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第2話 暗躍?聖女様のお戯れ
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さて、と。
あの小太りのおじさんから、クーデター計画の概要は聞き出した。
雇い主は、マルクス・フォン・ヴァレンシュタイン侯爵。
いかにも悪役っぽい名前じゃないの。
なんでも、今の国王陛下、私の伯父にあたるのだけど、やり方が生ぬるいとかで、もっと強硬な政治を望んでいるらしいわ。
そのために、建国記念祭のパレードで爆弾騒ぎを起こし、混乱に乗じて王族を排除。
ヴァレンシュタイン侯爵が実権を握る、と。
ふーん、ありがちな三文芝居ね。
「で、あなたはその計画のどこまで関わってるのかしら?」
私は、路地裏で気絶させたチンピラ風の男、(名前はゴロツキAとでもしておきましょうか)の隣に、小太りの男(こちらはデブBね)を並べて座らせ、尋問を再開した。
もちろん、二人とも縄でグルグル巻きよ。
口には布を噛ませてあるから、変な声も出せないわ。
完璧な拘束術!
聖女教育で習った?ロープワークがこんなところで役立つなんて、皮肉よね。
デブBは、私の笑顔にビクビクしながらも、必死に首を横に振った。
「(私はただの運び屋で、詳しいことは何も……!)」
目とジェスチャーで必死に訴えかけてくる。
まあ、見た感じ、本当に下っ端なんでしょうね。
利用価値はここまでかしら。
「そっか。じゃあ、もう用済みね。」
私がそう言って、懐からキラリと光るナイフを取り出すと、デブBは顔面蒼白になって激しく首を縦に振った。
あら、まだ何か知ってるのかしら?
「(ま、待ってください!ヴァレンシュタイン侯爵の屋敷に、仲間が集まるという話を聞きました!今夜です!)」
ふーん、それは興味深いわね。
悪党たちの秘密会議ってわけ?
面白そうじゃない!
「場所は分かるの?」
デブBは必死に頷く。
よしよし、いい子ね。
「じゃあ、案内してもらうわ。もちろん、あなたも一緒よ、ゴロツキA君。」
私は気絶しているゴロツキAの頬をペチペチと叩いて起こした。
彼は状況が理解できず、目を白黒させている。
まあ、すぐに理解させてあげるわ。
夜。
私はゴロツキAとデブBを先導させ、ヴァレンシュタイン侯爵の屋敷へと向かった。
もちろん、二人には変装させてある。
みすぼらしい旅芸人の格好よ。
これなら、夜道を歩いていても怪しまれないでしょう。
私も、動きやすいように黒っぽい侍女服に着替えた。
顔はフードで隠して、と。
完璧な潜入スタイル!
ヴァレンシュタイン侯爵の屋敷は、王都の一等地にあるだけあって、かなり立派な構えだった。
高い塀に囲まれていて、厳重な警備が敷かれているように見える。
でも、私にかかれば、こんなの無いも同然よ。
「さて、どうやって入ろうかしら?」
私が顎に手を当てて考えていると、デブBが震える声で言った。
「(あ、あの……裏口に、仲間と合流する手筈になっている者がいるはずです……合言葉を言えば……)」
「合言葉?何て言うの?」
「『月夜に踊る黒い影』です……」
……ぷっ!
何その中二病みたいな合言葉!
センスが壊滅的ね!
まあ、使えるものは使わせてもらうわ。
私は二人に「ここで待ってなさい」と命じ、一人で裏口へと向かった。
案の定、裏口には強面の門番が二人。
いかにもって感じね。
「ご苦労様。月夜に踊る黒い影、よ。」
私が声をかけると、門番の一人が訝しげな顔で私を見た。
「ん?お前、見ねえ顔だな。女か?」
「ええ、そうよ。新しく仲間入りしたの。よろしくね?」
私が可愛らしく(自分で言うのもなんだけど)小首を傾げると、門番は少し顔を赤らめた。
ちょろいもんね。
「……まあ、いいだろう。入れ。」
門番が扉を開けてくれた。
やった、第一関門突破!
