51 / 53
第五十一話:最後の作戦会議とそれぞれの夜
しおりを挟む
王都の隠れ家。
テーブルの上に広げられた巨大な地図。
その中央に描かれた王城を、俺たち三人は、静かに見下ろしていた。
全ての元凶、大導師が潜む、最終決戦の舞台だ。
俺たちの、最後の作戦会議が始まった。
「王家に事情を説明し、騎士団の総力を挙げて、王城の地下を調査するべきだ。
それが、最も確実な正攻法だろう」
兄のルドルフが、重々しく口を開いた。
だが、その意見に、セレスティーナ様が静かに首を横に振る。
「それでは、遅すぎますわ、ルドルフ様。
我々が公式に動き出せば、大導師は即座にそれを察知し、儀式を強引に早めてしまうでしょう。
それに、王城の中枢にまで、『探求者』の協力者が紛れ込んでいないとは、断言できません」
「……では、どうするというのだ」
兄さんが悔しそうに唸る。
俺は、そんな二人を横目に、欠伸を一つした。
「決まってるだろ。
正面からノックして、『ごめんください』なんて律儀に入る馬鹿はいない。
裏口から、こっそりお邪魔して、寝首を掻く。
それが、一番スマートで、そして、面倒がないやり方だ」
俺は、地図上の一点を指差した。
そこは、俺たちが以前調査した、旧市街の地下遺跡の、さらに下層。
古代に作られた、今はもう誰も知らないはずの、秘密の通路。
その通路が、方位と深度から計算するに、王城の真下にある地下神殿へと、繋がっている可能性が極めて高かった。
俺は、俺たちの最後の作戦を、簡潔に告げた。
兄さんとセレスティーナ様が、表の世界で、陽動に徹する。
『王城周辺で、異常な魔力反応を確認。
緊急調査を行う』という大義名分を掲げ、騎士団の一部を動かし、大導師の注意を、地上へと引きつける。
その隙に、俺が一人、秘密の通路から地下神殿へと単独で潜入。
儀式が完成する前に、大導師本人を、直接叩く。
「……分かった」
兄さんは、俺の無茶な作戦を、今度はもう、止めようとはしなかった。
ただ、真っ直ぐに俺の目を見て、力強く言った。
「アレン。
お前が、本丸を叩くまで、俺が、この身に代えても、時間を稼いでみせる。
信じているぞ、相棒」
「あなたの『剣』として、あなたのための道を、必ずや切り開いてみせますわ」
セレスティーナ様もまた、その紫の瞳に、覚悟の炎を宿していた。
そして、俺たちの後方支援と、情報の中継役は、ソフィアが担う。
彼女は、何も言わなかった。
ただ、静かに、そして力強く、俺に向かって頷いてみせた。
それが、どんな言葉よりも、俺の心を奮い立たせるには、十分だった。
「ああ、分かってる。
さっさと終わらせて、帰ってきて昼寝する。
それだけだ」
俺は、仲間たちの、その揺るぎない信頼を、背中に感じていた。
◇
決戦の、前夜。
俺たち四人は、それぞれの時間を過ごしていた。
兄さんは、自室で、愛用の剣を、布で何度も、何度も、静かに磨いていた。
その横顔には、迷いはなく、ヴァインベルク家の次期当主として、そして、一人の騎士としての、全ての責任を背負う覚悟が決まっていた。
セレスティーナ様は、隠れ家の窓辺に立ち、ライトアップされた王城を見上げながら、静かに祈りを捧げていた。
この国の未来と、民の平穏と、そして……俺の、無事を。
ソフィアは、キッチンで、いつもと何も変わらない様子で、コトコトと、シチューを煮込んでいた。
俺の、大好物だ。
それが、彼女なりの祈りであり、俺への、最大のエールだった。
そして、俺は。
自室のベッドではなく、隠れ家のかび臭いソファの上で、いつも通り、ぐうぐうと、大いびきをかいて、眠っていた。
明日、世界の運命を賭けた戦いに挑む男とは、到底思えない、気の抜けた寝顔。
そんな俺の体に、そっと、毛布をかけてくれる、優しい気配を感じながら。
俺は、これまでで、一番深く、そして穏やかな眠りに、ついていた。
◇
決戦の日の、夜明け。
俺は、ソフィアが作ってくれた、世界一美味いシチューを腹に入れ、極上の紅茶で、その喉を潤した。
これ以上ないくらいの、最高の朝食。
「……さて、と」
俺は、いつもの黒衣をその身に纏うと、静かに、立ち上がった。
「ちょっと、世界で一番、大きくて、面倒な害虫の駆除に、行ってくる」
その背中を、ソフィアが、深々と、そして、ただ静かに、お辞儀をして見送ってくれた。
俺は、一人、王都の地下へと続く、暗い、暗い、入り口へと向かう。
その頃、別の場所では。
兄さんとセレスティーナ様が、陽動部隊の騎士たちを前に、最後の指示を飛ばしていた。
全ての駒が、決戦の盤面へと、動き出す。
俺の、長くて、面倒で、そして、どうしようもない物語が、幕を開けようとしていた。
テーブルの上に広げられた巨大な地図。
その中央に描かれた王城を、俺たち三人は、静かに見下ろしていた。
全ての元凶、大導師が潜む、最終決戦の舞台だ。
俺たちの、最後の作戦会議が始まった。
「王家に事情を説明し、騎士団の総力を挙げて、王城の地下を調査するべきだ。
それが、最も確実な正攻法だろう」
兄のルドルフが、重々しく口を開いた。
だが、その意見に、セレスティーナ様が静かに首を横に振る。
「それでは、遅すぎますわ、ルドルフ様。
我々が公式に動き出せば、大導師は即座にそれを察知し、儀式を強引に早めてしまうでしょう。
それに、王城の中枢にまで、『探求者』の協力者が紛れ込んでいないとは、断言できません」
「……では、どうするというのだ」
兄さんが悔しそうに唸る。
俺は、そんな二人を横目に、欠伸を一つした。
「決まってるだろ。
正面からノックして、『ごめんください』なんて律儀に入る馬鹿はいない。
裏口から、こっそりお邪魔して、寝首を掻く。
それが、一番スマートで、そして、面倒がないやり方だ」
俺は、地図上の一点を指差した。
そこは、俺たちが以前調査した、旧市街の地下遺跡の、さらに下層。
古代に作られた、今はもう誰も知らないはずの、秘密の通路。
その通路が、方位と深度から計算するに、王城の真下にある地下神殿へと、繋がっている可能性が極めて高かった。
俺は、俺たちの最後の作戦を、簡潔に告げた。
兄さんとセレスティーナ様が、表の世界で、陽動に徹する。
『王城周辺で、異常な魔力反応を確認。
緊急調査を行う』という大義名分を掲げ、騎士団の一部を動かし、大導師の注意を、地上へと引きつける。
その隙に、俺が一人、秘密の通路から地下神殿へと単独で潜入。
儀式が完成する前に、大導師本人を、直接叩く。
「……分かった」
兄さんは、俺の無茶な作戦を、今度はもう、止めようとはしなかった。
ただ、真っ直ぐに俺の目を見て、力強く言った。
「アレン。
お前が、本丸を叩くまで、俺が、この身に代えても、時間を稼いでみせる。
信じているぞ、相棒」
「あなたの『剣』として、あなたのための道を、必ずや切り開いてみせますわ」
セレスティーナ様もまた、その紫の瞳に、覚悟の炎を宿していた。
そして、俺たちの後方支援と、情報の中継役は、ソフィアが担う。
彼女は、何も言わなかった。
ただ、静かに、そして力強く、俺に向かって頷いてみせた。
それが、どんな言葉よりも、俺の心を奮い立たせるには、十分だった。
「ああ、分かってる。
さっさと終わらせて、帰ってきて昼寝する。
それだけだ」
俺は、仲間たちの、その揺るぎない信頼を、背中に感じていた。
◇
決戦の、前夜。
俺たち四人は、それぞれの時間を過ごしていた。
兄さんは、自室で、愛用の剣を、布で何度も、何度も、静かに磨いていた。
その横顔には、迷いはなく、ヴァインベルク家の次期当主として、そして、一人の騎士としての、全ての責任を背負う覚悟が決まっていた。
セレスティーナ様は、隠れ家の窓辺に立ち、ライトアップされた王城を見上げながら、静かに祈りを捧げていた。
この国の未来と、民の平穏と、そして……俺の、無事を。
ソフィアは、キッチンで、いつもと何も変わらない様子で、コトコトと、シチューを煮込んでいた。
俺の、大好物だ。
それが、彼女なりの祈りであり、俺への、最大のエールだった。
そして、俺は。
自室のベッドではなく、隠れ家のかび臭いソファの上で、いつも通り、ぐうぐうと、大いびきをかいて、眠っていた。
明日、世界の運命を賭けた戦いに挑む男とは、到底思えない、気の抜けた寝顔。
そんな俺の体に、そっと、毛布をかけてくれる、優しい気配を感じながら。
俺は、これまでで、一番深く、そして穏やかな眠りに、ついていた。
◇
決戦の日の、夜明け。
俺は、ソフィアが作ってくれた、世界一美味いシチューを腹に入れ、極上の紅茶で、その喉を潤した。
これ以上ないくらいの、最高の朝食。
「……さて、と」
俺は、いつもの黒衣をその身に纏うと、静かに、立ち上がった。
「ちょっと、世界で一番、大きくて、面倒な害虫の駆除に、行ってくる」
その背中を、ソフィアが、深々と、そして、ただ静かに、お辞儀をして見送ってくれた。
俺は、一人、王都の地下へと続く、暗い、暗い、入り口へと向かう。
その頃、別の場所では。
兄さんとセレスティーナ様が、陽動部隊の騎士たちを前に、最後の指示を飛ばしていた。
全ての駒が、決戦の盤面へと、動き出す。
俺の、長くて、面倒で、そして、どうしようもない物語が、幕を開けようとしていた。
1
あなたにおすすめの小説
「お前の代わりはいる」と追放された俺の【万物鑑定】は、実は世界の真実を見抜く【真理の瞳】でした。最高の仲間と辺境で理想郷を創ります
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の代わりはいくらでもいる。もう用済みだ」――勇者パーティーで【万物鑑定】のスキルを持つリアムは、戦闘に役立たないという理由で装備も金もすべて奪われ追放された。
しかし仲間たちは知らなかった。彼のスキルが、物の価値から人の秘めたる才能、土地の未来までも見通す超絶チート能力【真理の瞳】であったことを。
絶望の淵で己の力の真価に気づいたリアムは、辺境の寂れた街で再起を決意する。気弱なヒーラー、臆病な獣人の射手……世間から「無能」の烙印を押された者たちに眠る才能の原石を次々と見出し、最高の仲間たちと共にギルド「方舟(アーク)」を設立。彼らが輝ける理想郷をその手で創り上げていく。
一方、有能な鑑定士を失った元パーティーは急速に凋落の一途を辿り……。
これは不遇職と蔑まれた一人の男が最高の仲間と出会い、世界で一番幸福な場所を創り上げる、爽快な逆転成り上がりファンタジー!
追放された荷物持ち、【分解】と【再構築】で万物創造師になる~今更戻ってこいと言われてももう遅い~
黒崎隼人
ファンタジー
勇者パーティーから「足手まとい」と捨てられた荷物持ちのベルク。しかし、彼が持つ外れスキル【分解】と【再構築】は、万物を意のままに創り変える「神の御業」だった!
覚醒した彼は、虐げられていた聖女ルナを救い、辺境で悠々自適なスローライフを開始する。壊れた伝説の剣を直し、ゴミから最強装備を量産し、やがて彼は世界を救う英雄へ。
一方、彼を捨てた勇者たちは没落の一途を辿り……。
最強の職人が送る、痛快な大逆転&ざまぁファンタジー!
