23 / 28
23
しおりを挟む
「三冊ですわ。さあ、始めなさい」
「うぐ…くっ…!」
マリア・ベルは、もはや涙も枯れ果て、怨念のこもった目で、頭上の三冊の法典を睨みつけていた。
教導室でのスパルタ教育は、二日目に突入していた。
一日目の「起立」と「歩行」で、マリアのプライドはズタズタにされた。
そして二日目の今日は、「テーブルマナー」の実践だった。
「違いますわ」
ルーナの、氷のように冷たい声が響く。
目の前には、王宮の料理長が(ルーナの威圧に負けて)しぶしぶ用意した、完璧なフルコース料理が並べられている。
もちろん、マリアは、一口も食べることを許されていない。
「マリア様。あなた様は、今、魚料理用のナイフで、スープを飲もうとなさいましたわ」
「ひっ…! わ、わざとでは…!」
「では、本気でしたの? スープ皿を、ナイフで突き刺すおつもりで?」
「そ、そんなわけ…!」
「わたくしが、昨日から、口を酸っぱくして申し上げているはずですわ。カトラリー(銀食器)は、外側から順に使う、と。それとも、あなた様の目には、このスプーンとナイフの区別が、つきませんこと?」
「うぅ…!」
マリアは、震える手で、慌てて一番外側にあったスプーン(スープ用)に持ち替えた。
そして、緊張しながら、そっとスープをすくおうと…
カシャン!
緊張のあまり、手が滑り、スプーンが皿に当たって、甲高い音を立てた。
「…はぁ」
ルーナは、教鞭で、トン、と床を叩いた。
「音を立てるな、と、申し上げましたわよね? 晩餐会とは、会話と食事を楽しむ場。あなた様が立てるその下品な雑音は、同席する方々の、高尚な会話を妨げますわ」
「だ、だ、だって…! 緊張して…!」
「緊張なさる、結構ですわ。ですが、それを、食器に八つ当たりしてはいけません」
「い、イジメですわ! こんなの、ただのイジメですわ!」
マリアは、ついにスプーンを(音を立てて)皿に放り投げた。
「そうよ! あなたは、わたくしがエリオット様に選ばれたのが、妬ましいだけなのですわ! だから、こんな、重箱の隅をつつくような、陰湿なイジメを!」
「あら」
ルーナは、初めて、小さく、楽しそうに笑った。
「重箱の隅、ですって? マリア様。スープの音を立て、食器の順番も分からず、パンをナイフで切ろうとする。これは、重箱の隅ではございませんわ」
ルーナは、マリアの目の前に、顔をぐっと近づけた。
「これは、重箱の『ど真ん中』に鎮座する、致命的な『無知』ですわよ」
「ひぃ…!」
「わたくしが、妬ましい?」
ルーナは、心底おかしそうに、肩をすくめた。
「あなた様が、今、必死になって学ぼうとしている、この『地獄』。わたくしは、この地獄から、あなた様のおかげで、ようやく解放されましたのよ?」
「え…?」
「わたくしは、今、あなた様に、心の底から感謝しておりますの。わたくしの代わりに、あの面倒な王子の隣に、収まってくださって」
「な…なんですって…!」
マリアは、愕然とした。
ルーナの目には、嫉妬の色など、微塵もなかった。
あるのは、面倒な作業を肩代わりしてくれた人間に対するような、純粋な「憐れみ」と「感謝」だけだった。
(この女…本気で、エリオット様にも、王妃の座にも、興味がない…!?)
それは、マリアにとって、自分がルーナを陥れた「大義名分」(王子を奪った可哀想な私)が、根底から崩れる瞬間だった。
「もうイヤ! もう、あなたのお顔など、見たくありませんわ!」
プライドが、完全に砕け散った。
マリアは、椅子を蹴立てるように立ち上がると、教導室を飛び出した。
「あら、どちらへ? 授業は、まだ終わっておりませんわよ」
ルーナは、追いかけようともせず、冷静に、その背中に声をかけた。
「エリオット様に、言いつけに行きますのよ! あなたが、わたくしを、どれだけ酷くイジメたか、全部、お話しして、二度とわたくしの前に、顔を出せないようにしていただきますわ!」
バタン!
扉が、乱暴に閉められた。
「…行ってしまいましたわね」
部屋には、ルーナと、扉の陰で控えていたアンナ、そして、石像のように動かないアレクシスだけが残された。
「さて」
ルーナは、手つかずのまま冷めていくフルコース料理を、残念そうに見つめた。
「アンナ。せっかく料理長が作ってくださった、このオマール海老の前菜。このまま下げさせるのは、あまりにもったいないですわ」
「お嬢様…」
「わたくしの『検分』用に、温め直して、持ってきてちょうだい。ああ、もちろん、厨房(わたくしの戦場)の方へ、ね」
「かしこまりました」
ルーナは、鼻歌交じりで、教導室を後にした。
(これで、やっと、あのオーブンと戯れられますわ!)
マリアの教育など、彼女にとっては、最高級厨房を使うための「入場料」にすぎなかった。
***
その頃、王子の執務室。
エリオットは、積み上がった決済書類の山に、頭を抱えていた。
そのほとんどが、ここ一ヶ月で、王宮の予算から支出された、用途不明瞭な「雑費」だった。
(なんだ、これは! 『お茶会用のリボン代』!? 『夜会用の羽飾り代』!?)
どれも、ルーナが婚約者だった頃には、見たこともない勘定項目ばかりだ。
そして、その全てに、『マリア・ベル様御用達』の印が押されている。
(まさか…いや、あの女は、金銭に疎いだけだ)
(そう思っていたが…!)
バンッ!
その時、執務室の扉が、ノックもなしに、乱暴に開かれた。
「エリオット様ぁぁぁぁぁ! うわぁぁぁん!」
「!」
マリアが、顔を涙でぐしゃぐしゃにして、部屋に飛び込んできた。
「また貴様か! ノックをしろと、あれほど…!」
「聞いてくださいまし、エリオット様! わたくし、もう、耐えられません!」
マリアは、いつものように、エリオットの胸に飛び込もうと、駆け寄った。
「離れろ!」
「えっ!」
エリオットは、マリアの体を、冷たく、突き放した。
マリアは、信じられないという顔で、その場に尻餅をついた。
「エ、エリオット、さま…? なぜ…」
「なぜ、だと?」
エリオットは、机の上の、一枚の請求書(インボイス)を、ひらりと掴んだ。
それは、今しがた届けられたばかりの、王宮御用達の、最高級宝石商からのものだった。
「…マリア。これは、なんだ」
「そ、それは…?」
「『ルビーと真珠のネックレス。ならびに、お揃いのイヤリング。代金、金貨五十枚』…」
エリオットの声は、怒りを通り越して、冷え切っていた。
金貨五十枚。
それは、騎士団の隊長クラスの、年収に匹敵する額だ。
「貴様は、確か、俺に、こう言ったな。『お父様の、古い知人の方から、婚約のお祝いに頂いた』と」
「あ…あ…」
マリアの顔から、血の気が、さーっと引いていく。
「答えろ、マリア!」
「そ、それは…! ち、違いますの!」
マリアは、最後の切り札を使った。
「ルーナ様ですわ! ルーナ様が、わたくしを陥れるために、こんな請求書を、偽造したのですわ!」
「…」
エリオットは、マリアを、じっと、見つめた。
その目は、もはや、彼女を「可憐なヒロイン」として見てはいなかった。
得体の知れない、何かを、値踏みするような目だった。
「ルーナ、か」
エリオットは、ゆっくりと、机の上の、他の請求書の束を、無造作に掴んだ。
ドレス代、靴代、夜会用の馬車代…
「これもか」
バサッ。
請求書の束が、マリアの目の前に、投げ捨てられた。
「これも、あれも、それも、全部、ルーナが、お前を陥れるために、やったことだと言うのか」
「あ、あぅ…」
「あの女は、今、教導室で、お前の教育をしているはずだ。いつ、そんな暇があった? あの女が、どうやって、王宮の全ての業者に、お前の名のサインをさせて回るんだ!」
「ひっ…! そ、それは…!」
マリアは、答えられなかった。
彼女の「素直さ」と「無知」の仮面が、金銭という、あまりにも生々しい証拠の前で、音を立てて剥がれていく。
エリオットの脳裏に、あの「疑惑」が、ついに「確信」として、突き刺さった。
(そうか…)
(俺は、騙されていたのか)
(この女は、俺の『庇護欲』を利用して、ただ、俺の…王家の予算を、使い込んでいただけだったのか…!)
(ルーナは、俺に金を使わせることなど、一度もなかった)
(それどころか、いつも『殿下、予算は大丈夫ですか』と、俺の財政を心配さえしていた)
「…エリオット様…わたくし、わたくしは…!」
マリアは、まだ泣き落としが通用すると信じて必死にエリオットに這い寄ろうとした。
「…下がれ」
「え…?」
「今日はもう、顔も見たくない」
エリオットは、マリアに背を向け窓の外を見つめた。
「そんな…エリオット様ぁぁ…!」
「警備兵!」
エリオットが叫ぶと、扉の外にいた兵士が飛び込んできた。
「マリア嬢を、彼女の自室へお連れしろ。教育が終わるまで、執務室への出入りを固く禁ずる」
「はっ!」
「いや! いやぁぁぁ! エリオット様! わたくしを見捨てないで!」
マリアの絶叫が、兵士によって引きずられながら遠ざかっていく。
執務室には、エリオットと床に散らばった大量の請求書だけが残された。
彼は、自分が何という「愚行」をしでかしたのかをようやくはっきりと自覚した。
「うぐ…くっ…!」
マリア・ベルは、もはや涙も枯れ果て、怨念のこもった目で、頭上の三冊の法典を睨みつけていた。
教導室でのスパルタ教育は、二日目に突入していた。
一日目の「起立」と「歩行」で、マリアのプライドはズタズタにされた。
そして二日目の今日は、「テーブルマナー」の実践だった。
「違いますわ」
ルーナの、氷のように冷たい声が響く。
目の前には、王宮の料理長が(ルーナの威圧に負けて)しぶしぶ用意した、完璧なフルコース料理が並べられている。
もちろん、マリアは、一口も食べることを許されていない。
「マリア様。あなた様は、今、魚料理用のナイフで、スープを飲もうとなさいましたわ」
「ひっ…! わ、わざとでは…!」
「では、本気でしたの? スープ皿を、ナイフで突き刺すおつもりで?」
「そ、そんなわけ…!」
「わたくしが、昨日から、口を酸っぱくして申し上げているはずですわ。カトラリー(銀食器)は、外側から順に使う、と。それとも、あなた様の目には、このスプーンとナイフの区別が、つきませんこと?」
「うぅ…!」
マリアは、震える手で、慌てて一番外側にあったスプーン(スープ用)に持ち替えた。
そして、緊張しながら、そっとスープをすくおうと…
カシャン!
