竜攘虎搏 Side Tiger

怜悧(サトシ)

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ぼんやりと目を見開いて、甘い息を漏らしている眞壁の様子は完全に堕ちている状態だとわかる。数日で教え込んだ体は、すっかり出来上がっていて、どうすれば快感を得られるかを理解している。
「なあ、どうしてほしい?ほら、ちんぽほしいんじゃねえか?もう、ほしいって言えるだろ、士龍」
 囁くように名前を呼ぶと、膝下へと腕を挿し込んで自分で脚を拡げて、ひくつく孔を差し出すようにオレへ見せつける。
 どうすれば求めるものを得られるかを、じっくり抱いて彼に仕込んだ。
「……っあ、あ、ああ、とみたくん、の、いれて……っ」
 それだけでも欲情を煽るのには十分だったが、オレはそれ以上のものが欲しかった。
「おい、なにがほしいんだよ?これは、おちんぽだぜ?ちゃんとそう言えよ」
「…………は、あ、は……ぁあ、とみたくんの、おち、んぽ…………いれて…………ッな、あ……はや……く」
 中が熱くて仕方がないのか、腰を掲げて自分の指で孔を拡げてそこに欲しいとせがむ様子がたまらなくなる。無意識ににやけてしまって口元が緩んでしまう。
「どこに、入れたらいい?」
「おれ、の……おまんこ……おちんぽいれて。もう、がまんできない……なかに…あついおちんぽのみるく……だして……」
 抵抗がなくなったのか煽るように口に出される卑猥な言葉に、オレは一気にその柔らかくほぐされた内部へと欲肉を叩きつけ、ぐちゃぐちゃと音を響かせて肉の喰い締めを味わう。
「ひ、ぁあ、アアッ、っく……うん、ああ、おちんぽ、ああ、ひもち、ひい、いいっ……ッあう」
 ぎゅうっと締まる内部の熱がたまらず、腰を抱えて更に奥を穿つようにして抉ると、身震いを繰り返す頻度が多くなる。
「士龍、ひときたぜ」
 個室の外に人の気配を感じで囁くと、腕で口元を覆って声を殺そうとするのに、オレは意地悪く更に奥まで串刺しにするかのように熱をねじ込んだ。
「……ッあ、ひ、ああっむ、っ、……あはッ……クッ、あああ、ふか、ああッ、いあああッ」
「エロい声聞かれちまうぜ、んなに欲しかったのかよ、ほらほら、中のおちんぽ気持ちイイか」
 奥まで食らい込んだ熱に夢中になったのか、眞壁は人がきたことはすっかり忘れてしまったかのように腰を揺すって快感を追いかけ始めている。
「……ッき、もひいいッ、ちん、ぽ、きもひ、いい、おく、おく……ッン……なあ、おく…………ずぶずぶ……ッて、ああ」
「ほら、ズブズブしてやるよ。また、メスのようにおまんこだけで、イケよ」
 耳元で囁くと腰のグラインドが大きくなり、きゅうきゅうと内部の肉の蠢きもせわしなくなってくる。
「ッンンン、あ、あ、ッく、ひ、い、きも、ひい……ッ」
「うわ、マジかよ、セクッてんのか?」
 外の奴らも、眞壁の喘ぎ声に気が付いたのか聞き耳をたてているようだ。
「マジマジ、モーホーかよ。まあ、穴がありゃあオトコでも別にいいケドよ」
 外から能天気な声が聞こえるが、まあ状況を盛り上げるにはイイ配役かもしれない。
「どーする、エッチな声聞かせちゃおうか?士龍」
 動きをとめて舌を押し入れながら外には聞こえない声を吹き込んで、ぎゅっと体が痙攣して、内部の肉竿が押しつぶされてしまいそうに柔らかな肉に締め上げられる。
「や、ンンンッ…………っとめ……ンな……奥までぐぽっぐぽっ……おちんぽ…………で、ぐちゃぐちゃして……」
 声を張りあげて卑猥な言葉を口にして続きをねだる眞壁の浅ましさに、気分が高揚してねだられるままにズンッと奥を突き上げる。
「ひ、い、ンンン、きも、ひいいっ、アア……ッ……ッンンン……ッいく、いく……アアッ、あああ」
 ぐぽぐぽっと湿った音と嬌声が響いていて、外のやつらも個室の中を想像しているだけろう。だけど、ここで派手に喘いでいるのが眞壁だとは夢にも思わないだろう。
「やらしいな。そんなに、気持ちイイの?外に人がいるのに」
 人がいるという言葉にもぎゅうっと内側がうねって、首をたてに振ってきもちいいと繰り返す眞壁には、外に人がいることなどもうどうでもいいのだろう。
 ずるずると狭い肉道を擦るたびに、ぎゅうっと掴むような動きで肉がくらいついてくる。
「おまんこビクビクだな、おまんこでイッてメスになれよ」
 結腸あたりかと思われる箇所を先端で擦ると、ギリッと体の筋肉が強張って、おこりのように震えだす。
「ひ、ァあ、ああ……ッ……め、っすになっちゃ、やああ、あああ、ひ、ひくう…………ああ、おま、んこで……いく……ふ、めす、に、なっちゃ、ッンンンッンンン」
 耐えきれずにオレはどくんと精液を内側に注ぎこんで、震えている大きな体をぎゅっと抱き寄せた。
「マジで、やっばい、エロい声」
「ねえねえ、お兄さんたち、俺らも混ぜてよ」
 支配したような感覚と充足感の余韻を男たちの無粋な声に邪魔され、オレは怒鳴る。
「うっせえ、ソコでマスでもかいてろ……あんま茶々入れると、ぶっ殺すぞ」
「あ、富田サンすか。おたのしみ中失礼しやした」
 怒り声でオレを特定したのか、オレの派閥の一年だったのだろう慌てた様子でトイレから出ていく気配がして、オレは一息ついてから腕の中の眞壁を見返した。
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