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アネモネ
しおりを挟む春一番が吹く頃に、どうしても貴方に逢いたくなるのはなぜだろう。
何度も何度も生まれ変わっては冬を越し、同じ想いに耽るのだ。
(もしもあの時、私を選んでいなければ、貴方は今以上に幸せな未来を過ごしていたかもしれない。)
こんな考えを貴方は否定してくれると分かっているけれど、何年たってもこればかりは抱かずにはいられない。
一緒にいる時間は決して長くはないけれど、何ものにも代え難い幸せがそこにはある。
貴方がいることで幸せを知った私は、貴方以外で幸せをみつける自信はなくて。
どんなに美しい景色も、どんなに素敵な人に出逢っても……。
貴方がいなければ、貴方でなければ。
一瞬の時であっても、同じ時を過ごすため、私は何度でも生まれ変わる。
暗い暗い土の中で、同じ考えを巡らせて。この瞳が目一杯優しい陽を浴びる頃には、淀んだ考え全てが、貴方に逢いたいという気持ちに変わってしまう。
ふわり。
穏やかな風が私の頬を撫で去った。
あぁ。今年も貴方は来てくれた、
春の優しい風はそっと私を抱きしめる。
(逢いたかった……ありがとう。)
堪え切れない思いを
貴方が代わりに囁いた。
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