緊張のあまり、手が滑り、スプーンが皿に当たって、甲高い音を立てた。
「…はぁ」
ルーナは、教鞭で、トン、と床を叩いた。
「音を立てるな、と、申し上げましたわよね? 晩餐会とは、会話と食事を楽しむ場。あなた様が立てるその下品な雑音は、同席する方々の、高尚な会話を妨げますわ」
「だ、だ、だって…! 緊張して…!」
「緊張なさる、結構ですわ。ですが、それを、食器に八つ当たりしてはいけません」
「い、イジメですわ! こんなの、ただのイジメですわ!」
マリアは、ついにスプーンを(音を立てて)皿に放り投げた。
「そうよ! あなたは、わたくしがエリオット様に選ばれたのが、妬ましいだけなのですわ! だから、こんな、重箱の隅をつつくような、陰湿なイジメを!」
「あら」
ルーナは、初めて、小さく、楽しそうに笑った。
「重箱の隅、ですって? マリア様。スープの音を立て、食器の順番も分からず、パンをナイフで切ろうとする。これは、重箱の隅ではございませんわ」
ルーナは、マリアの目の前に、顔をぐっと近づけた。
「これは、重箱の『ど真ん中』に鎮座する、致命的な『無知』ですわよ」
「ひぃ…!」
「わたくしが、妬ましい?」
ルーナは、心底おかしそうに、肩をすくめた。
「あなた様が、今、必死になって学ぼうとしている、この『地獄』。わたくしは、この地獄から、あなた様のおかげで、ようやく解放されましたのよ?」
「え…?」
「わたくしは、今、あなた様に、心の底から感謝しておりますの。わたくしの代わりに、あの面倒な王子の隣に、収まってくださって」
「な…なんですって…!」
マリアは、愕然とした。
ルーナの目には、嫉妬の色など、微塵もなかった。
あるのは、面倒な作業を肩代わりしてくれた人間に対するような、純粋な「憐れみ」と「感謝」だけだった。
(この女…本気で、エリオット様にも、王妃の座にも、興味がない…!?)
それは、マリアにとって、自分がルーナを陥れた「大義名分」(王子を奪った可哀想な私)が、根底から崩れる瞬間だった。
「もうイヤ! もう、あなたのお顔など、見たくありませんわ!」
プライドが、完全に砕け散った。
マリアは、椅子を蹴立てるように立ち上がると、教導室を飛び出した。
「あら、どちらへ? 授業は、まだ終わっておりませんわよ」
ルーナは、追いかけようともせず、冷静に、その背中に声をかけた。
「エリオット様に、言いつけに行きますのよ! あなたが、わたくしを、どれだけ酷くイジメたか、全部、お話しして、二度とわたくしの前に、顔を出せないようにしていただきますわ!」
バタン!
扉が、乱暴に閉められた。
「…行ってしまいましたわね」
部屋には、ルーナと、扉の陰で控えていたアンナ、そして、石像のように動かないアレクシスだけが残された。
「さて」
ルーナは、手つかずのまま冷めていくフルコース料理を、残念そうに見つめた。
「アンナ。せっかく料理長が作ってくださった、このオマール海老の前菜。このまま下げさせるのは、あまりにもったいないですわ」
「お嬢様…」
「わたくしの『検分』用に、温め直して、持ってきてちょうだい。ああ、もちろん、厨房(わたくしの戦場)の方へ、ね」
「かしこまりました」
ルーナは、鼻歌交じりで、教導室を後にした。
(これで、やっと、あのオーブンと戯れられますわ!)
マリアの教育など、彼女にとっては、最高級厨房を使うための「入場料」にすぎなかった。
***
その頃、王子の執務室。
エリオットは、積み上がった決済書類の山に、頭を抱えていた。
そのほとんどが、ここ一ヶ月で、王宮の予算から支出された、用途不明瞭な「雑費」だった。
(なんだ、これは! 『お茶会用のリボン代』!? 『夜会用の羽飾り代』!?)
どれも、ルーナが婚約者だった頃には、見たこともない勘定項目ばかりだ。
そして、その全てに、『マリア・ベル様御用達』の印が押されている。
(まさか…いや、あの女は、金銭に疎いだけだ)
(そう思っていたが…!)
バンッ!