追放された俺のスキル【整理整頓】が覚醒!もふもふフェンリルと訳あり令嬢と辺境で最強ギルドはじめます
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の【整理整頓】なんてゴミスキル、もういらない」――勇者パーティーの雑用係だったカイは、ダンジョンの最深部で無一文で追放された。死を覚悟したその時、彼のスキルは真の能力に覚醒する。鑑定、無限収納、状態異常回復、スキル強化……森羅万象を“整理”するその力は、まさに規格外の万能チートだった! 呪われたもふもふ聖獣と、没落寸前の騎士令嬢。心優しき仲間と出会ったカイは、辺境の街で小さなギルド『クローゼット』を立ち上げる。一方、カイという“本当の勇者”を失ったパーティーは崩壊寸前に。これは、地味なスキル一つで世界を“整理整頓”していく、一人の青年の爽快成り上がり英雄譚!
元商社マンの俺、異世界と日本を行き来できるチートをゲットしたので、のんびり貿易商でも始めます~現代の便利グッズは異世界では最強でした~
黒崎隼人
ファンタジー
「もう限界だ……」
過労で商社を辞めた俺、白石悠斗(28)が次に目覚めた場所は、魔物が闊歩する異世界だった!?
絶体絶命のピンチに発現したのは、現代日本と異世界を自由に行き来できる【往還の門】と、なんでも収納できる【次元倉庫】というとんでもないチートスキル!
「これ、最強すぎないか?」
試しにコンビニのレトルトカレーを村人に振る舞えば「神の食べ物!」と崇められ、百均のカッターナイフが高級品として売れる始末。
元商社マンの知識と現代日本の物資を武器に、俺は異世界で商売を始めることを決意する。
食文化、技術、物流――全てが未発達なこの世界で、現代知識は無双の力を発揮する!
辺境の村から成り上がり、やがては世界経済を、そして二つの世界の運命をも動かしていく。
元サラリーマンの、異世界成り上がり交易ファンタジー、ここに開店!
精霊が俺の事を気に入ってくれているらしく過剰に尽くしてくれる!が、周囲には精霊が見えず俺の評価はよろしくない
よっしぃ
ファンタジー
俺には僅かながら魔力がある。この世界で魔力を持った人は少ないからそれだけで貴重な存在のはずなんだが、俺の場合そうじゃないらしい。
魔力があっても普通の魔法が使えない俺。
そんな俺が唯一使える魔法・・・・そんなのねーよ!
因みに俺の周囲には何故か精霊が頻繁にやってくる。
任意の精霊を召還するのは実はスキルなんだが、召喚した精霊をその場に留め使役するには魔力が必要だが、俺にスキルはないぞ。
極稀にスキルを所持している冒険者がいるが、引く手あまたでウラヤマ!
そうそう俺の総魔力量は少なく、精霊が俺の周囲で顕現化しても何かをさせる程の魔力がないから直ぐに姿が消えてしまう。
そんなある日転機が訪れる。
いつもの如く精霊が俺の魔力をねだって頂いちゃう訳だが、大抵俺はその場で気を失う。
昔ひょんな事から助けた精霊が俺の所に現れたんだが、この時俺はたまたまうつ伏せで倒れた。因みに顔面ダイブで鼻血が出たのは内緒だ。
そして当然ながら意識を失ったが、ふと目を覚ますと俺の周囲にはものすごい数の魔石やら素材があって驚いた。
精霊曰く御礼だってさ。
どうやら俺の魔力は非常に良いらしい。美味しいのか効果が高いのかは知らんが、精霊の好みらしい。
何故この日に限って精霊がずっと顕現化しているんだ?
どうやら俺がうつ伏せで地面に倒れたのが良かったらしい。
俺と地脈と繋がって、魔力が無限増殖状態だったようだ。
そしてこれが俺が冒険者として活動する時のスタイルになっていくんだが、理解しがたい体勢での活動に周囲の理解は得られなかった。
そんなある日、1人の女性が俺とパーティーを組みたいとやってきた。
ついでに精霊に彼女が呪われているのが分かったので解呪しておいた。
そんなある日、俺は所属しているパーティーから追放されてしまった。
そりゃあ戦闘中だろうがお構いなしに地面に寝そべってしまうんだから、あいつは一体何をしているんだ!となってしまうのは仕方がないが、これでも貢献していたんだぜ?
何せそうしている間は精霊達が勝手に魔物を仕留め、素材を集めてくれるし、俺の身をしっかり守ってくれているんだが、精霊が視えないメンバーには俺がただ寝ているだけにしか見えないらしい。
因みにダンジョンのボス部屋に1人放り込まれたんだが、俺と先にパーティーを組んでいたエレンは俺を助けにボス部屋へ突入してくれた。
流石にダンジョン中層でも深層のボス部屋、2人ではなあ。
俺はダンジョンの真っただ中に追放された訳だが、くしくも追放直後に俺の何かが変化した。
因みに寝そべっていなくてはいけない理由は顔面と心臓、そして掌を地面にくっつける事で地脈と繋がるらしい。地脈って何だ?
異世界カードSHOP『リアのカード工房』本日開店です 〜女神に貰ったカード化スキルは皆を笑顔にさせるギフトでした〜
夢幻の翼
ファンタジー
自分のお店を経営したい!
そんな夢を持つアラサー女子・理愛(リア)はアルバイト中に気を失う。次に気がつけばそこでは平謝りする女神の姿。
死亡理由が故意か過失か分からないままに肉体が無い事を理由に異世界転生を薦められたリアは仕方なしに転生を選択する。
だが、その世界では悪事を働かなければ自由に暮らして良い世界。女神に貰ったスキルを駆使して生前の夢だった店舗経営に乗り出したリア。
少々チートなスキルだけれど皆を笑顔にさせる使い方でたちまち町の人気店に。
商業ギルドのマスターに気に入られていろんな依頼も引き受けながら今日も元気にお店を開く。
異世界カードSHOP『リアのカード工房』本日も開店しています。
『ミッドナイトマート 〜異世界コンビニ、ただいま営業中〜』
KAORUwithAI
ファンタジー
深夜0時——街角の小さなコンビニ「ミッドナイトマート」は、異世界と繋がる扉を開く。
日中は普通の客でにぎわう店も、深夜を回ると鎧を着た騎士、魔族の姫、ドラゴンの化身、空飛ぶ商人など、“この世界の住人ではない者たち”が静かにレジへと並び始める。
アルバイト店員・斉藤レンは、バイト先が異世界と繋がっていることに戸惑いながらも、今日もレジに立つ。
「袋いりますか?」「ポイントカードお持ちですか?」——そう、それは異世界相手でも変わらない日常業務。
貯まるのは「ミッドナイトポイントカード(通称ナイポ)」。
集まるのは、どこか訳ありで、ちょっと不器用な異世界の住人たち。
そして、商品一つひとつに込められる、ささやかで温かな物語。
これは、世界の境界を越えて心を繋ぐ、コンビニ接客ファンタジー。
今夜は、どんなお客様が来店されるのでしょう?
※異世界食堂や異世界居酒屋「のぶ」とは
似て非なる物として見て下さい
魔力ゼロで出来損ないと追放された俺、前世の物理学知識を魔法代わりに使ったら、天才ドワーフや魔王に懐かれて最強になっていた
黒崎隼人
ファンタジー
「お前は我が家の恥だ」――。
名門貴族の三男アレンは、魔力を持たずに生まれたというだけで家族に虐げられ、18歳の誕生日にすべてを奪われ追放された。
絶望の中、彼が死の淵で思い出したのは、物理学者として生きた前世の記憶。そして覚醒したのは、魔法とは全く異なる、世界の理そのものを操る力――【概念置換(コンセプト・シフト)】。
運動エネルギーの法則【E = 1/2mv²】で、小石は音速の弾丸と化す。
熱力学第二法則で、敵軍は絶対零度の世界に沈む。
そして、相対性理論【E = mc²】は、神をも打ち砕く一撃となる。
これは、魔力ゼロの少年が、科学という名の「本当の魔法」で理不尽な運命を覆し、心優しき仲間たちと共に、偽りの正義に支配された世界の真実を解き明かす物語。
「君の信じる常識は、本当に正しいのか?」
知的好奇心が、あなたの胸を熱くする。新時代のサイエンス・ファンタジーが、今、幕を開ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる