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聖剣リグレア
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時はアーゴットの産まれる24年前、
33年前にさかのぼる。
-リグリア大陸、玄関港街ガープ、工房リアンの鉄窯-
キース16歳(ジル)ハイド15歳(ジキル)
この時キースは先代ジル=リアンからジキルの加護を受けており
ジキル=キースとしてハイドの兄弟子であった。
鍛冶職に就くものは伴侶との同衾を許されない
これは鍛冶神バッカスが妻から逃れ地上でくらした事から加護を受けるために必要な事だからだ。
よってすぐそばに妻用の家を作ったりし、子作りはもっぱら日中する事になっている。
工房主リアンは30歳まで教会の下働きをする牧師にもなれない門弟であったが
ある日を境に鍛冶職人に転身した変わり者としても有名である。
現在52歳、鍛冶を初めて5年で店を持った天才で、
大陸では並ぶ者のいない鍛冶師、光明のリアンなどと呼ばれている。
平民には普通苗字がないので同じ名前を区別するためにこのように名前のまえに呼称が付くのである。
先代ジル=リアン「おいお前たち、今日は凄いものを見せてやる」
鍛冶場の一角によばれた二人はリアンの持つ剣に不思議な感覚を覚える
キースは目を青く光らせて鑑定する、聖錬鋼?
キース「師匠・・これ・・」
リアン「他言する事は許さない」
剣を振りかざし、武器棚の前で横なぎに剣を振るう、小さな接触音の後で
武器棚ごとロングソードが3本奇麗に切断されている。
ハイド「親方、すごい切れ味です!こんなのみたことありません!」
リアン「だがこれは世に出てはならない武器だ、キースも分かるな?」
時間のかかる鍛鉄の作業、鍛冶職人に5000回もおなじ武器を打ち直しさせる必要があるなど何が起こるかキースにも分かった
キースは黙ってうなずく。
リアン「だが正しき事に使われるならば意味があると思うのだ、これを教会に収めようと思う」
キース「師匠!これを人目の着く場所に?」
リアン「心配するなスターライト鉱石を使う」
スターライト鉱石・・・ 光属性 魔を払う鉱石
神に愛されし者にしか変形出来ない、魔に魅入られし者しか抗えない。
という壊せない変形出来ない、鑑定結果も意味が分からない。
砕けない分石ころよりたちの悪い鉱石で、
採石場でまれに見つかっても。明かり代わりにその辺に捨てられる鉱石だ。
神に愛されし者というこの鑑定結果から、有名な司教にハンマーをとらせる無茶まで試されたが、誰も打ち直すことは出来ず、下働きの門弟リアンが片付け作業中にスコップで叩いた石が変形したことから、
鍛冶師に取り立てられた逸話がある。
リアンだけが加工でき、そのおかげで王都のそば近い港町で鍛冶の特権を与えられている。
光属性はアンデットに効果的で2倍のダメージを与えるが、対人や対物に攻撃力があがるような代物ではない。
とはいえ、この戦乱においては重要な属性だ。
死体を放置し意図的にゾンビを大量発生させる行為は条約によって禁じられていはいる。
しかし偶然、または偶然と称した戦略によって引き起こされる災害がないわけではない。
子供達はこの光る石がなんとなく魔を払う事を知っており、怖い暗闇になげこんで「しりぞけえ」というと魔物が去るという民族伝承もあるくらいで。古くから石投げの遊びによくつかわれる。
王教会はこの属性を独占するためにリアンに鍛冶ギルドの管理運営という特権で他国への亡命を防いでいる。
なぜ加工できるのかは二人の弟子すら教えてもらっていない。
リアンは二人の前でスターライト鉱石で剣をコーティングし始めた。
通常打つ属性武器ならば金属を混合して打つものだが、
リアンはこの時混じり気のないスターライト鉱石で
剣全体を覆うように加工を施したので、
刀身全体はまるで光その物のように発光している。
鉱石のままでは不純物が多すぎてとてもランタンの代わりにはなりえない、
リアンだけがこのように加工する事ができる。
もっともその特別な能力がなくても、
加工、鍛錬において大陸で右に出る者のいない今世一の鍛冶師の作業は、
いつも二人を呆然とさせる。
キースは目を青くして気が付いた、先ほどの鑑定結果「聖錬鋼」がみえず、
スターライト鉱による光属性、神に愛されし物、通常の10倍の切れ味で腐敗しないとなるこの剣の鑑定結果に。
神に愛されし物はお師匠様がうつと付与される謎の属性だ、釣り針を作ればよく釣れるし、農具なら虫がつきにくいらしい、何か運でもよくなるのだろうか。
お師匠様が神に愛されし者だというのは何となくわかるが、こっそり鑑定しても何も表示されないし、昔働いていた教会が関係あるとみて、休みの日にはかかさず祈りに行っているが、自分には何の変化も起きていない。
単一の金属でコーティングすると中心部分の金属の性質が隠蔽されることをこの時キースは知った。
リアン「聖剣だな」
ハイド「とても奇麗です」
リアンは生涯をかけて打った渾身の一振りであると言い伝え
特別な金属のせいではなく奇跡の産物であると教会には伝えた。
この剣は王教会の第一騎士が代々携え、聖剣リグレアとして継承されていくことになる。
33年前にさかのぼる。
-リグリア大陸、玄関港街ガープ、工房リアンの鉄窯-
キース16歳(ジル)ハイド15歳(ジキル)
この時キースは先代ジル=リアンからジキルの加護を受けており
ジキル=キースとしてハイドの兄弟子であった。
鍛冶職に就くものは伴侶との同衾を許されない
これは鍛冶神バッカスが妻から逃れ地上でくらした事から加護を受けるために必要な事だからだ。
よってすぐそばに妻用の家を作ったりし、子作りはもっぱら日中する事になっている。
工房主リアンは30歳まで教会の下働きをする牧師にもなれない門弟であったが
ある日を境に鍛冶職人に転身した変わり者としても有名である。
現在52歳、鍛冶を初めて5年で店を持った天才で、
大陸では並ぶ者のいない鍛冶師、光明のリアンなどと呼ばれている。
平民には普通苗字がないので同じ名前を区別するためにこのように名前のまえに呼称が付くのである。
先代ジル=リアン「おいお前たち、今日は凄いものを見せてやる」
鍛冶場の一角によばれた二人はリアンの持つ剣に不思議な感覚を覚える
キースは目を青く光らせて鑑定する、聖錬鋼?
キース「師匠・・これ・・」
リアン「他言する事は許さない」
剣を振りかざし、武器棚の前で横なぎに剣を振るう、小さな接触音の後で
武器棚ごとロングソードが3本奇麗に切断されている。
ハイド「親方、すごい切れ味です!こんなのみたことありません!」
リアン「だがこれは世に出てはならない武器だ、キースも分かるな?」
時間のかかる鍛鉄の作業、鍛冶職人に5000回もおなじ武器を打ち直しさせる必要があるなど何が起こるかキースにも分かった
キースは黙ってうなずく。
リアン「だが正しき事に使われるならば意味があると思うのだ、これを教会に収めようと思う」
キース「師匠!これを人目の着く場所に?」
リアン「心配するなスターライト鉱石を使う」
スターライト鉱石・・・ 光属性 魔を払う鉱石
神に愛されし者にしか変形出来ない、魔に魅入られし者しか抗えない。
という壊せない変形出来ない、鑑定結果も意味が分からない。
砕けない分石ころよりたちの悪い鉱石で、
採石場でまれに見つかっても。明かり代わりにその辺に捨てられる鉱石だ。
神に愛されし者というこの鑑定結果から、有名な司教にハンマーをとらせる無茶まで試されたが、誰も打ち直すことは出来ず、下働きの門弟リアンが片付け作業中にスコップで叩いた石が変形したことから、
鍛冶師に取り立てられた逸話がある。
リアンだけが加工でき、そのおかげで王都のそば近い港町で鍛冶の特権を与えられている。
光属性はアンデットに効果的で2倍のダメージを与えるが、対人や対物に攻撃力があがるような代物ではない。
とはいえ、この戦乱においては重要な属性だ。
死体を放置し意図的にゾンビを大量発生させる行為は条約によって禁じられていはいる。
しかし偶然、または偶然と称した戦略によって引き起こされる災害がないわけではない。
子供達はこの光る石がなんとなく魔を払う事を知っており、怖い暗闇になげこんで「しりぞけえ」というと魔物が去るという民族伝承もあるくらいで。古くから石投げの遊びによくつかわれる。
王教会はこの属性を独占するためにリアンに鍛冶ギルドの管理運営という特権で他国への亡命を防いでいる。
なぜ加工できるのかは二人の弟子すら教えてもらっていない。
リアンは二人の前でスターライト鉱石で剣をコーティングし始めた。
通常打つ属性武器ならば金属を混合して打つものだが、
リアンはこの時混じり気のないスターライト鉱石で
剣全体を覆うように加工を施したので、
刀身全体はまるで光その物のように発光している。
鉱石のままでは不純物が多すぎてとてもランタンの代わりにはなりえない、
リアンだけがこのように加工する事ができる。
もっともその特別な能力がなくても、
加工、鍛錬において大陸で右に出る者のいない今世一の鍛冶師の作業は、
いつも二人を呆然とさせる。
キースは目を青くして気が付いた、先ほどの鑑定結果「聖錬鋼」がみえず、
スターライト鉱による光属性、神に愛されし物、通常の10倍の切れ味で腐敗しないとなるこの剣の鑑定結果に。
神に愛されし物はお師匠様がうつと付与される謎の属性だ、釣り針を作ればよく釣れるし、農具なら虫がつきにくいらしい、何か運でもよくなるのだろうか。
お師匠様が神に愛されし者だというのは何となくわかるが、こっそり鑑定しても何も表示されないし、昔働いていた教会が関係あるとみて、休みの日にはかかさず祈りに行っているが、自分には何の変化も起きていない。
単一の金属でコーティングすると中心部分の金属の性質が隠蔽されることをこの時キースは知った。
リアン「聖剣だな」
ハイド「とても奇麗です」
リアンは生涯をかけて打った渾身の一振りであると言い伝え
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