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プロローグ
魔界でのあれこれ
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バエルはルルイエに目をつけられてしまい、しかも悪魔という本来人間が生きる人生とは全く別の生活を余儀なくされるルナに対して酷く同情した。
(16歳・・・まだ己が足で立ち始めたばかりではないのか・・・?そのような子を悪魔に・・・)
それには長命すぎるが故に短命な人間に対する誤解も往々にしてあったが。そして彼も老人として若いものを導く立場でもある。言うなればお爺ちゃん的な考え方もしている。
そんな彼が同情し、命名式を通じて後見人的な立場になると行きつく考えというのが
(ワシが守護らねばならぬ・・・)
というものである。これに関しては見た目からして善人オーラを放っているルナの人徳というものもあったのだが。
さらに言うと新入りと言っても悪魔の新入りとは酸いも甘いも噛み分けた達人ばかり。褒めて喜ぶ事もなく、諫めても反省する事もない。いつの間にか自身の宝物や権威に手をつけるような海千山千の狸爺と狐婆ばかり。
それに対して目の前の水晶が映し出した少女はあどけなさが残る純粋そうな見た目である。しかもたったの16歳!文字通りの子供である。
「えぇと、どうかしら?」
「?」
「大丈夫?おじぃちゃん?ボケちゃった?」
どうやら考え込んでいたようだ。それはそれとしてルルイエの失言に今日3発目の火柱が上がる。今度は足元に毒草を撒く事も忘れない。
「ゲーッホゲホゲホ!」
「命名式は任せておけ、出来うる限りの手を打つとしよう」
毒草の煙に巻かれて咽せまくっているルルイエにバエルはそう答えた。喉を押さえて悶えているのを見てバエルは嬉しそうに杖の石突で突きまくる。
「オェーッホゲホゲホ!」
「ぐふふ、用件はそれだけか、ならばさっさと帰るがいい」
「ゴホゴホ!」
「なんだ、動けぬのか、ならば外に送り出してやるぞ」
バエルは窓を開けると杖を握り締め、ゴルフのスイングでルルイエを窓から叩き出した。
『ギャー!』
「ふっふっふっ、命名式か。楽しくなってきたわい」
遠くに消えていくルルイエを見ながらバエルはのそりと体を起こし、部屋を出ていく。その顔は先ほどの退屈など忘れて期待に満ちていた。
「というわけで、明日あたりにお出かけしましょうね」
「というわけで?」
時間は戻って大騒ぎの数日後。魔法局の職員と日光教の悪魔祓いによるガサ入れが行われ、トップを失って狼狽えている闇のオークションは大騒ぎになっていた。エルドもそれに参加し、今はデスクワーカーながら昔取った杵柄ということで現場指揮を行っている。
一応の脅威が去ったことでアダムも今は学校に戻っているが何かあったらすぐに連絡するようにとルナは再三言い含められた。
「泊まりになるかもしれないからお母さんに伝えておいて頂戴」
「突然すぎて困るんですが」
唐突に現れたルルイエに連れ出されて話している場所はエトナ―が塒にしている古い教会。おそらくここに魔術的なアンテナでも立てているのだろう。拉致同然に道端で捕まって連れてこられたのである。
「貴女の体の事だから多少無茶でも通さないといけないの。なんなら私からも説明しておこうか?」
「うーんと、その方がいいかもです」
当然ながらルナの誘拐騒ぎから両親は相当に心配しており、エルドとルルイエがルナを連れ帰ったから良かったものの彼女の母親の狼狽えっぷりはすさまじいものだった。
ルルイエも流石にそんな母親の説得をルナ一人に任せるのも気が引けたのかまだ学校がお休みの内に両親に相談することにした。
「とうちゃーく」
「魔法ってすごい」
教会から景色がにじむように家の前に変化した。相変わらずのでたらめな魔法にルナは最初こそ驚いていたが最近は慣れてきた。
「ごめんくださーい」
ルルイエは玄関を開けるとそのままずかずかと入っていく。遠慮とかないんだろうか。
「先生、あの、もうちょっと待ってもらって」
「そうしたいのはやまやまなんだけど時間が無いのよ。老人はせっかちでさ」
ルナはその言葉を聞いてきょとんとしたが、同時になんだか知らない誰かが怒っているような不思議な気持ちがした。そんなことはお構いなしにルルイエはリビングでまったりしていたルナの母、アリシアは突然来訪したルルイエに仰天した。
「こんにちわ!」
「ひゃー!こんにちわ!」
飛び上がってわたわたしつつも挨拶を返す律儀なアリシアにルルイエはにっこり。ルナが遅れて入ってくるとアリシアはとても困った様子でルナを見ている。
「ごめんねお母さん、突然だから私もちょっとワケがわからなくて・・・」
「そうだったの、えっと、とりあえずお茶でも出しましょうか」
ルルイエは親子がそろっておたおたしているのを眺めながら笑みを深めている。ルルイエにとってはルナそっくりの可愛らしい奥様がそろって同じような動きをしているのがおもしろいのだろう。いじりがいがあるとでも思っているのだろうか。
「実は明日にルナちゃんに魔法使いとしての集会に参加してもらおうと思っているんです」
「まあ、それはまた急に・・・でもどうして・・・?」
ルルイエは魔法使いの集会、と言ったがもちろん嘘である。集会というのはまあ外れてはいないだろうが実際集まるのは魔法使いどころか聖職者すら恐れる大悪魔の集う儀式の会場である。
「前回の騒動から私達の方でもルナちゃんの面通しをして彼女に何かあった時に保護してもらおうという運びになりましてね」
「そうだったんですか、確かにとても大切なことだとは思いますが・・・」
アリシアは娘の事と話を聞いていたがそれでもいくつか腑に落ちないことがあった。
「魔法使いの方はあまり交流が無いと聞いたのですが・・・」
「ああ、それ自体はなんというか、そうでもあるしそうでもないと言えます」
ルルイエはそう言うと魔法使いについての説明を始めた。
(16歳・・・まだ己が足で立ち始めたばかりではないのか・・・?そのような子を悪魔に・・・)
それには長命すぎるが故に短命な人間に対する誤解も往々にしてあったが。そして彼も老人として若いものを導く立場でもある。言うなればお爺ちゃん的な考え方もしている。
そんな彼が同情し、命名式を通じて後見人的な立場になると行きつく考えというのが
(ワシが守護らねばならぬ・・・)
というものである。これに関しては見た目からして善人オーラを放っているルナの人徳というものもあったのだが。
さらに言うと新入りと言っても悪魔の新入りとは酸いも甘いも噛み分けた達人ばかり。褒めて喜ぶ事もなく、諫めても反省する事もない。いつの間にか自身の宝物や権威に手をつけるような海千山千の狸爺と狐婆ばかり。
それに対して目の前の水晶が映し出した少女はあどけなさが残る純粋そうな見た目である。しかもたったの16歳!文字通りの子供である。
「えぇと、どうかしら?」
「?」
「大丈夫?おじぃちゃん?ボケちゃった?」
どうやら考え込んでいたようだ。それはそれとしてルルイエの失言に今日3発目の火柱が上がる。今度は足元に毒草を撒く事も忘れない。
「ゲーッホゲホゲホ!」
「命名式は任せておけ、出来うる限りの手を打つとしよう」
毒草の煙に巻かれて咽せまくっているルルイエにバエルはそう答えた。喉を押さえて悶えているのを見てバエルは嬉しそうに杖の石突で突きまくる。
「オェーッホゲホゲホ!」
「ぐふふ、用件はそれだけか、ならばさっさと帰るがいい」
「ゴホゴホ!」
「なんだ、動けぬのか、ならば外に送り出してやるぞ」
バエルは窓を開けると杖を握り締め、ゴルフのスイングでルルイエを窓から叩き出した。
『ギャー!』
「ふっふっふっ、命名式か。楽しくなってきたわい」
遠くに消えていくルルイエを見ながらバエルはのそりと体を起こし、部屋を出ていく。その顔は先ほどの退屈など忘れて期待に満ちていた。
「というわけで、明日あたりにお出かけしましょうね」
「というわけで?」
時間は戻って大騒ぎの数日後。魔法局の職員と日光教の悪魔祓いによるガサ入れが行われ、トップを失って狼狽えている闇のオークションは大騒ぎになっていた。エルドもそれに参加し、今はデスクワーカーながら昔取った杵柄ということで現場指揮を行っている。
一応の脅威が去ったことでアダムも今は学校に戻っているが何かあったらすぐに連絡するようにとルナは再三言い含められた。
「泊まりになるかもしれないからお母さんに伝えておいて頂戴」
「突然すぎて困るんですが」
唐突に現れたルルイエに連れ出されて話している場所はエトナ―が塒にしている古い教会。おそらくここに魔術的なアンテナでも立てているのだろう。拉致同然に道端で捕まって連れてこられたのである。
「貴女の体の事だから多少無茶でも通さないといけないの。なんなら私からも説明しておこうか?」
「うーんと、その方がいいかもです」
当然ながらルナの誘拐騒ぎから両親は相当に心配しており、エルドとルルイエがルナを連れ帰ったから良かったものの彼女の母親の狼狽えっぷりはすさまじいものだった。
ルルイエも流石にそんな母親の説得をルナ一人に任せるのも気が引けたのかまだ学校がお休みの内に両親に相談することにした。
「とうちゃーく」
「魔法ってすごい」
教会から景色がにじむように家の前に変化した。相変わらずのでたらめな魔法にルナは最初こそ驚いていたが最近は慣れてきた。
「ごめんくださーい」
ルルイエは玄関を開けるとそのままずかずかと入っていく。遠慮とかないんだろうか。
「先生、あの、もうちょっと待ってもらって」
「そうしたいのはやまやまなんだけど時間が無いのよ。老人はせっかちでさ」
ルナはその言葉を聞いてきょとんとしたが、同時になんだか知らない誰かが怒っているような不思議な気持ちがした。そんなことはお構いなしにルルイエはリビングでまったりしていたルナの母、アリシアは突然来訪したルルイエに仰天した。
「こんにちわ!」
「ひゃー!こんにちわ!」
飛び上がってわたわたしつつも挨拶を返す律儀なアリシアにルルイエはにっこり。ルナが遅れて入ってくるとアリシアはとても困った様子でルナを見ている。
「ごめんねお母さん、突然だから私もちょっとワケがわからなくて・・・」
「そうだったの、えっと、とりあえずお茶でも出しましょうか」
ルルイエは親子がそろっておたおたしているのを眺めながら笑みを深めている。ルルイエにとってはルナそっくりの可愛らしい奥様がそろって同じような動きをしているのがおもしろいのだろう。いじりがいがあるとでも思っているのだろうか。
「実は明日にルナちゃんに魔法使いとしての集会に参加してもらおうと思っているんです」
「まあ、それはまた急に・・・でもどうして・・・?」
ルルイエは魔法使いの集会、と言ったがもちろん嘘である。集会というのはまあ外れてはいないだろうが実際集まるのは魔法使いどころか聖職者すら恐れる大悪魔の集う儀式の会場である。
「前回の騒動から私達の方でもルナちゃんの面通しをして彼女に何かあった時に保護してもらおうという運びになりましてね」
「そうだったんですか、確かにとても大切なことだとは思いますが・・・」
アリシアは娘の事と話を聞いていたがそれでもいくつか腑に落ちないことがあった。
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ルルイエはそう言うと魔法使いについての説明を始めた。
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