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第二十一話:無機質な心臓、錬金術師の夢の跡
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最初の警備ゴーレムを撃破したものの、私たちの前には、鉄の街ドゥーリンの本当の脅威が姿を現し始めていた。
街の奥深くから響き渡る、無数の金属の足音。
それは、この街全体が、巨大な一つの生命体として私たちに牙を剥こうとしているかのようだった。
「ベルフェの奴、『本当のショーはこれから』と言っておったな。どうやら、大袈裟ではなかったようじゃわい」
バルガスさんが、戦斧を握り締めながら吐き捨てる。
その顔には、故郷を穢された怒りと、目の前の脅威に対する武者震いが入り混じっていた。
「キアラさん、お願い。ゴーレムの巡回ルートを避けて、街の中心部へ向かう道を探して」
カイが、冷静に指示を出す。
彼は、自然とこの調査団のリーダーとしての役割をこなし始めていた。
その的確な判断力と、仲間を思いやる姿勢は、出会って間もないメンバーたちの信頼を勝ち取りつつあった。
「……分かった。あたしの鼻と耳を信じな」
キアラさんは短く答えると、音もなく闇に溶け込み、私たちを安全なルートへと導き始めた。
私たちは、彼女の後に続き、機械仕掛けの怪物たちが支配する無人の街を慎重に進んでいった。
道端には、打ち捨てられた住居や商店が並び、そこにはかつてドワーフたちが暮らしていたであろう痕跡が残っている。
しかし、今はもう、人の温もりはどこにも感じられなかった。
途中、私たちは一際大きな建物(かつては研究所だったと思われる場所)に立ち寄った。
中には、不気味な錬金術の器具や、半分だけ機械化された動物の剥製などが散乱しており、ここで行われていたであろう非人道的な実験の跡を物語っていた。
「これは……酷い……」
リリアが、悲痛な声を上げる。
エリアス先生は、残されていた日誌の断片や、壁に描かれた設計図を注意深く調べていた。
「……なるほど。この街の支配者である錬金術師は、『不滅の心臓』を創造しようとしていたようですな。生命活動を永久に維持する、究極の魔導核を……」
「不滅の心臓?」
「ええ。そして、そのためにアレスの魔導書に記されていた『魂を物質に縛り付ける』禁術を利用している。ゴーレムの動力源は、単なる魔力ではない。捕らえた動物や、おそらくは……魔物の魂そのものを、歪んだ形で利用しているのです」
エリアス先生の言葉に、私たちは戦慄した。
この街を闊歩するゴーレムたちは、ただの機械人形ではない。
苦痛に満ちた魂を閉じ込めた、動く牢獄なのだ。
その時、研究所の外から、甲高い金属音と共に、複数の気配が急速に私たちに近づいてくるのを、キアラさんが察知した。
「まずい、囲まれた! 新型だ、数が多すぎる!」
私たちが慌てて外に出ると、そこには数十体の新型ゴーレムが展開し、完全な包囲網を敷いていた。
四つ足で俊敏に駆け回り、鋭い爪で奇襲をかけてくる猟犬のような「ハンター型」ゴーレム。
そして、その後方には、三脚で巨体を固定し、その胴体に搭載された魔力砲からエネルギーをチャージしている「キャノン型」ゴーレム。
見事な連携で、私たちに逃げ場を与えないつもりらしかった。
「厄介な組み合わせじゃわい! わしとカイ坊主で前衛の猟犬どもを引きつける! エリアス先生、リリア嬢、後方のキャノンを頼む!」
バルガスさんが雄叫びを上げて突進する。
私もエリアス先生と協力し、キャノン型ゴーレムが放つ強力な魔力砲を防ぐために、巨大な魔法障壁を展開した。
しかし、その威力は凄まじく、障壁が長くはもたないだろう。
「キアラ、攪乱を!」
カイが叫ぶと、キアラさんは壁を駆け上がり、猟犬型ゴーレムたちの背後へと回り込む。
その素早い動きと奇襲が、敵の連携をわずかに乱した。
「キャノン型のエネルギーチャージには、約十秒のインターバルがある! そして、ハンター型は、次にリリアさんを狙う確率が高い!」
カイはベルフェの仮面を装着し、その力を最大限に活用していた。
敵の動きを予測し、仲間に的確な指示を飛ばす。
しかし、その彼の顔には、苦痛の色が滲んでいた。
「カイ……!?」
「大丈夫だ……! こいつらから……苦しいって声が……聞こえるんだ……」
仮面は、敵の動きだけでなく、動力源として使われている魂の叫びまで拾ってしまっているのだ。
その精神的な負荷は、計り知れない。
「カイ、一人で抱え込まないで! あなたの痛みは、私の痛みでもあるのだから!」
私は、彼に癒しの魔法を送りながら叫んだ。
私の声が届いたのか、カイは苦痛に顔を歪めながらも、力強く頷いた。
「エリアス先生! あのゴーレムの装甲、弱点は!?」
「任せなさい! あれは、古代ドワーフ族が用いた特殊合金。硬度は高いが、パーツの継ぎ目だけは、高熱の魔法に弱いという文献を読んだことがある!」
「リリア、聞いたな! ハンター型の首の付け根、キャノン型の脚の関節だ!」
「ええ!」
私は、カイの指示とエリアス先生の知識を信じ、魔力を一点に集中させる。
バルガスさんがキャノン型の魔力砲を引きつけ、キアラさんがハンター型を翻弄する、その一瞬の隙。
「貫け、炎の槍! フレイムランス!」
私が放った灼熱の槍は、寸分の狂いもなく、一体のハンター型ゴーレムの首の付け根を貫いた。
ゴーレムは甲高い悲鳴のような音を上げて動きを止め、内部から爆発する。
それに呼応するように、カイもまた、金色のオーラを纏った剣で、別のハンター型ゴーレムを撃破した。
見事なチームワークだった。
私たちは、互いの力を信じ、連携することで、この絶望的な状況を覆しつつあった。
数刻に及ぶ激戦の末、私たちはついに全ての新型ゴーレムを撃破することに成功した。
しかし、カイの消耗は激しかった。
彼は仮面を外すと、その場に膝をつき、激しい頭痛に耐えるように頭を押さえた。
「カイ……しっかりして……」
私が駆け寄り、浄化の魔法をかけると、彼の苦痛は少し和らいだようだった。
彼の優しさが、仮面の力の代償を、より大きなものにしてしまっているのかもしれない。
「……行こう。全ての元凶は、この先にあるはずだ」
カイは、私の肩を借りて立ち上がると、街の中心に聳え立つ、巨大な塔――中央工房を見据えた。
そこからは、ひときわ強い邪悪な魔力と、そして、無数の魂の呻きが聞こえてくるようだった。
私たちは、最後の決戦を覚悟し、中央工房へと向かった。
工房の最上階へと続くエレベーターに乗り込むと、それは自動的に上昇を始める。
そして、たどり着いた最上階の扉が開いた瞬間、私たちは息を呑んだ。
そこは、巨大な錬金術のラボだった。
無数の歯車が回り、色とりどりの液体が入ったフラスコが怪しげな光を放っている。
そして、その中央には、まだ未完成ながらも、神々しさと冒涜的な雰囲気を併せ持つ、巨大な人型のゴーレムが鎮座していた。
その傍らに、一人の男が静かに立っていた。
白衣を纏い、その顔は長年の研究による疲労でやつれているが、その瞳だけは、狂的なまでの探究心の炎に爛々と輝いていた。
「……ようこそ、私の工房へ。長旅ご苦労だったね」
男は、穏やかな、しかしどこか人間味の欠けた口調で言った。
「君たちが、私の最高傑作『アニマ・ゴーレム』の完成を邪魔しに来た、ギルドの犬たちかね?」
彼こそが、この鉄の街の支配者であり、ベルフェの言う「演出家」、狂気の錬金術師マスター・ヘイメルン。
彼の口から語られる、歪んだ創造の目的とは何か。
街の奥深くから響き渡る、無数の金属の足音。
それは、この街全体が、巨大な一つの生命体として私たちに牙を剥こうとしているかのようだった。
「ベルフェの奴、『本当のショーはこれから』と言っておったな。どうやら、大袈裟ではなかったようじゃわい」
バルガスさんが、戦斧を握り締めながら吐き捨てる。
その顔には、故郷を穢された怒りと、目の前の脅威に対する武者震いが入り混じっていた。
「キアラさん、お願い。ゴーレムの巡回ルートを避けて、街の中心部へ向かう道を探して」
カイが、冷静に指示を出す。
彼は、自然とこの調査団のリーダーとしての役割をこなし始めていた。
その的確な判断力と、仲間を思いやる姿勢は、出会って間もないメンバーたちの信頼を勝ち取りつつあった。
「……分かった。あたしの鼻と耳を信じな」
キアラさんは短く答えると、音もなく闇に溶け込み、私たちを安全なルートへと導き始めた。
私たちは、彼女の後に続き、機械仕掛けの怪物たちが支配する無人の街を慎重に進んでいった。
道端には、打ち捨てられた住居や商店が並び、そこにはかつてドワーフたちが暮らしていたであろう痕跡が残っている。
しかし、今はもう、人の温もりはどこにも感じられなかった。
途中、私たちは一際大きな建物(かつては研究所だったと思われる場所)に立ち寄った。
中には、不気味な錬金術の器具や、半分だけ機械化された動物の剥製などが散乱しており、ここで行われていたであろう非人道的な実験の跡を物語っていた。
「これは……酷い……」
リリアが、悲痛な声を上げる。
エリアス先生は、残されていた日誌の断片や、壁に描かれた設計図を注意深く調べていた。
「……なるほど。この街の支配者である錬金術師は、『不滅の心臓』を創造しようとしていたようですな。生命活動を永久に維持する、究極の魔導核を……」
「不滅の心臓?」
「ええ。そして、そのためにアレスの魔導書に記されていた『魂を物質に縛り付ける』禁術を利用している。ゴーレムの動力源は、単なる魔力ではない。捕らえた動物や、おそらくは……魔物の魂そのものを、歪んだ形で利用しているのです」
