に、落ち込んでは無いよ?
元々そういう手筈だっただろ?地元に帰ったら即入院の即手術、って。それがちょっと延期になった、ってだけ。元々薬が効くかどうか確実じゃなかったし、冷静に考えればそんな美味い話なんて無いからね。
とりあえず、今は痛み止めの薬さえもらえたら十分だよ。今日はガッツリ食べちゃったけど、これからは食生活にも気を付けるし、運動・・・は無理だな。やっぱり体が痛いから、そこまで動けそうもない。
だからもう少しだけ、のんびりするよ。今さらジタバタしたって癌が無くなるわけでもないから。本格的に治療が始まるまでは、家でゴロゴロして、なるべく体に負担はかけないように・・・だからオカン、心配しないでよ。
――元より、私は。そうする予定だったからね。
誰にも言うつもりはない。
私が本当は、何を考えて、何を企んでいるか、だなんて。
今回のことは、準備期間ができた、とでも捉えることにする。もしくは色んなことをする猶予ができた、とでも言うべきか?
・・・やっぱり。死ぬしかない。
手術は嫌だ。あんな病院で手術を受けるのだけは嫌だ。病院からすれば、大勢いる患者の1人でしかないのかもしれないけど。私の現状をへらへら笑っていた医者に、この身を委ねるのは嫌だ。切り刻まれるのは嫌だ。
それだったら、自分でこの身を切り刻んだ方がマシ。いっそのこと病院の入り口で切腹して・・・いや、無理だな。あの病院って警備員が常駐しているから、そんな怪しいことをしたらすぐに止められてしまう。
となると――は、はは。やっぱり、この手の考えしか思いつかない。もう何もかもがどうでもいい。未来のことなんて考えたくもない。
・・・猶予はまだある。さて、どうしようかな?
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