その時、執務室の扉が、ノックもなしに、乱暴に開かれた。
「エリオット様ぁぁぁぁぁ! うわぁぁぁん!」
「!」
マリアが、顔を涙でぐしゃぐしゃにして、部屋に飛び込んできた。
「また貴様か! ノックをしろと、あれほど…!」
「聞いてくださいまし、エリオット様! わたくし、もう、耐えられません!」
マリアは、いつものように、エリオットの胸に飛び込もうと、駆け寄った。
「離れろ!」
「えっ!」
エリオットは、マリアの体を、冷たく、突き放した。
マリアは、信じられないという顔で、その場に尻餅をついた。
「エ、エリオット、さま…? なぜ…」
「なぜ、だと?」
エリオットは、机の上の、一枚の請求書(インボイス)を、ひらりと掴んだ。
それは、今しがた届けられたばかりの、王宮御用達の、最高級宝石商からのものだった。
「…マリア。これは、なんだ」
「そ、それは…?」
「『ルビーと真珠のネックレス。ならびに、お揃いのイヤリング。代金、金貨五十枚』…」
エリオットの声は、怒りを通り越して、冷え切っていた。
金貨五十枚。
それは、騎士団の隊長クラスの、年収に匹敵する額だ。
「貴様は、確か、俺に、こう言ったな。『お父様の、古い知人の方から、婚約のお祝いに頂いた』と」
「あ…あ…」
マリアの顔から、血の気が、さーっと引いていく。
「答えろ、マリア!」
「そ、それは…! ち、違いますの!」
マリアは、最後の切り札を使った。
「ルーナ様ですわ! ルーナ様が、わたくしを陥れるために、こんな請求書を、偽造したのですわ!」
「…」
エリオットは、マリアを、じっと、見つめた。
その目は、もはや、彼女を「可憐なヒロイン」として見てはいなかった。
得体の知れない、何かを、値踏みするような目だった。
「ルーナ、か」
エリオットは、ゆっくりと、机の上の、他の請求書の束を、無造作に掴んだ。
ドレス代、靴代、夜会用の馬車代…
「これもか」
バサッ。
請求書の束が、マリアの目の前に、投げ捨てられた。
「これも、あれも、それも、全部、ルーナが、お前を陥れるために、やったことだと言うのか」
「あ、あぅ…」
「あの女は、今、教導室で、お前の教育をしているはずだ。いつ、そんな暇があった? あの女が、どうやって、王宮の全ての業者に、お前の名のサインをさせて回るんだ!」
「ひっ…! そ、それは…!」
マリアは、答えられなかった。
彼女の「素直さ」と「無知」の仮面が、金銭という、あまりにも生々しい証拠の前で、音を立てて剥がれていく。
エリオットの脳裏に、あの「疑惑」が、ついに「確信」として、突き刺さった。
(そうか…)
(俺は、騙されていたのか)
(この女は、俺の『庇護欲』を利用して、ただ、俺の…王家の予算を、使い込んでいただけだったのか…!)
(ルーナは、俺に金を使わせることなど、一度もなかった)
(それどころか、いつも『殿下、予算は大丈夫ですか』と、俺の財政を心配さえしていた)
「…エリオット様…わたくし、わたくしは…!」
マリアは、まだ泣き落としが通用すると信じて必死にエリオットに這い寄ろうとした。
「…下がれ」
「え…?」
「今日はもう、顔も見たくない」
エリオットは、マリアに背を向け窓の外を見つめた。
「そんな…エリオット様ぁぁ…!」
「警備兵!」
エリオットが叫ぶと、扉の外にいた兵士が飛び込んできた。
「マリア嬢を、彼女の自室へお連れしろ。教育が終わるまで、執務室への出入りを固く禁ずる」
「はっ!」
「いや! いやぁぁぁ! エリオット様! わたくしを見捨てないで!」
マリアの絶叫が、兵士によって引きずられながら遠ざかっていく。
執務室には、エリオットと床に散らばった大量の請求書だけが残された。
彼は、自分が何という「愚行」をしでかしたのかをようやくはっきりと自覚した。
52
あなたにおすすめの小説
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
お前を愛することはないと言われたので、姑をハニトラに引っ掛けて婚家を内側から崩壊させます
碧井 汐桜香
ファンタジー
「お前を愛することはない」
そんな夫と
「そうよ! あなたなんか息子にふさわしくない!」
そんな義母のいる伯爵家に嫁いだケリナ。
嫁を大切にしない?ならば、内部から崩壊させて見せましょう
悪役令嬢は調理場に左遷されましたが、激ウマご飯で氷の魔公爵様を餌付けしてしまったようです~「もう離さない」って、胃袋の話ですか?~
咲月ねむと
恋愛
「君のような地味な女は、王太子妃にふさわしくない。辺境の『魔公爵』のもとへ嫁げ!」
卒業パーティーで婚約破棄を突きつけられた悪役令嬢レティシア。
しかし、前世で日本人調理師だった彼女にとって、堅苦しい王妃教育から解放されることはご褒美でしかなかった。
「これで好きな料理が作れる!」
ウキウキで辺境へ向かった彼女を待っていたのは、荒れ果てた別邸と「氷の魔公爵」と恐れられるジルベール公爵。
冷酷無慈悲と噂される彼だったが――その正体は、ただの「極度の偏食家で、常に空腹で不機嫌なだけ」だった!?
レティシアが作る『肉汁溢れるハンバーグ』『とろとろオムライス』『伝説のプリン』に公爵の胃袋は即陥落。
「君の料理なしでは生きられない」
「一生そばにいてくれ」
と求愛されるが、色気より食い気のレティシアは「最高の就職先ゲット!」と勘違いして……?
一方、レティシアを追放した王太子たちは、王宮の食事が不味くなりすぎて絶望の淵に。今さら「戻ってきてくれ」と言われても、もう遅いです!
美味しいご飯で幸せを掴む、空腹厳禁の異世界クッキング・ファンタジー!
公爵令嬢 メアリの逆襲 ~魔の森に作った湯船が 王子 で溢れて困ってます~
薄味メロン
恋愛
HOTランキング 1位 (2019.9.18)
お気に入り4000人突破しました。
次世代の王妃と言われていたメアリは、その日、すべての地位を奪われた。
だが、誰も知らなかった。
「荷物よし。魔力よし。決意、よし!」
「出発するわ! 目指すは源泉掛け流し!」
メアリが、追放の準備を整えていたことに。
【完結済】冷血公爵様の家で働くことになりまして~婚約破棄された侯爵令嬢ですが公爵様の侍女として働いています。なぜか溺愛され離してくれません~
北城らんまる
恋愛
**HOTランキング11位入り! ありがとうございます!**
「薄気味悪い魔女め。おまえの悪行をここにて読み上げ、断罪する」
侯爵令嬢であるレティシア・ランドハルスは、ある日、婚約者の男から魔女と断罪され、婚約破棄を言い渡される。父に勘当されたレティシアだったが、それは娘の幸せを考えて、あえてしたことだった。父の手紙に書かれていた住所に向かうと、そこはなんと冷血と知られるルヴォンヒルテ次期公爵のジルクスが一人で住んでいる別荘だった。
「あなたの侍女になります」
「本気か?」
匿ってもらうだけの女になりたくない。
レティシアはルヴォンヒルテ次期公爵の見習い侍女として、第二の人生を歩み始めた。
一方その頃、レティシアを魔女と断罪した元婚約者には、不穏な影が忍び寄っていた。
レティシアが作っていたお守りが、実は元婚約者の身を魔物から守っていたのだ。そんなことも知らない元婚約者には、どんどん不幸なことが起こり始め……。
※ざまぁ要素あり(主人公が何かをするわけではありません)
※設定はゆるふわ。
※3万文字で終わります
※全話投稿済です
【完結】契約結婚は円満に終了しました ~勘違い令嬢はお花屋さんを始めたい~
九條葉月
ファンタジー
【ファンタジー1位獲得!】
【HOTランキング1位獲得!】
とある公爵との契約結婚を無事に終えたシャーロットは、夢だったお花屋さんを始めるための準備に取りかかる。
花を包むビニールがなければ似たような素材を求めてダンジョンに潜り、吸水スポンジ代わりにスライムを捕まえたり……。そうして準備を進めているのに、なぜか店の実態はお花屋さんからかけ離れていって――?
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる