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第54話 黄金の聖餐
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五竜山の山頂カルデラ。
アッシュが投げた、一個の、小さな、黄金色のプリン。
それは、まるで、スローモーションのように、冷たい、白銀の魔力が渦巻く、儀式の中心へと、飛んでいった。
『黎明の子供たち』の、ローブの人物たちは、その、あまりにも、場違いな飛翔体を、意にも介さなかった。
一人が、ただ、面倒そうに、手をかざす。プリンを、中空で停止させ、塵へと、分解するためだ。
銀色の、静寂の魔力が、プリンを、捕らえようと、その、光の壁を、展開した。
次の瞬間。
そこにいた、誰もが、予想しなかった、現象が、起こった。
爆発は、起きなかった。衝撃も、なかった。
アッシュの生命エネルギーが、凝縮された、『黄金プリン』が、敵の、白銀の、静寂の魔力に、触れた、まさに、その瞬間。
ジュッ、と、まるで、熱した鉄板の上の、水滴のように、白銀の光の壁が、蒸発し、消滅したのだ。
黄金のプリンは、その勢いを、全く、緩めることなく、儀式の、中心部、大地の礎石の、すぐ隣に、ぽとり、と、音もなく、着地した。
そして。
その、小さなプリンから、暖かく、穏やかで、しかし、あまりにも、力強い、黄金色の光が、聖なる波動となって、カルデラ全体へと、広がっていった。
それは、焼きたてのパンの香り。夏の日の、心地よい、日差しの温もり。生命そのものが、歌う、喜びの歌。
純粋にして、混沌たる、生命の、輝きだった。
その「黄金の光」は、『黎明の子供たち』が、操る、「白銀の光」にとって、まさしく、天敵だった。
静寂と、秩序、そして、停滞を、司る、彼らの魔力は、生命と、成長、そして、喜びを、司る、アッシュの光の前では、あまりにも、無力だった。
彼らが、設置した、銀色のオベリスクは、その、暖かな光に、当てられて、次々と、亀裂が走り、その機能を、停止させていく。
ローブの人物たちは、頭を押さえ、苦悶の声を上げた。
彼らの、力の源である、白銀の魔力が、中和され、霧散していくのだ。それは、彼らにとって、存在そのものを、否定されるような、感覚だった。
「こ、この光は……!馬鹿な!原初の、生命の輝き、『黄金の光』だと……!?それが、なぜ……!なぜ、プリンに、宿っているのだ!!」
儀式を、指揮していた、ローブの男が、信じられない、といった、悲鳴を上げる。
その混乱の中、ただ一人、ルナだけは、苦しむことなく、その、黄金の光を、浴びていた。その瞳には、深い、悲しみと、そして、どこか、懐かしむような、色が、浮かんでいた。
やがて、儀式は、完全に、崩壊した。
礎石から、立ち上っていた、不気味な、銀色の光の柱は、消え去り、代わりに、大地本来の、力強い、茶色の輝きが、その、穏やかな光を、取り戻した。
「今だ!好機だぞ!」
白銀の魔力の、束縛から、解放された、ブロックが、雄叫びを上げる。
アレクシスもまた、反撃のために、剣を、構え直した。
しかし、『黎明の子供たち』の、リーダー格の男は、素早かった。
「……撤退する!」
彼は、まだ、黄金の光に、見とれている、ルナの手を、強く、引くと、仲間たちと共に、不完全な、銀色の光の中へと、その姿を、消した。
彼らは、敗北したのだ。
後に、残されたのは、静けさを取り戻した、カルデラと、ひび割れた、銀色のオベリスク。そして、大地の礎石の隣で、今なお、穏やかな、黄金の光を、放ち続ける、一個の、完璧なプリンだけだった。
「……あの、ちっこいので、奴らを、追い払っちまったのか……?」
ブロックが、自分の戦斧と、プリンを、見比べながら、呟く。
「そうよ……」
リリアナが、どこか、恍惚とした声で、説明した。
「『黄金の光』……生命そのものの輝き。それが、彼らの、唯一の弱点。そして、アッシュ君は……それを、お料理で、作り出すことが、できるのよ……」
「えーっ!みんな、僕のプリンを、突っつかないでよ!これは、みんなで、仲良く、食べるためのものなんだから!」
アッシュが、駆け寄ってきて、プリンを、大事そうに、拾い上げた。
「ほら、悪い奴らも、いなくなったことだし、みんなで、おやつにしよう!」
世界の、おやつを守るための戦いは、今、その、究極の兵器を、手に入れた。
それは、剣でも、魔法でもない。
ただ、一人の、規格外の少年が、善意と、食欲だけで、作り出す、奇跡の、デザート。
一行は、五竜山の、穏やかになった、山頂で、再び、円になった。
アッシュは、その、世界を救った、光り輝くプリンを、仲間たちに、にこやかに、分け与える。
その味は、もちろん、天上のものだった。
アッシュが投げた、一個の、小さな、黄金色のプリン。
それは、まるで、スローモーションのように、冷たい、白銀の魔力が渦巻く、儀式の中心へと、飛んでいった。
『黎明の子供たち』の、ローブの人物たちは、その、あまりにも、場違いな飛翔体を、意にも介さなかった。
一人が、ただ、面倒そうに、手をかざす。プリンを、中空で停止させ、塵へと、分解するためだ。
銀色の、静寂の魔力が、プリンを、捕らえようと、その、光の壁を、展開した。
次の瞬間。
そこにいた、誰もが、予想しなかった、現象が、起こった。
爆発は、起きなかった。衝撃も、なかった。
アッシュの生命エネルギーが、凝縮された、『黄金プリン』が、敵の、白銀の、静寂の魔力に、触れた、まさに、その瞬間。
ジュッ、と、まるで、熱した鉄板の上の、水滴のように、白銀の光の壁が、蒸発し、消滅したのだ。
黄金のプリンは、その勢いを、全く、緩めることなく、儀式の、中心部、大地の礎石の、すぐ隣に、ぽとり、と、音もなく、着地した。
そして。
その、小さなプリンから、暖かく、穏やかで、しかし、あまりにも、力強い、黄金色の光が、聖なる波動となって、カルデラ全体へと、広がっていった。
それは、焼きたてのパンの香り。夏の日の、心地よい、日差しの温もり。生命そのものが、歌う、喜びの歌。
純粋にして、混沌たる、生命の、輝きだった。
その「黄金の光」は、『黎明の子供たち』が、操る、「白銀の光」にとって、まさしく、天敵だった。
静寂と、秩序、そして、停滞を、司る、彼らの魔力は、生命と、成長、そして、喜びを、司る、アッシュの光の前では、あまりにも、無力だった。
彼らが、設置した、銀色のオベリスクは、その、暖かな光に、当てられて、次々と、亀裂が走り、その機能を、停止させていく。
ローブの人物たちは、頭を押さえ、苦悶の声を上げた。
彼らの、力の源である、白銀の魔力が、中和され、霧散していくのだ。それは、彼らにとって、存在そのものを、否定されるような、感覚だった。
「こ、この光は……!馬鹿な!原初の、生命の輝き、『黄金の光』だと……!?それが、なぜ……!なぜ、プリンに、宿っているのだ!!」
儀式を、指揮していた、ローブの男が、信じられない、といった、悲鳴を上げる。
その混乱の中、ただ一人、ルナだけは、苦しむことなく、その、黄金の光を、浴びていた。その瞳には、深い、悲しみと、そして、どこか、懐かしむような、色が、浮かんでいた。
やがて、儀式は、完全に、崩壊した。
礎石から、立ち上っていた、不気味な、銀色の光の柱は、消え去り、代わりに、大地本来の、力強い、茶色の輝きが、その、穏やかな光を、取り戻した。
「今だ!好機だぞ!」
白銀の魔力の、束縛から、解放された、ブロックが、雄叫びを上げる。
アレクシスもまた、反撃のために、剣を、構え直した。
しかし、『黎明の子供たち』の、リーダー格の男は、素早かった。
「……撤退する!」
彼は、まだ、黄金の光に、見とれている、ルナの手を、強く、引くと、仲間たちと共に、不完全な、銀色の光の中へと、その姿を、消した。
彼らは、敗北したのだ。
後に、残されたのは、静けさを取り戻した、カルデラと、ひび割れた、銀色のオベリスク。そして、大地の礎石の隣で、今なお、穏やかな、黄金の光を、放ち続ける、一個の、完璧なプリンだけだった。
「……あの、ちっこいので、奴らを、追い払っちまったのか……?」
ブロックが、自分の戦斧と、プリンを、見比べながら、呟く。
「そうよ……」
リリアナが、どこか、恍惚とした声で、説明した。
「『黄金の光』……生命そのものの輝き。それが、彼らの、唯一の弱点。そして、アッシュ君は……それを、お料理で、作り出すことが、できるのよ……」
「えーっ!みんな、僕のプリンを、突っつかないでよ!これは、みんなで、仲良く、食べるためのものなんだから!」
アッシュが、駆け寄ってきて、プリンを、大事そうに、拾い上げた。
「ほら、悪い奴らも、いなくなったことだし、みんなで、おやつにしよう!」
世界の、おやつを守るための戦いは、今、その、究極の兵器を、手に入れた。
それは、剣でも、魔法でもない。
ただ、一人の、規格外の少年が、善意と、食欲だけで、作り出す、奇跡の、デザート。
一行は、五竜山の、穏やかになった、山頂で、再び、円になった。
アッシュは、その、世界を救った、光り輝くプリンを、仲間たちに、にこやかに、分け与える。
その味は、もちろん、天上のものだった。
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