173 / 206
第二章
54
しおりを挟む
試合には勝ったわけだが、さすがにこのままあの女を許すのは、我慢ならない。
私だから勝てたものを、もしもここに立たされたのがララなら、間違いなくあの女の望み通りの展開になっていたことだろう。
あの自分勝手な我儘女の性根を叩き直してやらなければ。
貴賓席へと体を向けた。
「ソフィア!!」
広い闘技場で、私の声はよく響いた。
「降りてきなさい。勝負しましょう。あなたが勝ったら、二度とスペードの国には戻らないと約束してあげるわ!」
見ればソフィアは黒いロープのようなもので拘束されている。もしかすると問題はすでに解決したのかもしれない。
だけど。
貴賓席のルーファスに、目を合わせた。
この落とし前は、私が自分で付ける。だからさっさとその馬鹿女をこっちに寄越しなさい。
極めて正確に受け取ったルーファスが嘆息ののち、指示を出す姿が見えた。
こちらを睨む亜麻色の髪の女に、にっこりと微笑んでやる。
「さっきは可愛い子猫ちゃんをどうも。良い癒しの時間だったわ」
「…………」
ソフィアの目には、私への憎悪とも取れる感情と、わずかに浮かんだ怯えが見える。
「私に勝ったら、罪も帳消しになるようルーファスに頼んであげるわ。ルーファスは私の言うことならなんでも聞いてくれるの。だから気兼ねせずに楽しみましょうね」
嘘だ。どう頼んだって、ルーファスはおろかゼンやノエル、オーウェンが絶対に許すわけがない。良くて闇討ちされると思う。
けど、このくらいの嘘はいいわよね。負けるわけがないし。
ソフィアの顔がどす黒く染まり、こちらへの憎しみが深まる。上でルーファスに手酷く振られでもしたのかしら。
ソフィアが剣を抜き、なんとも頼りなく構える。
きっと剣の稽古もしたことなければ、鍛錬するなんて考えたこともないんだわ。……コニーさんもザックも、剣を抜けばきっと勝てただろうに。
そう残念に思わざるを得ないほど、ソフィアの構えは隙だらけだった。
「どこからでもどうぞ。私は素手で相手するわね」
両手を広げて見せつける。剣は後で必ず返してもらわなきゃ。
「……うるっさい!! この、ババア! 全部あんたのせいだ!!」
バ。
ソフィアが持ち上げた剣を、思い切り振り下ろす。半歩下がって避ければ、その剣は地面を叩いた。その剣身を踏みつける。たったそれだけで、この女は剣を使えなくなった。
「ババアは良くない。訂正しなさい」
優しく。優しく諭してあげる。怒ってるんじゃないわよ。
だがソフィアは勝ち誇ったように笑った。
「私は十代で死んだけどぉ、どうせあんたは三十過ぎてんでしょ。喋ってたら分かるっつの。若い男に色目使って恥ずかしくないわけ?」
これでもかと若さをひけらかすソフィアを鼻で笑ってやる。
「その若い若いソフィアちゃんに、ルーファス達はどんな愛を囁いてくれたのかしら。聞いてみたいものだわ」
この程度の挑発で、ソフィアの顔がサッと朱を増し、睨んでくる。ルーファス達はどうやらかなり手酷くやったらしい。
とはいえ会話をしていれば、こんな子供を相手に怒っているのが馬鹿らしく思えてきた。コニーさん殺害の容疑がはっきりした以上、後は三発ほど殴らせてもらって手打ちにしてもいいかもしれないな。
ザックへの殺人未遂の分と私の右手の分、そしてグレンへの誘惑という名のセクハラの分だ。この女からのお誘いがかなりの恐怖だったようだから、それに関しては笑えるけど。
さて、それじゃあ一発行くかと、拳を握る。
だが突然、俯いていた目の前の女は、肩を震わせ、壊れたように笑い出した。
「……あはははっ! ルーファスがあんたの言うことならなんでも聞いてくれるって? 笑えるわ。ララに取られたくせに」
さっき言ったのは、この女を悔しがらせるためについた嘘だ。そこを突いてきても私にはなんの痛手もない。
「取られたんじゃなく、ルーファスが自分でララを選んだのよ。それに私には」
「オーウェンでしょ。ララから聞いたわ。残念よねぇ。せっかくスペードに行ったのに、ララに取られてさぁ」
「だから、ルーファス達は幼馴染で大切な友人なの。あなたみたいな上部だけの関係と違って、心から信頼の厚い親友よ」
