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ガタゴトと車輪が石畳を転がる音が、心地よいリズムを刻んでいる。
王都を出発して数時間。
私たち一行は、国境の砦を目指して街道を進んでいた。
「……おい、アイビー。口元が緩んでいるぞ」
向かいの席から、呆れ声が飛んでくる。
声の主は、同乗しているキース閣下だ。
「失礼しました閣下。あまりに尊い光景が目の前に広がっているもので」
私は窓の外を指差した。
私たちの馬車のすぐ横を、二頭の馬が並走している。
白馬に跨るエリック殿下と、黒馬を駆るルーカス様だ。
「見てください、あの身長差。そして風になびくマントの対比。殿下が何か話しかけて、ルーカス様が少しだけ首を傾けて答える……この一連の動作だけで、短編が三本は書けます」
「……仕事中だ。窓に張り付いてヨダレを垂らすな」
キース閣下はピシャリと言って、手に持っていた書類で私の視界を遮った。
「むぅ……ケチ」
私は大人しく座り直した。
今回の旅の表向きは「王太子の視察」だが、私と閣下にとっては「囮作戦」の遂行中である。
(まあ、今のところ襲撃の気配はないし、平和なものですけどね)
そうこうしているうちに、馬車が速度を緩めた。
「休憩だ。少し足を伸ばすといい」
閣下の合図で、一行は街道沿いの木陰で休息を取ることになった。
私は馬車を降り、凝り固まった体を伸ばす。
「ふぅーっ! 空気が美味しい!」
「アイビー」
背後から声をかけられた。
振り返ると、そこにはなんとエリック殿下が立っていた。
しかも、なぜかお一人で。
「……殿下? どうされましたか?」
私は周囲を見渡す。
いつも影のように寄り添っているルーカス様の姿がない。
「ルーカスなら、馬の蹄鉄を確認しに行かせた。……少し、君と二人で話がしたくてね」
「私と……ですか?」
嫌な予感がする。
元婚約者に二人きりで呼び出されるシチュエーション。
通常なら「復縁の申し込み」か「更なる断罪」の二択だ。
だが、殿下の表情は深刻そうに沈んでいる。
「……少し、場所を変えよう」
殿下は私を連れて、人目のつかない林の奥へと進んだ。
(えっ、何これ。もしかして愛の告白? いやいや、まさか)
適当な切り株に腰を下ろすと、殿下は重たい口を開いた。
「実は……悩みがあるんだ」
「悩み、ですか」
「ミシェルのことだ」
あー、そっちか。
私は内心ホッとしつつ、同時に興味が湧いた。
「ミシェル様がどうかされましたか?」
「最近、彼女の様子がおかしいんだ」
殿下は眉を寄せて語り出した。
「以前は『殿下、素敵です!』と純粋な目で僕を見てくれていた。だが、最近は……何というか、視線がいやらしい」
「いやらしい?」
「ああ。僕が執務をしていると、背後からじっと見つめてくる。しかも、僕の顔ではなく、うなじや腰のあたりを」
(グッジョブ、ミシェル様!)
私は心の中でガッツポーズをした。
私の教育的指導(第7話参照)が、着実に成果を上げているようだ。
「それに、独り言も増えた。『尊い……』とか『これが公式……』とか、意味の分からない呪文を呟いている。……アイビー、君は女同士だ。何か心当たりはないか?」
「そうですねぇ……」
私は顎に手を当てて、もっともらしい顔を作った。
「それは、ミシェル様が殿下の『新たな魅力』に気づかれたからではないでしょうか」
「新たな魅力?」
「ええ。今までのような『王子様』という記号ではなく、殿下という人間そのものの……肉体的な美しさや、儚さに惹かれているのです」
「は、儚さ……? 僕がか?」
殿下は自分の鍛え上げられた腕を見て首を傾げる。
「ええ、そうですとも。そしてここからが重要です、殿下」
私は一歩踏み出した。
ここだ。
ここで私の誘導尋問(アドバイス)をねじ込むチャンスだ。
「ミシェル様が不安に思われているのは、殿下の心が『誰に向いているか』ということです」
「誰って……ミシェルに決まっているだろう」
「本当にそうですか? 殿下には、ミシェル様よりも長く、深く時間を共有している相手がいらっしゃるではありませんか」
「……? 誰のことだ?」
鈍い。
この鈍感さこそが、エリック殿下の罪であり魅力だ。
私は指を一本立てて、ゆっくりと告げた。
「ルーカス様ですよ」
「ルーカス? あいつは幼馴染で、従者だぞ。比較対象になるわけがない」
「そこです! その『当たり前すぎて意識もしない』という関係性こそが、ミシェル様を不安にさせているのです!」
私は熱弁を振るう。
「ミシェル様は感じているのです。殿下とルーカス様の間にある、入り込む隙のない絆を。だからこそ、殿下を観察し、その関係性を必死に理解しようとしているのです(腐った意味で)」
「……そうだったのか」
殿下は目から鱗が落ちたような顔をした。
「僕は、ミシェルを不安にさせていたのか……」
「はい。ですから殿下、解決策は一つです」
「教えてくれ、アイビー! どうすればいい!?」
殿下が私の肩を掴む。
その必死な顔。
ああ、なんて可愛い受け顔だろうか。
私はニッコリと微笑んで、悪魔の囁きを吹き込んだ。
「もっと、ルーカス様を頼ってください」
「え?」
「ミシェル様の前で、ルーカス様との仲の良さを見せつけるのです。『僕たちには隠し事なんてない』『僕の全てをルーカスは知っている』とアピールすることで、逆にミシェル様を安心させるのです!」
「なるほど……!」
殿下がポンと手を打つ。
「あえて絆を強調することで、ミシェルの疑念を晴らすわけか! さすがアイビー、元婚約者だけあって僕の扱いがうまいな!」
「お役に立てて光栄ですわ(違う、そうじゃないけど結果オーライ)」
完全に論理が破綻しているが、殿下は納得してくれたようだ。
これで今後、殿下からルーカス様へのスキンシップが増えることは間違いない。
私の眼福ライフが捗るというものだ。
「ありがとう、アイビー。少し気が楽になったよ」
爽やかな笑顔を見せる殿下。
その時だった。
ガサッ。
茂みの向こうから音がした。
「誰だ!?」
殿下が鋭く反応し、剣の柄に手をかける。
現れたのは、蹄鉄の確認を終えたルーカス様……ではなく。
「……お取込み中、失礼する」
氷点下の視線を携えた、キース閣下だった。
「兄上!? なぜここに……?」
殿下が驚愕の声を上げる。
キース閣下は、私と殿下の距離(かなり近い)を一瞥し、不機嫌そうに眉をひそめた。
「休憩時間が終わるぞ、エリック。それに、元婚約者と二人きりで密会とは感心しないな。ミシェル嬢がまた泣くぞ」
「あ、いや、これは相談に乗ってもらっていただけで……」
「相談? アイビーにか?」
閣下の視線が私に向けられる。
『また余計なことを吹き込んだな』という無言の圧力が凄い。
私はサッと目を逸らした。
「そ、それでは私は失礼いたします! 殿下、アドバイスをお忘れなく!」
「ああ、助かったよ!」
私は逃げるようにその場を去った。
背後で、キース閣下が殿下に何か小言を言っているのが聞こえる。
馬車に戻ると、私は座席に倒れ込んで足をバタバタさせた。
「聞いた!? 聞いた今の会話!? ……あ、誰もいなかったわ」
独り言だ。
しかし、興奮は収まらない。
(これで殿下は『積極的受け』へとジョブチェンジするはず! 次の展開が楽しみすぎるわ!)
ニヤニヤが止まらない私の元へ、しばらくしてキース閣下が戻ってきた。
ドカッと対面の席に座るなり、彼は深い溜息をついた。
「……おい、アイビー」
「は、はい!」
「お前、エリックに何を言った」
「えっと……円満な人間関係の秘訣を少々」
「……嘘をつけ」
閣下はジロリと私を睨んだが、それ以上追及はしなかった。
その代わり、ポツリと漏らした。
「エリックが戻るなり、ルーカスの肩に手を回して『今日の夕食は僕の分も食べてくれ』などと言い出したぞ。ルーカスが困惑して固まっていた」
「ブフォッ!!!!」
仕事が早い!
さすが殿下、素直すぎる!
「……お前の差し金だな」
「ぐふふ……想像しただけで白飯がいけます……」
「気持ち悪い笑い方をするな」
キース閣下は呆れつつも、どこか楽しげに口元を緩めた。
「まあいい。エリックが精神的に安定するなら、多少の奇行には目を瞑ろう。……だが」
閣下は身を乗り出し、私の額を指で弾いた。
「痛っ!」
「あまり調子に乗るなよ。……お前がエリックと二人きりでいるのを見て、少し……不愉快だった」
「へ?」
私はおでこを押さえて、閣下を見た。
不愉快?
それは、弟の貞操を心配して?
それとも、任務に集中していないことへの叱責?
閣下はフンと顔を背けてしまった。
窓の外を見つめるその横顔が、心なしか拗ねているように見えたのは、私の都合の良い妄想だろうか。
「……さあ、出発するぞ。目的地まであと少しだ」
馬車が再び動き出す。
私の「推し活」と、閣下の「害虫駆除」。
そして、ほんの少しの「恋の予感(?)」を乗せて、旅は続く。
王都を出発して数時間。
私たち一行は、国境の砦を目指して街道を進んでいた。
「……おい、アイビー。口元が緩んでいるぞ」
向かいの席から、呆れ声が飛んでくる。
声の主は、同乗しているキース閣下だ。
「失礼しました閣下。あまりに尊い光景が目の前に広がっているもので」
私は窓の外を指差した。
私たちの馬車のすぐ横を、二頭の馬が並走している。
白馬に跨るエリック殿下と、黒馬を駆るルーカス様だ。
「見てください、あの身長差。そして風になびくマントの対比。殿下が何か話しかけて、ルーカス様が少しだけ首を傾けて答える……この一連の動作だけで、短編が三本は書けます」
「……仕事中だ。窓に張り付いてヨダレを垂らすな」
キース閣下はピシャリと言って、手に持っていた書類で私の視界を遮った。
「むぅ……ケチ」
私は大人しく座り直した。
今回の旅の表向きは「王太子の視察」だが、私と閣下にとっては「囮作戦」の遂行中である。
(まあ、今のところ襲撃の気配はないし、平和なものですけどね)
そうこうしているうちに、馬車が速度を緩めた。
「休憩だ。少し足を伸ばすといい」
閣下の合図で、一行は街道沿いの木陰で休息を取ることになった。
私は馬車を降り、凝り固まった体を伸ばす。
「ふぅーっ! 空気が美味しい!」
「アイビー」
背後から声をかけられた。
振り返ると、そこにはなんとエリック殿下が立っていた。
しかも、なぜかお一人で。
「……殿下? どうされましたか?」
私は周囲を見渡す。
いつも影のように寄り添っているルーカス様の姿がない。
「ルーカスなら、馬の蹄鉄を確認しに行かせた。……少し、君と二人で話がしたくてね」
「私と……ですか?」
嫌な予感がする。
元婚約者に二人きりで呼び出されるシチュエーション。
通常なら「復縁の申し込み」か「更なる断罪」の二択だ。
だが、殿下の表情は深刻そうに沈んでいる。
「……少し、場所を変えよう」
殿下は私を連れて、人目のつかない林の奥へと進んだ。
(えっ、何これ。もしかして愛の告白? いやいや、まさか)
適当な切り株に腰を下ろすと、殿下は重たい口を開いた。
「実は……悩みがあるんだ」
「悩み、ですか」
「ミシェルのことだ」
あー、そっちか。
私は内心ホッとしつつ、同時に興味が湧いた。
「ミシェル様がどうかされましたか?」
「最近、彼女の様子がおかしいんだ」
殿下は眉を寄せて語り出した。
「以前は『殿下、素敵です!』と純粋な目で僕を見てくれていた。だが、最近は……何というか、視線がいやらしい」
「いやらしい?」
「ああ。僕が執務をしていると、背後からじっと見つめてくる。しかも、僕の顔ではなく、うなじや腰のあたりを」
(グッジョブ、ミシェル様!)
私は心の中でガッツポーズをした。
私の教育的指導(第7話参照)が、着実に成果を上げているようだ。
「それに、独り言も増えた。『尊い……』とか『これが公式……』とか、意味の分からない呪文を呟いている。……アイビー、君は女同士だ。何か心当たりはないか?」
「そうですねぇ……」
私は顎に手を当てて、もっともらしい顔を作った。
「それは、ミシェル様が殿下の『新たな魅力』に気づかれたからではないでしょうか」
「新たな魅力?」
「ええ。今までのような『王子様』という記号ではなく、殿下という人間そのものの……肉体的な美しさや、儚さに惹かれているのです」
「は、儚さ……? 僕がか?」
殿下は自分の鍛え上げられた腕を見て首を傾げる。
「ええ、そうですとも。そしてここからが重要です、殿下」
私は一歩踏み出した。
ここだ。
ここで私の誘導尋問(アドバイス)をねじ込むチャンスだ。
「ミシェル様が不安に思われているのは、殿下の心が『誰に向いているか』ということです」
「誰って……ミシェルに決まっているだろう」
「本当にそうですか? 殿下には、ミシェル様よりも長く、深く時間を共有している相手がいらっしゃるではありませんか」
「……? 誰のことだ?」
鈍い。
この鈍感さこそが、エリック殿下の罪であり魅力だ。
私は指を一本立てて、ゆっくりと告げた。
「ルーカス様ですよ」
「ルーカス? あいつは幼馴染で、従者だぞ。比較対象になるわけがない」
「そこです! その『当たり前すぎて意識もしない』という関係性こそが、ミシェル様を不安にさせているのです!」
私は熱弁を振るう。
「ミシェル様は感じているのです。殿下とルーカス様の間にある、入り込む隙のない絆を。だからこそ、殿下を観察し、その関係性を必死に理解しようとしているのです(腐った意味で)」
「……そうだったのか」
殿下は目から鱗が落ちたような顔をした。
「僕は、ミシェルを不安にさせていたのか……」
「はい。ですから殿下、解決策は一つです」
「教えてくれ、アイビー! どうすればいい!?」
殿下が私の肩を掴む。
その必死な顔。
ああ、なんて可愛い受け顔だろうか。
私はニッコリと微笑んで、悪魔の囁きを吹き込んだ。
「もっと、ルーカス様を頼ってください」
「え?」
「ミシェル様の前で、ルーカス様との仲の良さを見せつけるのです。『僕たちには隠し事なんてない』『僕の全てをルーカスは知っている』とアピールすることで、逆にミシェル様を安心させるのです!」
「なるほど……!」
殿下がポンと手を打つ。
「あえて絆を強調することで、ミシェルの疑念を晴らすわけか! さすがアイビー、元婚約者だけあって僕の扱いがうまいな!」
「お役に立てて光栄ですわ(違う、そうじゃないけど結果オーライ)」
完全に論理が破綻しているが、殿下は納得してくれたようだ。
これで今後、殿下からルーカス様へのスキンシップが増えることは間違いない。
私の眼福ライフが捗るというものだ。
「ありがとう、アイビー。少し気が楽になったよ」
爽やかな笑顔を見せる殿下。
その時だった。
ガサッ。
茂みの向こうから音がした。
「誰だ!?」
殿下が鋭く反応し、剣の柄に手をかける。
現れたのは、蹄鉄の確認を終えたルーカス様……ではなく。
「……お取込み中、失礼する」
氷点下の視線を携えた、キース閣下だった。
「兄上!? なぜここに……?」
殿下が驚愕の声を上げる。
キース閣下は、私と殿下の距離(かなり近い)を一瞥し、不機嫌そうに眉をひそめた。
「休憩時間が終わるぞ、エリック。それに、元婚約者と二人きりで密会とは感心しないな。ミシェル嬢がまた泣くぞ」
「あ、いや、これは相談に乗ってもらっていただけで……」
「相談? アイビーにか?」
閣下の視線が私に向けられる。
『また余計なことを吹き込んだな』という無言の圧力が凄い。
私はサッと目を逸らした。
「そ、それでは私は失礼いたします! 殿下、アドバイスをお忘れなく!」
「ああ、助かったよ!」
私は逃げるようにその場を去った。
背後で、キース閣下が殿下に何か小言を言っているのが聞こえる。
馬車に戻ると、私は座席に倒れ込んで足をバタバタさせた。
「聞いた!? 聞いた今の会話!? ……あ、誰もいなかったわ」
独り言だ。
しかし、興奮は収まらない。
(これで殿下は『積極的受け』へとジョブチェンジするはず! 次の展開が楽しみすぎるわ!)
ニヤニヤが止まらない私の元へ、しばらくしてキース閣下が戻ってきた。
ドカッと対面の席に座るなり、彼は深い溜息をついた。
「……おい、アイビー」
「は、はい!」
「お前、エリックに何を言った」
「えっと……円満な人間関係の秘訣を少々」
「……嘘をつけ」
閣下はジロリと私を睨んだが、それ以上追及はしなかった。
その代わり、ポツリと漏らした。
「エリックが戻るなり、ルーカスの肩に手を回して『今日の夕食は僕の分も食べてくれ』などと言い出したぞ。ルーカスが困惑して固まっていた」
「ブフォッ!!!!」
仕事が早い!
さすが殿下、素直すぎる!
「……お前の差し金だな」
「ぐふふ……想像しただけで白飯がいけます……」
「気持ち悪い笑い方をするな」
キース閣下は呆れつつも、どこか楽しげに口元を緩めた。
「まあいい。エリックが精神的に安定するなら、多少の奇行には目を瞑ろう。……だが」
閣下は身を乗り出し、私の額を指で弾いた。
「痛っ!」
「あまり調子に乗るなよ。……お前がエリックと二人きりでいるのを見て、少し……不愉快だった」
「へ?」
私はおでこを押さえて、閣下を見た。
不愉快?
それは、弟の貞操を心配して?
それとも、任務に集中していないことへの叱責?
閣下はフンと顔を背けてしまった。
窓の外を見つめるその横顔が、心なしか拗ねているように見えたのは、私の都合の良い妄想だろうか。
「……さあ、出発するぞ。目的地まであと少しだ」
馬車が再び動き出す。
私の「推し活」と、閣下の「害虫駆除」。
そして、ほんの少しの「恋の予感(?)」を乗せて、旅は続く。
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