12 / 12
12リーノは馬鹿だ* 【ゼノ】
しおりを挟むリーノは馬鹿だ。
初めて会ったあの時から常々思っていることだけど、まさかここまで馬鹿とは思わなかった。
無理やりつがいにされたのに、どうして困った顔をしただけで受け入れてしまうのか。
愛撫ひとつにびくびくと身を縮めるくせに、なぜあえて煽るようなことをするのか。
唇をぺろりと舐めてきて恥ずかしげに笑うなんて、めちゃくちゃに犯せと言っているようなものだ。
俺の理性の限界を、試そうとしているとしか思えない。
「んぅ……ぁ、あ、そこ、ばっか……ッ」
「しっぽは我慢するって約束したから」
「ひぅ、ぁあああッ、やぁ、も……ッ!」
後孔に埋め込んだ三本の指を動かすと、ぬちゅりと卑猥な音がする。
ぐずぐずになるまで解した粘膜が、きゅうきゅうと指を締め付けている。
折れそうなほどに細い身体と、陽の光を知らない白い肌。
いまは真っ赤に染まっているそれに、点々と痕が散っている。
もちろん俺がつけた痕だ。
花びらのように散るそれは、ところどころリーノの精液に塗れている。
唾液に塗れた小さな乳首も、いまだにピンと立ったまま。
噛んで舐めて転がしたせいか乳輪もふっくらと充血していて、てらてらといやらしく光っている。
前立腺をやんわりと押し上げると、リーノが嬌声を上げて背を反らした。
そのせいで乳首が俺の目の前に差し出されたことには、どうやら気づいていないらしい。
触って触ってとねだるかのように震えるそれを舌で舐り、乳輪に優しく歯を立てる。
それだけでひぃんと啼くリーノはやはり、快楽に弱い。
たらたらと透明な蜜をこぼす性器にも口付けると、リーノが再び甘く啼いた。
いつも無邪気に笑っているのに、快楽に悶える姿はいやらしい。
飴玉のような瞳をとろかし、甘やかな声を上げて背を反らし、些細な刺激で身を震わせる。
小さな羽をぱさぱさと動かし、かわいいしっぽをくねらせて、俺の下でもがいている。
――馬鹿でやさしい、変な魔族。
弱いくせにお人好しで、村を焼くことをためらい、人を見殺しにすることすらできず、敵さえ助けてしまう愚かなリーノ。
そんなリーノを手に入れるためだけに魔王を殺し、数多の魔族を屠ってきたと知り、リーノはいったいどう思ったのだろう。
進軍途中にある村や町を、いくつも焼き滅ぼしてきた。
魔王軍を蹴散らして、邪魔者はすべて屠ってきた。
たとえその中にリーノの友人がいたとしても、俺はきっと殺しただろう。
俺の知らないリーノを知っているというだけで、殺したいほど憎らしい。
――そんな俺を、この昏く醜い執着を、リーノはいったいどう思うのだろう。
「う、ぁ……ッ、ゼノ……っ、もう、やだぁ……っ」
「俺にされるのは、嫌? こんなに気持ち良さそうなのに?」
「ちがっ……ばかぁ、も、はやく……ッ!」
とろけた飴玉のような瞳で俺を見つめて、リーノがもどかしげに腰を揺する。
かわいいしっぽを俺の腕に巻き付けて、ねだるように脚を開く。
――あんなにだめだと啼いていたのに。
上級魔族にとってのしっぽは、特別な意味を持つ部位だ。
他者はおろか自分でも触れない大切なところ。
見せるのも触れさせるのもつがいだけ。だからしっぽに触れられたら、その相手と必ずつがわなきゃいけない。
……リーノはすっかり忘れていたようだが、初対面のときにそう言っていたのに。