屋敷の中は、思ったよりも静かだった。
どうやら、会議はまだ始まっていないか、あるいは別の場所で行われているらしい。
私は気配を消し、慎重に屋敷の中を進んだ。
幼い頃、来る日も来る日もかくれんぼに明け暮れ、いつしか誰にも見つからない特殊技能へと昇華させたこの隠密行動は、私の十八番(おはこ)よ。
こういう時には地味に役立つ。
足音を消したり、人の気配を敏感に察知したり。
まさに、私にうってつけの能力ね!
しばらく進むと、奥の部屋から複数の話し声が聞こえてきた。
ここね!
私は壁に張り付き、そっと聞き耳を立てた。
「――では、計画通り、建国記念祭のパレード当日に決行する。」
ヴァレンシュタイン侯爵らしき、低く威圧的な声が響く。
「爆破地点は三箇所。王族が乗る馬車が通過するタイミングで、同時に爆破する。」
「混乱に乗じて、我々の息のかかった騎士たちが陛下を『保護』。その後、ヴァレンシュタイン様が新たな国王として即位される、と。」
「ふふふ、これで長年の我々の悲願が達成されるな。」
悪党たちの楽しそうな声が聞こえてくる。
本当に、絵に描いたような悪巧みね。
でも、一つだけ言わせてもらうわ。
あなたたちの計画、私が全部ぶち壊してあげる!
(さて、どうやって遊んであげようかしら?)
私はニヤリと笑みを浮かべた。
まずは、手始めに……。
私はそっと部屋を離れ、厨房へと向かった。
お屋敷の厨房って、美味しいものがたくさんありそうじゃない?
もちろん、目的はそれだけじゃないわよ。
厨房には、数人の料理人が忙しそうに働いていた。
私は音もなく忍び込み、棚に並べられた香辛料の瓶を手に取った。
中身は……うん、これならいいわ。
超強力な下剤よ。
聖女の知識は、薬草学にも及ぶの。
もちろん、こういう使い方もバッチリよ。
私は、悪党たちが飲むであろうワインの樽に、下剤をたっぷりと投入した。
ふふふ、これで明日の朝は、トイレ争奪戦ね!
想像しただけで笑いがこみ上げてくるわ。
それから、私は侯爵の書斎にも忍び込んだ。
机の上には、計画書らしき羊皮紙の束が。
どれどれ……。
うん、爆破地点や参加者の名前が詳しく書かれているわね。
これは、後で騎士団に匿名で届けてあげましょう。
私は計画書を懐にしまうと、代わりに一枚のメモを置いてきた。
そこには、こう書いておいたわ。
『おいたが過ぎると、痛い目にあうわよ? 聖女より♡』
これで、少しは焦ってくれるかしら?
楽しみね!
さて、今日のところはこれくらいにしておきましょうか。
あまりやりすぎると、計画が中止になっちゃうかもしれないし。
それはそれで、つまらないものね。
私は再び裏口から、ゴロツキAとデブBのもとへ戻った。
二人は、私がなかなか戻ってこないので、すっかり怯えきっていた。
「お待たせ。さあ、帰りましょうか。」
私がにっこり笑いかけると、二人はホッとしたような、でもやっぱり怯えたような複雑な表情を浮かべた。
まあ、無理もないわね。
こんな得体の知れない女に連れ回されているんだもの。
帰り道、私はゴロツキAとデブBに、今日の「お仕事」の報酬として、金貨を数枚握らせた。
「これで美味しいものでも食べなさい。ただし、今日のことは誰にも言っちゃダメよ?もし喋ったら……どうなるか分かるわよね?」
私が耳元で囁くと、二人は顔面蒼白で何度も頷いた。
うん、素直でよろしい。
王宮に戻った私は、さっそく匿名で騎士団に計画書を送り付けた。
これで、騎士団も捜査に乗り出すでしょう。
でも、それだけじゃつまらない。
やっぱり、私も直接参加しないとね!
建国記念祭のパレード当日。
私は、もちろん聖女として、国王陛下の隣に立つことになっている。
絶好のポジションじゃない!
悪党たちがどんな顔で私を見るのか、今から楽しみで仕方ないわ。
そして、私の手には、こっそり用意した秘密兵器が握られている。
それは……ふふふ、まだ内緒よ。
さあ、ショータイムの始まりよ!
せいぜい私を楽しませてちょうだい、ヴァレンシュタイン侯爵!
