20 / 30
【暁天】狼 対 穿山甲
しおりを挟む
幸せって何だっけ?
紙切れや、他人をうらやむことが幸せだっけ?
穴の空いた民家の天井から差し込む光がまぶしい……
でも、私って今、誰かと戦ってなかったっけ?
誰と戦っていたっけ?
薄れる意識の中で何もなかった人生のアレコレが頭を駆け巡る。
小学校の時に絵の賞を取ったこと。
中学校でいじめられたこと。
高校で引きこもりがちになったこと。
大学で人生を変えようとしたが、結局私の人生は陰に隠れたままの人生だった。
あぁ…死にたくないなぁ…
でも、生きていても何もいいことないからなぁ…
「こいつ、まだ生きてるぞ…」
「そんなはずないだろ。オウィディウスシステムのEXをくらって生きている奴はいないだろ。」
「一応確認しよう。桃井、井坂運んでくれ。」
何やら声が聞こえてくる。意識は薄れていくが、不思議とこのまま死ぬという感覚がない。黒いスーツの大男二人に担がれた私はそのままワンボックスカーへと運ばれる。そのまま寝かされると私の瞼を開けてライトで瞳孔の反応を見る。
「やはり生きている……よし、このまま治療施設に運ぶぞ。」
「左半身がほぼ無い状態なのにさすがディウスだな。」
「おしゃべりはいいから早く手順を踏め。」
私の体に複数の手が伸びてきて色々と機械をつけられたり包帯が巻かれていく。このまま寝ていても大丈夫だと確信した私はそのまま車が段差で跳ねる感覚に身を委ねながら眠りについた。
[一攫千金ウェブ]
ターゲット;明星一狼 高校生 賞金¥200000000 キャリーオーバー実施中。
※一人失敗するごとに+一億
↓
賞金¥300000000
センザンコウディウスこと詩々原ヒトミが爆散する様子が映し出された。
555:>>270.結局凡人は凡人のまま人生を終えるのだな。
111:>>270.分かり切ったこと。何も言うまい。
282:>>555.一般人にしては良かったと思うけどね。
290:>>270.いや~彼女は最初に掃除屋に出会ったのが悪かったね~あの戦闘が無ければもっといい戦いをしてたと僕は思うナ~
133:>>270.最初の一般人は死んだか…安らかに眠れ……(ノД`)・゜・。
777:>>270.良かったな……ヒリヒリまではしなかったが心は踊った。
282:>>270.そいや、今回は妨害どころか助けてたね。やっぱ外部からの妨害は許されない感じ?
270:>>282.そうですね…何せ一般人でしたからね。外部からの妨害で死なれては困ります。それと、外部からの妨害ですが、今回は一般人と言うことで特別に護衛をしましたが、プロの方々でしたら我々も妨害しますのでお気をつけてください。
777:>>270.いいね。ヒリヒリする。
555:>>270.こちらとしても問題はない。
111:>>270.そうでないと困る。
270:さて、お次はどなたが行きますか?こちらも準備は万端でございます。
111:>>270.俺が行く。情報を送った。好きにしろ。
270:>>111.ご参加ありがとうございます。では、こちらから最初で最後の支給品を送りましたので、説明書をよく読んでからご使用ください。
111:見ていろ。ここにいる何者でもない者たち。俺が必ずターゲットを殺し、賞金をもぎ取ってやる。
290:>>111.いいねいいね。真打登場って感じで上がってきた!!
282:111って前もゲームに参加して優勝手前までいってなかったっけ?前の365暗殺のこともあるし腕前は本物なんだろうね。期待。
270:>>111.情報 グララス・ロマネスク 殺し屋 年齢非公開
では、例によってライブ配信をします。グララス様ご武運を。
スマートフォンをポケットに入れたグララスはそのまま雑多の中で例の黒服を待った。
────────────
帰路の車の中。一狼は運転する八雲へ質問する。
「八雲さんっていつベルトを使ったんですか?」
突拍子もない質問に八雲は運転に集中はしているものの質問の回答を考えることに脳のリソースを使った。
「……そうだね……ベルトはLWOを作ってすぐかな……いや、作る前か…な?…あの頃は、マリィのアレコレで時間の感覚は無かったな……」
「ローズマリーさんのアレコレ?」
「そう、彼女とであってLWOを創立するまでの期間でね。いや~大変だったよ。」
少し濁したような回答に一狼はこれ以上は聞かない方が良いかと次の質問をした。
「そうですか……ベルトを使っての戦闘でその殺したこともあるんですか?」
質問に対して八雲は少し考えた。そして一狼が気にしないように爽やかに答えた。
「あるとも。何度も何度も私が実行員だからね。」
「その時、どんな気持ちでしたか?」
そんな質問に八雲は先ほどよりも長く考え込み、しばらく二人の間に静寂が流れて、車のエンジンが車内に響く。そして、交差点を曲がったところで八雲は口を開いた。
「……何とも言えないな。いや、これは正確じゃないな……強いて言えば、これで私も人殺しになってしまったという感覚だな。」
「そう、ですか……」
確かに八雲とローズマリーはお互いを信頼し合っている視線をしている。いつも目で合図し、それをお互いに汲み取りあい、言葉を躱さずとも信頼しているのが分かる。八雲は、一狼がなぜ質問攻めをしているのだろうと考え、逆に一狼に質問をした。
「一狼くんはさっきの戦いどうだった?」
一狼は八雲の方をみてすぐにサイドミラーに映る自分と目を合わせて回答を考えた。考えた末に一狼は口を開いた。
「僕は……何も感じませんでした。」
「そっか……」
八雲は背筋に何か冷たいものを感じながらハンドルを握った。
続く。
紙切れや、他人をうらやむことが幸せだっけ?