エリアス先生の言葉に、私たちは戦慄した。
この街を闊歩するゴーレムたちは、ただの機械人形ではない。
苦痛に満ちた魂を閉じ込めた、動く牢獄なのだ。
その時、研究所の外から、甲高い金属音と共に、複数の気配が急速に私たちに近づいてくるのを、キアラさんが察知した。
「まずい、囲まれた! 新型だ、数が多すぎる!」
私たちが慌てて外に出ると、そこには数十体の新型ゴーレムが展開し、完全な包囲網を敷いていた。
四つ足で俊敏に駆け回り、鋭い爪で奇襲をかけてくる猟犬のような「ハンター型」ゴーレム。
そして、その後方には、三脚で巨体を固定し、その胴体に搭載された魔力砲からエネルギーをチャージしている「キャノン型」ゴーレム。
見事な連携で、私たちに逃げ場を与えないつもりらしかった。
「厄介な組み合わせじゃわい! わしとカイ坊主で前衛の猟犬どもを引きつける! エリアス先生、リリア嬢、後方のキャノンを頼む!」
バルガスさんが雄叫びを上げて突進する。
私もエリアス先生と協力し、キャノン型ゴーレムが放つ強力な魔力砲を防ぐために、巨大な魔法障壁を展開した。
しかし、その威力は凄まじく、障壁が長くはもたないだろう。
「キアラ、攪乱を!」
カイが叫ぶと、キアラさんは壁を駆け上がり、猟犬型ゴーレムたちの背後へと回り込む。
その素早い動きと奇襲が、敵の連携をわずかに乱した。
「キャノン型のエネルギーチャージには、約十秒のインターバルがある! そして、ハンター型は、次にリリアさんを狙う確率が高い!」
カイはベルフェの仮面を装着し、その力を最大限に活用していた。
敵の動きを予測し、仲間に的確な指示を飛ばす。
しかし、その彼の顔には、苦痛の色が滲んでいた。
「カイ……!?」
「大丈夫だ……! こいつらから……苦しいって声が……聞こえるんだ……」
仮面は、敵の動きだけでなく、動力源として使われている魂の叫びまで拾ってしまっているのだ。
その精神的な負荷は、計り知れない。
「カイ、一人で抱え込まないで! あなたの痛みは、私の痛みでもあるのだから!」
私は、彼に癒しの魔法を送りながら叫んだ。
私の声が届いたのか、カイは苦痛に顔を歪めながらも、力強く頷いた。
「エリアス先生! あのゴーレムの装甲、弱点は!?」
「任せなさい! あれは、古代ドワーフ族が用いた特殊合金。硬度は高いが、パーツの継ぎ目だけは、高熱の魔法に弱いという文献を読んだことがある!」
「リリア、聞いたな! ハンター型の首の付け根、キャノン型の脚の関節だ!」
「ええ!」
私は、カイの指示とエリアス先生の知識を信じ、魔力を一点に集中させる。
バルガスさんがキャノン型の魔力砲を引きつけ、キアラさんがハンター型を翻弄する、その一瞬の隙。
「貫け、炎の槍! フレイムランス!」
私が放った灼熱の槍は、寸分の狂いもなく、一体のハンター型ゴーレムの首の付け根を貫いた。
ゴーレムは甲高い悲鳴のような音を上げて動きを止め、内部から爆発する。
それに呼応するように、カイもまた、金色のオーラを纏った剣で、別のハンター型ゴーレムを撃破した。
見事なチームワークだった。
私たちは、互いの力を信じ、連携することで、この絶望的な状況を覆しつつあった。
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しかし、カイの消耗は激しかった。
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彼の優しさが、仮面の力の代償を、より大きなものにしてしまっているのかもしれない。
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そこからは、ひときわ強い邪悪な魔力と、そして、無数の魂の呻きが聞こえてくるようだった。
私たちは、最後の決戦を覚悟し、中央工房へと向かった。
工房の最上階へと続くエレベーターに乗り込むと、それは自動的に上昇を始める。
そして、たどり着いた最上階の扉が開いた瞬間、私たちは息を呑んだ。
そこは、巨大な錬金術のラボだった。
無数の歯車が回り、色とりどりの液体が入ったフラスコが怪しげな光を放っている。
そして、その中央には、まだ未完成ながらも、神々しさと冒涜的な雰囲気を併せ持つ、巨大な人型のゴーレムが鎮座していた。
その傍らに、一人の男が静かに立っていた。
白衣を纏い、その顔は長年の研究による疲労でやつれているが、その瞳だけは、狂的なまでの探究心の炎に爛々と輝いていた。
「……ようこそ、私の工房へ。長旅ご苦労だったね」
男は、穏やかな、しかしどこか人間味の欠けた口調で言った。
「君たちが、私の最高傑作『アニマ・ゴーレム』の完成を邪魔しに来た、ギルドの犬たちかね?」
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