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【朝陽】梟へ復讐を誓う者たち
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あの日、我々は共に復讐を誓った。小癪な梟を落とすために。
打倒OWLの目標を裏で掲げ、集まった三人が結成したのがLWOである。名前に意味はない。強いて言えば、いつでもOWLへの復讐心を忘れない為にOWLを逆さから読んでLWOという組織名になった。資金面ではセンチピート家に返り咲いたローズマリー=センチピートが、実行員はアクティブニートの小説家八雲 藤四郎が、そして最後、元OWL技術職員の僕がOWLへ対抗するための力を作る。
「……こんな感じかな……」
カラスマ、ローズマリー、八雲の目の前で小さくなる一狼は小さく首を縦に動かす。三人は理解してくれた一狼に安心したように各自イスに座る。
「というか、大沢さんには伝えてないんですか?この情報。」
「あ~…彼ね~…彼はね~難しい話をするとすぐ寝るから諦めた。櫻井ちゃんにはちゃんと説明しているから大丈夫だよ。」
一狼は大沢の言動を思い出し納得する。そして改めて今回の件の説明も求める。護衛で死んだ萩原はどうなったのか、店員の説得や被害にあったお客はどうなったのか。カラスマは少し考えたように見せてすぐに答えを出した。
「全部、ローズマリーさんのお金で解決したって言った方が簡単だね。でも強いて言うならば、萩原を含めた被害にあった人たちにはちゃんとそれ相応の対応をしたよ。お金じゃなくてきちんとした対応をね。」
一狼はカラスマからその言葉を聞けて安心し胸をなでおろす。そしてカラスマは一狼のこれからのことを話す。
「君には、これから藤四郎くんと実行員として時たまOWLの刺客と戦ってもらいます。」
カラスマは真っ黒なパソコンの画面を一狼の前に突き出す。そこには「一攫千金ウェブ」の文字と自分の顔写真と賞金が掛かっているということが書きだされていた。そして、動画も添付されており、ヘビ型のディウスとの戦闘が映し出されていた。
「これ、どういうことですか?」
「どうもこうも、君の首に賞金二億が掛かっている。かけているのはもちろんOWLの連中…君はこれから襲い掛かってくる敵をちぎっては投げ、投げてはちぎって、時には恋になんか落ちたりすることもなく汗と血と涙をにじませながら自分を守らなくちゃならない……わかる?」
「わかるとは言いずらいですけど…単純に僕に仕向けられた刺客たちと戦えばいいんですか?」
「そうだね~……簡単に言えばそうだね。」
二人の会話を聞いていたローズマリー・センチピートは紅茶を一口すすり懐かしむ。
「「一攫千金ウェブ」でのゲームですか……懐かしいですわね。ワタクシの時のように裏で暇人、狂人たちがお金を奪い合っているのですね。」
「情報を見る限り今回は、賭けじゃなくてキャリーオーバー式の賞金贈呈みたいだけどね~」
八雲がカラスマの紅茶を淹れて座り直す。
「相変わらず性根が腐っているようだね、OWLの会長は」
カラスマはそんな言葉に鼻で嗤って返しパソコンを操作し、今回の刺客の情報を見る。
「元々腐ってないとこんなことはやらないはずだからね……さて、今回のお相手さんはどんな狂人かな……ほうほう……」
「何かわかったのかい?」
「ん~大学生ニートで女性ってこと以外は分からないな~ただ、ライブ映像ではだんだんとこっちに向かってきていることはわかるね……ここは、隣町のあの建物で……ここは……おっと……こりゃまずいかも。」
カラスマは乾いた笑いを漏らすとパソコンの映像を三人に見せる。映像に映ったのはすぐ近くの地域。恐らく今回の刺客が変態したであろうディウスがトラのディウスと戦闘を行っているところだった。四人はトラのディウスは月下琥珀だと気づき映像を見守る。今回の刺客はアルマジロのように丸まり攻撃を防御しているところも映る。その後は優勢になった月下の攻撃を受けたと思いきや、乱入してきた何者かがその攻撃を止め逃がす。戦闘はここまでで刺客はそのままここまでの道のりをまっすぐに走っている。
「……こいつは、センザンコウだな。」
「そうですわね。この方はセンザンコウのセルを引き当てましたわね。」
「え、アルマジロじゃないの?」
「八雲さんとローズマリーさんすごいですね…」
空気が一瞬固まるがカラスマが舵をきるように一旦その話はおいておこうかと言いあくびをして紅茶をすする。
「とりあえず、昨日の今日でまた刺客がきたから遭遇した時のために、昨日渡したベルト出して。」
一狼は返事をするとベルトを取り出しカラスマから説明を受ける。
「これは、僕がOWL時代の技術をそのまま生かして作ったオウィディウスシステム。ベルトをブランクの状態で巻いたら自動で所有者のバイタルチェックができる便利機能もついている。」
「一応、使い方は知ってるんですけど……」
「そうだね。実際使ってないとここまで帰ってこれてないからね……で、そのベルトは四六時中持っていてほしいんだ。あと予備の注射器も渡しておくね。これで、いついかなる時でも戦えるよ。」
一狼は少し不安そうな顔をするが、カラスマは笑いながら一狼の肩を叩き励ますように注射器の呼びを渡す。
「大丈夫さ。何かあれば君の中の野生が頑張ってくれるから。」
一狼は気の抜けた返事をしてからになったティーポットを手に取りシンクへと持っていく。洗おうとしたとき、その手をカラスマが掴み止める。
「な、なんですか。」
「一狼くんは今日から藤四郎と実行員と言ったはずさ。だから、この洗い物は僕がやるよ。一狼くんは藤四郎と一緒に仕事行ってきてね。」
一狼が八雲の方を見るとすでに準備を終わらせた八雲が一狼のことを待っていた。
「行ってらっしゃい。」
「いってきます。」
八雲と一狼は二人に見送られながら事務所を後にした。
続く。
打倒OWLの目標を裏で掲げ、集まった三人が結成したのがLWOである。名前に意味はない。強いて言えば、いつでもOWLへの復讐心を忘れない為にOWLを逆さから読んでLWOという組織名になった。資金面ではセンチピート家に返り咲いたローズマリー=センチピートが、実行員はアクティブニートの小説家八雲 藤四郎が、そして最後、元OWL技術職員の僕がOWLへ対抗するための力を作る。
「……こんな感じかな……」
カラスマ、ローズマリー、八雲の目の前で小さくなる一狼は小さく首を縦に動かす。三人は理解してくれた一狼に安心したように各自イスに座る。
「というか、大沢さんには伝えてないんですか?この情報。」
「あ~…彼ね~…彼はね~難しい話をするとすぐ寝るから諦めた。櫻井ちゃんにはちゃんと説明しているから大丈夫だよ。」
一狼は大沢の言動を思い出し納得する。そして改めて今回の件の説明も求める。護衛で死んだ萩原はどうなったのか、店員の説得や被害にあったお客はどうなったのか。カラスマは少し考えたように見せてすぐに答えを出した。
「全部、ローズマリーさんのお金で解決したって言った方が簡単だね。でも強いて言うならば、萩原を含めた被害にあった人たちにはちゃんとそれ相応の対応をしたよ。お金じゃなくてきちんとした対応をね。」
一狼はカラスマからその言葉を聞けて安心し胸をなでおろす。そしてカラスマは一狼のこれからのことを話す。
「君には、これから藤四郎くんと実行員として時たまOWLの刺客と戦ってもらいます。」
カラスマは真っ黒なパソコンの画面を一狼の前に突き出す。そこには「一攫千金ウェブ」の文字と自分の顔写真と賞金が掛かっているということが書きだされていた。そして、動画も添付されており、ヘビ型のディウスとの戦闘が映し出されていた。
「これ、どういうことですか?」
「どうもこうも、君の首に賞金二億が掛かっている。かけているのはもちろんOWLの連中…君はこれから襲い掛かってくる敵をちぎっては投げ、投げてはちぎって、時には恋になんか落ちたりすることもなく汗と血と涙をにじませながら自分を守らなくちゃならない……わかる?」
「わかるとは言いずらいですけど…単純に僕に仕向けられた刺客たちと戦えばいいんですか?」
「そうだね~……簡単に言えばそうだね。」
二人の会話を聞いていたローズマリー・センチピートは紅茶を一口すすり懐かしむ。
「「一攫千金ウェブ」でのゲームですか……懐かしいですわね。ワタクシの時のように裏で暇人、狂人たちがお金を奪い合っているのですね。」
「情報を見る限り今回は、賭けじゃなくてキャリーオーバー式の賞金贈呈みたいだけどね~」
八雲がカラスマの紅茶を淹れて座り直す。
「相変わらず性根が腐っているようだね、OWLの会長は」
カラスマはそんな言葉に鼻で嗤って返しパソコンを操作し、今回の刺客の情報を見る。
「元々腐ってないとこんなことはやらないはずだからね……さて、今回のお相手さんはどんな狂人かな……ほうほう……」
「何かわかったのかい?」
「ん~大学生ニートで女性ってこと以外は分からないな~ただ、ライブ映像ではだんだんとこっちに向かってきていることはわかるね……ここは、隣町のあの建物で……ここは……おっと……こりゃまずいかも。」
カラスマは乾いた笑いを漏らすとパソコンの映像を三人に見せる。映像に映ったのはすぐ近くの地域。恐らく今回の刺客が変態したであろうディウスがトラのディウスと戦闘を行っているところだった。四人はトラのディウスは月下琥珀だと気づき映像を見守る。今回の刺客はアルマジロのように丸まり攻撃を防御しているところも映る。その後は優勢になった月下の攻撃を受けたと思いきや、乱入してきた何者かがその攻撃を止め逃がす。戦闘はここまでで刺客はそのままここまでの道のりをまっすぐに走っている。
「……こいつは、センザンコウだな。」
「そうですわね。この方はセンザンコウのセルを引き当てましたわね。」
「え、アルマジロじゃないの?」
「八雲さんとローズマリーさんすごいですね…」
空気が一瞬固まるがカラスマが舵をきるように一旦その話はおいておこうかと言いあくびをして紅茶をすする。
「とりあえず、昨日の今日でまた刺客がきたから遭遇した時のために、昨日渡したベルト出して。」
一狼は返事をするとベルトを取り出しカラスマから説明を受ける。
「これは、僕がOWL時代の技術をそのまま生かして作ったオウィディウスシステム。ベルトをブランクの状態で巻いたら自動で所有者のバイタルチェックができる便利機能もついている。」
「一応、使い方は知ってるんですけど……」
「そうだね。実際使ってないとここまで帰ってこれてないからね……で、そのベルトは四六時中持っていてほしいんだ。あと予備の注射器も渡しておくね。これで、いついかなる時でも戦えるよ。」
一狼は少し不安そうな顔をするが、カラスマは笑いながら一狼の肩を叩き励ますように注射器の呼びを渡す。
「大丈夫さ。何かあれば君の中の野生が頑張ってくれるから。」
一狼は気の抜けた返事をしてからになったティーポットを手に取りシンクへと持っていく。洗おうとしたとき、その手をカラスマが掴み止める。
「な、なんですか。」
「一狼くんは今日から藤四郎と実行員と言ったはずさ。だから、この洗い物は僕がやるよ。一狼くんは藤四郎と一緒に仕事行ってきてね。」
一狼が八雲の方を見るとすでに準備を終わらせた八雲が一狼のことを待っていた。
「行ってらっしゃい。」
「いってきます。」
八雲と一狼は二人に見送られながら事務所を後にした。
続く。
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