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実家での生活が始まって三日目。
私の朝は、優雅な紅茶と、メイドたちの悲鳴から始まりました。
「きゃあああああああ!」
屋敷の裏庭から、絹を引き裂くような叫び声が響き渡ります。
私はバルコニーで飲んでいたモーニングティーのカップを、カチャリとソーサーに戻しました。
「……朝から騒々しいわね」
「どうやら、裏庭に『熊』が出たようでございます」
控えていたセバスチャンが、天気の話でもするかのように平然と言いました。
「熊? この辺りに野生の熊なんていたかしら?」
「いえ。ですがメイドの報告によりますと、黒い毛皮に覆われた、殺気漲る巨大な猛獣が庭を徘徊しているとのこと」
「それは大変。私の大事な家庭菜園が荒らされたら一大事だわ」
私は立ち上がりました。
「セバスチャン、散歩がてら退治しに行きますわよ」
「御意。武器は?」
「私の『高笑い』と扇で十分よ」
私はドレスの裾を翻し、裏庭へと向かいました。
廊下ですれ違うメイドたちは皆、顔面蒼白でガタガタと震えています。
「お、お嬢様! いけません! あそこには魔物が……!」
「魔物? 大袈裟ね。ここは魔境ではなくてよ?」
私は彼女たちを宥めつつ、裏庭へのガラス戸を開けました。
そこは、色とりどりの花が咲き誇る美しい庭園です。
しかし、その中央にある噴水のベンチに、確かに『それ』はいました。
黒い塊。
人間離れした巨大な背中。
そして、周囲の気温を5度は下げるような、凍てつく殺気。
「……なるほど。確かに熊に見えなくもないわね」
私は呆れ半分、感心半分で呟きました。
そこにいたのは、野生の熊でも魔物でもなく、我が家の客人であるギルバート・ヴォルファート騎士団長だったからです。
彼は国境警備の視察という名目で、このベルンシュタイン領に数日間滞在することになっていました。
(それにしても、すごい威圧感だわ。ただ座っているだけで、庭の花が枯れそうだもの)
彼は前屈みになり、何かを睨みつけています。
その背中は、まさに獲物を狩る直前の捕食者。
メイドたちが怖がるのも無理はありません。
「ごきげんよう、ギルバート様」
私は声をかけながら近づきました。
しかし、彼は集中しているのか、私の声に気づきません。
「……ん……そこか……」
低い、地を這うような唸り声。
「……もっと……激しくてもいい……」
(え? 何の話?)
私は首を傾げました。
まさか、独り言で戦闘シミュレーションでもしているのでしょうか。
私は音を立てずに彼の背後へと回り込み、そっと覗き込みました。
「ギルバート様、何をしていらっしゃいますの?」
「うわっ!?」
ギルバート様がビクッと肩を跳ねさせ、慌てて振り返りました。
その拍子に、彼の膝の上から『何か』が転がり落ちます。
「ニャア」
「……猫?」
そこには、屋敷で飼っている白猫のシロがいました。
それだけではありません。
よく見れば、ギルバート様の足元にはブチ猫が、肩には小鳥が、そしてベンチの隣には大型犬のポチまでが寝そべっていたのです。
「こ、これは……違うのだ、ニナリー嬢!」
ギルバート様は顔を真っ赤にして立ち上がりました。
小鳥がバサバサと飛び立ち、猫たちが不満そうに鳴きます。
「違う? 何がですの?」
「い、いや、私はただ、庭の警備状況を確認していただけで……決して、動物たちと戯れていたわけでは……!」
「戯れていた、ようには見えませんでしたわね」
私は扇で口元を隠しました。
「どちらかと言えば、動物たちに『埋もれて』いましたわ」
「うぐっ……」
「それに、先ほどの『もっと激しくてもいい』というのは?」
「……あ、足元の猫が、爪を立てて甘噛みをしてきたので……その、悪くない痛みだと……」
「変態ですの?」
「語弊がある!!」
ギルバート様が叫びました。
あの「氷の騎士」の面影はどこへやら。
今の彼は、ただの動物好きの不器用な青年にしか見えません。
「ふふふっ、冗談ですわ。ギルバート様は、動物に好かれる体質なんですのね」
「……どうやら、そうらしい」
彼はバツが悪そうに頭をかきました。
「昔からだ。殺気を消す訓練をしているせいか、動物たちが私を『無害な岩』か何かだと勘違いして寄ってくるのだ」
「岩……」
「戦場でも、野営をしていると野生のリスが兜の中で寝ていたりする」
「それは、ある意味才能ですわね」
私は笑い、ベンチに腰掛けました。
「座ってくださいな。動物たちが逃げてしまいますわよ」
「……失礼する」
彼が恐る恐る隣に座ると、すぐに猫たちが戻ってきました。
一匹は彼の太い太ももに飛び乗り、もう一匹は彼の腕に頭を擦り付けます。
ギルバート様は困ったような顔をしていますが、その手つきは驚くほど優しく、猫の顎の下を撫でていました。
ゴロゴロという喉の音が聞こえてきます。
「……ギルバート様」
「何だ」
「貴方、人間より動物の方が話しやすいでしょう?」
図星だったのか、彼はピクリと動きを止めました。
「……人間は、私の顔を見ただけで悲鳴を上げるか、媚びを売ってくるかのどちらかだからな。言葉を持たない彼らの方が、よほど正直で付き合いやすい」
その横顔には、少しだけ寂しそうな色が滲んでいました。
強面であるがゆえの孤独。
騎士団長という立場ゆえの孤独。
(……なるほど。この人は、意外と繊細な心の持ち主なのね)
私は少しだけ、彼に対する認識を改めました。
単なる「甘党の面白騎士」ではなく、「不器用で愛すべき人間」なのだと。
「でも、私は悲鳴も上げませんし、媚びも売りませんわよ?」
私が言うと、ギルバート様はこちらを見ました。
「ああ。……貴殿は特別だ」
「特別?」
「私の顔を見ても動じず、私の弱み(甘味好き)を知っても軽蔑せず、こうして隣に座ってくれる。……こんな女性は、初めてだ」
彼は真剣な眼差しで、私の目をじっと見つめました。
その瞳の色は、氷のように冷たいブルーですが、奥底には暖かな光が宿っています。
ドキン。
不覚にも、私の心臓が変な音を立てました。
(な、何よ今の言い方は。まるで口説き文句じゃないの)
私は動揺を隠すために、わざと意地悪なことを言いました。
「……勘違いしないでくださいね。私は貴方の弱みを握っている方が、今後のビジネスに利用できると思っただけですわ」
「ビジネス?」
「ええ。領地改革の一環として、貴方を広告塔に使わせていただきます」
「広告塔?」
「『あの氷の騎士もメロメロ! ベルンシュタイン領特製・癒しの猫カフェ』……なんてどうかしら?」
「却下だ!! 騎士団の威厳が地に落ちる!」
ギルバート様が即座に拒否しました。
「あら、残念。絶対に流行ると思いましたのに」
「貴殿の発想は恐ろしいな……」
「褒め言葉として受け取っておきますわ」
私は立ち上がり、セバスチャンに合図を送りました。
「さて、せっかくですからお茶にしましょう。今日は採れたてのベリーを使ったタルトをご用意させましたの」
「! タルト……」
ギルバート様の表情が、瞬時に緩みました。
猫たちも、何か美味しいものがもらえると察したのか、彼の周りで「ニャー」と鳴いています。
「行きますわよ、ギルバート様。冷めないうちに」
「……ああ、喜んで」
彼は猫たちを優しく地面に下ろすと、嬉々として立ち上がりました。
その背中からは、先ほどの殺気は微塵も感じられません。
あるのは、おやつを楽しみにする大型犬のようなオーラだけです。
(チョロいわね……)
私は内心でニヤリとしました。
でも、まあ。
こんな風に、のんびりとした朝を過ごすのも、悪くないかもしれません。
王都にいた頃の私は、常に気を張り詰め、王子の尻拭いに追われていました。
誰かと並んで、ただ動物を眺めたり、おやつの話をする余裕なんてありませんでした。
「ニナリー嬢? どうした?」
「いえ。……ただ、今の生活がとても『美味しい』なと思っただけですわ」
「ふむ。タルトはまだ食べていないが?」
「ふふっ、そうですね」
私たちは並んで屋敷への道を歩きました。
その後ろ姿を、遠くからメイドたちが「騎士団長様が笑ってる……」「お嬢様すごい……」「猛獣使いだ……」と囁き合っているのを、私はあえて聞かないふりをしました。
こうして、私と氷の騎士様の奇妙な信頼関係は、甘いお菓子とモフモフの動物たちを媒介にして、少しずつ、しかし確実に深まっていったのです。
私の朝は、優雅な紅茶と、メイドたちの悲鳴から始まりました。
「きゃあああああああ!」
屋敷の裏庭から、絹を引き裂くような叫び声が響き渡ります。
私はバルコニーで飲んでいたモーニングティーのカップを、カチャリとソーサーに戻しました。
「……朝から騒々しいわね」
「どうやら、裏庭に『熊』が出たようでございます」
控えていたセバスチャンが、天気の話でもするかのように平然と言いました。
「熊? この辺りに野生の熊なんていたかしら?」
「いえ。ですがメイドの報告によりますと、黒い毛皮に覆われた、殺気漲る巨大な猛獣が庭を徘徊しているとのこと」
「それは大変。私の大事な家庭菜園が荒らされたら一大事だわ」
私は立ち上がりました。
「セバスチャン、散歩がてら退治しに行きますわよ」
「御意。武器は?」
「私の『高笑い』と扇で十分よ」
私はドレスの裾を翻し、裏庭へと向かいました。
廊下ですれ違うメイドたちは皆、顔面蒼白でガタガタと震えています。
「お、お嬢様! いけません! あそこには魔物が……!」
「魔物? 大袈裟ね。ここは魔境ではなくてよ?」
私は彼女たちを宥めつつ、裏庭へのガラス戸を開けました。
そこは、色とりどりの花が咲き誇る美しい庭園です。
しかし、その中央にある噴水のベンチに、確かに『それ』はいました。
黒い塊。
人間離れした巨大な背中。
そして、周囲の気温を5度は下げるような、凍てつく殺気。
「……なるほど。確かに熊に見えなくもないわね」
私は呆れ半分、感心半分で呟きました。
そこにいたのは、野生の熊でも魔物でもなく、我が家の客人であるギルバート・ヴォルファート騎士団長だったからです。
彼は国境警備の視察という名目で、このベルンシュタイン領に数日間滞在することになっていました。
(それにしても、すごい威圧感だわ。ただ座っているだけで、庭の花が枯れそうだもの)
彼は前屈みになり、何かを睨みつけています。
その背中は、まさに獲物を狩る直前の捕食者。
メイドたちが怖がるのも無理はありません。
「ごきげんよう、ギルバート様」
私は声をかけながら近づきました。
しかし、彼は集中しているのか、私の声に気づきません。
「……ん……そこか……」
低い、地を這うような唸り声。
「……もっと……激しくてもいい……」
(え? 何の話?)
私は首を傾げました。
まさか、独り言で戦闘シミュレーションでもしているのでしょうか。
私は音を立てずに彼の背後へと回り込み、そっと覗き込みました。
「ギルバート様、何をしていらっしゃいますの?」
「うわっ!?」
ギルバート様がビクッと肩を跳ねさせ、慌てて振り返りました。
その拍子に、彼の膝の上から『何か』が転がり落ちます。
「ニャア」
「……猫?」
そこには、屋敷で飼っている白猫のシロがいました。
それだけではありません。
よく見れば、ギルバート様の足元にはブチ猫が、肩には小鳥が、そしてベンチの隣には大型犬のポチまでが寝そべっていたのです。
「こ、これは……違うのだ、ニナリー嬢!」
ギルバート様は顔を真っ赤にして立ち上がりました。
小鳥がバサバサと飛び立ち、猫たちが不満そうに鳴きます。
「違う? 何がですの?」
「い、いや、私はただ、庭の警備状況を確認していただけで……決して、動物たちと戯れていたわけでは……!」
「戯れていた、ようには見えませんでしたわね」
私は扇で口元を隠しました。
「どちらかと言えば、動物たちに『埋もれて』いましたわ」
「うぐっ……」
「それに、先ほどの『もっと激しくてもいい』というのは?」
「……あ、足元の猫が、爪を立てて甘噛みをしてきたので……その、悪くない痛みだと……」
「変態ですの?」
「語弊がある!!」
ギルバート様が叫びました。
あの「氷の騎士」の面影はどこへやら。
今の彼は、ただの動物好きの不器用な青年にしか見えません。
「ふふふっ、冗談ですわ。ギルバート様は、動物に好かれる体質なんですのね」
「……どうやら、そうらしい」
彼はバツが悪そうに頭をかきました。
「昔からだ。殺気を消す訓練をしているせいか、動物たちが私を『無害な岩』か何かだと勘違いして寄ってくるのだ」
「岩……」
「戦場でも、野営をしていると野生のリスが兜の中で寝ていたりする」
「それは、ある意味才能ですわね」
私は笑い、ベンチに腰掛けました。
「座ってくださいな。動物たちが逃げてしまいますわよ」
「……失礼する」
彼が恐る恐る隣に座ると、すぐに猫たちが戻ってきました。
一匹は彼の太い太ももに飛び乗り、もう一匹は彼の腕に頭を擦り付けます。
ギルバート様は困ったような顔をしていますが、その手つきは驚くほど優しく、猫の顎の下を撫でていました。
ゴロゴロという喉の音が聞こえてきます。
「……ギルバート様」
「何だ」
「貴方、人間より動物の方が話しやすいでしょう?」
図星だったのか、彼はピクリと動きを止めました。
「……人間は、私の顔を見ただけで悲鳴を上げるか、媚びを売ってくるかのどちらかだからな。言葉を持たない彼らの方が、よほど正直で付き合いやすい」
その横顔には、少しだけ寂しそうな色が滲んでいました。
強面であるがゆえの孤独。
騎士団長という立場ゆえの孤独。
(……なるほど。この人は、意外と繊細な心の持ち主なのね)
私は少しだけ、彼に対する認識を改めました。
単なる「甘党の面白騎士」ではなく、「不器用で愛すべき人間」なのだと。
「でも、私は悲鳴も上げませんし、媚びも売りませんわよ?」
私が言うと、ギルバート様はこちらを見ました。
「ああ。……貴殿は特別だ」
「特別?」
「私の顔を見ても動じず、私の弱み(甘味好き)を知っても軽蔑せず、こうして隣に座ってくれる。……こんな女性は、初めてだ」
彼は真剣な眼差しで、私の目をじっと見つめました。
その瞳の色は、氷のように冷たいブルーですが、奥底には暖かな光が宿っています。
ドキン。
不覚にも、私の心臓が変な音を立てました。
(な、何よ今の言い方は。まるで口説き文句じゃないの)
私は動揺を隠すために、わざと意地悪なことを言いました。
「……勘違いしないでくださいね。私は貴方の弱みを握っている方が、今後のビジネスに利用できると思っただけですわ」
「ビジネス?」
「ええ。領地改革の一環として、貴方を広告塔に使わせていただきます」
「広告塔?」
「『あの氷の騎士もメロメロ! ベルンシュタイン領特製・癒しの猫カフェ』……なんてどうかしら?」
「却下だ!! 騎士団の威厳が地に落ちる!」
ギルバート様が即座に拒否しました。
「あら、残念。絶対に流行ると思いましたのに」
「貴殿の発想は恐ろしいな……」
「褒め言葉として受け取っておきますわ」
私は立ち上がり、セバスチャンに合図を送りました。
「さて、せっかくですからお茶にしましょう。今日は採れたてのベリーを使ったタルトをご用意させましたの」
「! タルト……」
ギルバート様の表情が、瞬時に緩みました。
猫たちも、何か美味しいものがもらえると察したのか、彼の周りで「ニャー」と鳴いています。
「行きますわよ、ギルバート様。冷めないうちに」
「……ああ、喜んで」
彼は猫たちを優しく地面に下ろすと、嬉々として立ち上がりました。
その背中からは、先ほどの殺気は微塵も感じられません。
あるのは、おやつを楽しみにする大型犬のようなオーラだけです。
(チョロいわね……)
私は内心でニヤリとしました。
でも、まあ。
こんな風に、のんびりとした朝を過ごすのも、悪くないかもしれません。
王都にいた頃の私は、常に気を張り詰め、王子の尻拭いに追われていました。
誰かと並んで、ただ動物を眺めたり、おやつの話をする余裕なんてありませんでした。
「ニナリー嬢? どうした?」
「いえ。……ただ、今の生活がとても『美味しい』なと思っただけですわ」
「ふむ。タルトはまだ食べていないが?」
「ふふっ、そうですね」
私たちは並んで屋敷への道を歩きました。
その後ろ姿を、遠くからメイドたちが「騎士団長様が笑ってる……」「お嬢様すごい……」「猛獣使いだ……」と囁き合っているのを、私はあえて聞かないふりをしました。
こうして、私と氷の騎士様の奇妙な信頼関係は、甘いお菓子とモフモフの動物たちを媒介にして、少しずつ、しかし確実に深まっていったのです。
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