先日はあんなにだめだと泣いて、懸命に抵抗していたのに。
――これだから、リーノは。
めちゃくちゃに貪りたい気持ちを抑えて、なんとか耐えていたというのに。
リーノに想いが通じるまではと、しっぽは触らないつもりでいたのに。
それを自らねだるように絡められて、淫らな姿で煽られて、どうして我慢などできるだろう。
指をずるりと引き抜いて、かわりに雄を押し当てた。
ぐずぐずに解した後孔は、軽く押し当てただけですんなりと雄を飲み込んでいく。
慎ましやかな窄まりを健気に拡げて、いやらしく絡みついてくる。
「ぁ、あ、あつ……い……っ」
「……っ、リーノ、少し緩めて」
「むっ、むりっ……こん、な、おっき……」
ふるりと首を振った拍子に、リーノの目から涙がこぼれた。
黒い睫毛を彩る涙。薄い胸元に飾られた、独占欲の証の結晶。
きらきらと光を反射するそれらに思わず見とれ、淫靡な姿に目を奪われる。
いつも明るくかわいいリーノが、俺の雄に貫かれ、熱に怯えてすがりついてくる。
小さな羽でぱさぱさともがき、しっぽを腕に絡ませて、ただ俺だけを感じている。
それに確かな喜びを感じる。
「リーノ、キスして」
「んっ……ん、んぅんんッ……!!」
舌を絡めて魔力を注ぎ込むと、リーノの身体がびくんと跳ねた。
重ねた腹部に何かがかかり、内壁がきゅううっと絡みついてくる。
精液をねだるようなきつい締め付けに、リーノがイッたことを知る。
飴玉の瞳がとろりととろけて、余裕のない俺を映している。
「っ……ぁ……ぜの……」
「ん」
「ぜの、だぁ」
にへら、と安心したかのように笑うリーノに、ずくんと腰が重くなった。
雄がひときわ質量を増し、リーノが甘い吐息を漏らす。
重ねたままの唇をかすめたその吐息に、わずかな理性すら焼きつくされていく。
――もう、知るか。
リーノが俺をどう思っても、手放せないことに変わりはない。
この馬鹿でお人好しなかわいい魔族を、手放してやる気もまったくない。
身体から堕として囲いこんで、俺しか見えないよう閉じ込めて――リーノが他の何かに目を向けたなら、それを焼き滅ぼせばいい。
それができるだけの力も強さも、リーノのために手に入れた。
「好きだよ、リーノ」
「あッ、ぁあああ……ッ、だめ、いまッ……!」
イッたばかりで敏感な粘膜をぬちゅぬちゅと擦り、弱いところを責めたてていく。
前立腺を突き上げて、汗の浮く背中を指先でたどり、しっぽの付け根をこすこすと撫でる。
声も出せずに仰け反ったリーノは、おそらく再びイッたのだろう。
華奢な身体をきつく抱きしめ、その尖った耳に口付けた。
馬鹿で可愛い、俺だけのリーノ。
たとえ世界を焼き滅ぼしても、この手を離すことはない。
fin.
【設定】
・ゼノ
10歳→18歳くらい?
えぐいくらいに強い最強の勇者。
整った顔立ちでしれっと人助けをするから行く先々で秋波を送られるが、どんな美女が相手でもにこりともしないことで有名。
リーノだけが怯えることも阿ることもなく笑いかけてくれたから、強く執着している。
「人間は助けるべき相手、魔族は殺すべき相手」という常識に沿って行動しているが、倫理観はあまりない。
魔王になったものの、魔国を収めたり魔族を抑えたりする気はなく、部下たちに好き勝手やらせて自分はリーノと爛れた生活を送る。
・リーノ
16歳→24歳くらい?
アホの子の極み。落ちこぼれ。三歩歩けばいろんなことを忘れるため、ゼノに何を話したかもよく覚えていない。
いろいろと助けてくれたゼノには最初から好感を持っていた。
けど根っこは実力&個人主義の魔族なのでわりとドライ。
何も悪くない人を殺すのは気が引けるから村を燃やさないし、目の前で死なれたらちょっとイヤだから女の子も助ける、けど正義がどうとかは何も考えてない。
ゼノがたくさんの村を燃やしてきたと聞いても「勇者だもんなー戦争って大変だなー」くらいの感想。
強さこそ正義!弱きは死すべし!な社会だから仕方ないと受け入れている。
快楽に弱く流されやすい性格なので、最初こそ「腰いてぇよぉヤりすぎだろー」って嘆いていても「いや、過労死寸前の生活に比べたら天国だな??」とか思い始めて、ゼノといちゃいちゃと暮らすようになる。
44
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(2件)
あなたにおすすめの小説
何故か男の俺が王子の閨係に選ばれてしまった
まんまる
BL
貧乏男爵家の次男アルザスは、ある日父親から呼ばれ、王太子の閨係に選ばれたと言われる。
なぜ男の自分が?と戸惑いながらも、覚悟を決めて殿下の元へ行く。
しかし、殿下はただベッドに横たわり何もしてこない。
殿下には何か思いがあるようで。
《何故か男の僕が王子の閨係に選ばれました》の攻×受が立場的に逆転したお話です。
登場人物、設定は全く違います。
※ショートショート集におまけ話を上げています。そちらも是非ご一読ください。
※画像は男の子メーカーPicrewさんよりお借りしています。
過保護な父の歪んだ愛着。旅立ちを控えた俺の身体は、夜ごとに父の形で塗り潰される
中山(ほ)
BL
「パックの中、僕の形になっちゃったね」
夢か現か。耳元で囁かれる甘い声と、内側を執拗に掻き回す熱。翌朝、自室で目覚めたパックに、昨夜の記憶はない。ただ、疼くような下腹部の熱だけが残っていた。
相談しようと向かった相手こそが、自分を侵食している張本人だとも知らずに、パックは父の部屋の扉を開く。
このお話はムーンライトでも投稿してます〜
悪役令息に転生した俺は推しの為に舞台から退場する
ユッキー
BL
前世の記憶を思い出したアレクシスは悪役令息に転生したことに気づく。このままでは推しである義弟ノアが世界を救った後も幸せになれない未来を迎えてしまう。それを回避する為に、俺は舞台から退場することを選んだ。全てを燃やし尽くす事で。
そんな俺の行動によってノアが俺に執着することになるとも知らずに。
人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました
よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、
前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。
獣人が支配する貴族社会。
魔力こそが価値とされ、
「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、
レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。
そんな彼を拾ったのは、
辺境を治める獣人公爵アルト。
寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。
溺愛され、守られ、育てられる日々。
だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。
学院での出会い。
貴族社会に潜む差別と陰謀。
そして「番」という、深く重い絆。
レオンは学び、考え、
自分にしかできない魔法理論を武器に、
少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。
獣人と人族。
価値観も、立場も、すべてが違う二人が、
それでも選び合い、家族になるまでの物語。
溺愛×成長×異世界BL。
読後に残るのは、
「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。
竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜
レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」
魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。
彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。
「出来損ない」オメガと幼馴染の王弟アルファの、発情初夜
鳥羽ミワ
BL
ウィリアムは王族の傍系に当たる貴族の長男で、オメガ。発情期が二十歳を過ぎても来ないことから、家族からは「欠陥品」の烙印を押されている。
そんなウィリアムは、政略結婚の駒として国内の有力貴族へ嫁ぐことが決まっていた。しかしその予定が一転し、幼馴染で王弟であるセドリックとの結婚が決まる。
あれよあれよと結婚式当日になり、戸惑いながらも結婚を誓うウィリアムに、セドリックは優しいキスをして……。
そして迎えた初夜。わけもわからず悲しくなって泣くウィリアムを、セドリックはたくましい力で抱きしめる。
「お前がずっと、好きだ」
甘い言葉に、これまで熱を知らなかったウィリアムの身体が潤み、火照りはじめる。
※ムーンライトノベルズ、アルファポリス、pixivへ掲載しています
記憶喪失のフリをしたあざといスパイですが、全部お見通しの皇帝陛下に「嘘の婚約者」として閉じ込められています
たら昆布
BL
処刑寸前のスパイが事故にあった後、記憶喪失のフリをして皇帝の婚約者だと偽る話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
さいっっっこうでした!素敵な作品をありがとうございました!
おバカな魔族可愛すぎる˚‧º·(´ฅωฅ`)‧º·˚