あの小太りのおじさんから、クーデター計画の概要は聞き出した。
雇い主は、マルクス・フォン・ヴァレンシュタイン侯爵。
いかにも悪役っぽい名前じゃないの。
なんでも、今の国王陛下、私の伯父にあたるのだけど、やり方が生ぬるいとかで、もっと強硬な政治を望んでいるらしいわ。
そのために、建国記念祭のパレードで爆弾騒ぎを起こし、混乱に乗じて王族を排除。
ヴァレンシュタイン侯爵が実権を握る、と。
ふーん、ありがちな三文芝居ね。
「で、あなたはその計画のどこまで関わってるのかしら?」
私は、路地裏で気絶させたチンピラ風の男、(名前はゴロツキAとでもしておきましょうか)の隣に、小太りの男(こちらはデブBね)を並べて座らせ、尋問を再開した。
もちろん、二人とも縄でグルグル巻きよ。
口には布を噛ませてあるから、変な声も出せないわ。
完璧な拘束術!
聖女教育で習った?ロープワークがこんなところで役立つなんて、皮肉よね。
デブBは、私の笑顔にビクビクしながらも、必死に首を横に振った。
「(私はただの運び屋で、詳しいことは何も……!)」
目とジェスチャーで必死に訴えかけてくる。
まあ、見た感じ、本当に下っ端なんでしょうね。
利用価値はここまでかしら。
「そっか。じゃあ、もう用済みね。」
私がそう言って、懐からキラリと光るナイフを取り出すと、デブBは顔面蒼白になって激しく首を縦に振った。
あら、まだ何か知ってるのかしら?
「(ま、待ってください!ヴァレンシュタイン侯爵の屋敷に、仲間が集まるという話を聞きました!今夜です!)」
ふーん、それは興味深いわね。
悪党たちの秘密会議ってわけ?
面白そうじゃない!
「場所は分かるの?」
デブBは必死に頷く。
よしよし、いい子ね。
「じゃあ、案内してもらうわ。もちろん、あなたも一緒よ、ゴロツキA君。」
私は気絶しているゴロツキAの頬をペチペチと叩いて起こした。
彼は状況が理解できず、目を白黒させている。
まあ、すぐに理解させてあげるわ。
夜。
私はゴロツキAとデブBを先導させ、ヴァレンシュタイン侯爵の屋敷へと向かった。
もちろん、二人には変装させてある。
みすぼらしい旅芸人の格好よ。
これなら、夜道を歩いていても怪しまれないでしょう。
私も、動きやすいように黒っぽい侍女服に着替えた。
顔はフードで隠して、と。
完璧な潜入スタイル!
ヴァレンシュタイン侯爵の屋敷は、王都の一等地にあるだけあって、かなり立派な構えだった。
高い塀に囲まれていて、厳重な警備が敷かれているように見える。
でも、私にかかれば、こんなの無いも同然よ。
「さて、どうやって入ろうかしら?」
私が顎に手を当てて考えていると、デブBが震える声で言った。
「(あ、あの……裏口に、仲間と合流する手筈になっている者がいるはずです……合言葉を言えば……)」
「合言葉?何て言うの?」
「『月夜に踊る黒い影』です……」
……ぷっ!
何その中二病みたいな合言葉!
センスが壊滅的ね!
まあ、使えるものは使わせてもらうわ。
私は二人に「ここで待ってなさい」と命じ、一人で裏口へと向かった。
案の定、裏口には強面の門番が二人。
いかにもって感じね。
「ご苦労様。月夜に踊る黒い影、よ。」
私が声をかけると、門番の一人が訝しげな顔で私を見た。
「ん?お前、見ねえ顔だな。女か?」
「ええ、そうよ。新しく仲間入りしたの。よろしくね?」
私が可愛らしく(自分で言うのもなんだけど)小首を傾げると、門番は少し顔を赤らめた。
ちょろいもんね。
「……まあ、いいだろう。入れ。」
門番が扉を開けてくれた。
やった、第一関門突破!
屋敷の中は、思ったよりも静かだった。
どうやら、会議はまだ始まっていないか、あるいは別の場所で行われているらしい。
私は気配を消し、慎重に屋敷の中を進んだ。
幼い頃、来る日も来る日もかくれんぼに明け暮れ、いつしか誰にも見つからない特殊技能へと昇華させたこの隠密行動は、私の十八番(おはこ)よ。
こういう時には地味に役立つ。
足音を消したり、人の気配を敏感に察知したり。
まさに、私にうってつけの能力ね!
しばらく進むと、奥の部屋から複数の話し声が聞こえてきた。
ここね!
私は壁に張り付き、そっと聞き耳を立てた。
「――では、計画通り、建国記念祭のパレード当日に決行する。」
ヴァレンシュタイン侯爵らしき、低く威圧的な声が響く。
「爆破地点は三箇所。王族が乗る馬車が通過するタイミングで、同時に爆破する。」
「混乱に乗じて、我々の息のかかった騎士たちが陛下を『保護』。その後、ヴァレンシュタイン様が新たな国王として即位される、と。」
「ふふふ、これで長年の我々の悲願が達成されるな。」
悪党たちの楽しそうな声が聞こえてくる。
本当に、絵に描いたような悪巧みね。
でも、一つだけ言わせてもらうわ。
あなたたちの計画、私が全部ぶち壊してあげる!
(さて、どうやって遊んであげようかしら?)
私はニヤリと笑みを浮かべた。
まずは、手始めに……。
私はそっと部屋を離れ、厨房へと向かった。
お屋敷の厨房って、美味しいものがたくさんありそうじゃない?
もちろん、目的はそれだけじゃないわよ。
厨房には、数人の料理人が忙しそうに働いていた。
私は音もなく忍び込み、棚に並べられた香辛料の瓶を手に取った。
中身は……うん、これならいいわ。
超強力な下剤よ。
聖女の知識は、薬草学にも及ぶの。
もちろん、こういう使い方もバッチリよ。
私は、悪党たちが飲むであろうワインの樽に、下剤をたっぷりと投入した。
ふふふ、これで明日の朝は、トイレ争奪戦ね!
想像しただけで笑いがこみ上げてくるわ。
それから、私は侯爵の書斎にも忍び込んだ。
机の上には、計画書らしき羊皮紙の束が。
どれどれ……。
うん、爆破地点や参加者の名前が詳しく書かれているわね。
これは、後で騎士団に匿名で届けてあげましょう。
私は計画書を懐にしまうと、代わりに一枚のメモを置いてきた。
そこには、こう書いておいたわ。
『おいたが過ぎると、痛い目にあうわよ? 聖女より♡』
これで、少しは焦ってくれるかしら?
楽しみね!
さて、今日のところはこれくらいにしておきましょうか。
あまりやりすぎると、計画が中止になっちゃうかもしれないし。
それはそれで、つまらないものね。
私は再び裏口から、ゴロツキAとデブBのもとへ戻った。
二人は、私がなかなか戻ってこないので、すっかり怯えきっていた。
「お待たせ。さあ、帰りましょうか。」
私がにっこり笑いかけると、二人はホッとしたような、でもやっぱり怯えたような複雑な表情を浮かべた。
まあ、無理もないわね。
こんな得体の知れない女に連れ回されているんだもの。
帰り道、私はゴロツキAとデブBに、今日の「お仕事」の報酬として、金貨を数枚握らせた。
「これで美味しいものでも食べなさい。ただし、今日のことは誰にも言っちゃダメよ?もし喋ったら……どうなるか分かるわよね?」
私が耳元で囁くと、二人は顔面蒼白で何度も頷いた。
うん、素直でよろしい。
王宮に戻った私は、さっそく匿名で騎士団に計画書を送り付けた。
これで、騎士団も捜査に乗り出すでしょう。
でも、それだけじゃつまらない。
やっぱり、私も直接参加しないとね!
建国記念祭のパレード当日。
私は、もちろん聖女として、国王陛下の隣に立つことになっている。
絶好のポジションじゃない!
悪党たちがどんな顔で私を見るのか、今から楽しみで仕方ないわ。
そして、私の手には、こっそり用意した秘密兵器が握られている。
それは……ふふふ、まだ内緒よ。
さあ、ショータイムの始まりよ!
せいぜい私を楽しませてちょうだい、ヴァレンシュタイン侯爵!
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