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「さて、戦争の時間ですわ」
翌朝。
私は朝食のトーストを優雅に食べ終えると、ナプキンで口元を拭いながら宣言しました。
向かいの席で、ハムエッグと格闘していたギルバート様が手を止めます。
「……戦争? 隣国の軍が攻めてきたのか?」
「いいえ。もっと手強い相手ですわ。『伝統』と『怠慢』という名の、領地のガン細胞です」
私は瞳をギラリと輝かせました。
「今日から本格的に領地改革に乗り出します。ギルバート様、護衛兼荷物持ちとして同行をお願いできますか?」
「……荷物持ち、か。騎士団長をそう使うのは貴殿くらいだ」
彼は苦笑しましたが、嫌そうな顔ではありません。
むしろ、私の無茶振りに慣れ始めて楽しんでいるようです。
「承知した。私もこの領地の現状には興味がある」
こうして私たちは、お忍び(のつもりですが、ギルバート様の巨体が目立ちすぎてバレバレ)で城下町の視察に出かけることになりました。
◇
最初に訪れたのは、領内でも歴史のある陶器工房でした。
ベルンシュタイン領の土は質が良く、焼成すると美しい白磁になります。
しかし、ここ数年は売り上げが低迷し、職人たちの士気も下がっていると報告書にありました。
工房に入ると、土埃と湿った空気が漂っていました。
ロクロを回す若者たちはダラダラとしており、奥では年配の親方がパイプをふかして昼寝をしています。
「……ひどい有様ですわね」
私が扇で鼻を覆うと、ギルバート様が眉を顰めました。
「活気がないな。これでは良い品など作れまい」
私はコツコツとヒールを鳴らし、親方の前まで歩み寄りました。
「おはようございます。工房長」
「んあ? ……誰だ、あんた。勝手に入ってきちゃ困るよ」
親方は眠そうな目をこすりながら、不機嫌そうに私を見上げました。
私が誰か気づいていないようです。
「領主代行のニナリー・ベルンシュタインです。貴方たちが作っている『売れない皿』を見に来ましたの」
「なっ……領主の娘さんだって!?」
親方が椅子から転げ落ちそうになり、周りの若者たちもざわめき始めました。
「失礼な! 俺たちの皿は最高級品だ! 売れないのは不景気のせいだ!」
「いいえ、違います。貴方たちが『時代遅れ』だから売れないのです」
私は棚に並んでいた皿を一枚手に取りました。
分厚くて重く、無骨なデザイン。
確かに丈夫そうですが、華やかさは皆無です。
「これは何ですの?」
「何って、シチュー皿だよ! 頑丈で割れねえのが自慢だ!」
「貴族の奥様が、こんな重い皿で食事をなさると思って? 腕が筋肉痛になりますわ。それに、今の流行は繊細な絵付けと、薄くて軽いティーセットです。こんな鈍器のような皿、誰も欲しがりませんわ」
「ど、鈍器だと!?」
親方の顔が真っ赤になりました。
「俺たちは先代から受け継いだ技法を守ってるんだ! 流行りなんぞに媚びてたまるか!」
「あら、伝統を守って野垂れ死ぬおつもり? 結構ですわね、どうぞ誇り高いまま餓死なさってください。私は他の工房に投資しますから」
私は冷たく言い放ち、踵を返そうとしました。
その容赦のない態度に、親方が怯みます。
「ま、待て! ……じゃあ、どうすりゃいいってんだ!」
「あら、聞く耳をお持ちでしたの?」
私は振り返り、ニッコリと微笑みました。
その笑顔は、我ながら悪役令嬢らしく邪悪だったと思います。
「簡単なことですわ。ターゲットを変えるのです。この頑丈さを活かして、一般庶民向けの業務用食器を作りなさい。安価で、乱暴に扱っても割れない。大衆食堂や宿屋が泣いて喜びますわ」
「しょ、庶民向け……?」
「ええ。薄利多売で資金を稼ぎなさい。そして、その金で新しい窯を作り、若手には流行のデザインを学ばせるのです。彼らの感性を殺してはいけません」
私は若者たちが作っていた、未完成だがユニークな形の壺を指差しました。
「あれ、悪くありませんわよ。花瓶にすれば王都でウケそうですわ」
褒められた若者が「えっ」と顔を上げ、嬉しそうに頬を赤らめました。
親方はしばらく黙り込んでいましたが、やがて深く溜息をつきました。
「……へっ。お嬢様育ちの世間知らずかと思ったら、随分と厳しいことを言うじゃねえか」
「お褒めいただき光栄ですわ」
「わかったよ。やってやらあ! おい野郎ども! 昼寝は終わりだ! お嬢様の言う通りにラインを組み直せ!」
「「「へい、親方!!」」」
工房に活気が戻りました。
ロクロの音が力強く響き始めます。
私は満足げに頷きました。
「期待していますわ。結果が出なければ、来年の予算はゼロですからね」
「ひぃ! 鬼だ! あんた、本当に公爵令嬢か!?」
「ええ、悪役令嬢ですもの」
私が高笑いをして工房を出ると、後ろから親方の声が聞こえました。
「へへっ……『姉御』についていきゃ、食いっぱぐれはなさそうだぜ」
「……姉御?」
隣のギルバート様が吹き出しました。
「公爵令嬢が、荒くれ者の職人たちに『姉御』と呼ばれるとはな」
「不本意ですわ。せめて『女神』と呼んでほしかったですのに」
「いや、今の鞭と飴の使い分けは、女神というより女帝だったぞ」
「結果オーライですわ」
◇
次に訪れたのは、広大なハーブ農園でした。
ここでは、収穫したハーブの加工方法で揉めていました。
「乾燥させる温度が重要なんです!」
「いや、天日干しが一番だ!」
農夫たちが言い争っています。
私はそこへ割って入りました。
「両方おやめなさい。時間の無駄です」
「なっ、誰だお前は!」
「領主代行です。いいですか、これから作るのは『入浴剤』と『お香』です。飲んで美味しいかどうかより、香りの強さと持続性が勝負です」
私は持参した企画書(徹夜で作りました)を叩きつけました。
「王都の貴族たちはストレスまみれです。彼らが求めているのは『癒し』ではなく『現実逃避』できるほどの強烈な芳香です。ラベンダーとローズマリーを限界まで濃縮しなさい」
「の、濃縮……? そんなことをしたらコストが……」
「コストは価格に上乗せすればいいのです。『最高級プレミアムリラックス』と名付ければ、通常の三倍の値段でも飛ぶように売れます」
「さ、三倍!?」
「ブランドイメージとはそういうものです。パッケージは金箔押しで豪華にしなさい。中身が多少粗悪でも、箱が立派ならありがたがるのが人間という生き物です」
「……あ、悪魔だ」
農夫の一人が呟きました。
「失礼ね。私はビジネスの話をしているのよ。やるの? やらないの?」
私の圧力に、農夫たちは首を縦に振るしかありませんでした。
「や、やります! 姉御!」
「……また姉御」
私は頭を抱えました。
◇
その後も、織物工場、ワイン醸造所、牧場と回り、そのたびに私はダメ出しと無理難題を突きつけました。
「この布の柄、ダサいですわ! デザイナーを雇いなさい!」
「ワインのラベル、地味すぎます! もっとセクシーな絵にしなさい!」
「牛にモーツァルトを聴かせなさい! 乳の出が良くなるという噂を流すのです!」
行く先々で、最初は反発していた男たちが、私の論理的(かつ強引)な説明にねじ伏せられ、最後には目を輝かせて「へい、姉御!」と敬礼するようになりました。
夕暮れ時。
私は疲れ切って、帰りの馬車に乗り込みました。
「ふぅ……喉が渇きましたわ」
「ご苦労だったな、姉御」
ギルバート様がニヤニヤしながら水筒を差し出してきました。
「からかわないでください」
「いや、感服したよ。貴殿には、人を惹きつけるカリスマ性がある」
彼は真面目な顔に戻って言いました。
「職人たちは、最初は貴殿を侮っていた。だが、貴殿が本気で彼らの生活を良くしようとしていること、そしてそのための具体的なビジョンを持っていることを悟って、目の色を変えた」
「……私は、単に税収を上げたいだけですわ。彼らが豊かになれば、私が使えるお金も増えますから」
「素直じゃないな」
ギルバート様は優しく頭を撫でてくれました。
その手は大きく、温かい。
「貴殿は、自分が思うよりずっと優しい指導者だ。……アレン殿下には、この資質を見抜く目はなかったようだな」
「あの男の名前は出さないでください。水が不味くなります」
「すまん」
馬車が屋敷に近づくと、沿道で作業をしていた領民たちが、手を振ってくれているのが見えました。
「おーい! 姉御ー!」
「頼りにしてるぜー!」
「……広まるのが早すぎませんこと?」
私は顔を赤くして、窓のカーテンを閉めました。
「いいではないか。愛されている証拠だ」
「愛なんていりませんわ。欲しいのは成果とお金です」
「ふっ、そういうことにしておこう」
ギルバート様は楽しそうに笑いました。
こうして、私の領地改革初日は、なぜか『裏社会の女ボス』のような称号を手に入れることで幕を閉じたのです。
でも、まあ。
みんなのやる気に満ちた顔を見るのは、悪くない気分でした。
(さて、明日は流通ルートの確保ね。商人ギルドを締め上げて、有利な条件を引き出さなくちゃ)
悪役令嬢の忙しい日々は、まだ始まったばかりです。
一方その頃、王都では私の予言通り、アレン王子がミューアの浪費と書類の山に埋もれて、現実逃避を始めていたようですが……それはまた、別のお話。
翌朝。
私は朝食のトーストを優雅に食べ終えると、ナプキンで口元を拭いながら宣言しました。
向かいの席で、ハムエッグと格闘していたギルバート様が手を止めます。
「……戦争? 隣国の軍が攻めてきたのか?」
「いいえ。もっと手強い相手ですわ。『伝統』と『怠慢』という名の、領地のガン細胞です」
私は瞳をギラリと輝かせました。
「今日から本格的に領地改革に乗り出します。ギルバート様、護衛兼荷物持ちとして同行をお願いできますか?」
「……荷物持ち、か。騎士団長をそう使うのは貴殿くらいだ」
彼は苦笑しましたが、嫌そうな顔ではありません。
むしろ、私の無茶振りに慣れ始めて楽しんでいるようです。
「承知した。私もこの領地の現状には興味がある」
こうして私たちは、お忍び(のつもりですが、ギルバート様の巨体が目立ちすぎてバレバレ)で城下町の視察に出かけることになりました。
◇
最初に訪れたのは、領内でも歴史のある陶器工房でした。
ベルンシュタイン領の土は質が良く、焼成すると美しい白磁になります。
しかし、ここ数年は売り上げが低迷し、職人たちの士気も下がっていると報告書にありました。
工房に入ると、土埃と湿った空気が漂っていました。
ロクロを回す若者たちはダラダラとしており、奥では年配の親方がパイプをふかして昼寝をしています。
「……ひどい有様ですわね」
私が扇で鼻を覆うと、ギルバート様が眉を顰めました。
「活気がないな。これでは良い品など作れまい」
私はコツコツとヒールを鳴らし、親方の前まで歩み寄りました。
「おはようございます。工房長」
「んあ? ……誰だ、あんた。勝手に入ってきちゃ困るよ」
親方は眠そうな目をこすりながら、不機嫌そうに私を見上げました。
私が誰か気づいていないようです。
「領主代行のニナリー・ベルンシュタインです。貴方たちが作っている『売れない皿』を見に来ましたの」
「なっ……領主の娘さんだって!?」
親方が椅子から転げ落ちそうになり、周りの若者たちもざわめき始めました。
「失礼な! 俺たちの皿は最高級品だ! 売れないのは不景気のせいだ!」
「いいえ、違います。貴方たちが『時代遅れ』だから売れないのです」
私は棚に並んでいた皿を一枚手に取りました。
分厚くて重く、無骨なデザイン。
確かに丈夫そうですが、華やかさは皆無です。
「これは何ですの?」
「何って、シチュー皿だよ! 頑丈で割れねえのが自慢だ!」
「貴族の奥様が、こんな重い皿で食事をなさると思って? 腕が筋肉痛になりますわ。それに、今の流行は繊細な絵付けと、薄くて軽いティーセットです。こんな鈍器のような皿、誰も欲しがりませんわ」
「ど、鈍器だと!?」
親方の顔が真っ赤になりました。
「俺たちは先代から受け継いだ技法を守ってるんだ! 流行りなんぞに媚びてたまるか!」
「あら、伝統を守って野垂れ死ぬおつもり? 結構ですわね、どうぞ誇り高いまま餓死なさってください。私は他の工房に投資しますから」
私は冷たく言い放ち、踵を返そうとしました。
その容赦のない態度に、親方が怯みます。
「ま、待て! ……じゃあ、どうすりゃいいってんだ!」
「あら、聞く耳をお持ちでしたの?」
私は振り返り、ニッコリと微笑みました。
その笑顔は、我ながら悪役令嬢らしく邪悪だったと思います。
「簡単なことですわ。ターゲットを変えるのです。この頑丈さを活かして、一般庶民向けの業務用食器を作りなさい。安価で、乱暴に扱っても割れない。大衆食堂や宿屋が泣いて喜びますわ」
「しょ、庶民向け……?」
「ええ。薄利多売で資金を稼ぎなさい。そして、その金で新しい窯を作り、若手には流行のデザインを学ばせるのです。彼らの感性を殺してはいけません」
私は若者たちが作っていた、未完成だがユニークな形の壺を指差しました。
「あれ、悪くありませんわよ。花瓶にすれば王都でウケそうですわ」
褒められた若者が「えっ」と顔を上げ、嬉しそうに頬を赤らめました。
親方はしばらく黙り込んでいましたが、やがて深く溜息をつきました。
「……へっ。お嬢様育ちの世間知らずかと思ったら、随分と厳しいことを言うじゃねえか」
「お褒めいただき光栄ですわ」
「わかったよ。やってやらあ! おい野郎ども! 昼寝は終わりだ! お嬢様の言う通りにラインを組み直せ!」
「「「へい、親方!!」」」
工房に活気が戻りました。
ロクロの音が力強く響き始めます。
私は満足げに頷きました。
「期待していますわ。結果が出なければ、来年の予算はゼロですからね」
「ひぃ! 鬼だ! あんた、本当に公爵令嬢か!?」
「ええ、悪役令嬢ですもの」
私が高笑いをして工房を出ると、後ろから親方の声が聞こえました。
「へへっ……『姉御』についていきゃ、食いっぱぐれはなさそうだぜ」
「……姉御?」
隣のギルバート様が吹き出しました。
「公爵令嬢が、荒くれ者の職人たちに『姉御』と呼ばれるとはな」
「不本意ですわ。せめて『女神』と呼んでほしかったですのに」
「いや、今の鞭と飴の使い分けは、女神というより女帝だったぞ」
「結果オーライですわ」
◇
次に訪れたのは、広大なハーブ農園でした。
ここでは、収穫したハーブの加工方法で揉めていました。
「乾燥させる温度が重要なんです!」
「いや、天日干しが一番だ!」
農夫たちが言い争っています。
私はそこへ割って入りました。
「両方おやめなさい。時間の無駄です」
「なっ、誰だお前は!」
「領主代行です。いいですか、これから作るのは『入浴剤』と『お香』です。飲んで美味しいかどうかより、香りの強さと持続性が勝負です」
私は持参した企画書(徹夜で作りました)を叩きつけました。
「王都の貴族たちはストレスまみれです。彼らが求めているのは『癒し』ではなく『現実逃避』できるほどの強烈な芳香です。ラベンダーとローズマリーを限界まで濃縮しなさい」
「の、濃縮……? そんなことをしたらコストが……」
「コストは価格に上乗せすればいいのです。『最高級プレミアムリラックス』と名付ければ、通常の三倍の値段でも飛ぶように売れます」
「さ、三倍!?」
「ブランドイメージとはそういうものです。パッケージは金箔押しで豪華にしなさい。中身が多少粗悪でも、箱が立派ならありがたがるのが人間という生き物です」
「……あ、悪魔だ」
農夫の一人が呟きました。
「失礼ね。私はビジネスの話をしているのよ。やるの? やらないの?」
私の圧力に、農夫たちは首を縦に振るしかありませんでした。
「や、やります! 姉御!」
「……また姉御」
私は頭を抱えました。
◇
その後も、織物工場、ワイン醸造所、牧場と回り、そのたびに私はダメ出しと無理難題を突きつけました。
「この布の柄、ダサいですわ! デザイナーを雇いなさい!」
「ワインのラベル、地味すぎます! もっとセクシーな絵にしなさい!」
「牛にモーツァルトを聴かせなさい! 乳の出が良くなるという噂を流すのです!」
行く先々で、最初は反発していた男たちが、私の論理的(かつ強引)な説明にねじ伏せられ、最後には目を輝かせて「へい、姉御!」と敬礼するようになりました。
夕暮れ時。
私は疲れ切って、帰りの馬車に乗り込みました。
「ふぅ……喉が渇きましたわ」
「ご苦労だったな、姉御」
ギルバート様がニヤニヤしながら水筒を差し出してきました。
「からかわないでください」
「いや、感服したよ。貴殿には、人を惹きつけるカリスマ性がある」
彼は真面目な顔に戻って言いました。
「職人たちは、最初は貴殿を侮っていた。だが、貴殿が本気で彼らの生活を良くしようとしていること、そしてそのための具体的なビジョンを持っていることを悟って、目の色を変えた」
「……私は、単に税収を上げたいだけですわ。彼らが豊かになれば、私が使えるお金も増えますから」
「素直じゃないな」
ギルバート様は優しく頭を撫でてくれました。
その手は大きく、温かい。
「貴殿は、自分が思うよりずっと優しい指導者だ。……アレン殿下には、この資質を見抜く目はなかったようだな」
「あの男の名前は出さないでください。水が不味くなります」
「すまん」
馬車が屋敷に近づくと、沿道で作業をしていた領民たちが、手を振ってくれているのが見えました。
「おーい! 姉御ー!」
「頼りにしてるぜー!」
「……広まるのが早すぎませんこと?」
私は顔を赤くして、窓のカーテンを閉めました。
「いいではないか。愛されている証拠だ」
「愛なんていりませんわ。欲しいのは成果とお金です」
「ふっ、そういうことにしておこう」
ギルバート様は楽しそうに笑いました。
こうして、私の領地改革初日は、なぜか『裏社会の女ボス』のような称号を手に入れることで幕を閉じたのです。
でも、まあ。
みんなのやる気に満ちた顔を見るのは、悪くない気分でした。
(さて、明日は流通ルートの確保ね。商人ギルドを締め上げて、有利な条件を引き出さなくちゃ)
悪役令嬢の忙しい日々は、まだ始まったばかりです。
一方その頃、王都では私の予言通り、アレン王子がミューアの浪費と書類の山に埋もれて、現実逃避を始めていたようですが……それはまた、別のお話。
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