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第18話
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まだまだ賑わっている屋台街を離れ、俺たちは酒場へとやってきた。
カウンターにマスターの男性が立っていて、もう1人の女性がせっせと料理を運んでいる。
彼らがあの御者の両親なのだろう。
「いらっしゃい。お好きな席にどうぞ」
俺たちは丸い机を囲んで座る。
女性の店員が紙を机に置いてくれた。
「今日のメニューね」
獣人がこの街に来るのはそれなりに珍しいことなのか、店内の視線が一瞬2人に集まった。
だけど、みんなまた酒を飲み始める。
屋台街でも視線は向けられたが、あまり絡まれはしなかったしな。
適当に酒と料理を注文すると、まずは酒が運ばれてきた。
俺はこの近くの名物だというエール。
2人はワインだ。
「それじゃ、乾杯」
「乾杯」
「かんぱ~い」
コツンとコップを当て合い、それから一口。
うん、美味い。
「このワイン、美味しい」
「うん。でもレイネ、あんま飲み過ぎないでよ」
「分かってるよ」
2人も酒を楽しんでいるようだ。
しばらくすると、料理も運ばれてきた。
どれも酒と合いそうなメニューばかりだ。
「屋台街の賑やかな感じもいいけど、ここの落ち着いた雰囲気もいいな」
「そうですね」
1人で、あるいは小さな声で談笑しながら、みんな静かに酒を楽しんでいる。
もちろん、賑やかな酒場もあるけど、こういう雰囲気も俺は好きだ。
酒をお代わりしつつ、飲み食いして1時間くらいたっただろうか。
ふと、レイネがしゃっくりをした。
ネミリが優しく背中をさする。
「ひっく、ひっく」
「ほーら、飲み過ぎないでって言ったのに」
「まだ、ひっく、そんなに、ひっく、飲んでない、ひっく、ひっく、ひっく」
「あーグレン。もう少し楽しみたいところなんだけど、そろそろ宿屋に戻らない?」
「いいけど……レイネ、酒に弱かったのか?だとしたら悪いことをしたな」
「んー、飲めないわけじゃないんだよ。でも酔っ払うと面倒くさいから」
「あんまりイメージつかないな。ネミリはともかく」
「ちょっとぉ?」
ネミリは酔っ払うとだる絡みしてきたり、あるいは机に突っ伏して寝たりしそうな感じがする。
あくまでも感じがするだけで、実際に酒を飲んでもネミリは顔が赤くなってすらいないけど。
レイネの方が何も変わらずに飲んでそうだけど、実際には寄ってしまったようだ。
「ささ、お金を払って出ようか」
「えらく急いでるな」
「酔っ払った暴走モードのレイネに酒場、いや街ごと消し飛ばされたらたまんないからね」
「……そんなにやばいのか?」
「封印される前、酔っ払ったレイネが結構大きな湖を干上がらせちゃったことがある」
「よし、早く出るぞ」
「まだ、ひっく、飲めます、ひっく、ひっく、ひっく」
「ダメだこりゃ。【肉球次元】」
「まだ飲めぇ……」
ネミリは右手を猫に変えると、レイネを異空間へと収納した。
その間に俺は金を払って、酒場を出る。
道に出ると、ネミリはポンッという音ともに猫の姿になった。
宿にはこの姿で行かないといけないからな。
「レイネはどうするんだ?」
「今晩はこのままかな。多分、あっちでも普通に寝れるし」
「そうか」
宿の部屋に入り、ベッドに腰を下ろして一息つく。
人間用のベッドと猫用のベッド、両方が用意されているいい宿だ。
ネミリは早速、自分のベッドに入って丸くなる。
俺も人間用のベッドで眠りにつくのだった。
翌朝。
目が覚めて体を起こしたら、床に正座したレイネがこちらを見つめていた。
「ご主人様」
「どうした?」
「昨晩は醜態をさらしてしまい申し訳ありませんでした。私としたことが、何という不覚……っ」
「大丈夫だ。事件になる前に、ネミリが防いでくれたからな。気にすることはない」
事実、誰も被害は受けていないわけだし。
さて、今日はいよいよセグレルダに到着の予定だ。
と、その前に、冒険者協会でモンスターを解体してもらってアイテムを換金しないと。
「ネミリ、モンスターは収納してあるよな?」
「あーそれが……」
ネミリは苦笑いを浮かべ、レイネは青い顔をしている。
そういえば昨晩、レイネってモンスターと同じ空間にいたんだよな。
そして酔っぱらっていたと。
「レイネが暴れて全部ぐっちゃぐちゃにしちゃった」
「も、申し訳ありませんでしたっ!」
めちゃくちゃ謝るレイネと、だから言ったのにとため息をつくネミリだった。
カウンターにマスターの男性が立っていて、もう1人の女性がせっせと料理を運んでいる。
彼らがあの御者の両親なのだろう。
「いらっしゃい。お好きな席にどうぞ」
俺たちは丸い机を囲んで座る。
女性の店員が紙を机に置いてくれた。
「今日のメニューね」
獣人がこの街に来るのはそれなりに珍しいことなのか、店内の視線が一瞬2人に集まった。
だけど、みんなまた酒を飲み始める。
屋台街でも視線は向けられたが、あまり絡まれはしなかったしな。
適当に酒と料理を注文すると、まずは酒が運ばれてきた。
俺はこの近くの名物だというエール。
2人はワインだ。
「それじゃ、乾杯」
「乾杯」
「かんぱ~い」
コツンとコップを当て合い、それから一口。
うん、美味い。
「このワイン、美味しい」
「うん。でもレイネ、あんま飲み過ぎないでよ」
「分かってるよ」
2人も酒を楽しんでいるようだ。
しばらくすると、料理も運ばれてきた。
どれも酒と合いそうなメニューばかりだ。
「屋台街の賑やかな感じもいいけど、ここの落ち着いた雰囲気もいいな」
「そうですね」
1人で、あるいは小さな声で談笑しながら、みんな静かに酒を楽しんでいる。
もちろん、賑やかな酒場もあるけど、こういう雰囲気も俺は好きだ。
酒をお代わりしつつ、飲み食いして1時間くらいたっただろうか。
ふと、レイネがしゃっくりをした。
ネミリが優しく背中をさする。
「ひっく、ひっく」
「ほーら、飲み過ぎないでって言ったのに」
「まだ、ひっく、そんなに、ひっく、飲んでない、ひっく、ひっく、ひっく」
「あーグレン。もう少し楽しみたいところなんだけど、そろそろ宿屋に戻らない?」
「いいけど……レイネ、酒に弱かったのか?だとしたら悪いことをしたな」
「んー、飲めないわけじゃないんだよ。でも酔っ払うと面倒くさいから」
「あんまりイメージつかないな。ネミリはともかく」
「ちょっとぉ?」
ネミリは酔っ払うとだる絡みしてきたり、あるいは机に突っ伏して寝たりしそうな感じがする。
あくまでも感じがするだけで、実際に酒を飲んでもネミリは顔が赤くなってすらいないけど。
レイネの方が何も変わらずに飲んでそうだけど、実際には寄ってしまったようだ。
「ささ、お金を払って出ようか」
「えらく急いでるな」
「酔っ払った暴走モードのレイネに酒場、いや街ごと消し飛ばされたらたまんないからね」
「……そんなにやばいのか?」
「封印される前、酔っ払ったレイネが結構大きな湖を干上がらせちゃったことがある」
「よし、早く出るぞ」
「まだ、ひっく、飲めます、ひっく、ひっく、ひっく」
「ダメだこりゃ。【肉球次元】」
「まだ飲めぇ……」
ネミリは右手を猫に変えると、レイネを異空間へと収納した。
その間に俺は金を払って、酒場を出る。
道に出ると、ネミリはポンッという音ともに猫の姿になった。
宿にはこの姿で行かないといけないからな。
「レイネはどうするんだ?」
「今晩はこのままかな。多分、あっちでも普通に寝れるし」
「そうか」
宿の部屋に入り、ベッドに腰を下ろして一息つく。
人間用のベッドと猫用のベッド、両方が用意されているいい宿だ。
ネミリは早速、自分のベッドに入って丸くなる。
俺も人間用のベッドで眠りにつくのだった。
翌朝。
目が覚めて体を起こしたら、床に正座したレイネがこちらを見つめていた。
「ご主人様」
「どうした?」
「昨晩は醜態をさらしてしまい申し訳ありませんでした。私としたことが、何という不覚……っ」
「大丈夫だ。事件になる前に、ネミリが防いでくれたからな。気にすることはない」
事実、誰も被害は受けていないわけだし。
さて、今日はいよいよセグレルダに到着の予定だ。
と、その前に、冒険者協会でモンスターを解体してもらってアイテムを換金しないと。
「ネミリ、モンスターは収納してあるよな?」
「あーそれが……」
ネミリは苦笑いを浮かべ、レイネは青い顔をしている。
そういえば昨晩、レイネってモンスターと同じ空間にいたんだよな。
そして酔っぱらっていたと。
「レイネが暴れて全部ぐっちゃぐちゃにしちゃった」
「も、申し訳ありませんでしたっ!」
めちゃくちゃ謝るレイネと、だから言ったのにとため息をつくネミリだった。
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