これに関しては押し問答になるかもしれない。友人が恋人よりも上と考える人に、この関係が理解されないのにはもう慣れている。
さっさと殴って終わりにして、ちょっとルーファスに演技してもらおうかしら。仲の良さを見せつけてやれば、私の溜飲も多少は下がる。
「ただの負け惜しみじゃん。ルーファス達を取られたから、オーウェンにしたんでしょ」
再度拳を握った時に言われた言葉の意味が、よくわからなかった。思わず首が傾く。
「なぁに? 取られたからオーウェンにってどういうこと?」
ソフィアは、私を突くならここと判断したらしい。顔に喜色を浮かべて言った。
「だから、ルーファス達に振られたから、オーウェンで妥協したんでしょって言ったんだよ、オバサン!」
ソフィアの体が吹っ飛び、転がっていった。
唇の端に血を滲ませたソフィアは、なにが起きたのか分からなかったらしい。首を振り、突然視界が低くなったことに混乱している様子が分かる。
一歩づつ近付いた。
「殺人容疑なんてね、別にかけられても構わないのよ。剣の形状から私の犯行でないことは、馬鹿でもなければ分かるから」
声に反応してこちらを睨んだソフィアの目が怯えに変わって揺れた。
「地下牢に入れられるのも、まぁいいわ。嫌がったところで味方もいなかったし、なによりどうせすぐに疑いは晴れるんだから。可愛いお土産ももらえたことだしね」
「食事もまぁ、許容できる。幼稚な嫌がらせよ。私達のような騎士職の人間は、本来なら食事を抜く訓練をするの。私の場合水には困らないし、数日食べないくらいなんてことないわ」
「闘技場に入れるのも……私なら、許してあげる。大抵の相手には勝てるし、しばらく閉じ込められていたから体を動かせて、むしろ大歓迎ってくらいよ」
「けどね」
掴んで引き寄せたのは、亜麻色の長い髪だ。
「オーウェンへの侮辱だけは、許容しない」
痛い痛いと喚く馬鹿を引き摺り立たせる。
右拳を握り、渾身の力を込めて殴り付けた。
地面で跳ねて、細い体が飛んでいく。
そちらに目を向けて、転がったままの派手な意匠の剣を右手で取り上げた。
やっと起き上がったらしいソフィアが唇を震わせながら、青ざめた顔をこちらに向けてくる。
信頼していたこの女に剣を向けられたコニーさんは、今のお前よりも深く恐怖しただろう。
「三発で済ませてやろうなんて、甘い考えだった」
剣を肩に担いで、歩み寄る。柄が少し滑るが、どうでもいい。
「──ごめんなさいっ……ごめんなさいっ!! あ、謝るから許して……っ」
ずりずりと後ずさって、なかなかソフィアの元へと辿りつかない。歩調を早めて、腹を踏みつけた。
ソフィアの顔に恐怖が浮かぶ。
「謝罪というのは、受け入れられなければ、なんの意味もないものよ」
そして私に、受け入れるつもりは、ない。
私だから勝てたものを、もしもここに立たされたのがララなら、間違いなくあの女の望み通りの展開になっていたことだろう。
あの自分勝手な我儘女の性根を叩き直してやらなければ。
貴賓席へと体を向けた。
「ソフィア!!」
広い闘技場で、私の声はよく響いた。
「降りてきなさい。勝負しましょう。あなたが勝ったら、二度とスペードの国には戻らないと約束してあげるわ!」
見ればソフィアは黒いロープのようなもので拘束されている。もしかすると問題はすでに解決したのかもしれない。
だけど。
貴賓席のルーファスに、目を合わせた。
この落とし前は、私が自分で付ける。だからさっさとその馬鹿女をこっちに寄越しなさい。
極めて正確に受け取ったルーファスが嘆息ののち、指示を出す姿が見えた。
こちらを睨む亜麻色の髪の女に、にっこりと微笑んでやる。
「さっきは可愛い子猫ちゃんをどうも。良い癒しの時間だったわ」
「…………」
ソフィアの目には、私への憎悪とも取れる感情と、わずかに浮かんだ怯えが見える。
「私に勝ったら、罪も帳消しになるようルーファスに頼んであげるわ。ルーファスは私の言うことならなんでも聞いてくれるの。だから気兼ねせずに楽しみましょうね」
嘘だ。どう頼んだって、ルーファスはおろかゼンやノエル、オーウェンが絶対に許すわけがない。良くて闇討ちされると思う。
けど、このくらいの嘘はいいわよね。負けるわけがないし。
ソフィアの顔がどす黒く染まり、こちらへの憎しみが深まる。上でルーファスに手酷く振られでもしたのかしら。
ソフィアが剣を抜き、なんとも頼りなく構える。
きっと剣の稽古もしたことなければ、鍛錬するなんて考えたこともないんだわ。……コニーさんもザックも、剣を抜けばきっと勝てただろうに。
そう残念に思わざるを得ないほど、ソフィアの構えは隙だらけだった。
「どこからでもどうぞ。私は素手で相手するわね」
両手を広げて見せつける。剣は後で必ず返してもらわなきゃ。
「……うるっさい!! この、ババア! 全部あんたのせいだ!!」
バ。
ソフィアが持ち上げた剣を、思い切り振り下ろす。半歩下がって避ければ、その剣は地面を叩いた。その剣身を踏みつける。たったそれだけで、この女は剣を使えなくなった。
「ババアは良くない。訂正しなさい」
優しく。優しく諭してあげる。怒ってるんじゃないわよ。
だがソフィアは勝ち誇ったように笑った。
「私は十代で死んだけどぉ、どうせあんたは三十過ぎてんでしょ。喋ってたら分かるっつの。若い男に色目使って恥ずかしくないわけ?」
これでもかと若さをひけらかすソフィアを鼻で笑ってやる。
「その若い若いソフィアちゃんに、ルーファス達はどんな愛を囁いてくれたのかしら。聞いてみたいものだわ」
この程度の挑発で、ソフィアの顔がサッと朱を増し、睨んでくる。ルーファス達はどうやらかなり手酷くやったらしい。
とはいえ会話をしていれば、こんな子供を相手に怒っているのが馬鹿らしく思えてきた。コニーさん殺害の容疑がはっきりした以上、後は三発ほど殴らせてもらって手打ちにしてもいいかもしれないな。
ザックへの殺人未遂の分と私の右手の分、そしてグレンへの誘惑という名のセクハラの分だ。この女からのお誘いがかなりの恐怖だったようだから、それに関しては笑えるけど。
さて、それじゃあ一発行くかと、拳を握る。
だが突然、俯いていた目の前の女は、肩を震わせ、壊れたように笑い出した。
「……あはははっ! ルーファスがあんたの言うことならなんでも聞いてくれるって? 笑えるわ。ララに取られたくせに」
さっき言ったのは、この女を悔しがらせるためについた嘘だ。そこを突いてきても私にはなんの痛手もない。
「取られたんじゃなく、ルーファスが自分でララを選んだのよ。それに私には」
「オーウェンでしょ。ララから聞いたわ。残念よねぇ。せっかくスペードに行ったのに、ララに取られてさぁ」
「だから、ルーファス達は幼馴染で大切な友人なの。あなたみたいな上部だけの関係と違って、心から信頼の厚い親友よ」
これに関しては押し問答になるかもしれない。友人が恋人よりも上と考える人に、この関係が理解されないのにはもう慣れている。
さっさと殴って終わりにして、ちょっとルーファスに演技してもらおうかしら。仲の良さを見せつけてやれば、私の溜飲も多少は下がる。
「ただの負け惜しみじゃん。ルーファス達を取られたから、オーウェンにしたんでしょ」
再度拳を握った時に言われた言葉の意味が、よくわからなかった。思わず首が傾く。
「なぁに? 取られたからオーウェンにってどういうこと?」
ソフィアは、私を突くならここと判断したらしい。顔に喜色を浮かべて言った。
「だから、ルーファス達に振られたから、オーウェンで妥協したんでしょって言ったんだよ、オバサン!」
ソフィアの体が吹っ飛び、転がっていった。
唇の端に血を滲ませたソフィアは、なにが起きたのか分からなかったらしい。首を振り、突然視界が低くなったことに混乱している様子が分かる。
一歩づつ近付いた。
「殺人容疑なんてね、別にかけられても構わないのよ。剣の形状から私の犯行でないことは、馬鹿でもなければ分かるから」
声に反応してこちらを睨んだソフィアの目が怯えに変わって揺れた。
「地下牢に入れられるのも、まぁいいわ。嫌がったところで味方もいなかったし、なによりどうせすぐに疑いは晴れるんだから。可愛いお土産ももらえたことだしね」
「食事もまぁ、許容できる。幼稚な嫌がらせよ。私達のような騎士職の人間は、本来なら食事を抜く訓練をするの。私の場合水には困らないし、数日食べないくらいなんてことないわ」
「闘技場に入れるのも……私なら、許してあげる。大抵の相手には勝てるし、しばらく閉じ込められていたから体を動かせて、むしろ大歓迎ってくらいよ」
「けどね」
掴んで引き寄せたのは、亜麻色の長い髪だ。
「オーウェンへの侮辱だけは、許容しない」
痛い痛いと喚く馬鹿を引き摺り立たせる。
右拳を握り、渾身の力を込めて殴り付けた。
地面で跳ねて、細い体が飛んでいく。
そちらに目を向けて、転がったままの派手な意匠の剣を右手で取り上げた。
やっと起き上がったらしいソフィアが唇を震わせながら、青ざめた顔をこちらに向けてくる。
信頼していたこの女に剣を向けられたコニーさんは、今のお前よりも深く恐怖しただろう。
「三発で済ませてやろうなんて、甘い考えだった」
剣を肩に担いで、歩み寄る。柄が少し滑るが、どうでもいい。
「──ごめんなさいっ……ごめんなさいっ!! あ、謝るから許して……っ」
ずりずりと後ずさって、なかなかソフィアの元へと辿りつかない。歩調を早めて、腹を踏みつけた。
ソフィアの顔に恐怖が浮かぶ。
「謝罪というのは、受け入れられなければ、なんの意味もないものよ」
そして私に、受け入れるつもりは、ない。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ヒロインしか愛さないはずの公爵様が、なぜか悪女の私を手放さない
魚谷
恋愛
伯爵令嬢イザベラは多くの男性と浮名を流す悪女。
そんな彼女に公爵家当主のジークベルトとの縁談が持ち上がった。
ジークベルトと対面した瞬間、前世の記憶がよみがえり、この世界が乙女ゲームであることを自覚する。
イザベラは、主要攻略キャラのジークベルトの裏の顔を知ってしまったがために、冒頭で殺されてしまうモブキャラ。
ゲーム知識を頼りに、どうにか冒頭死を回避したイザベラは最弱魔法と言われる付与魔法と前世の知識を頼りに便利グッズを発明し、離婚にそなえて資金を確保する。
いよいよジークベルトが、乙女ゲームのヒロインと出会う。
離婚を切り出されることを待っていたイザベラだったが、ジークベルトは平然としていて。
「どうして俺がお前以外の女を愛さなければならないんだ?」
予想外の溺愛が始まってしまう!
(世界の平和のためにも)ヒロインに惚れてください、公爵様!!
子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました
もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます
久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。
その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。
1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。
しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか?
自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと!
自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ?
ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ!
他サイトにて別名義で掲載していた作品です。
転生したら乙女ゲームの主人公の友達になったんですが、なぜか私がモテてるんですが?
山下小枝子
恋愛
田舎に住むごく普通のアラサー社畜の私は車で帰宅中に、
飛び出してきた猫かたぬきを避けようとしてトラックにぶつかりお陀仏したらしく、
気付くと、最近ハマっていた乙女ゲームの世界の『主人公の友達』に転生していたんだけど、
まぁ、友達でも二次元女子高生になれたし、
推しキャラやイケメンキャラやイケオジも見れるし!楽しく過ごそう!と、
思ってたらなぜか主人公を押し退け、
攻略対象キャラからモテまくる事態に・・・・
ちょ、え、これどうしたらいいの!!!嬉しいけど!!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる