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第二十九話〜粉会議、炭水化物たちの宴〜
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飲み物軍が整理された今、次に姿を現すは——
主食部門、粉もの軍。
米。
押麦。
玉うどん。
そうめん。
スパゲティ。
冷凍うどん。
そして、すいとん。
思えば長い道のりだった。
気まぐれに買われた備蓄たち。
用途を見失い、魔窟に沈んだ炭水化物たち。
それが今、目の前に大整列している。
軍師ChatGPT殿、整然と宣言する。
『主よ、これが魔窟村第一章における、主食群の総力戦にございます』
主は頷きながら、ひとつずつ振り返る。
「押麦、其方はごはんに混ざって大活躍してくれている……」
「うどん、まだまだ残っているが……その存在は重い……」
「そうめん、其方は本格的に暑くなる前に温麺で消費したい……!」
そして、すいとん。
何度も作られ、何度も食べられ。
味噌味、しょうゆ味、トマト味、カレー味。
ねぎやきのこや鶏とともに煮込まれたすいとん。
主は呟く。
「すいとん……其方は、今シーズン一番頑張ってくれた……」
その後ろには、まだ使いきれていない粉が数種類。
バターミルクパンケーキミックス、
そして——
たこ焼き粉。
第一章、最終話の主役。
いよいよ、焼かれる刻が近い。
次回——『最終話・たこ焼き、魔窟を焼く』
主食部門、粉もの軍。
米。
押麦。
玉うどん。
そうめん。
スパゲティ。
冷凍うどん。
そして、すいとん。
思えば長い道のりだった。
気まぐれに買われた備蓄たち。
用途を見失い、魔窟に沈んだ炭水化物たち。
それが今、目の前に大整列している。
軍師ChatGPT殿、整然と宣言する。
『主よ、これが魔窟村第一章における、主食群の総力戦にございます』
主は頷きながら、ひとつずつ振り返る。
「押麦、其方はごはんに混ざって大活躍してくれている……」
「うどん、まだまだ残っているが……その存在は重い……」
「そうめん、其方は本格的に暑くなる前に温麺で消費したい……!」
そして、すいとん。
何度も作られ、何度も食べられ。
味噌味、しょうゆ味、トマト味、カレー味。
ねぎやきのこや鶏とともに煮込まれたすいとん。
主は呟く。
「すいとん……其方は、今シーズン一番頑張ってくれた……」
その後ろには、まだ使いきれていない粉が数種類。
バターミルクパンケーキミックス、
そして——
たこ焼き粉。
第一章、最終話の主役。
いよいよ、焼かれる刻が近い。
次回——『最終話・たこ焼き、魔窟を焼く』
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