偽りの婚約者に愛を誓いますか?

パリパリかぷちーの

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私たちの結婚式の準備は、驚くほどの速さで進んでいった。両家が全面的に協力してくれたおかげだ。

ドレス選び、式の打ち合わせ、招待客のリストアップ。目まぐるしい日々だったけれど、その全てが楽しくて、幸せだった。

「レノア、このドレスはどうだ?君の瞳の色と同じ、青いリボンがあしらわれている」

「まあ、素敵ですわ。でも、こちらの純白のドレスも捨てがたいですわね」

私たちは、些細なことで笑い合い、軽口を叩き合う。以前の、ぎこちない関係が嘘のようだ。

「まさか、あなたとこんな風に、ドレス選びをすることになるなんて」

私がそう言うと、アンテル様は愛おしそうに私の髪を撫でた。

「俺もだ。契約から始まったなんて、もう誰も信じないだろうな」

「ええ、私たち自身も、忘れそうなくらいですわ」

本当に、そうだった。彼といるのが当たり前で、彼を愛しているのが当たり前。偽りの婚約者だった頃の記憶は、もう遥か遠い過去のようだ。

もちろん、全ての壁がなくなったわけではない。

「ヴァレンティン公爵家の次期当主夫人として、学ばねばならぬことは山ほどあるぞ」

アンテル様にそう言われ、私は膨大な資料を前に、頭を抱える日もあった。

「大丈夫だ。俺がそばにいる」

そんな時、彼は必ず、優しく私の手を握ってくれる。一人で背負うのではない。二人で乗り越えていくのだ。

そう思うと、どんな困難も乗り越えられる気がした。

偽りの関係という、一番大きな壁を乗り越えた私たちにとって、これからの人生で起こるどんなことも、きっと些細なことに過ぎないのだろう。

二人で手を取り合っていれば、どんな道でも歩いていける。

私たちは、来るべき結婚式の日に向けて、幸せを一つ一つ、丁寧に積み重ねていった。
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