穴の空いた民家の天井から差し込む光がまぶしい……
でも、私って今、誰かと戦ってなかったっけ?
誰と戦っていたっけ?
薄れる意識の中で何もなかった人生のアレコレが頭を駆け巡る。
小学校の時に絵の賞を取ったこと。
中学校でいじめられたこと。
高校で引きこもりがちになったこと。
大学で人生を変えようとしたが、結局私の人生は陰に隠れたままの人生だった。
あぁ…死にたくないなぁ…
でも、生きていても何もいいことないからなぁ…
「こいつ、まだ生きてるぞ…」
「そんなはずないだろ。オウィディウスシステムのEXをくらって生きている奴はいないだろ。」
「一応確認しよう。桃井、井坂運んでくれ。」
何やら声が聞こえてくる。意識は薄れていくが、不思議とこのまま死ぬという感覚がない。黒いスーツの大男二人に担がれた私はそのままワンボックスカーへと運ばれる。そのまま寝かされると私の瞼を開けてライトで瞳孔の反応を見る。
「やはり生きている……よし、このまま治療施設に運ぶぞ。」
「左半身がほぼ無い状態なのにさすがディウスだな。」
「おしゃべりはいいから早く手順を踏め。」
私の体に複数の手が伸びてきて色々と機械をつけられたり包帯が巻かれていく。このまま寝ていても大丈夫だと確信した私はそのまま車が段差で跳ねる感覚に身を委ねながら眠りについた。
[一攫千金ウェブ]
ターゲット;明星一狼 高校生 賞金¥200000000 キャリーオーバー実施中。
※一人失敗するごとに+一億
↓
賞金¥300000000
センザンコウディウスこと詩々原ヒトミが爆散する様子が映し出された。
555:>>270.結局凡人は凡人のまま人生を終えるのだな。
111:>>270.分かり切ったこと。何も言うまい。
282:>>555.一般人にしては良かったと思うけどね。
290:>>270.いや~彼女は最初に掃除屋に出会ったのが悪かったね~あの戦闘が無ければもっといい戦いをしてたと僕は思うナ~
133:>>270.最初の一般人は死んだか…安らかに眠れ……(ノД`)・゜・。
777:>>270.良かったな……ヒリヒリまではしなかったが心は踊った。
282:>>270.そいや、今回は妨害どころか助けてたね。やっぱ外部からの妨害は許されない感じ?
270:>>282.そうですね…何せ一般人でしたからね。外部からの妨害で死なれては困ります。それと、外部からの妨害ですが、今回は一般人と言うことで特別に護衛をしましたが、プロの方々でしたら我々も妨害しますのでお気をつけてください。
777:>>270.いいね。ヒリヒリする。
555:>>270.こちらとしても問題はない。
111:>>270.そうでないと困る。
270:さて、お次はどなたが行きますか?こちらも準備は万端でございます。
111:>>270.俺が行く。情報を送った。好きにしろ。
270:>>111.ご参加ありがとうございます。では、こちらから最初で最後の支給品を送りましたので、説明書をよく読んでからご使用ください。
111:見ていろ。ここにいる何者でもない者たち。俺が必ずターゲットを殺し、賞金をもぎ取ってやる。
290:>>111.いいねいいね。真打登場って感じで上がってきた!!
282:111って前もゲームに参加して優勝手前までいってなかったっけ?前の365暗殺のこともあるし腕前は本物なんだろうね。期待。
270:>>111.情報 グララス・ロマネスク 殺し屋 年齢非公開
では、例によってライブ配信をします。グララス様ご武運を。
スマートフォンをポケットに入れたグララスはそのまま雑多の中で例の黒服を待った。
────────────
帰路の車の中。一狼は運転する八雲へ質問する。
「八雲さんっていつベルトを使ったんですか?」
突拍子もない質問に八雲は運転に集中はしているものの質問の回答を考えることに脳のリソースを使った。
「……そうだね……ベルトはLWOを作ってすぐかな……いや、作る前か…な?…あの頃は、マリィのアレコレで時間の感覚は無かったな……」
「ローズマリーさんのアレコレ?」
「そう、彼女とであってLWOを創立するまでの期間でね。いや~大変だったよ。」
少し濁したような回答に一狼はこれ以上は聞かない方が良いかと次の質問をした。
「そうですか……ベルトを使っての戦闘でその殺したこともあるんですか?」
質問に対して八雲は少し考えた。そして一狼が気にしないように爽やかに答えた。
「あるとも。何度も何度も私が実行員だからね。」
「その時、どんな気持ちでしたか?」
そんな質問に八雲は先ほどよりも長く考え込み、しばらく二人の間に静寂が流れて、車のエンジンが車内に響く。そして、交差点を曲がったところで八雲は口を開いた。
「……何とも言えないな。いや、これは正確じゃないな……強いて言えば、これで私も人殺しになってしまったという感覚だな。」
「そう、ですか……」
確かに八雲とローズマリーはお互いを信頼し合っている視線をしている。いつも目で合図し、それをお互いに汲み取りあい、言葉を躱さずとも信頼しているのが分かる。八雲は、一狼がなぜ質問攻めをしているのだろうと考え、逆に一狼に質問をした。
「一狼くんはさっきの戦いどうだった?」
一狼は八雲の方をみてすぐにサイドミラーに映る自分と目を合わせて回答を考えた。考えた末に一狼は口を開いた。
「僕は……何も感じませんでした。」
「そっか……」
八雲は背筋に何か冷たいものを感じながらハンドルを握った。
続く。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる